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エステルの手紙教室 表紙

エステルの手紙教室

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刊行日 2025/05/19 | 掲載終了日 2025/06/12

ハッシュタグ:#エステルの手紙教室 #NetGalleyJP


内容紹介

// フランス発、言葉の力を賛美した一冊!//
"Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien"(癒やしの小説賞)を受賞!

*担当編集者よりメッセージ*
時や場所を問わないコミュニケーションが発達した今だからこそ、手紙を通して出会う言葉に価値があると教えてくれました。
手紙は時間も空間も、飛び越えることができます。読み直して、書き直して、ようやく出会える言葉が自分と相手を救うのだと。
この手紙教室は、言葉による救いを求めている人の背中を押してくれます。
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*あらすじ*

《みなさんの感情や意見には一切口出ししません。手紙の書き方、つまり文章の書き方を教えるのがわたしの役割です》
北フランスのリールで書店を営むエステルは、亡くなった父を偲んで手紙教室を開くことにした。
参加者を募る新聞広告を出すと、5人から応募があった。孤独な老婦人、重度の産後うつに苦しむ夫婦、仕事にやりがいを見いだせないビジネスマン、そして進路に悩む青年。性別も年齢も異なる参加者とエステルは、手紙のやりとりを通して新しい言葉との出会いに飛び込んでゆく。

【冒頭部分の試し読みができます!】
https://tree-novel.com/works/episode/f36898b047de42adf4044172caa86771.html
⇒関連リンクからご確認ください(外部サイト)


*全国の書店員さんからたくさんのエールをいただきました!*(一部ご紹介)
・読み終えた後、温かな真心が込められた手紙がもたらす、幸福の光に包まれました。/未来屋書店水戸内原店 關在我さん
・手紙って良いなと改めて思った。手紙が書きたくなる。手紙教室のみんなも好きだなぁ。/未来屋書店土浦店 岡部崇さん
・電車のなかでしたが涙をとめられませんでした。こういう小説を待っていました。/中村書店本店 田野向葵さん
・「自分を一歩前へ、相手も一歩前へ」とても素敵な作品だと思います。/本の王国知多イトーヨーカドー店 莨谷俊幸さん
・(手紙は)人間の営みの中では決して無くなって欲しくないと強く感じさせられた。/蔦屋書店熊本三年坂店 迫彩子さん
・ひとりひとりが文通を通して自分のこころに向き合っている姿が印象的でした。/紀伊國屋書店札幌本店 関咲蘭さん
・自分の抱えるものとの向き合い方を問われる逃げを許さない強さのある作品でした。/未来屋書店レイクタウン店 店逸見夏来さん
・自分の字で自分のありのままの気持ちを紙に乗せる「手紙」という文化の美しさにもう一度気づいてほしいです。/未来屋書店大日店 石坂華月さん
・本当の意味での交流は手紙を通してだからこそ出来るのかもしれない。/未来屋書店板橋店 蕪木文哉さん
・遠くで私のことを思ってくれる人がいるという素敵なことを手紙は教えてくれるのかもしれません。 /未来屋書店東員店 小山遥加さん
・最後の手紙はこの小説を締めくくるには最適な手紙で、日本に住んでいるからこそ心動かされる力を味わいました。/水嶋書房くずはモール店 和田章子さん
・文字だからこそ伝えられることもあるのだと思いました。優しい気持ちが静かに心を満たしていく読後感でした。/うさぎやTSUTAYA宇都宮東簗瀬店 猪俣さん
・誰かに素直な気持ちを聞いてもらい、自分も話しを聞くことが、私たちを癒してくれる大切な交流だと思い出させてくれました。日本がキーポイントになっているのも、日本に住む私たちには親しみが湧き嬉しいですね。/未来屋書店入間店 佐々木知香子さん
・相手を思って書いていたことが結果的に自分とも向き合うことになっていくものだと思った。/宮脇書店佐沼店 千葉遥さん
・奇跡のような感動的なラストを、日本の読者にぜひ読んでほしい。/くまざわ書店西新井店 塩里依子さん
・書くほどに思いが溢れて、でもどんどん素直になれて。相手に向かって書いているはずなのに、自分と向き合う時間でもあって。手紙を書くって良い事づくめなのかも。/蔦屋書店茂原店 松浦直美さん

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著者/セシル・ピヴォ(せしる・ぴゔぉ)
小説家、ジャーナリスト。『エステルの手紙教室』(原題:”Les Lettres d’Esther”)で「癒やしの小説賞」、「グラン・サン=エミリオネ文学賞」、および「ユニオン・アンテラリエ賞」を受賞。他の著作に”Battements de coeur””Mon acrobate”がある(いずれも未邦訳)。

訳/田中裕子(たなか・ゆうこ)
フランス語翻訳家。訳書に『ポストカード』『エッフェル塔~創造者の愛~』(ともに早川書房)、『シェフ』(東京創元社)、『悪なき殺人』(新潮社)、『ナポレオンじいちゃんとぼくと永遠のバラクーダ』『ウクライナの料理と歴史』(ともに小学館)、『魔法使いたちの料理帳』(原書房)、『怪盗紳士 アルセーヌ・ルパン 』(角川つばさ文庫、共訳)など多数。

// フランス発、言葉の力を賛美した一冊!//
"Le Prix Du Roman Qui Fait Du Bien"(癒やしの小説賞)を受賞!

*担当編集者よりメッセージ*
時や場所を問わないコミュニケーションが発達した今だからこそ、手紙を通して出会う言葉に価値があると教えてくれました。
手紙は時間も空間も、飛び越えることができます。読み直して、書き直して、ようやく出会える言葉が自分と相手を救うのだと。
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出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
 空白ページは削除して公開しております。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。

○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
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★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だっ...


おすすめコメント

*目次*
エステル
募集広告
あなたは自分の中の何と闘っているか
始まり
不在者たち
罪悪感
動物
会話
待つ
展望
旅立ち
対面
風の電話ボックス
・訳者あとがき

*目次*
エステル
募集広告
あなたは自分の中の何と闘っているか
始まり
不在者たち
罪悪感
動物
会話
待つ
展望
旅立ち
対面
風の電話ボックス
・訳者あとがき


販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。

★★



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※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはお控えくださいませ※

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★★★
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恐れ入りま...


出版情報

ISBN 9784065384862
本体価格 ¥2,200 (JPY)
ページ数 288

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

手紙という形をとっていますけど、実は自分自身との会話です。

 産後うつになってしまった女性の心の叫び、今まで誰にも言えなかった深い傷を吐き出すこと、そのために手紙はとても大きな役割を果たしました。それを見つめる夫と夫の母、彼女の両親の苦悩も、つらいけど心惹かれました。

 孤独な老婦人が作っていた「諦めてしまったものリスト」にハッとしました。体力的に無理だと諦めたこと、気力が持たないと諦めたこと、その数々は、本当に不可能なことだったのかしら? 

 進路に悩む青年が、若くして亡くなった兄の本棚で見つけた「風の電話ボックス」の話に心惹かれた部分では、涙が溢れてきました。

 多忙なビジネスマンが忙しさを言訳にして、これまで無視し続けてきた自分の人生。それでいいのか?

 主催者のエステルも気がつかないうちに重荷を背負っていたのですね。6人の手紙のやり取りの中に、こんなにも本音で語り合うことができるなんて羨ましいと思いながら読んでいました。

 そして、こう思ったのです。

 わたしの人生は誰のためのものなのか? わたし自身のためのものだ!

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書店を営むエステルが始めたのは、手紙教室だった。
新聞に参加者を募る広告を出したところ、5人の応募があった。
性別も年代も異なる参加者たちだが、喪失感や心に悲しみを抱えているという共通点があある。
彼らは手紙を書くことで交流し、相手の境遇を知り、自分自身の心とも向き合っていく。

手紙は、メールやSNSのように思い立ったらすぐに送れるものではない。
まず便箋を用意し、ペンをとり、書いて、封筒に入れ、切手を貼って投函する。でも、その手間と時間が、むしろ良いのだ。
彼らが書くことや相手からの手紙を読みセラピーを受けていたように感じたのなら、私は読むことでセラピーを受けていたのかもしれない。

エステルが最初に出した「あなたは自分の中の何と闘っていますか?」という質問がある。
手紙の書き手たちが向き合っているものを知りながら、私は何と闘っているのだろうと心の中で問いかけていた。
私は病気、加齢、心の中に燻るような小さな怒りと日々闘っている。誰しも日々何かと闘っており、登場人物の気持ちに共感する人もいるだろう。

文章の上達を目的とした教室なのに、いつの間にか彼らは交流することで自分の心とも向き合っていく。
また、日本に関することが登場する場面もあり、
読んでいて自然と親近感が湧いた。

この作品をダウンロードしたその日、義母から手紙が届いた。
短い手紙と、素敵な手描きの絵が同封されていた。
切手も、私たち夫婦が喜びそうなものを選んでくれたのだと思うと、嬉しくてたまらない気持ちになった。
時間をかけて書かれ、時間をかけて届いたものだからこそ、改めて手紙の良さを実感した。やっぱり、手紙が好きだなと心から思った。

十数年前に、私は顔も知らない相手と文通をしていたことがある。
相手のことを知らなかったからこそ、書けた言葉があった。
時間をかけて言葉にし、投函し、返事を待つ。
そんなやり取りは、とても素敵な時間だった。
今でも送られてきた手紙は、大切にしまってある。
喪失感や辛さに覆われていた私の心は、その文通によって少しずつ変化した。手紙に支えられた経験があるからこそ、エステルの手紙教室でやりとりされる手紙に強く惹きつけられた。

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「癒しの小説賞」受賞?どこが?正直訝しむ自分がいた。
産後うつ、流されるように生きてきた、妻に逃げられたCEO、夫の急逝、母親失格です…
「手紙の書き方講座」に集った面々は、揃いもそろって救われなければいけない「何か」を抱えていた。
初対面で素性を知らない他人への手紙は、自分を語ることしかできなかった。
しかし、一通一通を重ねるごとに自分語りは自己概念を深堀りしはじめ
その視座はやがて、互いの関係性までをも変容させていく。

人生の凸凹のへこんだほうが多い人生だったかもしれない。
けれど、「自分」を取り戻すことができるとしたら…
私は、頁を重ねながら、その言葉を自分自身へ投函し続けていた。
 ~どうしてもっと深く考えなかったんだろう~
 ~自分の中の何と闘っているか?~

波間の光が眩しい三陸海岸
こんな「結び」を予期しなかった 演出の巧み 
添付画像も即時性もない書簡の往来にに対峙していたこの時間  
私は、異国でカンパーニュが焼ける匂いに包まれていた。
なんだ 私癒されてる。

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「癒しの小説賞」をフランスで受賞されたとのこと、そして可愛らしい想定に惹かれ気軽な気持ちで読み始めました。
他の方も書いてらっしゃいましたが、癒し……??こんなにそれぞれ何やら複雑なものを抱えているのに癒し?と内心思いながらも、それぞれの手紙のやり取りを読む手が止まらずもう一気に読みふけりました。そして徐々に近づき変化していくそれぞれ、手紙という形で結ばれていく未来への繋がり、そこから「うそ!?」と思わず口を押えてしまった終盤の展開と美しすぎるラスト。サミュエルー!!と内心で叫んでおりました。いや叫ぶでしょこんなん。癒しの小説も納得です。読み終えたあと心がものすごく落ち着いて、ひたすらに癒されているのを実感しました。こんどあの人に、あの子に手紙を書こうかな、とレターセットを買いたくなっています。

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途中まで、ノンフィクションの書簡集だと思って読んでいました。
それくらいリアルに感じる小説でした。

北フランスのリールの書店を経営しているエステルが開いた手紙教室。
そこに集まったのは年齢も性別も生活環境もバラバラな5人の生徒。
生徒たちは二人の相手を選び文通を行います。
その手紙の写しをエステルに送り、書き方の指導を受けるのですが…。

読み終わって、まず手紙というコミュニケーションの手段はよいな、と思いました。
伝えるために書くのだけれど、書くことで自分を掘り下げてかつ俯瞰してみることが出来ることがあるのだなと。
物語の中で手紙教室の5人の生徒はそれぞれ難しい問題を抱えているのですが、手紙を書くことによって解決というと言いすぎになるかとは思うのですが、良い方向に向かっていくのです。

全体的に手紙に綴られる内容はヘビーなものが多く、重たい読み心地なのですが、
その中にときどき楽しい日常が折り込まれたり、また登場人物の仕事を興味深く感じたりして、読んでいて楽しい部分も多い小説でした。

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本屋を営むエステルがはじめた手紙の書き方講座。
申し込んできたのはいずれも大切な人をうしなった人たち、いわば“救命浮き輪”としての存在としてしがみつく存在としての講座。

それぞれが抱える悩みは手紙というオールドメディアだからこそ語られる。
それでも前を向いて生きようとする彼らに心打たれること請け合いの一冊。

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人生で手紙を書いたことはあまりない。
それなのに、こちらを読むと誰かと文通したくなります。
癒しではない重い始まりでしたが、読みやすいため気分が重くならずに読めました。
海外の情景も浮かんでくるようでした。

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フランス文学に挑戦。田中裕子さんの翻訳がスッと入ってくるようでとても読みやすかった。海外文学を読むと日本人の控えめさがよくわかる。本作は私的な往復書簡を留めたようなもの。それぞれの主張が強く一方的な場面と論議の積み上げがじっくりされているものなどさらさらと流れる川のようにはいかないある意味でらしい手紙のやり取りを読ませてもらったような感じ。悩みを打ち明けることはそう簡単ではないけれど日本人に対してはもう少し肩の力を抜いて人と話してもいいんじゃないかと度々思う事があるからこそ本書は多くの人に触れてほしい

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あまりそそられないタイトルに、聞き覚えのない作者名(たぶん本邦初訳?)。でも、そこでためらわず手に取ってみれば、素晴らしい読書体験を得ることができる。
主人公であるエステルは北フランスで書店を経営している。亡くなった父と長い間手紙をやりとりしていた。父の死後、その死を乗り越えられず、自らの体験から「手紙の書き方講座」を開催する。
参加者は5人。老若男女、職業や居住地もバラバラだ。基本的には彼らの手紙のやりとりで進む書簡体小説だ。それぞれが人生に問題を抱えていて、読み進めるのがつらい。が、フランス流のユーモアとペーソスに満ちた彼らの生き生きとした、時に自虐的な文章に救われる。返信も気が利いていて、安易に「わかる」「つらかったね」といった言葉はかけない。それでも心情を汲んでくれているのが伝わってきた。
読み終わってから最初のページに戻り、もう一度「エステル」の章を読んだ。また、じんわりと込み上げてくるものがあった。

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手紙・・・手書きで誰かに伝えたいことを書くという機会がほとんど失われている今、あえて手紙。
この本を読むと、その「あえて手紙」を書きたくなってしまいます。

この本の登場人物たちの書簡のやりとりは、魅力的で正直で、そして自分とどこか似ています。
彼らの正直な気持ちを書き記すことで、彼ら自身が変わっていきます。
近い相手との手紙のやりとり。全く会ったことのない人とのやりとり。
その距離だからこそ伝えられること、伝わること、書けること。

それを感じながら読んでいる自分も気持ちの開放が起こります。
最後の手紙の章は、涙なくしては読めません。
感情の吐露をする場所が、「風の電話」。
自分もそこに行って、一緒に背中をさすって共に悲しみと向き合い昇華させているような
気分になるのはきっと、手紙のやりとりをとおして自分もいつしか参加していたからだと
思います。

不思議な形態の小説だなと読み始めましたが。心に残る一冊でした。

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今の時代だからこそあえての文通という手段。メールは速くて確実な便利ツールだが、届くまでに手間の掛かる手紙というものに人の心が反映されている。機械のようにサクサクと進んでいけないのが人間だ。表面上そう見えてもいつかきっと歪みが出てくる。手を掛け暇を掛けて心と向き合う。ゆっくりと丁寧に進んでいけば壊れにくくなる。自分自身も励まされ前向きな気分になった。

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手紙を書く機会がめっきり減った昨今に、敢えて手紙でのやりとりをする。
メールとはまた違う良さに改めて気付かせてくれました。
誰かが自分のために書いてくれた手書きの文字を読むのは嬉しいし、気持ちが伝わる気がします。
作中では読むこと、書くことが自分とも向き合うことにもなり、セラピーのようになっていて手紙の良さがとてもよく描かれていました。

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日本でこのテーマだったら、本屋大賞系のほんわか癒し系になるんだろうけど、フランスですから(偏見)。時にぶつかり、哲学的な引用もあり、けっこうシビアな部分もあり、面白く読めた。手紙は誰かに宛てて書くものでありながら、どうしても自分を見つめることになるんだな。便箋、封筒、筆記具、切手などを選ぶのも書くことと同じくらい大切な時もあるし。

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電話やメールではなく手紙でつながる。それは今となっては相手に重さを感じさせる行いかもしれないけど、言葉を記すことでしか伝えられないことがある。フランス北部リールで週6日も書店を営業しながら始めたエステルの手紙教室。参加した人たちは知らない同士であるけど、受け手側を気遣いながら今の思いを伝えていく。互いに少しずつ心の深くに沈んでいた悲しみや不満を掬い出す。他者への助言はできるのに自身の中の拘りは癒えていかない。誰にも人間関係の悩みがある。愛情や信頼、葛藤や喪失、別れと旅立ち。数か月の手紙の交換を記した一冊。

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新聞広告に父親を亡くした書店の店主エステルが、手紙教室を開くと募集して、集まった人が二人以上に手紙を書いて、必ずエステルにはコピーを送ること。指導は手紙または電話から選べること。最初に一堂に会し自己紹介をすると言う。そこから始まった手紙教室。5人の生徒たち。内、二人は産後うつになった妻と夫。あとは年齢も性別も様々。そんな手紙のやり取りを読んでいくことになる。手紙は書いてから切手を貼って送る。それを読んでまた返事を書く。今のSNSなんかに比べたら、悠長な時間が流れているのだ。書いてある内容に怒っても、直接そこで言い合いがされる訳ではない。相手の返事を見て、これを書くのはよそうかとしたり、質問されて思いがけない過去や自分自身の思いに気づいたり。皆、それぞれに、主催者のエステルのでさえも深い悩みを抱えている。それが徐々に、手紙を書くことによって少しずつ、それぞれに変化があって、幸せになったり、一歩前に進めたり。仲間のレストランに行く人もいて。手紙教室は終わっても、この仲間の縁は続いていくような。手紙ってなんて素敵なんだろう。もっともっと手紙を書かなくちゃと、そんな気持ちになる素敵な本。

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書店主のエステルが始めた『手紙の書き方講座』。エステル本人、ビジネスマン、若者、老女、夫婦の6人の文通が始まる。すっかり廃れてしまった『手紙』を書くなんてとても素敵だ。美しい便箋や封筒、葉書に綺麗な切手を貼って、ポストを覗く楽しみ…。ところが、手紙をやりとりする中で6人の抱えている問題が徐々に明らかになっていく。誰にも話せなかった気持ちが綴られた手紙。時には率直に、時には優しく寄り添い疲弊していた心が解けていく様子や、徐々に育まれていく友情に涙したり、応援したりしながら読んだ。

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手紙だから書けること、やっぱりあるよなぁと思わされる本。
文通、縁遠くなってしまったけれど、独特のよさがありますよね。
いまの子はそれを知らないのかと思うとちょっともったいない。
すぐに返事が返ってくることのよさももちろんあるけれど、
便箋を選び、ペンを選び、文字を綴って、時には書き直して、
切手も選んだりしてポストに投函して…という手間自体が贅沢。
手間暇をかけることの愛しさを、知っている人には思い出させてくれ、
知らない人には気付かせてくれる本じゃないかと思いました。

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