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なぜ賃金は上がらないのか 表紙

なぜ賃金は上がらないのか

日本経済30年の陥穽

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刊行日 2026/06/16 | 掲載終了日 2026/06/17


ハッシュタグ:#なぜ賃金は上がらないのか #NetGalleyJP


内容紹介

人手不足と物価上昇を、「現場力」と「効率化」によって無理やり克服しようとしてきた日本の労働現場。
実はそこに、落とし穴があった――


第一線の労働経済学者として活躍する筆者は、物流や運送業界などの現場の声を聴き、その実態を見ることから、日本の賃金が上がらない本当の理由を明かす。
人手不足に悩む労働の現場では、いままで8人で担っていた仕事を7人で回し、同レベルの成果を出す「効率化」を進めてきた。
しかし、現場の労働者の献身的な努力や「カイゼン」によって「効率化」すること自体が、実は、日本の低賃金を固定化している可能性がある、と筆者は言う。

それはいったいどのようなメカニズムによって起こっているのか。

緻密なフィールドワークを基礎とする研究を重ね、日本の低賃金の謎に真正面から挑んだ、画期的な論考。

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著者/首藤若菜(しゅとう・わかな)
1973年東京都生まれ、立教大学経済学部教授。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授などを経て現職。
専攻は労使関係論、女性労働論。
著書に『統合される男女の職場』(勁草書房、2003年=社会政策学会奨励賞、冲永賞受賞)『グローバル化のなかの労使関係――自動車産業の国際的再編への戦略』(ミネルヴァ書房、2017年=労働関係図書優秀賞、社会政策学会奨励賞受賞) 『物流危機は終わらない――暮らしを支える労働のゆくえ』(岩波新書、2018年)、『雇用か賃金か 日本の選択』(筑摩選書、2022年)、共著に『間違いだらけの日本の物流』(2025年、ウェッジ=住田物流奨励賞受賞)がある。

人手不足と物価上昇を、「現場力」と「効率化」によって無理やり克服しようとしてきた日本の労働現場。
実はそこに、落とし穴があった――


第一線の労働経済学者として活躍する筆者は、物流や運送業界などの現場の声を聴き、その実態を見ることから、日本の賃金が上がらない本当の理由を明かす。
人手不足に悩む労働の現場では、いままで8人で担っていた仕事を7人で回し、同レベルの成果を出す「効率化」を進めてきた。
しかし、現場...


出版社からの備考・コメント

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※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

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出版情報

ISBN 9784065443583
本体価格 ¥1,000 (JPY)
ページ数 218

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NetGalley会員レビュー

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本書の冒頭でも触れられていますが、最近日々の買い物で物価高騰を感じることが多くなりました。
日々の買い物以外でも、書籍や映画などもここ数年で価格が上昇したなと感じます。
それなのに、いったいなぜ賃金は上がらないのか?
人手不足でも簡単には賃金は上がりません。
2024年問題、労働現場の実情や、日本の賃上げの仕組み、海外との比較、春闘についてなどの観点から賃金が上がらないのかを学ぶことができました。
とく印象的だったのは【第7章 賃上げを起点に考える】の“日本では「価格を据え置くこと」や「実質的に値下げを続けることが、誠実さや努力の証として評価されてきた”という記述です。その結果生じる企業側の負担というものを考えました。
運送業の問題などを通じ、例えば通販で送料無料だとするとその送料は誰が負担しているのだろうと考えました。

今の世界情勢を見ても輸入については不安があるし、この先の景気も不透明です。
物価が上がったからといって、簡単には賃金は上がりません。
日本の賃金体制や、なぜ賃金が上がらないのか、もし上がったとしても誰がその負担をしているのかということを知ることができました。経済学を学んだことがないので根本的に理解できたとは言えませんが、「失われた30年」に働いてきた世代として、「失われた50年」が現実にならないで欲しいと思いました。

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【失われた30年、何がいけなかったのか】

#なぜ賃金は上がらないのか #首藤若菜

この本を読んで、一番印象に残ったのは

「日本人が怠けたからでも、能力が低いからでもない」

という視点でした。

バブル崩壊後、日本企業は生き残るために

・人を増やさない
・給料を上げない
・非正規雇用を増やす

という選択を続けました。

その結果、

人手不足なのに賃金が上がらない

という、

本来の経済学では説明しにくい状況が

生まれたと著者は指摘します。

さらに興味深かったのは、

この構造は教育現場にも当てはまる

ということです。。

教員不足なのに

❌長時間労働

❌業務過多

❌待遇改善の遅れ

が続いている。

人が足りないのは、

「人の問題」

ではなく

「仕組みの問題」

なのかもしれません。

そして本書のメッセージは明快です。

給料は景気が良くなれば自然に上がるものではない。

人を大切にする仕組みがあって初めて上がる。

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バブル崩壊から30年が経ち、景気の回復・向上を実感できないままの実態に迫るようだ。
かなりの暴論と自覚してだが、「鶏が先か、卵が先か」に終始しているように思える。これこそまさに経済が生き物で元来予測不能なものであることを証左しているようだ。そんな中で賃金に焦点を当て、そこから動かしていく(変動、改善させる)意向であることはくみ取れ、興味深く読み進んだ。
賃金上昇による、価格変動・転嫁はあまり消費者からは見ていなかった視点であり、知らず知らずに賃金上昇への圧力になっていたことを自覚できた。
また一気に変えられない以上、どこかからの変動・テコ入れを実施し、成果が出るまでの期間に生活者が我慢できるかどうかの視点を入れるともっと実感できたかもしれない。
さまざまなものが過去(高度成長期など)より可視化したからこその、格差を実感している今だからこそ、自分の立ち位置を確かめられるような経済入門書。

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会社勤めの方であれば、賃金が上昇しているかどうかを実感することがあるだろう。その感触としては、数字の上では賃金が上がっているものの、実際には物価高を差し引くと手元に残る金額は少ない。毎年の春闘では、物価高を受けて高い賃上げ率を実現したというニュースが報じられている。しかし、特に中小企業では賃上げ幅が小さく、さらに言えば賃上げすらできない企業も少なくない。

その一方で、特に中小企業や特定の業種では、人手不足という声を耳にする。人手不足であれば本来は賃金が上がるはずであるが、それがなかなか実現できていないのが現状である。

労働者の賃金が上がらない状況を見ると、もはや構造的な問題であるようにも思える。では、一体どのような構造に問題があるのか。そして、それをどのように解決すべきなのか。本書では、その点を紐解いている。

第1章「「実質賃金の低下」をもたらしたものは」
問題を紐解くにしても、どこから見ていけばよいのか。その手がかりとなるのが、厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査」である。本章では、そのデータをもとに、実質賃金の低迷や労働時間の是正などを踏まえながら、賃金低下をもたらした要因を分析するとともに、欧米諸国との比較についても考察している。

第2章「なぜ人手不足なのに賃金が上がらないのか」
冒頭でも述べたとおり、人手不足であるにもかかわらず賃金が上がらないというジレンマが生じている。これは、経済学で一般的に考えられている常識とのずれでもある。そのずれはどこで生じているのか。また、人手不足であれば企業間の人材獲得競争が起こると考えられるが、それは本当に起きているのか。本章では、こうした点についても取り上げている。

第3章「実質賃金はどう決まるのか」
ニュースでも頻繁に取り上げられる実質賃金は、どのように決まるのかを解説している。その要素として、労働生産性や労働分配率、さらには交易条件などについても取り上げている。

第4章「誰がコストを引き受けたのか」
ここでいうコストとは、人件費を指す。つまり、前章で紹介した実質賃金を含む給与に関わる費用である。このコストは企業が負担しているように見えるが、その仕組みは想像以上に複雑であることを本章では解説している。

第5章「なぜ価格は調整弁になれなかったのか」
価格の調整というと、下請企業への支払いなどを思い浮かべる人も多いだろう。かつての下請法、現在の下請代金支払遅延等防止法(いわゆる下請法)や価格転嫁円滑化の議論なども連想される。現在、日本では物価が上昇傾向にある一方で、長年にわたり低価格競争も続いてきた。なぜその状況が続いてきたのか、そのメカニズムを取り上げているのが本章である。

第6章「賃金を価格に反映できない構造―労働組合の可能性と限界」
第5章の内容を踏まえ、価格へ賃金を反映できれば理想的であるが、それを阻む構造的な問題が存在することを取り上げている。毎年春に行われる春闘による賃上げ交渉も、その役割に変化が見られるようになっていることについても解説している。

第7章「賃上げを起点に考える」
賃上げといえば、正社員の昇給だけでなく、最低賃金の引き上げも重要な要素である。本章では、最低賃金がどのように引き上げられていくのか、地域ごとに最低賃金が異なる理由は何か、そしてその制度の限界について取り上げている。

第8章「労働移動と賃金上昇」
労働移動というと転勤を思い浮かべることが多いが、本章では主に転職を取り上げている。転職すれば必ず賃金が上がるわけではなく、現実には賃金が下がるケースも少なくない。一方で、高い能力や経験を評価されて賃金が上昇する人もいる。労働移動が進まない背景には、こうした賃金の問題だけでなく、日本特有の事情も存在すると指摘している。

第9章「賃金と価格を結び直す」
ここ数十年、日本ではデフレーション(以下、デフレ)が続いてきた。しかし、なぜデフレはこれほど長く続いたのか。その背景には構造的な要因が存在している。本章では、その構造的な要因とは何かについて考察している。

賃金が上がらない理由は、想像以上に複雑である。そのため、問題が解消するまでには時間を要する可能性が高い。しかし、どのような構造に問題があるのかを知ることで、何を解決すべきかという道筋が見えてくる。本書は、そのためのヒントを与えてくれる一冊である。

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