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夜行堂奇譚 漆 表紙

夜行堂奇譚 漆

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夜行堂奇譚 第1巻

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刊行日 2025/10/16 | 掲載終了日 2025/10/22


ハッシュタグ:#夜行堂奇譚漆 #NetGalleyJP


内容紹介

【あらすじ】
私は、恐ろしい悪魔を召び出してしまいました。
私は、己の愉悦の為に人を狂わせてしまいました。

大野木に取り憑く穢れた生き人形、生贄を求める蛇神、亡者が徘徊する木山邸跡地、鏡に映りこむ異形の家族…
隻腕の見鬼・千早とビビりの堅物公務員・大野木が怨嗟に塗れた怪異に相対するバディホラー第7弾!

装画:げみ

【著者プロフィール】
熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。 2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆中。妻と娘2人と暮らす専業作家。著作に『夜行堂奇譚』シリーズ、『天神さまの花いちもんめ』『穂束栞は夜を視る』『カナエトメイ』『木山千景ノ怪顧録』(産業編集センター)、『四ツ山鬼談』『文豪は鬼子と綴る』『霧の出る森』(竹書房)、『イヴたちの楽園 藤紫乃女学園の怪異譚』(PHP研究所)、『夜行堂奇譚 上』『夜行堂奇譚 下』(『夜行堂奇譚』文庫版、角川ホラー文庫)など。

【あらすじ】
私は、恐ろしい悪魔を召び出してしまいました。
私は、己の愉悦の為に人を狂わせてしまいました。

大野木に取り憑く穢れた生き人形、生贄を求める蛇神、亡者が徘徊する木山邸跡地、鏡に映りこむ異形の家族…
隻腕の見鬼・千早とビビりの堅物公務員・大野木が怨嗟に塗れた怪異に相対するバディホラー第7弾!

装画:げみ

【著者プロフィール】
熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は...


出版社からの備考・コメント

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784863114623
本体価格 ¥2,000 (JPY)
ページ数 472

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怪異に向き合っていく千早と大野木。それは決して力ずくではなく、優しさと哀しさを湛えたあり方。彼らの行動には、誰かを護ろうとする祈りにも似た感情が滲む。

そして今巻は、スピンオフ『木山千景ノ怪顧録』に繋がるエピソードも多く、木山という男の過去と現在が時を超えて重なり合っていく。こうして視点の交錯と人の想いが幾重にも重なるこの第7巻は、「もうひとつの物語」を伴うことで、今まで以上に大きな重みを持っていた。



『序』
帯刀翁の語る「一番弟子」木山に、スピンオフ『木山千景ノ怪顧録』がたどる未来を重ねてしまった。老齢になっても木山のことを「あの子」と呼ぶ帯刀の想いが胸に迫る。
そして、すべては帯刀から千早へと託された。



『侵食』
若き日の木山が蔵で強盗に襲われ、帯刀が彼を救う。だが木山はその出来事を、甘美な復讐へと変えていく――
そこに、彼の老い先の暗い影を見た気がした。それでも、僅かに揺れる心に希望を抱いてしまう。「死ぬなよ、千景」――帯刀がはじめて木山を名前で呼んだあの瞬間に、それを言葉にしていたら、未来は変わっていたのではないか。
しかしそれが手遅れだったと知った時、木山のまわりには暗闇しか感じることが出来なかった。



『縁起』
千早の前に現れたのは、痩せこけた老人である木山。帯刀の宿敵である彼依頼したのは、父の遺品の返却。しかしそれは罠だった。
それを見事にかわす千早の姿に、帯刀が想いを託した理由が浮かび上がる。
だが、老齢になってもいまだに父への憎しみに囚われる木山の姿は、言葉を失わせる鬼迫に満ちていた。



『不在』
夜行堂の主人から託された桐の小箱。時間と空間が歪む屋敷で、大野木は千早の助けなく脱出できるのか。
小箱の封を切るという選択肢に至ったのは、大野木自身の経験ゆえ。鬼灯の封印に、彼は千早の優しさを見たのかもしれない。
そしてエンディング。深い信頼で結ばれたバディであっても、言葉できちんと想いを伝えることの大切さがここにはあった。



『心躊』
人形に取り憑かれた大野木。それでも日常と変わらぬ彼と千早のやり取りの様子に、2人の絆の深さが滲む。更に、自らの身体が人形に悪用され類外が及ぶことを心配し、千早に対応を託す大野木の芯の強さに、心から敬意を抱いた。
数多くの心を狂わせてきた人形が、大野木にだけは何もしなかった理由――それが明かされた時、彼の心の真っ直ぐさに胸を打たれた。それと共に、彼によって想いを受け入れてくれる場所に至り、人形が安寧を迎えられたことを静かに祝した。



『仮贄』
予想外の力に目覚めた児島。それでも事態を制御できず、大野木が立ち向かう。
「仕事じゃなきゃ逃げてるよ」――単なる一公務員たる大野木のその言葉とは裏腹の行動は、彼の覚悟と誠実さの証だった。
そして、最後に大野木と千早が呼び出した柔らかで透明な声。全てを治めるこの幼声の持ち主
が現れたのは、彼らの真摯な心が届いたこそだと信じる。



『過誤』
肝試しに向かった高校生のうち、2人が失踪。
その屋敷がのる地図に記された「木山」の名に、嫌な予感が走る。彼は死後も災厄を残すのか。
彼を守ることしか念頭にない、彼に取り付く亡き母を隠し、更にそれを抑え続けてきた相馬の涙。それは、千早が「辛かったな」の一言で全てを受け止めた時だった。相馬の過去と苦しみがやっと赦された気がした。
そして迎える温かなラスト。こんな終幕も、悪くない。



『閉環』
朝食の支度だけが残る無人の住宅。時間のループに囚われた中で、千早と大野木が救った姉弟。それは偶然ではなく、2人が足掻いた末に辿り着いた結果であり、必要なことだった。姉弟を見送りながら涙ぐむ大野木の涙は、2人の役割に気付き、それを成し遂げた実感からこぼれ落ちたものに違いなかった。
更に、その60年近くもの年月を見通していた夜行堂の店主の慧眼には、舌を巻くばかりだった。



『憑纏』
配信者谷地を救ったのは、柊だった。彼女の怪しい美しさと手際の良さで人を煙に巻く柊の様子は変わることない。
彼女の弟子の柚木の見事な推理をきっかけに助け出された谷地。その経験をくぐり抜けた谷地変化が印象に残った。アパートのエレベーターですれ違うだけだった少女に向けたまなざしは真剣で、もはや無関心なものではなかった。そして彼は、彼女のために第1歩を踏み出す。照れ隠しの言葉を呟きながら。
これからの彼は、自分を信じてできることを選びながら進んでいくのだろう。この物語の先で、再び彼と合間見えてみたい。



『瞑躁』
富子の家を訪れた訪問介護士・真実。彼女の前に夜行堂の店主が現れたのは、きっと偶然ではない。
真実がうっかり開け放った窓により、“彼”が半ば解放されたからか。でも、彼は店主のもとには来られない――だからこそ、店主は〝彼〟と縁が結ばれた真理に杖を託したのだ。
「物と人を繋ぐことは、傾いた天秤を正すこと」。
その役割を静かに果たす夜行堂の本質が、ここに示されていた。

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