ほころぶしるし
川上佐都
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刊行日 2025/07/16 | 掲載終了日 2025/07/14
ハッシュタグ:#ほころぶしるし #NetGalleyJP
内容紹介
瑞々しい恋愛小説――から一転。
罪と傷に向き合う高校生たちの、過ちの先にある光の物語。
高校2年生の道田奈央は、バスツアー中に立ち寄ったパーキングエリアで、ねぎまきを頬張る少年に出逢う。
どこか哀しげな眼差しに惹かれる奈央だが、名前をきくことすらできずに別れてしまった。
その数日後、学校帰りの図書館で、少年と偶然再会を果たす。
彼は磐田陸と名乗り、ふたりは徐々に距離を縮めていく。
しかしある日、幼なじみで親友の千恵里に写真を見せると、
彼は小学校の時に千恵里と個人的にトラブルのあった「睦生」では、と告げられる。
奈央はそのトラブルはおろか、存在すら忘れていた自分に愕然とする。
陸が本当に睦生であるとすれば、偽名を名乗り奈央に近づいた彼の目的は――?
おすすめコメント
本作は、第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞しデビューされた、川上佐都さんの3作目になります。
1作目の『街に躍ねる』は、小学5年生の少年の目線から世間を描いた兄弟・家族小説、
2作目の『今日のかたすみ』は、暮らしの悲喜交々を繊細に描き出した連作短編集ですが、
いずれの作品の根底にも「暮らしの中で薄れていってしまう日々の些細な記憶や、喜怒哀楽」が、大切なテーマとして存在していたように思います。
本作の『ほころぶしるし』は、「その些細な記憶が。他者にとっては忘れられない過去だったら」という問題に切り込んだ、痛みを伴う青春小説であると感じました。
湿度や匂いまで感じられる美しく映像的な文章、思わず過去の自分を思い出して赤面してしまうような詳細でリアルな恋愛描写にひたすら心惹かれる前半から、
物語がある事情によって一転する中盤まで、ぜひお楽しみいただければとても嬉しいです。
先ほど痛みを伴うと表現しましたが、川上さんの作品は痛みに嘘をつかないと同時に、
過ちを糾弾するのではなく、どう省みれば良いのか、どう乗り越えていけば良いのかを真摯に伝える優しさがあると感じています(そこが個人的に大好きなところです)。
奈央、陸、千恵里が、それぞれの過去にどう向き合うのか。
最後にどこに向かっていくのかを、どうか見守っていただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784591186220 |
本体価格 | ¥1,700 (JPY) |