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くがいの聲 表紙

くがいの聲

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刊行日 2026/04/15 | 掲載終了日 未設定


ハッシュタグ:#くがいの聲 #NetGalleyJP


内容紹介

【内容紹介】
この地で亡くなった人間の死体は朽ちることがない。あの子まで「祈り子」にするわけにはいかない。
遺体を異なる三つの棺に納めて埋葬する。
この村はもうすぐ死によって埋め尽くされる――。

『お祖父ちゃんの家の遺品整理をしてきてほしいのよ』
母からの突然のお願いで、滝川史也(たきがわふみや)は幼少期ぶりに祖父の家がある神薙村(こうなぎむら)を訪れた。
神薙村は深い山々に囲まれた限界集落にあり、奇妙な葬送儀礼が連綿と受け継がれていた。墓石に刻まれた十字架、「くがい」と呼ばれる謎の伝承、朽ちない死体、祖父の死の真相…。
神薙村に隠された暗い秘密が徐々に明らかになっていく。
それは奇跡の御業か、悪魔の所業か――。

阿泉来堂が紡ぐ、絶望の民俗ホラーミステリー。

装画:荒ヰ 墨石

【著者プロフィール】
阿泉 来堂(あずみ らいどう)

北海道在住。第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞を受賞した『ナキメサマ』でデビュー。著書に『那々木悠志郎』シリーズ、『バベルの古書』シリーズ、『贋物霊媒師』シリーズ、『死人の口入れ屋』、『逆行探偵』シリーズ、『骸ノ時計』、『冥船ステラ・ブルー』など。

【内容紹介】
この地で亡くなった人間の死体は朽ちることがない。あの子まで「祈り子」にするわけにはいかない。
遺体を異なる三つの棺に納めて埋葬する。
この村はもうすぐ死によって埋め尽くされる――。

『お祖父ちゃんの家の遺品整理をしてきてほしいのよ』
母からの突然のお願いで、滝川史也(たきがわふみや)は幼少期ぶりに祖父の家がある神薙村(こうなぎむら)を訪れた。
神薙村は深い山々に囲まれた限界集落にあり、奇妙な葬送...


出版社からの備考・コメント

【NetGalleyをご利用の皆さまへ】
・読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
・いただいたコメントは各種販促活動に使用させていただく場合がございます。
※すべてのリクエストにお応えできない場合がございます。予めご了承ください。

【書店員の皆さまへ】
書籍のご注文や拡材をご希望の書店さまは、恐れ入りますが<産業編集センター出版部>まで直接お問合せをお願いいたします。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784863114821
本体価格 ¥2,100 (JPY)
ページ数 434

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《因習に隠された真実。暴かれていく真相。
その果てに待つ恐怖》

前作『冥船ステラ・ブルー』は、全編を血みどろの恐怖が貫くホラーだった。
それに対して本作『くがいの聲』は、一見すると静かだ。けれどその実態は、得体の知れない気配にじわじわと追い詰められ、いつの間にか真綿で首を締められているようなホラーだった。

ただし、描かれているものの核は共通している。
極限状態に置かれてもなお、意思を持ち続けようとする人々の生き様。その一点において、本作もまた阿泉来堂作品なのだと感じた。

村人が亡くなると土葬にする因習を持つ、北海道の山村・神薙村。
祖父の遺産整理のためにこの村を訪れた“ぼく”こと史也の前に、村にまつわる謎が次々と現れてくる。

ミマモリの人。祈り子の巫女。宣教師パドレ。
不穏な言葉や存在が次々に差し出されるたび、村全体に漂う異様さがじわじわと輪郭を帯びていく。
しかも史也自身、気づかぬうちにその只中へと取り込まれていく。
人は自分の周囲で起きていることを、ここまで見誤るものなのか。その感覚が恐ろしかった。

さらに印象的だったのが、伝承や超常現象に向き合う二人の立場の違いだ。
あくまで研究者として合理的に解釈しようとする准教授・比留真。
戸惑いながらも、自分の身に起きることとして受け止めていく史也。
どちらにもそれぞれの理由と誠実さがあるからこそ、この二人が歩み寄れるのかどうか、読んでいてずっと不安だった。
それでも、だからこそ希望もまた感じていた。

だが、生活を共にしながら相互理解へ辿り着くより先に、神薙村が長く封じ込めてきた「くがい」が姿を現す。
そこから物語は、見えない不穏さに怯える段階から、取り返しのつかない事態へと踏み込んでいく。

ようやく超常現象に対して本当の意味で協力体制を築き始めた二人は頼もしかった。
とりわけ比留真は、広い見識だけでなく、決断し引き受ける者としてのリーダーシップを見せる。その姿が、恐怖の只中にあってなお一筋の希望になっていた。

だからこそ、神薙村が因習の名のもとに続けてきた対処の数々が、あまりにも人道に反していたことには強い嫌悪を覚えた。
キリストの磔刑を戯画化したかのようなその発想には、思わず吐き気すらした。
しかし同時に、土葬をはじめとする方法のいくつかが、単なる自己保身だけではなかったと見えてくるところに、この物語の単純で花ないところがある。
守ろうとしたものは確かにあった。けれど、そのやり方があまりにも歪だった。

それだけに、かすかに見えかけた協調の可能性を、比留真の激情が断ち切ってしまう場面は重かった。
そしてここで、ついに噴き出す「死」。
それまで潜み続けていた真のホラーが、ここで一気に牙を剥く。

絢瀬の決意に応じる史也。
ようやく自分のなすべきことを自覚する比留真。
ラテン語の格言
「FIAT IUSTITIA, ET PEREAT MUNDUS(正義を行え、たとえ世界が滅びようとも)」
が強く響く展開には、心を熱くさせられた。

だが本作は、それで終わらない。
この怪異の背後には、なおもさらに邪悪な意図が潜んでいた。

読み終えて感じたのは、
「正義」とは与えられるものではなく、自ら選び取る意志のことなのだ
ということだった。
因習、恐怖、死、そして共同体の論理に呑み込まれそうになりながらも、それでもなお何を選ぶのか。
『くがいの聲』は、その選択の重さを鋭く突きつけてくるホラーだった。

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