
誓いの簪
天羽恵
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刊行日 2025/06/27 | 掲載終了日 2025/07/09
ハッシュタグ:#誓いの簪 #NetGalleyJP
内容紹介
「お園さんがおっかさんで、佐伯様がおとっつぁんだったら、どんなによかっただろう」
命を狙われ、西国から遠く江戸まで逃れてきた少女おりんは、錺職人を目指しているお園の住む長屋で暮らし始める。
根っからの世話焼きで、おりんのことを家族のように大切にしてくれるお園。
束の間の幸せに浸るおりんだが、何者かがお園に矢を放ったことでその暮らしは一変してしまう。
もう二度と、自分のせいで人が死ぬところを見たくない。
今度こそ大切な人を守ると心に決めたおりんは、長屋の隣人である武士の佐伯とともにお園を守り始める。
西国から追っ手が迫っていることも知らずに――。
おすすめコメント
【今野敏氏、馳星周氏大絶賛で第6回大藪春彦新人賞を受賞】
「もゆる椿」でデビューした天羽恵、渾身の最新作!!
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784198660109 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 312 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー

やさしさの中に張りつめた緊張感が走る、心を揺さぶる時代物語に静かな感動がじんわりと広がります。
こんなにも人を信じ、懸命に人を守ろうとするおりんちゃんに、人間のまっすぐな強さを感じました。
人との心の繋がりや絆を大切にし、きちんと育んでいきたいと思いました。

いやそういう展開!?と饅頭のくだりで目を剥きました。おりんちゃん……言葉になりません。優しく温かい人達の為に懸命に生きる、命を燃やす彼女の姿に正に似合う簪なのだな、と凛と美しい表紙を何度も見返しながら読みました。この鮮やかに強く生きる命の美しさを読むことができて本当に良かったです。

命を狙われ逃げる天涯孤独の少女が、長屋の隣人とかりそめの家族のような時を過ごすも、その幸せはすぐに壊されてしまう。定めとは何か、命よりも大切なものとは何か。少女がすべてを賭してでも守りたかった「夢物語」が描かれた直向きな時代小説。
14歳、26歳、30歳と主要キャラの絶妙な年齢設定に説得力があって良かった。今の時代からは考えられない状況と成熟さだが、やはりそれぞれの年の差がそこかしこに表れていて非常に面白かった。
不遇な運命のおりんと、家族はいるが充たされているとは言い難い二人と、力のある者たちと、一概に比べて何かをはかる事は出来ない。それぞれが与えられた場所で、生を全うする。その事の大切さが犇々と伝わってきて、グサリと突き刺さった。
ラストはきっとこうだろうな、と想像をしていた斜め上をいかれ、最後の1ページまで記憶に刻まれる作品だった。

ある事情によって西から逃げてきたおりん。敵から身を隠しながらも、今まで生きたきた中で味わったことのない穏やかで幸せな日々を過ごしていた。
ある日、自分を慈しんでくれるお園に危険が迫っていることを知ってしまう。どうやら自分の抱えている事情と切っても切れないようで、大切な存在を失いたくないおりんは守りぬくために命を懸ける覚悟をする…。
なにをもって“幸せ”とするかは人それぞれだろうけど、おりんの望む幸せがとてもささやかで、ありきたりな平凡さだからこそ、彼女の背負っている運命が切なくて、着地点であるラストでの願いの叶い方にやるせなさもまざり、憎しみの連鎖を断ち切れたことに安堵するおりんの姿に、人はこんなにも優しく強くなれるのか…と胸が熱くなりました。