さよならの保険金
額賀澪
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刊行日 2025/10/16 | 掲載終了日 2025/10/14
ハッシュタグ:#さよならの保険金 #NetGalleyJP
内容紹介
就活の最終面接の日、青森で漁師をしている父の船が遭難したという連絡が入った。家族と就職先を一度に失った桐ケ谷麻海は、東京で暮らす叔父・響介のもとに転がり込むことに。
居候としてなにか仕事をさせてほしいという麻海に、響介がかけた言葉は「掃除も洗濯も料理も別にやらなくていいから、俺の仕事をちょっと手伝って」。
響介の職業は、保険調査員。保険会社から依頼を受け、保険金を支払うにあたって不正や問題点がないか調べる仕事だ。
麻海は見習い調査員として詐欺が疑われる事案の調査をするなかで、生と死、お金にまつわる様々な家族の思いにふれていく。
おすすめコメント
〈著者より〉
保険調査員の小説と聞いて、「事故死と思いきや実は保険金目的の殺人で、保険調査員が事件を華麗に解決!」という物語を思い浮かべた方もいるかもしれません。保険調査員を書こうと思ったとき、私もそんな物語を想像しました。ところが現役の調査員の方々を取材する中で、想像以上に私達の身近にある保険金詐欺の存在を知りました。普通に生活している普通の人が、最も簡単に手を出せてしまう詐欺が、保険金詐欺なのだと思います。そんな保険金詐欺をめぐる、甥と叔父の物語です。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784041163375 |
| 本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
| ページ数 | 208 |
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NetGalley会員レビュー
書店関係者 1787718
保険金…。
誰かが死んだ時にもらうものだと思ってたけど…。病気や怪我でももらえるんだった。
そういえば、昔、「あと1日入院してたら保険がもらえたのに…。」って親に言われたことがあったな。
そんなもう少しが、詐欺につながることもあるのか…。
このぐらい…。がどれほど身近にあるだろう。
「魔が差す」ってホントにふっと起きるんだな〜。
澱んだ目に気づいてくれる人にも巡り合い、父の死にけりをつけられてよかった。
はたから見れば無駄にしたように見える1年間も、心の整理をつけるには必要。人それぞれの方法てわ身内の死と向き合って行く。
保険調査員って、必要な仕事だけど大変な仕事だな〜。
書店関係者 571250
やっと最終面接にまでこぎつけた。もう少しで就活も終わる…はずだったのに、漁師である父の船が遭難し行方不明になってしまった。安否不明の父と、振り出しに戻る就活に八方塞がりなまま卒業をむかえる麻海は、東京で保険調査員として働く叔父の響介の家に居候することに。
一緒に暮らすにあたりなにか仕事をさせてほしいという麻海の申し出に、自分の仕事の手伝いを提案する。保険調査員の仕事は保険会社からの依頼で、保険金を支払うにあたって不正や問題点がないか調べる仕事だが、響介から指示されたのはSNSをチェックすること。これが何の役に立つのか不明なまま粛々と確認していく麻海が知る、軽い気持ちから保険金詐欺に足を突っ込んでしまう人々の姿。そして、今まで知らされなかった身内の過去。
縁もあり見習い調査員として働くようになる麻海が、詐欺疑い事案の調査をするなかで、生と死、お金にまつわる様々な家族の思いにふれていく。麻海自身の事情もあり、死をどのように受け入れるのか、どうしたら納得できるのか、難しい命題だと感じました。
こなれた中にも“正しさ”の灯りをなくさない響介も魅力的だったけど、弱ったり考えすぎながらも優しさをなくさない麻海のキャラもとても人間味があって良かったです。
教育関係者 897563
額賀澪さんが好きなので、読みました。
お仕事小説も多い額賀さん、今回のお仕事は保険調査員というあまり馴染みのないものでしたが、その内容や調査の仕方など初めて知ることが多くて、とても面白かったです。
調査の過程で、本人や遺族の事情など自分のまわりにもありそうなことで、ちょっと胸が痛くなりました。
けど、叔父さんと麻海の掛け合いも楽しく、また、(額賀さんらしく)ラストもさわやかで、読後感の気持ち良い物語でした。
書店関係者 1749092
多くの人が「社会人になったからなんとなく」「勧められたから」で入りがちな保険。本来なら「自分や家族が病気や事故で生活が困難になった時に使う制度」であるが、それを逆手に取り、「もしかしたら、保険金がおりるかも」という軽い気持ちで不正申請する人が多いことをこの作品で知り、大変驚いた。
そして、本当に不正していないかを調べる「保険調査員」が存在することも今回初めて知った。
探偵に近い方法で調査をし、対象者からは嫌われる職業。主人公・麻海は最初こそ叔父であり職場の上司となった響介の後ろをとりあえず着いていくだけ。しかし、仕事を通じて成長し、父の死を受け入れ、生まれ変わった姿には心地よい爽やかさを感じた。
老若男女読みやすい文体、わかりやすい内容がとても好感触だった。
書店関係者 940038
人生は、お金は、こんなにも容赦なく人を試すのかと、胸に突き刺さります。
けれど同時に、確かに感じるのは「それでも人は、人に支えられて生きている」ということです。その真実を、この物語は静かに、しかし揺るぎない力強さで伝えてくれます。
そして終盤に訪れる予想外の展開は、人間の複雑な感情のほどけ方や、傷ついた心がそれでも乗り越えていく姿を鮮やかに描き出し、背中を押されるような温かさを感じました。
書店関係者 1422952
成年であれば何かしら入っているだろう保険。保険の調査員という職業にスポットライトを当てている本作。保険の申請が適切なものかを調査していく中で出会う様々な詐欺行為。行う動機も人種もバラバラで非常に興味深い内容となっている。難点はもっと周りの人間模様が深掘りされてもよかったのではないか。続編があると嬉しいなと思う