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あの日、ともに見上げた空 表紙

あの日、ともに見上げた空

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刊行日 2025/11/20 | 掲載終了日 未設定


ハッシュタグ:#あの日ともに見上げた空 #NetGalleyJP


内容紹介

第33回 小川未明文学賞大賞作品、いよいよ刊行!(2025/11/20発売予定)

ぜんぜんわかんない

兄だけど、

たぶん……

きらいじゃない。

■あらすじ■

小学5年生のわたしには、兄・ほーちゃんがいます。

ほーちゃんは突然叫んだり駆けだしたりして、全然ちがう人間です。

そんな兄が、病気で修学旅行に行けなかったのをきっかけに、

子どもからおとな、犬まで巻きこむやり直し修学旅行がはじまり……!?

どたばたな旅行計画をきっかけに、人とのつながりを見つめなおす感動作品。


本作は、第33回小川未明文学賞にご応募いただいた639編(短編作品352編、長編作品287編) のなかから大賞にえらばれた「ほーちゃんと、旅に出る」(長編作品)を改題し、書籍化いたしました。


【受賞のことば__黒田季菜子氏】

「この物語は、「色々な人たちが互いを認めて共存していく」という言葉が、

未来を生きる子どもたちにとってさらに優しく、尊いものになることを願って書きました。

ほーちゃん達が書籍となり、広い世界に旅に出ることになったことが、今、本当に嬉しいです。」


■小川未明文学賞とは?

『赤いろうそくと人魚』など多くの童話を創作し、日本児童文学の父とよばれた小川未明。小川未明文学賞は、未来に生きる子どもたちにとってふさわしい児童文学作品の誕生を願って、1991年に創設された、公募による文学賞です。(上越市・小川未明文学賞委員会共催)


■最終選考委員  ※五十音順、敬称略

・今井恭子(児童文学作家)

・小川英晴(詩人)

・小埜裕二(上越教育大学教授)

・柏葉幸子(児童文学作家)

・矢崎節夫(童話作家・童謡詩人)

・Gakken児童書編集長


【選考委員の選評___柏葉幸子氏】

「本作は、一番読後感がよかったです。旅に出るんだ、というわくわく感が伝わってきて、登場人物たちが個性的で魅力的でした」


……著者情報………

作:黒田季菜子(くろだ きなこ)

富山県出身。著作に三人の子ども、そして日々のことをつづったエッセイ『まいにちが合嵐のような、でも、どうにかなる日々。』『今日は子育て三時間目』(ともにKADOKAWA)がある。

絵:トミイマサコ

埼玉県出身。東京都在住のイラストレーター。書籍の装画・挿し絵を中心に活動する。著書に画集『虹間色』(森雨漫)、『トミドロン』(パイ インターナショナル)などがある。

………………………


第33回 小川未明文学賞大賞作品、いよいよ刊行!(2025/11/20発売予定)

ぜんぜんわかんない

兄だけど、

たぶん……

きらいじゃない。

■あらすじ■

小学5年生のわたしには、兄・ほーちゃんがいます。

ほーちゃんは突然叫んだり駆けだしたりして、全然ちがう人間です。

そんな兄が、病気で修学旅行に行けなかったのをきっかけに、

子どもからおとな、犬まで巻きこむやり直し修学旅行がは...


出版社からの備考・コメント

※こちらに掲載している作品データは刊行前のものです。
内容は刊行時に変更される可能性がございます。ご了承いただけますと幸いです。

※本書の内容につきまして、気になる点や改善点、ご意見などがございましたら、「非公開」のコメント欄にご記入いただきますようお願い申し上げます。
今後の企画や書籍制作に活かしてまいります。

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今後の企画や書籍制作に活かしてまいります。


販促プラン

お寄せいただいたみなさまのレビューを、SNS、プレスリリース、ネット書店、帯などの販促活動で使わせていただく可能性がございます。

みなさまの貴重なご感想を、ぜひお寄せください。お待ちしております。

・レビュー投稿締切:2025年12月16日(火)まで

・レビューが長い場合は、一部を抜粋して掲載させていただくことをご了承ください。

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・レビュー投稿締切:2025年12月16日(火)まで

・レビューが長い場合は、一部を抜粋して掲載させていただくことをご了承ください。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784052062445
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 192

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悪い人がひとりもでてこない!
とっても気持ちのいい作品でした。扱っているテーマはたいへん重いものです。それでも暗い気持ちにならずに一気読みできたのは、登場人物がみな魅力的だから。ひとりひとりが、自分がかかえている辛さと真っ直ぐに向き合おうとしているから。伊吹の心の成長がストレートにつたわってきて、読後爽やかな気分になりました。

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共助の心に火を灯す物語ですね。
主人公は「きょうだい児」の五年生。

風変わりに見える兄がいることで
まわりの注目を集める彼女が
多様性に触れる特別な体験をして
尊い気づきを得る筋書きです。

描かれる言葉や振る舞いだけでなく
息遣いまでもが身近に感じられました。

これは私自身、何年もの間
通級と民間療育を併用した経験が
あるせいだけではないと思います。

それだけ一人ひとりが
生き生きと輝いていたんです。

特に、誰かが制約に満ちた人生から
一歩踏み出すための助力を惜しまない
みんなの行動力や、全員にしっかり
役割を持たせる発想に胸を打たれました。

世の中の在り方の、
ひとつの理想形を見た思いです。

誰もが誇りを持って暮らせる、
そんな未来を後押しする作品ですね。

必要に駆られ徹底的に学んだ分野なので
何なら厳しく批評するつもりだったのに
そんな気持ちは涙とともに
流れ去っていました。

(対象年齢は10歳半以上かな?)

5 stars
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全体を通して、伊吹の姿にまっすぐな優しさを感じました。
お互いを完全に理解することは難しくても、「わかりたい」と願う気持ちは、人をつないでいきます。
「人を尊重する」という言葉の意味を、改めて考えました。

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様々なことを考えさせられる物語でした。そして、読後感がとってもいい。それは悪役を安易に登場させ、登場人物たちを苦しめようという意図がないからなのですね。よくあるテレビドラマなら、必ず、嫌な救いようのない同級生や近所の人がでてきて、善意の人々を打ちのめしていくのですが、本作にはそれがない。子どもたちにはこういった物語から体験してほしいなあと思います。多様性という概念をまさに体感できる作品で、やや詰め込みすぎて、もったいなさ感がありますが、読み手それぞれが、詰め込まれた要素のどこかに魅了されて、自己を振り返ることができるということでしょうね。さすがの小川未明文学書受賞作品でした。読ませていただきありがとうございます。

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>>ほーちゃんは、わたしとはぜんぜんちがう人間です。

 この書き出しにとても魅力を感じた。障碍のあるなしを、フラットに捉えて伝えてくれる気がしたからだ。この印象は最後まで裏切られなかった。
 語り手で主人公の伊吹は小学校五年生の女の子。ひとつ年上の兄、ほーちゃんは、ときおり大声を出したり駆け出したりしてしまうが、伊吹は「それがほーちゃんだから、なんでやろ、とは思わない」。「きょうだい児」という言葉はこの物語では使われない。
 ところで話は変わるが、伊吹の親友になる琴子が、作中、クラスに転入してきてしばらくして言う「あきたんじゃない?」という台詞にどきっとさせられた。どんな状況に対してそれを言ったのかは、本文を是非読んでほしい。

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登場人物がとても多様性に富んでいた。主人公の小学5年生伊吹の一つ年上の兄穂高(ほーちゃん)。自分の世界を強くもっていて伊吹には分からない行動ばかりをする。伊吹の学校の転校生で親友の琴子(コトコ)。心臓に病気を持っていて、どこに行くにも医療用酸素ボンベがかかせない。介護事業所の「NPO法人コバトハウス」を作ったパパの大学の元同級生マコト(マコ)さん。身体に重い障害を持っていて人の助けがかかせないけど、ちょっとワガママで口が悪い。他にも「コバトハウス」で働くスタッフはどこかちょっと多くの人が歩む道とは違う道を選んでいる。でもこんなに多様性に富んだ人物がひとつにまとまって楽しく過ごしている様子をみると、案外、こっちの方が人生をもっと有意義に生きられるのではないか、と思ってしまう。年齢も性別も関係なく、上下関係もない純粋な人間同士のつながりをもつことが、人への共感や優しさを生むーそんな大事なことを思い出させてくれた話だった。

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ほーちゃんは、突然大声を出したり、馬のようにギャロップで走りだしたりする。
妹の伊吹は、周りに「お前の兄ちゃん、何で走るん?」と聞かれることにうんざりしている。
新幹線が大好きなほーちゃんは修学旅行を楽しみにしていたが、体調不良によって参加ができなかった。
そんなほーちゃんのために、コバトハウスのみんなで修学旅行のやり直しの旅行をすることになった。

小5の伊吹が感じる兄に対しての、「面倒だな」「大変だな」という気持ちと、「何にも知らないくせに勝手なこと言うな」と第三者に対する気持ちなどが、とても率直に書かれていた。
物語自体もよかったが、敬体のすっきりした文章や、登場人物の一つ一つのエピソード、さわやかな読後など、全てが好みの作品だった。

5 stars
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小学5年生の伊吹には1歳上の兄がいる。
兄の穂高は自分とは全然違うということを伊吹は常に感じているのが文章からもひしひしと伝わってくるが、それは、なんというか、己れと他を分かつ感じでとてもフラット寄り。小学生がこんなにフラットに考えることが可能かのか…、と思わないでもないが、環境もそうさせている一因のようで、少し羨ましくもある。
そんな兄がインフルエンザで修学旅行に行けなかった。それを気の毒に感じたトモさんが“やりなおし”の修学旅行を計画して、何故か関係ないはずの伊吹やコバトハウスの面々まで巻き込んで、大人数での壮大な旅に発展していく。その中には親友も含まれていて、それを普通に受け入れるのが可能な側も、提案してしまえる(普通はもっと躊躇してしまうと思う。それが良いか悪いかは別として)伊吹にも、物語の中だから…という読者側の気持ちも少しあるが、ラストのパーキングエリアのシーンはとても清々しくて、まさに“これからの未来の姿”を提示してくれているようで爽やかな風を感じることが出来ました。

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《「ひとりでは届かない心に、みんなで手を伸ばす。」兄を支えてきた小学5年生・伊吹が、“行動”の向こうにある“気持ち”に出会う物語》

小学5年生の伊吹は、一歳上の兄・ほーちゃんの突発的な行動を受け止めながら、母を支えて日々を過ごしている。
ほーちゃんの、決まった生活ルールへの強いこだわり、突然走り出す衝動、脈絡なく言い始める新幹線の駅名の羅列——。
そのすべてを、伊吹は「兄の姿」として受け入れてきた。

ただ、伊吹もまだ小学生だ。
どうしても心の奥にはもやもやが残るし、理解できるのは“行動”のレベルまで。
ほーちゃんの“心”にまで思いを馳せる余裕はなかった。
でも、ここまで踏ん張ってきた伊吹のだから、それは当然の限界だったはず。

その時、インフルエンザで修学旅行に行けなかったほーちゃんの“ほんのわずかな変化”に、「残念だったんやね」と気づき、そっと寄り添ってくれる人達がいた。
その姿に触れながら、「ほーちゃんにもちゃんと気持ちがある」という事実を、伊吹も自分の言葉で受け止め始めていく。

ほーちゃんを変えようとせず、「そのままでええ」と示すじーちゃん。

身体が不自由で助けを借りながら生きていても、「ありがとうと言うと死ぬ」と言い張り、『NPO法人コトバハウス』を立ち上げた後、亡くなる瞬間に初めて「ありがとう」を残したマコ。
マコから受け継いだ“言葉に頼らないコミュニケーション”を、伊吹は自然にコトコとの関係に反映させていく。

『NPO法人コトバハウス』の二代目責任者のシンヤは、
「ふつうなんて人はおらん」
「みんな同じである必要はない」
「できる人が、できることをやる」
という言葉で、伊吹の生きる世界の座標そのものを書き換えてくれた。

大学を休学し『コトバハウス』で働くトモは、“どう一緒に生きていくか”と言う姿勢でほーちゃんと一緒に走る。

そしてまだ2歳のセリは、ほーちゃんの気持ちを感じ取り、手を握り続けるという最も素朴で本質的な寄り添いを見せる。

——1人では見えないことも、誰かとなら見えてくる。
——できないことも、集まればできるようになる。

だからこそ、「2歳〜79歳」という奇妙で愛おしい一団“やりなおし修学旅行ご一行”の中で、伊吹とほーちゃんは自然と自分の場所を見つけていけたのだろう。
その姿に、何度も微笑んだ。

そして、伊吹がほーちゃんの“心”に触れる瞬間。
伊吹、ほーちゃん、マコ、セリが並ぶ、最後のページにある見開きの挿絵を見たとき、涙が静かに落ちた。

──

挿絵のトミイマサコ先生は、おおぎやなぎちか先生の〈家守神〉シリーズや、令丈ヒロ子先生の〈妖怪コンビニ〉シリーズでもお馴染みのイラストレーター。
本作で描かれる人の表情と空と光、その温度を見て、彼女の絵がさらに好きになった。

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「多様性」この言葉を最近よく目にします。
でも実際に「ほーちゃん」のような男の子に出会ったらどうでしょう
?身内にほーちゃんのような人がいるので、小学5年生の伊吹の気持ちがビシビシと伝わってきました。
薬で治らないの?どうしてそういう事するの?
悪意はないけれど、興味本位で聞かれる言葉が耳の奥で何度も思い出されました。

この本には悪意を感じる人は誰も登場しません。
私の居場所をここに作りたい!
私もこの修学旅行に参加したい!
みんな大好き!
そんな好きという気持ちが読んでいてあふれてきました。

一人ひとりの個性が尊重されている、コバトハウス。でも背景には重くて切ない思いも秘められています。
1編ごとに優しい言葉や、心にいつも留めておきたい言葉が詰まっていて涙が何度も流れました。
特に «四 マコさんの「ありがとう」»が好きです。
「ありがとう」って言ってもらえるのって嬉しいですよね。でも、心のこもった「ありがとう」を受け取ったことはありますか?
「ありがとう」この言葉の持つ意味や力を深く考えました。

簡単には世界は変わらないけれど、相手の視線で物事をとらえられるきっかけになるお話だと思います。
誰もが尊重されて、こんな優しい世界が、いつか訪れますようにと願わずにはいられません。

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子どもたちに読んでもらいたいのはもちろんだけど、
子どもたちをとりまく大人たちに、強くお勧めしたい。

伊吹の心を育てているのは、本人が持つ周囲を見る目ももちろんだけど
おじいちゃんをはじめとした、かかわりのある大人たちの姿による
ところも大きい。

シンヤさんが、伊吹に言った言葉が大人の自分にも刺さる。
「かなしいとか、しんどいとか、そういう一時の感情に自分を
明けわたしたらあかんねん」

大人になっても、大人だからこそ判断に自信があるからこそ
一時の感情に自分を明けわたして、それを自分の意見であるかのように
ふるまってはいないか。
自分の持つモノサシみたいなものにを確固たるものだと、思いこんでは
いないだろうか。

伊吹が、ほーちゃんのわからない、わかりにくい行動にも
理由があり、考えに基づいていると気づける。
大人は果たしてどうだろうか?

自分に問いかけながら、子どもたちの行方についても様々思いを
巡らした一冊。

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とても良かった。多様性をテーマにしつつ、それが尊重されない問題に軸を置くのではなく、それぞれが認められている空間が描かれているので、子供たちにもモデルが示せるんじゃないかと思って、良いと思った。読後感もよい。

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