
ベトベト・メモリー
芦花公園
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刊行日 2025/07/14 | 掲載終了日 2025/07/14
ハッシュタグ:#ベトベトメモリー #NetGalleyJP
内容紹介
// ホラー・サスペンス界の新たな旗手、芦花公園の新刊!//
あの“父殺し”を犯したのは、君なのか僕なのか?
崖っぷちの絶望と嫉妬に囚われた、
愛と幻想のブラザーフッド!
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完璧美少年ケイと努力優等生シンの
トラウマ愛は 奈落に墜ちゆく。
「天国に行っても私とお母様を見守ってください」
今日も幻聴にうなされる――耳元で囁くのは17才のケイの声だ。
十代の頃の懐かしくて香しき、そして忌まわしき記憶が、うらぶれた高校教師・真一郎の意識を支配する。殺しの記憶から怪しい宗教、非合法治療まで、マージナルな想像力で繰り広げられる世にも不思議な脳内アドベンチャー。
奇才・芦花公園が鋳造する幻想とリアリティのアマルガム(合金)に、読者は金縛りにされるであろう。
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著者/芦花公園(ろか・こうえん)
東京都生まれ。2020年、カクヨムにて発表した中編「ほねがらみ―某所怪談レポートー」がTwitterで話題となり、書籍化決定。翌年、同作を改題した『ほねがらみ』でデビュー。著書には『極楽に至る忌門』『眼下は昏い京王線です』『宇宙の家』『みにくいふたり』などがある。ホラー・サスペンス界の旗手として注目を集めている。
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出版情報
ISBN | 9784065395202 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
ページ数 | 272 |
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これはまさしく「ベトベト・メモリー」だ…!
タイトルがあまりにも秀逸。そして厭です、このおはなし。
どこからが本当でどこからが夢でどこからが幻覚なんですか??
救いはあるのでしょうか、この物語には。
一気読み必至でしたが、結局どう解釈?納得?すればいいのかわからなくなります。最後の1行のせいで。
芦花公園らしい最悪の1冊。最低な読書体験をぜひあなたも!

タイトル通り、読了後は心にベトベトずっしりと絡みついてくる。夢中になってもう一度読んだ。各タイトルや各章の焦点を噛み締めながら二度目の読了。
主人公と親友に複数与えられたそれぞれの道、それらには愛や執着という言葉では言い表せない感情が溢れていた。妬み、嫉み、羨望、愛情、友情、慈しみ、庇護欲、束縛、依存、興味、人とはこんなにも多数の感情を一人の人間に向けられるものなのか。それだけ惹かれるものがあると知れた主人公はきっと恵まれているんだろうとも思う。環境や経験だけで判断することはもちろん出来ないが、私はその感情を一身に浴びて受け入れていく主人公が羨ましくて仕方がない。

読んでいて不安になるような浮遊感がある。しかし不気味なのに引き返せない。さすがホラーの名手。
過去に囚われた仄暗いブロマンスと思って読んでいたら、どんどん物語がとんでもない方向へ広がっていく。特に小説家となった同級生のパートは意外性に満ちていて、物語により広がりを感じることが出来た。
(個人的にはブラザーフッドというよりブロマンスだと感じたためそのように表記しましたが、認識違いでしたらすみません)

この作風の粘り気がクセになる。
芦花公園氏の作品は躙り寄るように恐怖感を煽るものが多い。その中でもスピード感を出したり、まったく読めないのが角川ホラー文庫から出ている作品だと見受けられる。本作はそんな質感を覆し、終始作品の名前通りベタつきがある。そのベタつきが怖さと直接は結びつくことは、気がついたら腕をなめくじが辿るような感覚に近いと思う。また新しいホラーを生み出す作品になりうる。

大好きな芦花公園さんの最新作!気になるタイトル、気になる作品世界、読めば読むほど先が気になりすぎて一気読みでした!高校教師の真一郎の、学生時代の淡い想い出と思いきや、同級生の美少年の渓は実は…。真一郎の現実なのか虚構なのか。ラスト最後の1行、え!?ちょっと待って!?読後のわたしの頭はこんがらがったまま。再び、みたび、最初から読んでみたくなります!

高校時代のシンは、知り合ったケイを守るため彼の父を殺してしまう。心にケイの声を宿したまま大人になったシンは、不整合なメモリーから成る迷宮の世界に堕ちていく。新興宗教や人格が崩れた人々の中で、シンが辿り着くのはどこなのか。
目が離せない幻想の小説。
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父の葬儀の謝辞から始まる物語。でもなんだこの内容は。不穏な気持ちを抱きながら読み始めた。
『キラキラ・メモリー』
優等生に見えるケイと家庭崩壊状態のシンが結びついたのは、運命だったのだろう。自滅願望と父権受容のアンビバレントに囚われたケイと、その父の素顔に目を覆いたくなった。それが、シンと結びつきこんな結果にとなるとは。
それによって解放されたシンがオープニングの彼であり、それが心の傷になったシンはこのような自己破滅的な大人になったのか。道が分かれた2人。
ならば、この章のタイトルはなぜキラキラなのか?わからずにただ読み進めるしかなかった。
『ドロドロ・メモリー』
シンの中にある声だけのケイと、現実のケイ。そのギャップ。あの経験を共有したケイが普通でいられるはずがない。だから、最後のケイの顔つきと微笑みが恐ろしかった。
決してあってはならない出会いをシンはしてしまった、そう思った。
『バラバラ・メモリー』
ケイ夫婦は見た目が不釣り合いでも、中身はそうでなかった。ケイの口調と価値観があの父に似ているだけでなく、菜穂子の価値観もまた。まさに人は人を呼ぶ。ぞっとした。
そして、突然の救世光真実の話が、シンの祖母やケイの妻、更にこの章の冒頭の文と連鎖してくるとは。バラバラのシーンが繋がり、シンはもう包囲されていたことに、やっと気づいた。
『ドクドク・メモリー』
前から何回も声のケイが言ってきた「供養」とは?シンが巻き込まれた〝葬列〟がそれなのか?誰の葬儀なのか?
そして「光る赤子」と「新親」に歓声が上がる。でも、本当の「光る赤子」は違った。シンはそれを否定する。そう、否定しなくてはいけない。シンはシンなのだから。心が毒に侵されてはいけない。
『バチバチ・メモリー』
高校時代のシンの再話。「不滅というのは、記憶。記憶は消えない」。でも、『キラキラ・メモリー』での記憶と『バチバチ・メモリー』での記憶は異なる。二つの記憶がはぜる。現実はどちら?読み手にもわからない。
『ベトベト・メモリー』
八尾がエミリのいいようにされていく。そして彼女が示した、次作の主人公の名前に絶句した。そのエミリの素性があの病院とリンクした時、シンとケイの記憶だけでなく、全ての記憶=世界が不確かになってしまった。
でも、最後の一言、ケイの一言で世界は〝固着〟された。一冊かけて準備された、無敵のパワードであるその言葉で。不整合なメモリーによって、同様に一冊かけて創られた迷宮は固定された。
それを目の当たりにして、唖然として読み終えるしかなかった。

なんとも形容し難い気持ち悪さが読んでる間終始付き纏う1冊でした。現実なのか妄想なのか創作なのか。考えても私には全然わからない。ケイとシンは幸せになる世界だといいな。とりあえずチャコに手を出した理事長だけは許せません。

読者をモヤモヤさせるのを目的に書かれたのであれば大成功の作品。
入りから最後まで「これは・・・・現実?幻想?」
これだけ「供養」とう言葉が多く使われる小説はあったろうか、というぐらい。
父親殺し、新興宗教、トラウマというワードたち。
どういう話、と説明できない、芦花公園さんならではの作品。
最後の一言でまた「うわぁ」となった。