世界はきみが思うより
寺地はるな
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刊行日 2025/11/11 | 掲載終了日 2025/12/31
ハッシュタグ:#世界はきみが思うより #NetGalleyJP
内容紹介
ある出来事がきっかけで他人が作った料理を受け付けなくなってしまった高校生の冬真は、同級生の時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるという噂をきく。友達にそそのかされ、時枝くんの家まで行ったことがきっかけで、冬真は時枝くんと仲良くなっていくが――。
一方、国際交流プラザで働く紗里は、「きれいなものが好き」なあまり、太ることへの嫌悪感を抱えていた。自分が撮影した写真が原因で時枝くんを傷つけたことを知った紗里は、“罰”としてマッチングアプリを始めて……。
それぞれの理由で世界への信頼が薄くなった彼らが、大切な人と歩いていくために一歩を踏み出す感動作。
おすすめコメント
ある出来事から他人が作った料理を受け付けなくなった、高校生の冬真。同級生の時枝君と仲良くなり、少しずつ変化が訪れ──。
ある出来事から他人が作った料理を受け付けなくなった、高校生の冬真。同級生の時枝君と仲良くなり、少しずつ変化が訪れ──。
出版情報
| ISBN | 9784569860152 |
| 本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
| ページ数 | 224 |
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NetGalley会員レビュー
教育関係者 751214
作者のデビュー10周年、30作品目となる小説だそうです。
「愛のかたち」をテーマにした本作。大好きな作品でした。
「決めつける」ということについて考えさせられた作品でした。
主人公は高校生の香川冬真。看護師の母親と二人暮らし。
同じクラスで仲良くなった時枝くんの妹の弓歌は、難病の美少女。
そして、国際交流プラザで働く紗里はあることをきっかけに時枝くんを傷つけてしまった。
この文章では本作品を全く想像できないと思います。登場人物たちは、
ちょっと不幸で、
ちょっと人に理解されなくて、
でも、ちょっとの幸せを見つけます。
この作品の子どもたちは、心ない大人たちによって精神的に成長せざるを得なくなっていました。
それが悲しい。でも、子どもたちの逞しさに救われます。
ストーリーが想像できず、でもそれが心地よいものでもありました。
いつも私は本を読みながら、自分の想像の答え合わせをしていたのだということにも気づきました。
「物語の世界は私が思うより」です。
ところで…本作で「ほたるいしマジカルランド」が出てきたのはかなり嬉しかったです。
図書館関係者 1170607
世の中には裏切りもあるし、生きづらさを感じる時もあるけれど、それだけではない。
優しさもあるし、いろんな種類の愛情もある。
そんなことを確認させてくれる本だった。
冬馬が他人の作ったものを食べられなくなった理由に心が痛み、時枝くんの複雑な家庭環境にも心が痛んだけれど、2人とも人のやさしさやあたたかさを感じながら解きほぐされていく様子が描かれていてホッとした。
人のあたたかさを感じられて、美味しいものを食べて過ごすことができればきっと大丈夫。
そう思わせてくれる1冊。
きっと世界はきみが思うより悪くない。
レビュアー 548440
色々苦労を抱えてきたからこそ、人に優しくなれることを感じさせられる本でした。相手を尊重するのは難しいですが、この本を読んだことで、自分も少しだけでも登場人物達に近づけるよう頑張ろうと思えました。出てきた人達は普通思うような幸せとは違いますが、彼らなりの幸せを掴んでくれるよう祈っています。
レビュアー 1293919
物語は高校生の冬真と社会人である紗里2人の視点から進んでいく愛の物語。
親子の愛。恋人との愛。色々な愛の形があって、幸せの形も様々だけど、悩みの数も尽きなくて、やっぱりちゃんと話さないと人の気持ちなんてわからないよなと思った。
最後はポジティブに上を向けるような読後感でとても気持ちよく終われた。
レビュアー 946189
他人が作ったものが食べられない冬馬。
見た目を気にして太らないよう、少ししか食べることができない紗里。
そうなった理由がわかっていても、どうすることもできなかったこの2人が、どのようにしてこの問題に前向きに向き合えるようになるのか…
信頼のできる人がそばにいてくれるということが、勇気を与えて自分を強くしてくれるものだと、改めて考えさせられた。
人との出会いや繋がりの大切さを感じさせてくれるこの本に出会えてよかった。
レビュアー 1246685
寺地さんの新作 表紙のイラストや章題には、レモネードやサンドイッチといった美味しそうな食べ物たちが登場。
食べ物にまつわるほっこり系かと思いきや、登場人物たちはなかなか生きづらさを感じながら日々を過ごしていることが見えてくる。
転校生の妹が難病の美少女! 高校生男子らしい会話から始まるオープニング
隣に住んでいるからと偵察を命じられた冬真、しかし美少女・弓歌は美少女であったが毒舌。
弓歌の兄・綱も美形、彼がドレスをまとった写真がクラスメイトから知らされるシーン。
ここは今時でありながら、とても考えさせられるシーンでした。
「だいじょうぶだよ」と理解をしめすクラスメイト達、一見いい人達に見えるが、そうじゃないんだという本人の気持ち。
すごく寺地さんらしい描きが感じられるシーンでした。
キレイなものが好きなサリちゃんが、自分への罰と課した出会い系で知り合った水田さん。
母を亡くした小5のあかりちゃん、父親のために作る弁当の写真をSNSに上げるあかりの父親。
どのエピソードもリアルで、その裏に隠れた棘のチクチクと胸に刺さってくる。
人が作った食べ物が食べられないという冬真、その原因は父からの言葉だった。
これもキツイ話だよね、それでありながら食、料理をテーマに物語を進行させていくのが凄い。
ひとつひとつの棘をゆっくり抜いていうように物語が進行し回収されていくのが寺地さんらしくとても良かったです。
冬真の母のピクニックバスケットのエピソードとラストで初めて心情を吐露する母の姿がとても印象的でした。
寺地さんの本領発揮と感じる作品でした。先日読んだエッセイの大阪のおばちゃん感とのギャップwを思い出しながらの楽しい読書でした。
レビュアー 862530
それぞれの理由で他人や世界への信頼が薄くなってしまった人たちが、自分の過去や抱えた思いと向き合いながら一歩踏み出していく物語です。
表面を見ているだけでは気づかないことや、一人の話を聞くだけではわからないことや見えてこないものがたくさんあること、優しさにもいろんな形があることを実感するようなお話でした。
紗里さんと水田さんがアイスを探す場面と、最後の章で冬馬が紗里さんにある言葉を伝える場面がとても好きでした。
生きていればいつも幸せなんていうことはなく、悲しいことも切ないことも辛いこともたぶんたくさんあるけれど、それでも今そばにいる人を大切にしてこれからも歩いていけたらいいな。
レビュアー 1114213
『好きは暴力になりうる』
人を信じられなくなった高校生、同性を好きになった男子、自分を罰するためにマッチングアプリで男性に会う女性。
寺地さんの小説の登場人物は誠実で潔癖すぎるがゆえに妥協しないため世間と摩擦を起こしてしまう。
そんな「普通」を問い直す一冊。
図書館関係者 841977
いろんな価値観を持つ登場人物たちが、多数派の「普通」と違う自分を隠して生きていました。「違い」を、まだ「特別なこと」と捉えてしまうことの多いわたしたちは、間違ったり、傷つけたり、傷ついたりしてしまう。みんな違うのが当たり前なのに、植え付けられている既成概念や固定観念は根強い。けれど、こんなふうに物語を通して、そこに生きる人たちの気持ちや考えを知ることで、少しずつ凝り固まったものが緩んで、自分もいろいろな角度から物事を見られるようになる気がします。だから、そう遠くない未来には「違う」ことを思い悩む人がもっと少なくなるかもしれない、という希望を感じられる物語でした。
レビュアー 1111935
友達、家族、恋愛、病気のこと、高校生でも大人でも悩みはあって、けど、1人でもわかってくれたり、知ってくれる人がいたら安心できるし心強いんだろうな。
ラストは、本当にこれから幸あれって思った。
寺地はるなさんらしく、情景や心情が深く感じられて、素晴らしい作品でした☺️
読んでよかった。
ありがとうございました。
図書館関係者 1694122
世界は君が思うより⋯最後の言葉がキュッとしみました。物静かな冬馬くんが自分の気持ちを言葉にできるようになったのがとても嬉しかったです。出てくる人、皆それぞれいい人で、巡り会えてよかったねと言ってあげたいです。私も周りの人を大切にしたいと思えました。温かな気持ちになれる一冊です。
教育関係者 565489
人が作った料理を受け付けなった冬真と彼の周囲の人たちを描いた連作短編。
高校生の冬真と時枝くん、紗里と水田さん、あかりちゃんと父親の吉良さん、冬真の母親、時枝くんの妹と二人の養育をしている叔母のサイコさん。
深くて優しい話です。全体的に明るいトーンなので読みやすいし、思っていることや感じたことが伝わらないもどかしさが丁寧に描かれています。
いわゆる「生きづらさ」系の話ではないのも寺地さんらしくて、大好きな作品の一つになりました。
生き方は人それぞれとか、多様性が、とか言われるようにはなってきたけど、人は自分のフィルターを通して、あるいは、世間一般的なカテゴリ化を他者に適用させて相手を理解した気になったり、勝手に評価を下したり、アドバイスしたりしています。偉いね、すごいね、もっと食べなきゃ…etc.
大学進学のため大阪から東京に引っ越す前の、お揃いのお弁当箱の話が特によかった。買い物に付き合ってくれた紗里に冬真が言った「証人になって」のシーンは心に響いた。
「ブウンドケーキ」の冬真、かわいくて健気で、この章もよかった。
レビュアー 1049450
友人との関係になんとなく居心地の悪さを覚え、休み時間を持て余していた冬真。
その友人との何気ない会話で同じクラスの時枝くんに「難病を抱えた美少女」の妹がいるということを知り、その妹を見にいったことがきっかけで、時枝くんと話すようになる。
この「難病を抱えた美少女」の妹が、登場回数は少ないのだが、なんとも不適でおもしろかった。
確かに「難病の美少女は、あんたたちが命の大切さを知るために、健康のありがたさを知るために難病になったわけじゃないんだ」という彼女の主張は正しい。
そして、もう一人の主人公、国際交流プラザで働く紗里も、なんだかめんどくさい人である。
本人も自分はめんどくさいと自覚していて、めんどくさい人は、こんな風にめんどくさくなるのか、とめんどくさい人の実情が分かったような気がした。
私自身もめんどくさい人だ、と他人から思われているかもしれない。
みんなそれぞれ、思うところがあって、ふつうじゃない部分があって、めんどくさいところがあって、それでも、みんな生きていってもいいわけだ。
寺地さんの作品は、どんな人でも肯定的に受け止めてくれる感があって人生賛歌のようで好きだ。
図書館関係者 1174455
人の痛みは、外からは見えない。その痛みを理解している風に私たちは、振る舞ってしまいがち。そんなことに気づかせてくれた。ダイバーシティとか、多様性とか言われている現代社会を身近に考える作品だった。寺地はるなさんの作品テーマが、感じられる。
書店関係者 1464984
私たちの過去に散らばった小さな傷に触れて、
「痛いの痛いの、飛んでいけ!」って
言ってもらったような気分でした。
何度も何度も涙が出て、でもとても幸福な気持ち。
私の傷はちゃんと私が覚えていてあげようと思えた、
とても素敵な物語でした。
レビュアー 1121163
いろんな幸せの形があるんだと思う。
誰かにとっての幸せは、他の人にとっては居心地の悪いものかもしれない。
それぞれの形を認めあって、幸せになれたらいいなと思いました。
おかずシェアの会は 是非に参加したいです!
誰かの手作りが食べられない気持ちも分かります。
どうか、どうか、みんなが幸せに笑顔で過ごして欲しいという気持ちが溢れる作品でした。
ありがとうございました。
レビュアー 942723
高校生の男の子たちが主人公。
複雑な家庭環境から世の中を信じられなく
なっていた冬真と時枝。
彼らの青春の物語がたまらなく好きでした😍
寺地さんの作品は、
世の中の常識に対する違和感をバッサリと
切ってくれるところが好きで、
今回もはっとさせられる言葉がたくさんありました。
👇🏻 一番印象に残ったところ
「恥ずかしいことじゃないってどういう意味?
そんなのおれが決めることなのに」
ああ、そういう風に思ったことある!
うまく表現することができなかった
あの感情を代弁してくれた✨
集団の変な「やさしさ」っておかしいと感じる時、ある。
……
あの遊園地🎡🎠🤭も登場して嬉しかった!
「おかずシェア会」の考え方、素晴らしい👏
……
この物語は、恋愛の話でもあったな、と思う。
色んな恋愛の形がある。
そして、恋愛っていつかは終わりがきてしまうものなのかな。
……
このタイトルに続く言葉が、明るいものでありますように🥰
書店関係者 673506
最初はやや強引な形で始まった飾らないざっくばらんな時枝一家との交流、個人的にも時枝くんと仲良くなっていく中で起きた、時枝くんの写真を巡る騒動。そして写真を撮影した国際交流プラザで働く紗里の視点でもう一つの物語が描かれる構成で、それぞれに抱いているトラウマやコンプレックス、複雑な思いが浮き彫りになっていきましたけど、許せない思いは変わらなくても、自分の中でどこかで折り合いをつけていくことも必要で、それぞれに決着をつけて大切な人と生きていくことを選ぶ姿がなかなか印象的な物語でした。
レビュアー 513020
何か周囲と少しのズレを感じていた高校生の香川。転校生・時枝に関する噂が飛び交う中、直接本人と親しくなり・・・。
自身と周囲のズレに生き辛さを感じるのは、自身が異常・異質ではないのかという不安と、なぜ周囲は認めてくれないのかという憤りが折り重なっていることであることを、自身を表現・表明するのが苦手な登場人物を通して問いかけてくるようです。そしてその解決は、それでも側にいてくれる家族を含めた周囲の人々、新たな出会いによってもたらされる新たな知見と生きることそのものを実感させる食。こうやって言葉にする(表現する)と極々当たり前のように思えることが見失いがちになっている今は、多様性が盛んに叫ばれるようになってもなお、定着しきれていない証左だろうか。
多様性の今、見失いがちになりながらも、覚束ない足取りながらも、少しずつ少しずつ確かめながら生きてゆく物語。
図書館関係者 991976
ジェンダーフリーや多様性と言われてはいるが、世の中まだまだ「普通」や「当たり前」が前に出ていて、「自分らしく」「自由に」は言葉だけが先行している気がする。人と違うことを認めてもらうのは難しいことで、それに生きづらさを感じている人たちの爆発させたい思いが感じ取れる物語だった。生きていると色々なことが起こるけど、『世の中捨てたもんじゃない』がテーマの小説。
寺地はるなさんらしい優しい物語で、今回も安心して読めた。
書店関係者 1084454
人が作ったものを食べられない冬真ときれいなものが好きで太りたくない紗里。世界への信頼を失った二人の視点で物語は紡がれていく。
「多様性を認めましょう」そんな言葉が既に誰かを傷つけている。あたかも生きるのに周りの許可を、寛容さを必要とするかのようなそんな存在にしてしまっている。そんなことを考えさせてくれる寺地はるなさんの本がやっぱり好きだ。
世界は君が思うよりいい!48年生きた中年オバハンもそう思います。多様性の時代なんかなんじゃそらの昭和を生きた中年ですが。スマートフォンなんかない時代を生きた中年ですが彩り鮮やかに青春時代を思い出せます。男だから女だから。離婚なんか許せませんの時代を生きた中年ですが今も昔も幸せの価値を知るのは己れ次第。悩んだ時は美味しい物をお外で食べて気分転換。よみ終わり登場人物全員の幸せを願い完読!
図書館関係者 1038994
世界は私が思うより悪くないかも。そう思えるようなお話でした。
おかず持ち寄りの会もすごくいい。実際にはそんなご近所付き合いは今どき無いけど気になる。
子どもたちやカップルのそれぞれの重すぎる悩みも、日常を切り取るのが上手な作家さんなのですーっと心に入ってくる。
マジカルランドも懐かしい!こうやって自分の頭の中でも物語が広がっていく楽しさがある。
「満腹より満足」とっても腑に落ちました。食ハラされた時に使おうと思います。
教育関係者 645139
《交差する視点が描き出す、
静かで優しい“再生”の物語》
語り手が交代しながら静かに紡がれていく各章。
読み終えると、章題に添えられた“食べ物と一言”の組み合わせに、思わずうなずいてしまう。
語り手たちと、彼らを取り巻く人々がつくりあげていくのが「おかずシェアの会」。
自分への自信を失い、世界をもう信じられなくなっていた者たちが、ふと集い、気づけばそこに居合わせていた、そんな会。
読み終えたあと、考えてしまった。
この「おかずシェアの会」とは、結局なんだったのだろう。
一言では言えない。
きっと、そこにいた一人ひとりにとって、その意味合いは少しずつ違っていたはずだから。
でも、あの会があったからこそ、彼らは最後に互いを認め合うことができた。
時枝と紗里のように。
自分の意思で、自分を縛っていたものから解き放つことができた。
時枝は両親から。冬真は父の影から。
自分の想いをやっと知り、それをそっと受け入れられた。
香川のように。
互いの気持ちを知り、結びつき、旅立つことができた。
冬真と時枝のように。
互いの想いを知り、それをこれから大切に抱えていく。
紗里と水田のように。
そうして、二人で、あるいは一人で、それぞれの道へ歩き出す。
その一歩を踏み出す支えになったのが、「おかずシェアの会」だったのだと思う。
これから何が起きるかは、わからない。
でも、あの会があったから。そこに皆がいたから。
だから、紗里だけでなく、皆がきっと自信を持って言えるようになるはずだ。
「世界はきみが思うより」と。
読み終えたあと、自分も窓を開けて空を見上げながら、その言葉を口にしてみたくなった。
でも、まだ少し早い気がした。
それでもいつか、自分の声でしっかりと言えるはずだ。そう思っている。
教育関係者 897563
寺地はるなさんらしい一冊。
誰もが幸せになっていいんだよ、というメッセージが伝わってくる。
高校生の冬真は、一見そつなく高校生活を送っている。けれど、常に落ち着かないような、本当の自分を出せないような思いを抱えている。
あることがきっかけで仲良くなった時枝くん。
彼とは、それまでの表面的な付き合いの友達とは全く違った関わり方をしていく。
そして、冬真自身が変わっていく。
また別の主要人物である紗里。彼女は自分がきれいでないと思いこんでいて、
きれいなものへの執着がある。
きれいな時枝くんの写真をこっそりと隠し持っていたことからトラブルになってしまう。
紗里のしたことはいけないことではあるものの、
誰もがし得ることかと思う。
そのことで苦しむ紗里が可哀想だったし、一番感情移入できたかもしれない。
登場人物みんなが幸せになるといい、と書きかけて…いや、1人だけ許せないと思う人がいた。
そういう人はどうしてもこの世の中にはいるものかもしれない。
レビュアー 1045834
固定観念を覆す力を持った物語。
さまざまな生き方や心の有りようを
肯定し、後押ししてくれる作品でした。
主人公は自身のアイデンティティと
世の中のズレに心をすり減らす
男子高校生と社会人女性のふたり。
思わぬ縁で関わることになった彼らが
それぞれに大切な道を見いだし
自分らしい生き方を叶えていきます。
とびっきりハートフル!
本当の自分が解らないまま擬態する
男子高校生の心が軽くなるシーンでは
ドキドキが乗り移ってきましたよ。
男嫌いだった女の思い切った決断と
思わぬ顛末には一瞬、息が止まりました。
けれどその後の展開にほっこり。
そして、よその子のピンチに
決然と振る舞う大人の姿にはこちらも大興奮!
マイノリティにはつらい世の中だけど
いい人も少なくないんだって
物語から教えられた気がします。
尖った振る舞いを身をもって示す心意気、
あるがままを受け入れる度量、
理解されにくい生き方を見守る勇気、
大切な人の気持ちを尊重する姿勢といった
心の輝きにもすっかり魅せられました。
気づけば、いちばんの幸せとは何なのか
考えさせられていましたよ。
彼ら、彼女らが見せてくれたように
世間的な”普通”と違った生き方にも
喜びの種は溢れている。
幸せかどうか決めるのは他でもない自分。
人がどう思うかなんて関係ない。
それでいいじゃないか!と思うようになりました。
この作品に出会えたおかげです。
(対象年齢は12歳半以上かな?)
レビュアー 781279
世界は優しくない。
厳しいことを言われる。思いもかけないことが起こる。
自分の気持ちを理解してもらえない。
あなたは許さなくて良い。
怒っても良いし、泣いても良い。
あなたが、あなたであればそれでいい。
言葉にできなくても、あなたの全てを肯定する。
未来への希望を持てずに、全てを諦めている人がいるのなら、何も言わずにこの本を渡したいと思う。
ずっと寺地先生の本を読んできて、今はこの作品が一番好きです。
そんな思いもこの先、自分の環境や、価値観の変化で変わっていくことでしょう。
だからこそ、今確かにある気持ちとして、この作品が一番好きだと記しておきたいと思います。
書店関係者 1068733
このお話に出てくる人たちは、相手の感情の押し付けで傷ついた事がある分、自分の感情にも大切にしたい人の感情にも敏感で繊細。その息苦しさ、わかるなぁ、と思いました。
おかずをシェアし合うのって、人との繋がりに似ているな、と思いました。それぞれのおかずを分け合って、美味しいと味わう。人の性格もそれぞれで受け入れあって新しい感情が生まれる。
どの親子も同等の愛情があるべき、とか乱暴なことを書かれてないところがいいなぁ、と思います。
菜子さんが高下駄を履いている理由にホロッとしました。
紗里さんの、世界はきみが思うより⋯⋯、この言葉、いつか冬真くん自信がつぶやいて欲しいな、と思いました。
きれい事だけで書かれていない血の通った登場人物の気持ちが心に沁みるお話でした。
レビュアー 1469440
昭和平成令和を生きてきて よかった。
願わくば 人生もう一周したくなった。
自分を偽ることは苦しいことだよと
あのときの自分に教えてあげたい。
生き方の棚卸しをするような
本と出会った。
異なる、
との接触の基点は「国際交流プラザ」に在る。
そこで働く紗里さんの
家に帰ってからのルーティンや
同僚に電話する場面の組み立てが
語らずとも潜在を浮かばせる。
物語の核 高校生の彼等から発せられることばに
幾度も胸ぐらを掴まれた。
がんばるって何を? がまんって誰のため?
せつなうれしい。
この読後感を抱えたまま朝に向かえた。
清々しい。
たとえ今日
信号がぜんぶ赤でも 鍋を焦がしたとしても
意にそぐわないことがあっても
そのときは
おかずシェアの会を思い出そう
メキシコ料理を検索してみよう
メリーゴーランドで白馬にまたがっても
王子様感がない人を思い浮かべ くすりと笑おう
さようなら こうじゃなきゃ
教育関係者 528943
目まぐるしく変わり続ける現代の「普通」に飲み込まれてしまわないように、大切な人たちにそっと手を伸ばす。性的マイノリティやトラウマなど、目に見えない痛みを抱えた人たちに、丁寧に、根気強く、あなたが大切だと伝える。そんな簡単にはいかない愛の軌跡が詰まった優しい物語。
ハラスメントハラスメントがあるような現代。自分はだいぶ理解がある方だと思っているが、それでも稀に多様性ハラスメントを感じてしまう事がある。本作はその点、押し付けがましさや無理強いがなく、色々な事がそんなに大した事じゃないように思えてくる不思議な説得力があった。それとは逆に、理解あるハラスメントが炸裂していて、もしかして自分もこれになっていないか?とめちゃくちゃ不安を覚えた。思い遣りを免罪符にズカズカと土足で踏み込んでいないか。理解されたいと思っている人ばかりではない、という事も再認識出来てとても勉強になった。
最終章の冬真の覚悟を、いつか誰かが知る事があるのだろうか。願わくば、本人に伝わるような結末に繋がってますように。
レビュアー 544916
寺地さん好きで何冊か読ませていただいてます。
作家生活10周年なんですね。
他人の作った料理が食べらなくなったぼくがようやく見つけた友達を
傷つけてしまう。
家庭環境や世の中の常識、恋愛の対象等自分が当たり前と思っていることが
違っている「この世界」。
生きにくいこの世界が悪くないかもと思えるようになればいいですね。
#世界はきみが思うより
#NetGalleyJP
レビュアー 573233
それぞれの登場人物の抱えている問題の理由が分かった時、またそれが解消されていく過程、そこに考えさせられました。自分が思ってもいなかった視点にも気づかされ、また人の心の機敏さに新たな視点をいただけた気がします。
おかずを作り合っていく仲で見えてくる人間関係も良かったです。最後はちょっとホッとして終われました。
レビュアー 746064
ひとは必要以上に自分のことも気にするが過剰に他人を気にして生きている。それは嫌われたくないからか面倒に巻き込まれたくないからか?心理戦の攻防を巧みに表現している。こうでなくてはいけない。多様性の時代に生きる人々の未来への一歩を応援する小説だと思う。元気をもらえた。
教育関係者 468529
この物語、大すきだ。
途中からこの世界が終わるのが惜しくなってしまい、読み進めるのが
もったいなくてたまらなくなった。
主人公の1人、冬真の言葉にはっとさせられるし、心から納得する言葉も
多い。
自分のことをたくさん悩んで、たくさん考えてきたからこそ、行動や
将来についても冷静に分析できるすごさ。
登場人物は皆なにかを抱えている。でもこれって現実世界も同じ。
時に鋭く、思い込みや世間に切り込んでくるけれど、自分でも言い
たかったことってこれだよね!ってことも多くて、爽快だ。
この先のこの世界をまた読みたい。
教育関係者 869178
同性が好きで、人の手料理が食べられない冬真。
かわいいものが好きな綱。
太ることに抵抗のある紗里。
みんな、人には見せないけれど
心の中に生きづらさを抱えている。
ただ自分らしく生きていけばいいのに、
世間のことを考えるだけで難しくなってしまう。
そんな生きづらいときに、支えてくれる人がいるだけで世界が変わるのが素敵だった😮💨
みんなで好きなものを持ち寄って作るお弁当、
よかったなぁ🤤
冬真の母親の接し方が好きだった✨
子どもを1人の人間として見ている感じがして…。
自分の思うままに食べて、
人を好きになって、付き合って…
そうできることの幸せを感じた。
そして、人を信じていけることの幸せ。
それも当たり前のようで当たり前じゃない。
「世界はきみが思うより」…
この後に続く言葉はなんなんだろうって
読後色々考えてしまった🤔
悪くない?
生きやすい?
それとも…。
そんな、色んなことを考えさせてくれる作品でした☺️
読後、表紙を見ると1つ1つのイラストの
ストーリーが思い出されて、また良かった。
ほたるいしマジカルランドが出てきたとき、
ちょっとテンション上がったなー🤭✨
レビュアー 1469380
寺地さんの優しさが詰まった物語でした。
「わかっている」自分たちが素晴らしい人間のように振る舞う同級生と、人の痛みの根本を理解しようとして自分の苦手克服までしようとする冬真の人としての差が浮き彫りになり、現代の多様性のことを「わかったふり」をする人たちへの警告に感じました。
「わかったふり」をされるなら、わからなかったり距離を置かれるほうがよっぽど優しいように思います。
冬真も時枝も親という難しい問題と向き合っている姿がかっこいい。
周りの大人たちの距離感も凄くいいなと思いました。
紗里の内省の仕方が素敵で、冬真たちを見守る優しい最後にほろり。こんな女性になりたいなと思いました。
「世界はきみが思うより」と子供たちに言えるような世界になればいいなと願うばかりです。
図書館関係者 584759
とても良かった!寺地さんならではの、個性丸ごと生き方肯定感溢れるストーリー。家族関係や過去の傷を抱えた登場人物たちは、その他大勢の中で、"普通じゃない自分"に戸惑いながらも、やがて自分の気持ちの通り生きようとする。たとえ理解されなくても。その姿は、切なくてでも眩しくて、強さを感じる。そして自分でもよく分からない自分の良さを、見つけ、認め、言葉にして伝えてくれる人、や、たとえ相手の親族に対してでも、その人の事情を勝手には話さない人、というのは信頼に値する、と思う。世界は君が思うより…希望が持てて良かった。
レビュアー 474470
とても好きな作品になった。
最後は成人した子を持った親として、共感で涙がこぼれた。先のことなどわからない、成長は喜ばしい事なのに、側にいる人にはなぜかさみしい。
生きて人と関わることは、幸せなことと辛いことの繰り返し、ずっと幸せなままでいはいられないだろうと、始まった時から思う気持ちはとてもよく分かる。
『お弁当ってちっちゃく切り取った家庭を持ち寄っている』だからちょっと恥ずかしいのかと、すごく納得。
レビュアー 1344341
隣の芝生は青いではないが、あの人は自分より幸せそうだなと思うことが誰でもあると思う。
この物語の登場人物達も傍から見る分には幸せそうに見えるかもしれない。
抱えている悩みなんて本人にしかわからない。
でも、口に出しても軽蔑する人ばかりじゃない。
全ての物語を読み終わってタイトルの意味がわかった気がしました。
こんなあたたかい世の中ならいいな。
レビュアー 545029
寺地はるなさんの作品はいつもチェックしていますが、エッセー以外も心に響く作品がたくさんあります。本作はジェンダーや結婚など様々なカテゴリーを登場人物の視点を変えてオニムバス方式でつづられており、大変考えさせられる作品でした。
レビュアー 1953731
時枝くんとの関係がとても素敵だなと思いました。
男性同士の小説をあまり読んだことがないですが、すんなり受け入れられる内容でした。
学生同士の友人でお互いを大切に思いあえる関係って少ないと思います。
また、相手のことを庇えるのは同性同士でも難しいので素敵だなと思いました。
この関係が少しでも長く続いてほしいと思いました。
美月と水田さんの少しずつ仲良くなっていく描写がとてもよかったです。
レビュアー 545125
寺地さんの本は本当にいつも優しい。そうか、世界は私が思っているより優しいものなのか‥。考えすぎるのはやめよう。悩みすぎるのはやめよう。人のことを批判するのはやめよう。一気読みして、本を閉じる頃には、ここ最近モヤモヤしていたことが、すっーと引いていく思いがした。自分も他人も理解すれば良いんだ、もし100%認められないとしても、認める努力はしよう!今、この本が手元にあったら、胸元に当て両手で自分ごと抱きしめてしまうなぁ‥と思える本でした。
レビュアー 780363
父親の浮気が原因で手作りの料理を食べられなくなってしまった冬真。
両親から育児放棄をされている時枝くん。
太ることに異常に恐怖を感じている紗里。
彼らそれぞれが、生きづらさを感じ、世界を信じられなくなっている。
でも、ちゃんと彼らには愛してくれる、理解しようとしてくれる、幸せであるようにと祈ってくれる人がいる。
そんな世界の優しさがじんわりと沁みてくるお話。
この作品の驚くべきところは、主人公たちにとっての敵対人物にとっても、支えてくれる人たちがいること。
例えば冬真の父親は、浮気をして離婚したが、今は新しい家族がいる。
紗里も、最初は時枝くんを傷つけた張本人だったが、水田という理解者に出会える。
時枝くんの母親は育児放棄をしてしまうけれど、夫のサポートあっての生活をしているようだ。
分かり合えない立場の人にも、世界の優しさが享受される。
タイトルが示すように、世界は私たちが思うより、信じても良い場所なのかもしれない、と感じられる作品。
書店関係者 968798
読み終えて心が温かくなる物語でした。理不尽を理不尽だと言える強さも欲しいけれども飲み込んで強くなる道もあるんだなと。誰かの普通は万人の普通ではなくて、じゃあ普通である事は重要では無いんじゃ無いかなと。自分が心地よく生きられるのが一番。自分自身を信じてあげたい。
レビュアー 1497848
二人の男子高校生、難病の妹、母親、父親、叔母、こじれた女性、婚活中の男性、色んな人が出てくるけど型にはまった属性はなく皆どこか違う。違うのが普通の世の中なのである。皆同じなんてことはないのである。その違うということに悩んで苦しんでいる。そう、気付いてしまえば馬鹿げていると思えるほどに。世の中が寛容になれば「世界はきみが思うより」もっと生きやすい世の中になっている。