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風待みなと博物館 表紙

風待みなと博物館

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刊行日 2026/03/13 | 掲載終了日 2026/03/16


ハッシュタグ:#風待みなと博物館 #NetGalleyJP


内容紹介

「人と関わる中で、人生は穏やかに変わっていく。作者はそれを知って、作家となった」今村翔吾(作家)

「椎葉村でこの小説を書いていた田中さんを思うと、何か温かい希望のようなものが胸に込み上げる」原田ひ香(作家)

「秘境の文筆家」プロジェクト(宮崎県椎葉村)から初のデビュー


【内容紹介】

風尾町。あまりに風がなくて、いつでも船出を待っていることから「風待ちの港」と呼ばれた、瀬戸内に面した穏やかな町。その町に祖父の危篤の報せがきっかけで帰ってきた葉山恒一は、仕事に忙殺され、心を無くしていたことに気が付き、少し休むことに。そんな折、かつて祖父がこの町でプラネタリウムの解説員を務めており、その音声がつい最近再開した博物館に保存されていることを知る。恒一は、〈風尾博物館〉へと足を踏み入れた……。ものや星が、心を繋いでいくハートフルストーリー。(解説・原田ひ香)


【著者紹介】田中葵葉(たなか・あおば)

1992年山口県生まれ。北九州市立大学文学部卒業。現在、今村翔吾氏が発案・協力している宮崎県椎葉村にて地域おこし協力隊〈秘境の文筆家〉として活動中。第33回太宰治賞最終候補、第34回福島正実記念SF童話賞佳作、第4回ことばと新人賞最終候補(すべて高本葵葉名義)。今作がデビュー作となる。

「人と関わる中で、人生は穏やかに変わっていく。作者はそれを知って、作家となった」今村翔吾(作家)

「椎葉村でこの小説を書いていた田中さんを思うと、何か温かい希望のようなものが胸に込み上げる」原田ひ香(作家)

「秘境の文筆家」プロジェクト(宮崎県椎葉村)から初のデビュー


【内容紹介】

風尾町。あまりに風がなくて、いつでも船出を待っていることから「風待ちの港」と呼ばれた、瀬戸内に面した穏やかな町。その町に...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784758447942
本体価格 ¥760 (JPY)
ページ数 264

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人生の迷子になった若者や、過去に傷を抱えた不器用な人々が、静かな港町の空間でゆっくりと縁を紡いでいく過程がとても丁寧に描かれています。登場人物たちがそれぞれの場所で、誰かの残した大切な記憶や想いを守り、次に繋いでいく役割を見つけ出す展開には、静かだけれど確かな感動がありました。続編も読みたいです。

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~プラネタリウムに夜がやってきた~
読み手の私を、一瞬でドームのなかに放りこむ。
続く、解説員の夜空解説の語調と周囲描写の閑けさに胸が透く。
呼吸が楽になる書き手だと思った。
序章だけでレビューが書ける。
と思ったのも束の間、解説の原田ひ香さんに至るまで
惜しげもなく読書欲を掻き立てられる。

~光の像、おおぐま座、月の欠片、タイミング、ロマン~
風景が拡がる描写と、単語の用い方に
夜遅くから明け方までの暁の空を感じていた。

彼等は閑に時を掛ける。
平坦でなかった道の綻びを言い出さず、関係性で探っていく。
きっかけをもたらす人はひとは・・・。

私事、散歩の途中火球に遭遇した。幸運が訪れるというあれだ。
今にして、本書に出会うという幸運の予知ではなかったかと
ひとり納得している。
本棚のいちばん目につくところに置くと決めた。

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《探し続けるかぎり、夢はまだ終わらない》

はっとさせる言葉に巡り合う物語だった。

まず胸に残ったのは、学芸員に向けられた
「何かをつくる人の守り神」
という言葉。
〈風尾博物館〉に勤める三崎は、まさにそんな存在だった。

そして、夢を捨て、生き方に迷っていた恒一が、その背中を追うように少しずつ変わっていく。
その歩みを、今までの自分を振り返りながら見つめていた。

〈風尾博物館〉での自動ピアノの演奏会の場面が印象深い。
恒一の説明と選曲には、彼が受け取ってきたものと、これから手渡そうとしているものが滲んでいて、息を潜めるように読み進めた。

この物語がいいのは、人はひとりでは変われないのだと、押しつけがましくなく描いているところだと思う。
さまざまな出会いが、立ち止まっていた人の背中をそっと押し、別の誰かにもまた光を渡していく。

3人のジェームズ・ジョイスがマホガニーに来たことで、これからのことを考え直すマスター。
アメリカで天文台に勤めていた老婦人、綾子。

恒一もまた、博物館での仕事や人との関わりのなかで、受け取ったものを自分の中に育て、やがて次の一歩へと変えていく。
その姿は、眩しいのにどこか切実で、だからこそ強く胸に残った。

終盤の場面は、この作品の祈りのようだった。
瞬介がいみじくも言ったように、恒一には友だちは少ない。でも、だからこそ信じられる深い絆で結ばれた友だち。
彼らが共に動いてくれる。

恒一と祖父・晶彦の星への想いが、たくさんの人の心を静かに動かし、新たな一歩のきっかけとなっていく。
その広がりを、見守るような気持ちで読んでいた。

そして、自分のこれからを照らしてくれるように感じたこの言葉を最後に置いておきたい。
「何かを探しているうちは、可能性が残ってるってことだ。星と同じで、今見えなくても焦るんじゃない。いつかは顔を出すさ。」

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瀬戸内に面した「風尾町」
かつて風がなくて船出を待っていた場所。
その風尾町にある「風尾博物館」そこで主人公の恒一は、祖父の思いがけない姿を知ることになる。

風尾町の海の描写と、星の描写がとても美しかったです。
生きていれば、悩むし困難にもぶつかるし、いい風が吹いているとは言い難いときのほうが多いのではないでしょうか。
そんなときには、自分を見つめ直し風を待つという時間も必要なのでしょう。昔描いていた夢、本当にやりたいことが見つかるかもしれません。

今日見上げた夜空も少しずつ変化していっています。
空を見上げる心の余裕を持ちたいなと思いました。

きれいな夜空を見上げ
風が吹くのを待ちながら、
誰かの思いが、寄り添ってくれるような物語でした。

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静かで優しい時間を感じられる話でした。
舞台は瀬戸内に面した港町の小さな博物館。
仕事を辞め亡き祖父の家に住むようになった恒一は、博物館の資料整理をしながら様々な人と関わりながら、30年以上前の祖父の想いと繋がってゆく。
古いものには魂が宿り、それがなんともノスタルジックであったり、今を生きる人たちの癒しや励みになったりする景色は、派手さはないけどとても温かかったです。
星の話が散りばめられているのも嬉しかった。
続編が出たらいいな、って思える話でした。

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瀬戸内の港町・風尾町の歴史が詰まった小さな博物館で、緩やかに自分の歴史とも向き合う。解説(原田ひ香)にある、町の博物館の意味や存在理由というものにも、博物館に自分を重ねて思いを巡らせた。

ただのゴミにも歴史がある。本当にどこをとっても、展示物=人間に感じられ、ひょっとしたら地球自体が大きな博物館で、私たちは動く展示物なのかもしれないと感じた。目的を達成する事はとても重要だが、その過程にこそ気付きが鏤められている。星との繋がりを強く感じる優しい一冊。

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