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レテの汀 表紙

レテの汀

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刊行日 2026/02/17 | 掲載終了日 2026/02/17


ハッシュタグ:#レテの汀 #NetGalleyJP


内容紹介

それは、私の人生をもう一度、歩き出すための旅だった。
≪R-18文学賞出身作家が魂を込めて書き上げた、再生と希望の物語。≫

♢♢♢

東京郊外の大きな家で、ひとり暮らしをしている柑(かん)。
なるべく人付き合いを断ち、規則正しく無機質な日々を送っているが、ある思いを胸に、亡き母の故郷である与那国島を訪ねることを決意する。
それは、柑自身も覚えていないほど幼い頃に犯した、大きな罪と向き合うためだった。
しかし思いがけず、小学6年生の甥っ子・伊吹もついてくることになり……。

------------------------------------------
著者/雛倉さりえ(ひなくら・さりえ)
1995年滋賀県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科卒。16歳の時に執筆した短編「ジェリー・フィッシュ」が、第11回「女による女のためのR-18文学賞」の最終候補に選ばれる。同作は金子修介監督により映画化された。他の著作に『ジゼルの叫び』『もう二度と食べることのない果実の味を』『森をひらいて』『アイリス』がある。

それは、私の人生をもう一度、歩き出すための旅だった。
≪R-18文学賞出身作家が魂を込めて書き上げた、再生と希望の物語。≫

♢♢♢

東京郊外の大きな家で、ひとり暮らしをしている柑(かん)。
なるべく人付き合いを断ち、規則正しく無機質な日々を送っているが、ある思いを胸に、亡き母の故郷である与那国島を訪ねることを決意する。
それは、柑自身も覚えていないほど幼い頃に犯した、大きな罪と向き合うためだった。
しかし思い...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
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著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。
※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。

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出版情報

ISBN 9784065423325
本体価格 ¥1,900 (JPY)
ページ数 157

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閑かな序章 静謐な設え 静粛な日常
これはこれは色で言えば 白 めちゃくちゃ好み、と読み入る。
奥へ奥へ 
正常を保てないほどの号泣のあと 閉じていた瞳を開けると
それでいい、ということばだけが残されていた。
内包する誰にも知られたくない孤独に ただただ寄り添う
失くしてからはじまる物語
まっさらなキャンバスに点という染みを感じる書籍だった
すばらしい
それは最後の1行まで。
これから先 を待たれる作家さんと出会えた
今日はいい日だ

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正しさと生き方は自分の中で見つけていくしかない。
ポキリと柑を摘むように静かながらも確かな感覚がある作品でした。主人公たちの存在はどこか滲むようにぼやけていて、最初はそれが嫌な不鮮明さとしてあり続けていますが、物語が進むにつれてそれでいいと光に変わっていくようで、人なんてはっきりしている時の方が珍しいと背中を押してくれる導き方がとても素敵でした。何事も時間と労力はかかるけれどそれなりの答えはいつか見えてくる。それを自分にとって答えとするならばそれは理想なんだと思います。

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柑は人には打ち明けられない思いを常に秘め、柑にとって特別な日に、亡き母の故郷与那国島を訪れることに。一人で行くつもりが、甥の伊吹までいくことに。

「ずっと模索していた。どのようにふるまうべきか。自分のような存在が今も生きていて、これからも生きつづけてゆかねばならないという理不尽な現実を、なんとか自分自身に納得させるために」
誰しも模索している。生きていることにも迷う。
だから柑の気持ちを全て理解できなくても、もがく気持ちに共鳴しながら読んでいた。

カフカの断食芸人や、レテの川の話が登場し、常に柑の周囲には逃げることのできない生と死が付きまとっているようだった。
柑は柑なりに精一杯に生きてきた。
それでも、与那国島への旅は必要だった。
柑だけでなく、柑の周囲の人々にもこの旅は必要だった。
柑がたどり着いた心境にとても納得した。
私は柑のような旅をしても同じような心境にたどり着けるかは、分からない。
ただ、そう感じただけでも読んだ価値があった。
答えが分からないからこそ日々悩み、これからも模索して生きていきたいと思った。

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この作品、途中で化けますよ~。

主人公は生真面目に古本屋勤めを続ける青年。

過去にとらわれ、息をひそめるように
生きてきた彼が、甥っ子同伴で
亡き母の原点をたどるなかで、
思いがけない経験を重ねます。

コレ11歳男子のキャラクターが超ヤバい。

頭を働かせ22歳年上の叔父を導くような、
まさかのパワーが詰まってるんです!

一方で子供らしさや繊細さもあって
メッチャ好感が持てました。

自己否定におぼれる青年の歩みは、
痛いほど胸に迫りました。

淀んだ世界が少年の登場で滑らかになり、
島での思いがけない出会いも加わって
流れるように動き出すところが素晴らしかったですね。

物語と並走するように、
私のこわばった心もふっと緩みました。

終幕はすっかり心が晴れるのとは
違うところに彼らしさがにじみ、
胸にストンと落ちましたよ。

おかげで私も現実に折り合いをつける
意識を持ちたいと思えました。

いま、この作品に出逢えてよかった!

(対象年齢は13歳以上かな)

5 stars
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解決しない悩みをずっと抱えながら生きていく辛さ。人の顔色ばかり気にしている不自由さ。様々な生きづらさに寄り添って救う。
旅の中で感じたあれこれ。静かな日常に光が射す。それでも侵した罪は消えない。しかしそれとどう向き合っていくか少し分かった旅だと思う。
儚く脆い登場人物たち。危うい感情の連続で読み手も苦しくなりながら最後には希望が見える。

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末妹を妊娠中の母と交通事故に遭い、母を幼くして亡くした柑はアルバイト先の書店に15年勤めている。
「こうしたい」ではなく、「どうすべきか」。それが柑の人生のルールだった。

『レテの汀』というタイトルの絵画、それは母の遺作となった未完の作品。
ギリシャ神話に出てくる黄泉の川であるレテ川。

柑は自分を赦すことを知っていく救済の物語。

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「なるだけ他人と関わらず、娯楽の為の外出を控え、家で読書に勤しむ。」つつましくバランスの取れた食事と、規則正しいリズム。誰に強制されたわけでもない、静かな生活。三歳で母を亡くした時に、レテ川の水を飲み、忘れてしまった「ことがら」が、主人公:柑に、生活感のない生活を送らせている。
 そんな柑が、三十三歳を機に、母の故郷を訪ねる。物語の進み方の静けさ、こまやかさがとても印象的な小説だった。

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すごくよかった。登場人物の感情、出来事、情景など、伝わってくるものが、雛倉さんの文章を介すると、美しくて繊細な変化も逃さない、いわば完璧な形でぐっと心に入ってくる。ネタバレになるかもしれないので、控えるけれど、物語の終盤での傷つけてしまうこと、傷つけられないことへの描写がすばらしかった。この作品を、これまで傷ついたり、傷つけたりしてしまったすべての人に、読んで欲しい。贈りたい。

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静かなのに力強い物語でした。
雨の日の静かな室内でゆったりと読みたい、詩のような美しい言葉ばかりで、日本語の表現の幅広さに驚かされました。
母と家族への罪に苛まれていた柑が、現実から目を背け罪を償う生き方から、姉と対話をしたいと言えるようになるまでの流れに自らも救われた気持ちになりました。
旅に同行する甥も、その母である姉も人の気持ちに寄り添える人で、きっとお母さんもお父さんも素晴らしい人だったんだろうなと想像ができました。
レース編みのような、登場人物たちの心の揺れ動くさまの描写が本当に素敵です。

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美しい絵画のような景色が見える素敵な文章に惹かれ、流れるように読んでいけました。何かを変えたいと動き出したことで、さまざまな出会いや経験をしていき、その中で柑の世界がモノクロから少しずつ色が付いていくようでした。柑の前に突然現れた伊吹が現代っ子なのですが、強引ではあるもののその中に優しさがあり好ましかったです。伊吹自身の抱いている問題とも向き合えるようになったのもよかったです。それぞれのこれからの人生に様々な色を描いてほしいと思いました。

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読後に静かな余韻がいつまでも残る小説
決して覆すことのできない、幼い頃の大きな過ちを抱えた柑と、甥っ子との二人旅
甥っ子の言動がイマドキの子という感じがしてとてもよかった
与那国島への旅でわかったことを踏まえて柑が至った境地が、静かに重く胸に響く作品でした

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物心つく前、まったく覚えていない頃に事故で母を死なせてしまった罪悪感から高校卒業後、進学も就職もせず過ごしている柑。一緒に住んでいた父が二年前に亡くなってからはますます簡素な生活をしていたが、ある日母親の美術館を見に行こうと思い立つ。才気溢れる画家だった柑の母。死後、故郷である与那国島に名を冠する美術館が建てられていたのだった。一人で行くつもりだったが、22歳年下の小6の甥・伊吹が着いてくることになって……?

繊細な表現が随所で光る、大切にしたい一作だった。エンマが柑にかけた言葉もまたすべて真実で、救われてしまうことだってできたはずだ。だからこそ旅を終えた後の柑の選択がじんわりと胸に迫る。同じ生活を繰り返していても、旅に出る前の柑ではない。そういったことが活写されていてうれしくなった。

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Net Galleyで気になり読んでみた一冊。雛倉 さりえさん、アンソロジー以外ではお初の作家さん。
母と妹を殺したのは自分だ 記憶のない子供時代の事故を自分の罪と捉え、償いにだけ生きてきた柑。
とにかく彼の生き方が辛く、息苦しい。過去は変えられない、だから償うことなどできない。
そもそも母が亡くなったのは事故であって、彼の責任ではない。
全てを隠したのなら、父は柑に告げるべきではなかったのではないか。
母が生きていたころのまま、家を守り、月に一度、美術館に母の作品を見に行っていた柑が、一歩踏み出し、母の故郷・与那国島にある美術館を訪れることを決心する。
そこに甥・伊吹が帯同することになる。小6の息吹のキャラクターがとても良い。姉も自分を受け継がなかった美術の才を引き継いだ伊吹。
後、生まれる前に亡くなった妹・橙子に贈られたミミズクのぬいぐるみの存在も巧い。
言葉の選び方など、とても巧い作家さん、他作品を読んでみたい。
最後に姉・粋夏との対話のシーン、姉も抱えてきた過去の事件を話すことで先に進めるのでは、と感じられました。

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深閑とした空間に浮かぶ、詩のような響きを持つ言葉たち。その繊細な描写に、1本の映画を見ているようでした。
ピンと張りつめた雰囲気に、只者ではない空気を感じる。
心の何処かに、ふとした拍子に思い出してはその痛みを思い出すような傷を抱えている人に読んで欲しい一冊です。

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三歳の時に不慮の事故で母親とお腹にいる妹を死なせてしまった柑。
罪の重さで人目を避けるように生きてきた彼だが、与那国島にある母の美術館を訪れたことをきっかけに、止まっていた時計が動き出す。
原罪のような罪と人はどう向き合い償ってゆくのか。
一番辛かったのは全てを知り見守り続けるしかなかった姉なのかもしれない。
ほのかな希望が見える終わり方に安堵しました。
静かな文章だが内容は重かった。

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丁寧な言葉で綴られた文章を読み、登場人物の繊細な心の動きを感じたり、色鮮やかな風景を感じたり…
記憶にない罪を背負いながら生きてきた柑が、甥である伊吹との旅をきっかけに記憶を失くした自分に寄り添っていこうと思えるようになるまでが描かれていた。
孤独でいることを選んでいるように見えた柑が、旅での人との関わりで心を開いていく様に見えた。
そして、最後には人との対話を求めるところまで… 後半は涙、涙。
心揺さぶられる1冊だった。

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あまりに重すぎる柑の過去が読んでる間中自分の肩に乗しかかってくる感じがしました。
正しく生きようとする柑の人生が私にはすごくつらく思えました。
正しいと思える生き方がこんなにさみしいものだとは。
そして甥っ子、伊吹の学校に行きたくない理由も、家庭環境から「相手の気持ちを推し量る」ことに慣れすぎてしんどくなってしまっていたことから。
こんな伊吹と柑が一緒に旅行に行き、二人が少し前向きになれたことはすごい体験だったなと思いました。
共感するところも結構あり、私も彼らのように少しずつ進んでいきたいなと思いました。
とても素晴らしい作品でした。

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