ほんとうのじぶん
ルカ・トルトリーニ
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刊行日 2025/08/01 | 掲載終了日 未設定
ハッシュタグ:#ほんとうのじぶん #NetGalleyJP
内容紹介
―伊アンデルセン賞最優秀作家&最優秀画家のコンビが贈る、繊細なイラストが美しいイタリア絵本
ぼくは大スター。全てを手に入れた幸せ者だと思われてる。でも本当はそうじゃないんだ…
ぼくは、海のそばの、とても大きな家に住んでいる。
「夢みたいな暮らしをしている」って、思われてる。「あなたのようになりたい」って、言われる。そう、ぼくは大スター。みんなの憧れのまとなんだ。
だけど、自分の時間はぜんぜんない。好きなものが食べられない。どこへ行くにも必ずだれかがついてくる。
ぼくの本当の望みは、裸で自由に歩きまわること。でも、それはゆるされない……
◆世界的な名作映画『キング・コング』に出演して、突然人気者になったゴリラの気持ち
周りの人たちに持ち上げられ、翻弄される主人公。その姿は、富や名声といったわかりやすい評価に振り回されやすい現代の私たちの姿とも重なります。他者からの見え方が、本当のあなたを表しているとはかぎりません。なにもかもいったん手放して、自分が本当にやりたいこと、本当の幸せについて考えてみませんか。
◆ゴリラ研究の第一人者で京都大学第26代総長、総合地球環境学研究所所長山極壽一様にご推薦いただきました◆
「アフリカでゴリラになってみた僕には、キングコングを演じたゴリラの気持ちがよくわかる」
出版社からの備考・コメント
2024年イタリアアンデルセン賞最優秀作家賞(個人の活動を表彰するもの)
2017年ヤヌシュ・コルチャック賞
2016年ボローニャ国際児童図書展オペラ・プリマ賞最優秀デビュー本賞(特別賞)
イラストレーター:マルコ・ソマ
・2019年イタリアアンデルセン賞最優秀画家賞(個人の活動を表彰するもの)
・シャルジャ国際絵本原画展2位
・ボローニャ国際児童図書展に4度入賞
おすすめコメント
献辞からわかるように『キング・コング』へのオマージュなのですが、本文中には一度もその名前が出てきません。主人公はあくまでも「ぼく」という個人なのだと感じさせます。そのかわりイラストのあちこちに、映画とのつながりを思わせる細かな書き込みがありますので探してみてください。キング・コングの文字もあります。
献辞からわかるように『キング・コング』へのオマージュなのですが、本文中には一度もその名前が出てきません。主人公はあくまでも「ぼく」という個人なのだと感じさせます。そのかわりイラストのあちこちに、映画とのつながりを思わせる細かな書き込みがありますので探してみてください。キング・コングの文字もあります。
販促プラン
1、名作映画『キング・コング』へのオマージュとなっており、イラストの細部にまで映画のエッセンスが書き込まれていて楽しめる
2、自分にとって本当に価値のあることってなんだろう? メディアやSNSに踊らされている私たちの生き方を見直すきっかけに
3、「本当のじぶん」と「他人からの見え方」には大きな違いがあるかもしれない、ということを子どもと考えるきっかけに
1、名作映画『キング・コング』へのオマージュとなっており、イラストの細部にまで映画のエッセンスが書き込まれていて楽しめる
2、自分にとって本当に価値のあることってなんだろう? メディアやSNSに踊らされている私たちの生き方を見直すきっかけに
3、「本当のじぶん」と「他人からの見え方」には大きな違いがあるかもしれない、ということを子どもと考えるきっかけに
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784911344057 |
本体価格 | ¥2,200 (JPY) |
ページ数 | 32 |
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NetGalley会員レビュー

キングコングの孤独。持ち上げられて、演ってはみたものの、作られたイメージ先行で自分の世界も空気もない。スターは商品で、日々消費される存在だと気づいたぼくは賢明だと思う。
全てを捨てて、素に戻る勇気がすばらしい。ぼくの憂い顔が本当にお気の毒だった。
故郷はきっと温かく迎えてくれたはず。のびのび息ができて、したいように日を過ごす幸せに勝るものはないから。

人気映画の主演をした、ゴリラの〝ぼく〟。みんなに注目されて、沢山の仕事を持ち込まれて、今日も期待に応えていく。でも気付いたんだね。それは本当の〝ぼく〟じゃない、と。
「ぼくは、ぼく」であるため、彼はどうしたのだろう。
昔の映画を思い出させるようなセピア基調の緻密な絵。それだけで、気持ちが落ち着く。
そこに描かれた、落ち着いた雰囲気で新聞を読むゴリラ。でも、その〝ぼく〟の一人語りに「え?」となってしまった。
何をするにも気を使っている。服装、ちょっとしたポーズ。求められたように、期待されたように。自分が自分自身ではないように気をつけて、みんなのために。
そうか。〝ぼく〟は普通のゴリラより頭が良くて、周りの期待がわかってしまうんだよだね。して、自分の気持ちよりそれを優先させてしまう、その優しさ。寂しい優しさ。
でも、それは本当の優しさじゃない。本当の自分自身じゃない。だって、人気ものになっても、その寂しさは消えることはなかったのだろう。
だから
「ぼくは、ぼく」
そう。まずは自分自身に優しくする。本当の自分を大切にする。〝ぼく〟はそれに気付けたんだ。よかったね。だから、服も何もかも置いていく。
でも、この絵の中に見つけてしまったよ。ジャンクルに戻って自分らしさを満喫している〝ぼく〟。その友だちが手にしているものを。それだけは捨てなかったのか。
でも、それでいいんだよね。あの時の〝ぼく〟だって、ちゃんと〝ぼく〟だったのだから。全てを否定してしまうべきじゃないものね。昔の〝ぼく〟がたくさん繋がって、今の〝ぼく〟があるのだから。それを断ち切ってしまったら、今の〝ぼく〟であることの喜びが半減してしまうかもしれないからね。
〝ぼく〟は今だけの〝ぼく〟じゃない。今までの〝ぼく〟があるから、今の本当の〝ぼく〟がある。それを忘れていなかったのか。そい、その積み重ねが、「ぼくは、ぼく」の思いをしっかりさせていくのだね。

キングコングオマージュの絵本。
国じゅうの人気者になるのは本当に幸せかどうか、キングコングの主役となったゴリラを主人公に描く。
現代にも同じシチュエーションの人はきっといて、そのために鬱屈し不幸になってしまうこともあるから、
ぜひこの本を手に取って自由になってほしいな、と思わされました。
そんな簡単な話ではないのはわかっているけれど。
そんな大人の絵本です。

読んだ子どもたちには、大スターも大変なんだな、と感じて終わりではなく、本来の自分、ありのままの自分になる勇気も感じとって欲しい
絵の色合いからも孤独を感じとれる
自分を大切にできる本
高学年にも読み聞かせてみたい

ハリウッド。
華やかなようで孤独な世界。
まずいものもおいしいと言っているうちに、何が本当なのかわからなくなってしまう。
外側がどんなに煌びやかでも、自分の中身はどんどんしぼんでいく。
”ぼく”が本当の自分を取り戻せたことにほっとする。
”ほく”のように、すべてを投げ出す勇気はないけれど、
ひさしぶりに遠い故郷に帰りたくなった。
”ほんとうのじぶんがいちばんたいせつ”
シンプルだけれど、大切な言葉。

ストーリーは、良くも悪くも王道という感じで、予想外の展開という物はなかった。
ゴリラが映画スターというところは、予想外ではあったけれど。
この絵本を際立た絵せているのは、ストーリーよりも、イラストだろうと思う。
少しセピアっぽい色合いがとてもよかった。

とにかく絵が綺麗。ぼくの気持ちが絵にも込められているようだ。だからこそ不自由な暮らしが物悲しい。憧れの存在はみんなの注目の的。それはつまり常に監視されていることになる。どんな仕事でもおそらく外から見ているのと実際とは違うんだろう。軽い気持ちで始めたことを後悔するのは誰しも経験があるはず。自分らしく生きられないと思ったらさっさと見切りをつけてしまうのがいいのかもしれない。

大スターではなくても、なんかちがうかも、こんなはずではなかったと思いながらも流されるままに日々を送っている人は多いと思う。
キャラや立場など考えずに、何も気にせずに、ありのままの自分で生きていられたのは、やはり、こどもの頃。両親の元でいたときだ。
帰りたい心のふるさとはそれぞれにあるだろうけど、帰りたいと思ったときにいつでも帰っていいと背中を押してくれる1冊だと思う。
疲れたら、ほんとうのじぶんに会いに帰ろう。