異聞 今昔物語
話を集める少年と消えた少女
森谷明子/作 佐竹美保/絵
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刊行日 2025/12/08 | 掲載終了日 2025/12/12
ハッシュタグ:#異聞今昔物語 #NetGalleyJP
内容紹介
平安時代後期に編纂され全31巻、1000話以上を
収録した説話集『今昔物語集』。
そこに収録されている話をちりばめた、あらたな今昔物語。
古典の世界を旅しながら、物語の力と言葉の魅力を感じられる一冊!
物語の舞台は平安時代の京都。主人公の草太は、親を亡くし、
都の荒れ寺で暮らす少年。 彼は市で働きながら、面白い話を
集めることを新たな商売とします。 そんな草太の前に現れるのは、
同じく親を亡くした少女・千萱や、話を集めて書き留める謎めいた坊さん。
彼らが織りなす物語は、古典の世界観を背景にしながらも、
友情や成長、そして人間の普遍的な感情を描き出します。
「今昔物語集」から選ばれたエピソードが数多く登場。
古典の持つ奥深さを残しつつも、子どもたちにも理解
しやすいように再構成されており、古典文学に触れる
きっかけとして、古典文学に興味を持ち始めた子や、
物語が好きなすべての読者におすすめです。
出版社からの備考・コメント
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。
刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございますが、ご了承下さい。
【ご注意下さい】
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販促プラン
【著者紹介】
作 森谷明子(もりたにあきこ)
神奈川県生まれ。2003年、紫式部を探偵役にした王朝ミステリ『千年の黙 異本源氏物語』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著書に、『千年の黙』に続く〈王朝推理絵巻〉シリーズ、図書館司書の経験を活かした〈秋葉図書館の四季〉シリーズのほか、『晴明変生』『涼子点景1964』などがある。
絵/佐竹美保(さたけみほ)
富山県生まれ。SF・ファンタジーの分野で多くの表紙、さし絵を手がける。おもな仕事に『宝島』『不思議を売る男』、また 『西遊記』『三国志』など渡辺仙州編訳の中国古典シリーズ、『虚空の旅人』『蒼路の旅人』など「守り人」シリーズ、「きつねの橋」シリーズほか多数。内外の作家から厚い信頼を寄せられている。
出版情報
| 発行形態 | ハードカバー |
| ISBN | 9784037450502 |
| 本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
| ページ数 | 238 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
書店関係者 571250
それは今より娯楽が少なく、おもしろい物語を語る価値も、それに対する人々の興味関心も強くてもっと切実だった頃。平安時代の京の都で、親を亡くしても、生きるため懸命に暮らす少年・草太がひょんなことから“おはなし”を収集する正体不明な坊さんと出会う。はじめは食べ物を得るため、そのうち世間にちらばる様々な物語を聞き集める面白さも手伝い、新たな話を仕入れると坊さんのもとへ出向くようになる。
ある日、草太と同じく親を早くに亡くした少女・千萱の行方がわからなくなった、が、周りの大人は物騒なことにはなってない、と失踪した千萱をそこまで心配していない。それでも、気になってしかたない草太は物語のチカラを借りて独自に彼女を探しはじめる。
『今昔物語集』という古典をベースに紡がれるこの作品。幼いながら大人にまざって生きる草太と千萱は様々な物語にふれ、意図せず彼ら自身もおはなしの題材になるようなドラマチックな展開になるところが面白い。心も気力も常に前向きで、そして、なんといってもかしこい2人がどのように友情をふかめ成長してゆくのかワクワクしながら読みきることが出来た。
図書館関係者 1203344
平安時代、市で生き抜く孤児が主人公。
同じように親のない少女や
ひょんなことから知り合った坊さん
周囲の人々との関係を描きつつ
「今昔物語集」のエピソードを多く紹介。
取るに足らない「しょうもない…」エピソードは逆に
そのころを生きた人たちと、今を生きる自分たちが
地続きなんだと感じさせる気がする。
文字が上流階級だけのものだった時代
「語る」ということは今よりももっと大きな意味を持っていて
人を動かしえる力があったのだな…と感じます。
教育関係者 468529
時は平安時代の後期。
現代とは異なり、彼らをとりまく音はおそらく自然の生き物の声、風に揺れる木々の音、牛車の車輪の軋む音などだろう
そこに人の声が加わる。「面白い話」を語る声。それらはおそらく市にあつまる人々にとって、好奇心を満たすものであり
また話を通して日常を超えて体験ができ、みなで感想を言い合える娯楽のひとつだったことだろう。
市井に溢れていた面白い話を集め、文字にして残した「今昔物語」。これをベースにしたこの『異聞 今昔物語』では、その
成立を想像しながら、そういうこともあろうかと思わせられる平安の御代にタイムスリップしたかのような風景が広がる。
親が早世した孤児、きっと都には多かっただろうし、子どもたちも働いて糊口をしのぐことは当たり前だっただろう。
必死に生きている彼らが主人公。身分制社会と自分の境遇を受け入れ、知恵を巡らせて生きている姿を読むと、彼らが
次にどんな行動にでるのか、そして彼らなりの幸せをつかむのかと、応援する気もちでいっぱいになる。
物語のなかで草太たちが、聞いている今昔物語のストーリーはいつのまにか、彼らの日常とクロスし、物語を知り語り行動する
ことで自分の人生も切り開いていく。その一体感もまた面白い。
きっとこういうこともあったのだろうなぁと、遠く平安時代に想いを馳せながら読了した。
図書館関係者 1694122
佐竹美保さんの絵が好きです。表紙絵や挿絵が佐竹美保さんだと、絶対手に取ってしまうほど。そして、その本たちは外れなく面白いんですもの!この本も取っつきにくい古典を軽やかに読めてしまう工夫がたくさん。一つずつのお話が短く、読みやすい文章ですし、お話の間に挟まれる草太や千萱、僧侶の会話も楽しいです。平安時代って、きらびやかに暮らしていた貴族たちに目が行きがちですが、これはそれ以外の庶民の生活も描かれています。平安時代にもいろんな人々の生活があったんですね。そして、おもしろいお話というのが昔も今もあまり変わらないんだなと感じました。古典って、今昔物語ってすごい!
レビュアー 1049450
今のようにテレビも映画もインターネットがないのは当たり前、本でさえ一般の人々は目にしたことのないような時代、娯楽といえば、人から人へと語り継がれる物語であった。
京の都でたくましく生きる孤児の草太を中心に、同じく孤児の千萱や、正体のつかめない坊さんなどが、まるで実在するかのように生き生きと描かれていた。
1000年以上前の物語のはずが、人間臭く、現代と変わらない部分もあり、とても身近に感じられた。
彼らの物語と今昔物語がリンクして、フィクションだとは理解していながら、「こういう風に多くの物語を集めたのだろうなあ、大変だっただろうなあ、でも、わくわくしただろうなあ」と思いを馳せた。