鮮やかに、色を残して
水月つゆ
ログインするとリクエスト可能か確認できます。 ログインまたは今すぐ登録
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2025/11/21 | 掲載終了日 2025/12/31
ハッシュタグ:#鮮やかに色を残して #NetGalleyJP
内容紹介
悲しいときは泣いていいんだよ。我慢した分、たくさん泣こう。
わたしがちゃんと受け止めるから。自分ばかりが苦しんで、傷ついた気になっていた俺に、きみは泣いてくれたーー。
自分を思い出せない彼女との悲しいぐらいに美しいあの冬の奇跡。
中高生を読者購買層と想定した、主婦と生活社によるブルーライト文芸レーベル「セツナイ青」シリーズ第3作品。
母親を突然事故で亡くした主人公である男子高生の後悔、サッカー部からの退部という挫折、かつての同級生との思わぬ再会、初めて経験する恋、母親の死にまつわる真実、そしてすべてが明らかになる慟哭のラスト。誰もが最後に必ず涙する、感涙必至のストーリー。
男子高校生と女子高生の王道の恋愛モノでありながら、年頃ならではのそれぞれの悩みを抱えたふたりに思わず共感する、「セツナイ青」シリーズならではの純愛青春小説です。
<ストーリー概要>
人生はこれからだよ。暗いトンネルを抜けた先には光が差し込む。希望が待ってる。
母親を交通事故で亡くした鹿野光希は、熱中していたサッカー部を辞めて、無気力な日々を過ごしていた。そんなある日、車に轢かれそうになったところを中学時代のクラスメイト、春沢香澄に助けられる。活発だった鹿野の変貌ぶりがほっておけなくなった香澄は、「この冬休みをいっしょに過ごそう」と強引に誘う。春沢のつねに前向きな明るさと強さに、次第に心惹かれていく光希だったが、彼女は、かつての自分を思い出せないという悩みを抱えていたーー。ある日突然、大切な人を失った人間の後悔と、未来に生きる大切さを描く、感動の青春恋愛小説。すべてが明らかになる慟哭のラストに、涙が止まらないーー。
<目次>
第一章 灰色に染まった世界
第二章 昼を欺く
第三章 宵の口
第四章 曙光
第五章 鮮やかに、色を残して
<装画&挿絵>まかろんK
おすすめコメント
文庫デビュー作が6万部のヒットとなった『だから私は、今日も猫をかぶる』の著者による、「セツナイ青」シリーズ初の長編恋愛青春小説。
母親を突然事故で亡くした主人公である男子高生の後悔、サッカー部からの退部という挫折、かつての同級生との思わぬ再会、初めて経験する恋、母親の死にまつわる真実、そしてすべてが明らかになる慟哭のラスト。
誰もが最後に必ず涙する、感涙必至の作品です。
男子高校生と女子高生の王道の恋愛モノでありながら、年頃ならではのそれぞれの悩みを抱えたふたりに思わず共感する、「セツナイ青」シリーズならではの純愛青春小説。
装画&挿絵は、人気イラストレーター、まかろんKさんが手掛けています!
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784391166545 |
| 本体価格 | ¥1,400 (JPY) |
| ページ数 | 224 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
レビュアー 781279
男子高生の鹿野くんは、母親を突然亡くし、大好きなサッカー部もやめてしまう。
そんなとき、中学校の同級生の春沢さんに偶然出会う。
春沢さんは、中学生のときと印象がまるで違う。
中学時代は男子生徒に話しかけられたら避けるようにしてたのに、今は別人のように積極的に話しかけてくる。
春沢さんは、自分以外の思い出はあるのに自分を思い出せずにいる。
春沢さんの名前の通り、冬の物語なのに優しい春の風が吹くような存在がとても好きです。
「馬鹿なことをするから青春なんだよ」
そう、青春ってまさにその言葉の通り。
予想もつかないこともするし、馬鹿なこともする。
鹿野くんが、「俺は相手の気持を考えてやれない人間だ」と思い込んでしまうように、素直になれなかったり、折れやすくて繊細な面も、青春時代の感情の一部ですよね。
二人の冬にはどんな奇跡が訪れるのでしょう。
これから恋が始まるのかな?と思うところまでの公開なので、続きが読みたくてたまりません。
教育関係者 645139
《失ったものの先に、まだ見えていない色がある》
鹿野がサッカーを辞める理由は、単なる喪失ではなかった。
母を失った痛み、その痛みを抱えて耐えている父への引け目。
中学の頃、母に素直になれなかった自分への悔い。
そうした“未処理の思い”が重なり、限界を迎えていたのだと思う。
まっすぐであるがゆえに、自分を責めてしまう――鹿野の「色を失った世界」は、そういう生き方の裏返しに見えた。
対照的に、ぐいぐいと距離を縮めてくる春沢。
鹿野の記憶にある彼女とはまるで違う。
その理由が明かされたとき、言葉を失った。
空白を埋めるように動き続ける春沢の姿は、痛々しさと同時に、必死の“再生の足掻き”にも見える。
そんな春沢に、鹿野は少しずつ心を開いていく。
失ったものは簡単に戻らない。けれど、全部を諦めてしまうにはまだ早い――読んでいて、鹿野自身がそう学び直している気がした。
ただ、その明るさの裏で春沢の抱える危うさも否応なく見えてくる。
再び“空白”が訪れたとき、傷つくのは忘れた本人ではなく、覚えている側の鹿野だ。
今の軽やかな時間が、いつか刹那のように消えてしまうのではないかという不安が、読み手の胸にも残る。
それでも、ふたりがそれぞれの痛みと向き合い、互いを選び直せますように――そう願わずにはいられなかった。