木山千景ノ怪顧録 弐
嗣人
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刊行日 2026/04/15 | 掲載終了日 2026/05/14
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内容紹介
【内容紹介】
人間の魂の色が視える病弱学生×傲岸不遜な霊能力者による、
ピカレスクホラーシリーズ第2弾!
怪異をもたらす存在として、死後も恐れられた男・木山千景(きやまちかげ)。
生前の木山は魂の色が視える才能あふれる見鬼でありながら、ひどく病弱だった。少しでも生き永らえるため妖術にすがる木山は、人と怪異の仲立ちを生業とする一族の当主・帯刀燈(たてわきあかり)に弟子入りし、教えを乞う。
魂が宿る漆器、廃村で神を騙る男、海からの異形の使者…
帯刀の元には数々の悍ましい怪奇事件が舞い込んできた。
後世に悪名を轟かせる男の苦悩と葛藤の日々を描いた怪異譚。
訣別、それはもう宿命づけられた未来——。
装画:立藤 灯
【著者プロフィール】
嗣人(つぐひと)
熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。著作に『夜行堂奇譚』『穂束栞は夜を視る』『カナエトメイ』『天神さまの花いちもんめ』(産業編集センター)、『文豪は鬼子と綴る』(竹書房)など。
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出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784863114838 |
| 本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
| ページ数 | 240 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
書店関係者 575593
人並み以上に怖がりなのに、この作者さんの話はどれも面白く読んでしまう。なんなら2回3回と読み直すし、その度に怪異こわーと思うのに、なぜか読んでしまう。
木山くんと帯刀のやり取りもどこか笑えるし、今回は帯刀の弱点?も露呈したので良かった。
教育関係者 645139
《変わり始めたのは、運命ではなく──木山だった》
プロローグでの帯刀と木山の会話に、ごく当たり前のように昔の夜行堂と女主の話が出てくる。
やはりこれは過去の物語。
けれど、逃げられない未来に囚われた2人の物語として、受け止めたくはなかった。
『主亡』
蔵の鍵を開けることを依頼された帯刀。
その中の〝モノ〟には興味を示しながらも、遺産相続で争う人々には無関心というのが、いかにも帯刀らしい。
木山は、互いの祖父の確執を思い出し、含み笑いをしている。
気心の知れた師弟。
帯刀に期待されていることに誇りを抱きつつ、その先にあるものを予感して、嬉しさと恐れを同時に抱く木山。
その矛盾が、読んでいてじわじわと不安を呼び起こしていく。
そんな木山を弟子として育てていく帯刀。
頭を乱暴に撫でる姿も、いかにも帯刀らしい。
反発しながらも、そんな帯刀に感化されていく自分を、木山は少しずつ受け入れ始めてもいる。
だからこそ、その変化にわずかでも希望を抱いてしまった。
⸻
『明星』
生き続ける術を求めることに必死な木山。
だからこそ、どんな怪異に対しても帯刀と共に向かっていく。
それを知ってか知らずか、弟子として一見粗暴に扱う帯刀。
けれど帯刀には、自分の命を削ってまで人を助けようとする危うさがある。
それに対する木山の、客観的で理論的な物言い。
その裏には、死への恐れと生への執着が見え隠れしていた。
そんな木山の鋭さが、危地を脱するきっかけになる。
それを我がことのように喜び、頭を撫でて褒める帯刀。
この関係がいつまでも続くようにと、願わずにはいられなかった。
⸻
『役枝』
依頼人である病院長に対し、木山のことを「名代を任せることもある」と紹介する帯刀。
そこまで信用し、その力を認めているのか。
だからこそ帯刀は問いかける。
木山がどこまで成長しているのか、見極めるように。
そして木山もまた、それに見事に応えていく。
まさにバディと呼びたくなるやり取りだった。
それでも陰なる木山には、陽たる帯刀があまりにも眩しく映るのだろう。
悪意というものを理解できない甘さがあると、木山は決めつけている。
死から逃れることに囚われた木山の瞳には、自分以外のすべてが道具に見えているのか。
そのあり方に、ぞくりとするような感覚を覚えた。
⸻
『螺鉢』
自分はそんな人間ではないとわかっていながら、初めて帯刀のように人へ手を差し伸べた木山。
その後に襲ってきた胸の苦しさは、何を意味していたのだろう。
読んでいて、ふと考えこんでしまった。
いつも内心では帯刀を見下している木山が、
自分の企みが露見しかけて慌てている。
そのとき、帯刀を騙していることへの罪悪感も、木山の中にはあったのだと思いたい。
祖父は、自分とは比べものにならないほどの狂気と執着を持っている。
木山はそれを知る。
それでも、その象徴である硯箱を“見る”ことすらせず、元に戻した。
以前の木山ならどうしていただろうか、としばらく考えた。
確かに変わってきている。
未来は変えられるのか。
⸻
『約定』
宮子の出産を聞いて喜び、その一方で心配しすぎる帯刀。
その様子を呆れたように、冷ややかに眺める木山。
けれど、その態度が慌てる帯刀を戒めることになる。
そして帯刀は、それを笑って受け入れる。
それが帯刀の器の大きさなのだろうか。
赤子の魂の無垢なありようを見て、木山は己を振り返る。
「愛らしいな」という言葉は、お世辞ではなく本心からのものだったと信じたい。
「良い顔になった」と木山に言う福部。
やはり、そうなのか。
赤子を抱く木山自身も、「らしくない」と感じるほどの変化を、自覚していたのかもしれない。
そんな木山が、宿命に縛り付けられた帯刀を見たとき、どんな表情をしていたのだろう。
温かくても、悲しそうでもいい。
ただ、嬉しそうな顔でさえなければいいと、そう願ってしまった。
未来は、変わり始めているのかもしれない。
そう思わせる第2巻だった。
書店関係者 1043612
今回のお話も景色が目に浮かぶような物語でした。
相変わらず背筋をゾッとさせる怖い物語に引き込まれました。しかし、ただ単に怖いというだけではなく、木山の背負っている宿命のせいで陰鬱だった彼が段々と丸くなってきているような描写に感情移入してしまいます。
帯刀とのテンポの良い会話にニコニコしました。
とにかく、しゃきん、しゃきんは怖過ぎました。
そして、窮奇の毛!!!テンションがぶち上がりました!
白味噌の味噌汁と焼き鳥が食べたくなりました笑
木山千景ノ怪顧録シリーズも夜行堂シリーズも文豪は鬼子シリーズも穂束栞くんシリーズもクロスオーバーしてどんどん続いて行ってほしいです!
いつもゲラ読みさせていただき本当にありがとうございます!