おしら鬼秘譚
黒木あるじ
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刊行日 2026/04/07 | 掲載終了日 2026/04/07
文芸小説 | ミステリー/サスペンス | ホラー
ハッシュタグ:#おしら鬼秘譚 #NetGalleyJP
内容紹介
怪異に嘘も本当もない。
大事なのは背景にある人の営みや風土だ。
寒村に伝わる呪いの人形に秘められた謎とは?
忽然と消えた娘を追う母は、〈鬼を招く〉学芸員&〈最恐〉呪物蒐集家と、東北を駆ける――。
仙台のタウン誌で働きながら娘とふたりで暮らしている桑見里帆は、古本市で「おしら鬼」と呼ばれる木彫りの像を手にする。巨大な角を生やした奇妙な木像の写真を目にした里帆の母は、我が家にも同じ人形があったと言い放つ。その夜、娘の愛菜が木像とともに失踪してしまう。里帆は、民俗学に詳しい学芸員・獺川(おそかわ)や怪奇マニアの呪物蒐集家・摩訶原(まかはら)といった怪人物たちを巻き込みながら、愛菜の行方を追うため「おしら鬼」の正体を探ってゆくと――。
怪談実話の旗手が放つ、 伝奇ミステリ!
おすすめコメント
舞台は東北。恐怖の合間に覗く哀しみ、土地に息づく「信仰」という名の豊かな営みや文化を大切に描いたエンタメ小説です。
本読みの間で話題となった著者の前作『春のたましい』と同じく、ホラー、伝奇ロマン、ミステリが融合した物語をお楽しみください。
舞台は東北。恐怖の合間に覗く哀しみ、土地に息づく「信仰」という名の豊かな営みや文化を大切に描いたエンタメ小説です。
本読みの間で話題となった著者の前作『春のたましい』と同じく、ホラー、伝奇ロマン、ミステリが融合した物語をお楽しみください。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784041168523 |
| 本体価格 | ¥2,200 (JPY) |
| ページ数 | 240 |
関連リンク
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
書店関係者 571250
仙台に移り住んできた母娘が、古本市でひょんなことから出会った“おしら鬼”の怪異に巻き込まれていく物語。
突然消えてしまった娘を探すため助けを求めたのは、民俗学に詳しい学芸員の獺川と、呪物蒐集家である摩訶原。2人ともなかなかにクセが強く里帆は若干押され気味ではあるが、娘を助けるために踏ん張る時にはめちゃくちゃガッツがあって、とても人間らしくて好感がもてます。
謎をとくうち、何故か里帆の故郷が関係してきたり、仙台だけの話ではなく、東北という土地に根付く信仰にホラーみとミステリー感がとけあって、人の気持ちが産み出す優しさと哀しみが存分に味わえました。
『春のたましい』の時もでしたが、今回も表紙が蛸井こたさんで、本当に作品の世界にぴったりで素晴らしいです!
教育関係者 645139
《怪異の果てに残ったのは、母の強さと人の優しさだった》
木彫りの像、おしら様によく似た〈おしら鬼〉は、里帆の娘・愛菜をさらっていく。
「しあわせにしてけっさげ」という謎の言葉を残して。
けれど、これはただ恐ろしいだけの物語ではなかった。
強い物語だった。
人の心の強さと優しさが、まっすぐに伝わってくる物語だった。
「鬼を招く男」獺川玄一郎。
彼は怪異を習俗の産物として捉え、民俗学の立場から真摯に向き合っていく。
「稀代の呪物コレクター」摩訶原般若。
彼は、呪いは娯楽であり、祟りはエンタメだと言い切る。
そんな水と油のような二人が手を結ぶ。
それを成し遂げたのが、愛菜を〈おしら鬼〉にさらわれた母親・桑見里帆だった。
純粋に子を思うその強い気持ちに触れたからこそ、獺川と摩訶原は心を一つにする。
その瞬間には、読んでいて武者震いしてしまった。
けれど、幾多の不思議をくぐってきた獺川や摩訶原と違い、何の知識も力もない里帆は、ときに脆い。
そんな彼女に向かって
「見つかるのではなく、見つけるのです」
と言い切った獺川は、ただ知識を語り続ける変人ではなく、強い意思を持つ人だった。
彼を貫く芯を見た気がした。
「呪いを信じない」と断言し、
「だから信じたフリをして、こいつらを守る」
と言い切る摩訶原は、辛い過去を乗り越えてきた人だった。
彼の秘めた優しさに気づかされた瞬間でもあった。
三人が明らかにしていく〈おしら鬼〉の起源。
それは、人の怨讐から始まった怪異だった。
人の想いは、ときに残酷なまでに裏返るのか。
ならば、なぜ〈おしら鬼〉は人の願いをかなえようとするのか。
里帆の母の願いを聞き届けて懐妊へと導いたのなら、なぜ今度は愛菜を連れ去ったのか。
愛菜の願いとは何だったのか。
そして山奥の廃村、卯留士村での〈おしら鬼〉との対決。
獺川と摩訶原は、それぞれ自分の“領域”で全力を尽くす。
しかし、その流れを変えたのが、里帆の母としての想いだったとは。
里帆は〈おしら鬼〉に向かい、人としての幸せを奪っているのだと言い切る。
それは母親としての叫びであると同時に、真実を見極める強さでもあったのだと思う。
そうして物語は、優しさへとたどり着く。
獺川に買ってもらった『遠野物語』を手に、〈おしら鬼〉のことを「あの子」と呼ぶ愛菜。
そこにあったのは、子どもの純粋な優しさだった。
そしてその優しさに触れたとき、〈おしら鬼〉がなぜ人の願いをかなえてきたのか、わかる気がした。