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天使と歌う 表紙

天使と歌う

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刊行日 2025/07/15 | 掲載終了日 未設定

ハッシュタグ:#天使と歌う #NetGalleyJP


内容紹介

第16回角川春樹小説賞を、北方謙三、今野敏、今村翔吾、角川春樹の選考員満場一致の大激賞で受賞した愛野史香。

受賞作の『あの日の風を描く』が「読売新聞」「日経新聞」「西日本新聞」「佐賀新聞」「サガテレビ」や文芸誌など、様々なメデイアで取り上げられ忽ち重版した、期待の大型新人の受賞後第一作

心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生!


 雨宮大夢(ひろむ)は、八王子市の高校三年生。インターハイ予選で破れ、バレーボール部を引退した後、介護福祉士になる進路を考えていた。

近所に住むクロアチア出身の元世界的なチェリスト、ルカ・デリッチ先生を支えるためだ。多発性硬化症で身体が不自由なデリッチは、妻の故国日本に隠棲しており、大夢は小学生の頃からデリッチの『無伴奏チェロ組曲』に憧れてチェロを習っていた。

そんなある日、クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという話が届く。デリッチは審査員長を引き受ける代わりに、コンクールである条件を撤廃させる。今まで陽の目を見なかった才能をカムバックさせるため。そして大夢は、己の道を考え直すためにコンクールに参加することに。

異例の音楽コンクールに訳ありの〝敗北者〟たちが集い、それぞれの想いを懸けて熾烈な戦いを繰り広げるスリリングかつ心の琴線に触れる、感動的な音楽小説。


第16回角川春樹小説賞を、北方謙三、今野敏、今村翔吾、角川春樹の選考員満場一致の大激賞で受賞した愛野史香。

受賞作の『あの日の風を描く』が「読売新聞」「日経新聞」「西日本新聞」「佐賀新聞」「サガテレビ」や文芸誌など、様々なメデイアで取り上げられ忽ち重版した、期待の大型新人の受賞後第一作

心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生!


 雨宮大夢(ひろむ)は、八王子市の高校三年生。インターハ...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784758414876
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

音楽が聴こえてくる小説が大好きです。初読みの作家さんですが、大当たりでした!始めはスポ根ものか?と、ちょっと間違ったかななんて思いながら読んでいたのに、どんどん夢中になっていました。いつもは二三冊を並行して読むのですが、これは一冊集中して読みました。ちょっとラッキーすぎる流れも、主人公の音楽に対する真摯さへのご褒美だと思えるいい話でした。曲の背景や解釈など、お勉強させられている感なく頭に入ってきましたし、演奏曲を聴きながら読むと格別でした。次の作品が今から楽しみです。

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初めてN響の演奏会に行ったとき
初音の”ラ”を聞いただけで鳥肌がとまらなかった
わたしは音のなかに溶けてしまうのではないかと思った

その一期一会が生涯を左右するなんて微塵も思わず 人は日々を繰り返す
だがしかし
大きく変わるとき それはいつも突然だ
両親の離婚 チェロと師との出会い 同士との遭遇 まさかの結果

第1章が示す思わせぶりなこれからを示唆するちょいだし構成が後半の奏の序奏だった
チェロという楽器に魅せられて 天賦の才能に導かれて 唯一無二の特別であろうとする
世界規模のコンクールにおいて最後の喝采をうける者は ただ一人だというのに

~きっと誰にだって挫折のときは訪れる。その時に寄り添ってくれるのがラフマニノフだ~
言葉に言霊があるのなら 音楽に宿る魂をなんというのだろう 
1冊の本からはじまる新しい世界への扉 その深淵に軽い酔いすら覚える

大業なことを日常のなかのひとこまとして描く その技が好きでした

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挫折したチェロ奏者に光を当てようと創設されたクロアチアでのルカ・デリッチ国際コンクール。それに挑む大夢らとそれで遺恨を晴らそうとする弦。
これは、音楽に身を捧げた者たちの心の内と、そこから響いてくる音色を描き切った「作品」。

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音楽の世界は、理系の学生時代に混声合唱団やグリークラブで経験したことはあった。でもそれは趣味の世界。この本で展開されていく、音楽のプロの世界は自分が全く触れたことのない、厳しさの極限といってもいいものだった。でも、人間性をはぎ取っていくような厳しさではない。自分の意思と憧れを持ち、夢に向かう生き方を持ち、でも辛さに挫けそうにもなる。大夢やデリッチはもちろん、弦も歌恋も歌音も。だからこそ、その様を夢中で読み入った。

ただ、高校生までの大夢の世界は狭かった。デリッチのコピーを目指していたから。だから、彼は去ったのだろう。期待して、祈って、夢見て。更に、「やり残したもの」を背負い続ける人々のために。

ルカ・デリッチ国際コンクールに挑む中、大夢は自分や親と、そしてデリッチとの関係と深く向き合っていく。

各コンテスタントの、それぞれの曲への解釈と演奏。それにこれほどの〈幅〉と〈自ら抱える物語〉ありえるとは。それが演奏に現れ、それにより更に会話も深まっていく。

音楽とは人生。でもそれは暗く苦しみがひたすら続く人生の場合もある。弦のように。ある意味その弦の為のコンクールであるのに、それに優勝することでコンクールで遺恨を晴らそうとは。

しかし、引くべきチェロを失った大夢に、演奏家とはなんたる者かを憑かれたように話す弦。彼もまた、本当はそこまで音楽を愛していたのだ。だからこその、ファイナルでの弦のあの演奏。

そして、ファイナルもまた大夢が最終演奏者。ただ、デリッチのチェロではなく。でも、「私以外を知りなさい」の言葉、それが読んでいる私の胸の真ん中を大夢以上に打った。だが思わぬハプニング。

でも、読んでいるはずなのに聞こえた。大夢の演奏が。オーケストラをバックにではなく、オーケストラの中心となっての大夢のチェロの音が。そして、彼を照らす、大夢以外には見えない天使とその光も。天使と歌う大夢が。

そして、大夢と弦、性格は真逆だが心の底の思いは同じ兄弟弟子が前に歩み出す。その先を見てみたい。それぞれの歩みを追っていきたい。心からそう思った。

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前作で美術を鮮やかに描き上げた著者が
今度は音楽を舞台に奏で尽くします。

主人公は家の事情で音楽の道を
断念しかけているチェロ奏者の少年。

日本で隠遁する世界的巨匠に師事し、
ひそやかに腕を上げてきた彼が
人生のターニングポイントに立ち、
驚きの経験を重ねていきます。

葛藤のあまり内向きになっている
キャラが多めだったせいか
例の姉妹の陽気に救われた気がします。

そんな彼女たちの歩みも
一筋縄ではありませんでしたね。

こういった人物描写の奥深さに
際立った魅力を感じましたよ。

絵にかいたような憎まれ役が見せる
ギャップも刺さりすぎ!

もう、途中まで大っ嫌いだったのに。

そして、終盤の主人公の熱量には、
ものの見事に持って行かれましたよ。

経験を糧にして
未来を切り拓いてゆくさまには
思わずため息がもれました。

ふぅ、よかった~、と。

忘れられたり、遅れて来た才能に光を
という理念には120%共感ですね。

これは著者の心からの
願望でもあるように感じましたよ。

音楽が呼び覚ます感動。
繋がり広がってゆく世界。

この作品とともに
時間を忘れて味わってみませんか?

(対象年齢は13歳以上かな?)

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本が奏でている。音楽が聞こえてくるような物語でした。
誠実な物語だなと思いました。真摯に音楽に向き合う大夢の姿に熱くなります。孤独だった少年が音楽を通じて成長していく姿に頑張れと応援せずにはいられませんでした。高祖さんのキャラ好きです。

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チェロの温かな音が聞こえてくるような、素敵な表現が多くて最後には涙してしまいました。
先生との繋がりのためにチェロをやっていた大夢が、先生とは関係なしにチェロを演奏したいと思うまでの成長の道のりが、眩しく輝いていました。
弦やカレカノも癖はあるものの根が優しく、音楽を愛しているのがとても伝わってきました。
音楽というのは世界を繋いでいて、作曲家の人生とも繋がれる。
大夢の想像する曲への理解がわかりやすく、読んでいて口角が上がりました。
作中で出てくる音楽を聴きながら読み直したくなるような、とても素敵な作品でした。

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天使と歌う、読み終えて、タイトルに納得させられました。
音楽に詳しかったらもっとたのしめるのだろうと思いつつ、
音楽に詳しくなくても十分にたのしめる物語でした。

読み始めは、あれ、私が読もうとしていたのって音楽ものでは…?
とちょっと戸惑いつつ、話が進むにつれ、バレーボールの挿話も活かされていて、
いろんな人とのいろんなやり取りが盛り込まれつつも、
きちんとどれも拾われてまとめられて一つの音楽になっている感じ。

音楽ものの小説はほかにもいろいろステキなものがありますが、
この作品も音が響いてきそうな読書体験ができる1冊でした。

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素晴らしい音楽小説の新作。病気で引退した名チェリストにひっそり指導を受けていた少年が、趣味で終わらせるつもりだったチェロを、人生にする決断と挑戦の物語。タイトルの「天使と歌う」はちゃんと最後に回収されるけど、大夢にとっての『天使』は一つじゃないはず。途中、ヒロアカにもあった「みんなが僕のヒーローだ」は「僕の天使だ」にもなるはず。のだめで千秋が言った「天使は俺か」を思い出した。とても鮮やかな終わり方も素晴らしかった。

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高校バレーを引退した大夢は受験対策で塾に向かう友人と別れ、古びた日本家屋へ向かう。そこに住んでいるのは、大夢にとって拠り所である・・・・
チェロを通して、一人の青年の世界が広がり成長していく姿が描かれる。優雅且つ重厚な音色に込められているのは、さまざまな不安や緊張、葛藤または多々の思い出と千々にあり、情感豊かだ。さらにはその先には確かにある未来、豊かに広がっていく未来を予感させるところに心温まる。
一つのコンクールを通して、自身、周囲を見つめなおし、新たな世界への確かな一歩を踏み出すまでを描いた成長譚。

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音楽小説にありがちな細かすぎる表現もなく、大変読みやすく楽しかったです。要因としては、音楽を題材としつつも本質は人間の物語だからだと思います。主人公が先生と出会い、突然の別れからまた会うために成長する様が心地よかったです。

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大夢くんのチェロの音色が、登場人物たちが奏でる音が、ページ越しに伝わってきて鳥肌がたちます。音楽の力強さを感じました!
互いの弱さを見せ合いながら深まる師弟の信頼関係は、つい忘れがちになる人に寄り添う気持ちや感謝の思いを、もう一度大切にしたいと気づかせてくれます。
自分や他人を信じて挑む人間の強さと美しさが熱く描かれていて、夢中でみんなを応援していました。
自分自身の再生や、夢の再定義を師や仲間と共に体現していく、共鳴と共闘の物語に心を打たれました。

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主人公の大夢は家庭の事情で悩みながらも、周囲のあたたかい人たちに支えられ、戸惑い苦しみつつも前に進んでいく…。
作品から「音」が聞こえてきます。
後半のコンクールの場面では、演奏会場に共にいるような感覚で鳥肌がたちました!
満足感と笑顔になれる、幸せな気持ちの読了。
最高です。
続編希望です!

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