金曜日のビストロ ジュン
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刊行日 2026/09/12 | 掲載終了日 2026/09/10
ハッシュタグ:#金曜日のビストロジュン #NetGalleyJP
内容紹介
大トロのタルタル、鯛のアクアパッツァ、シャトーブリアンのビフカツ、鴨のロースト・ファグラ載せ、白桃のカッペリーニ……
オーナーシェフが招待したお客だけが、扉を開けられる、広尾に、美食を極めた秘密のレストランがあった。
大ベストセラー「食堂のおばちゃん」シリーズの著者による奇蹟の「食」物語
(あらすじ)
「まず一皿目は、題して『光の誕生……海底からの啓示』大トロのブルスケッタです」
ここは広尾の隠れ家レストラン。
オーナーシェフの古川淳は、愛媛県松山出身。成績優秀で大学在学中に公認会計士の試験に合格。卒業後中央監査法人に所属し27歳で独立。その後、医療法人などの経営再生のための「ユカリア」を設立。上場も果たし、現在は社長を譲り、会長だ。そんな古川は、友人の堤やイタリアンの名店「メログラーノ」のオーナーシェフの後藤やスーシェフの小山などの力を借り、金曜日の夜に、彼自身が招待したお客だけの贅を尽くした宴を開催していた。最高級の食材を使った美味しい料理とシャンパン、ワインなどのお酒、古川たちの濃やかで温かいおもてなしに、家族、友人、知人などのお客は、幸福な時間を過ごすのだが……。「食」小説の第一人者の著者が描く、極上で贅沢な料理小説。
(著者紹介)
山口恵以子(やまぐち・えいこ)
1958年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。会社勤めをしながら松竹シナリオ研究所でドラマ脚本のプロット作成を手掛ける。2007年『邪剣始末』でデビュー。13年、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら執筆した『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。著書に「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」「ゆうれい居酒屋」「給食のおばちゃん」シリーズ、『熱血人情高利貸 イングリ』『食堂メッシタ』『あなたも眠れない』『小町殺し』『工場のおばちゃん あしたの朝子』『トコとミコ』『恋形見』『毒母ですが、なにか』『さち子のお助けごはん』『夜の塩』『ライト・スタッフ』『見てはいけない』『手配する女』『めしのせ食堂』など多数。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784758415170 |
| 本体価格 | ¥1,870 (JPY) |
| ページ数 | 216 |
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NetGalley会員レビュー
レビュアー 750665
山口恵以子さんのことは以前からお名前はよく知っていたのですが、作品に開いたことがなく、今般思わぬ好機に恵まれた。本作を一言で表すと、第三話の「明日へのカルパッチョ」に登場する城戸医師がご馳走を食した後店を出て行くときに残した「ビストロ ジュン 最高のお店ですね」という言葉がぴったりだろう。5つの掌編からなるが、どれも料理も想像するだけでも素晴らしいのが目に浮かぶようにわかるが、それ以上に、オーナーのジュンさんが招くその夜の主賓の人生、生き様がそれ以上に素晴らしく震えるばかりに感動してしまう。こんなグルメ小説読んだことない!
レビュアー 1246685
山口恵以子さんと言えば、食堂のおばちゃん、給食と、下町の 人情噺のイメージがあったのですが、
今回はビストロ、それも週に一度だけ営業する招待制のビストロ、と知り、
とても興味が湧き、読ませていただきました。
週に一度、金曜日だけ開店するビストロ・淳
実は、辣腕実業家 が オーナーシェフとして腕を振るうための店。
客は 招待制
サポートするのは広尾の名店のシェフたち。
ある金曜日の招待客たちの様子から物語が始まります。
一流の食材から作られる美味しそうな料理とワインにうっとりしてしまう。
第一話は実業家・安本の物語。
町工場の息子として生まれ、両親の離婚、父の再婚。
早くから自立を考え給費制として大学を出、大手メーカーに就職するものの、訳あって退職。
その後、独立し、成功を果たすが、最後は社長を解任させられてしまう。
おまけにその裏には、妻がコツコツと買い集めていた自社株を売却していたことまで判明。
妻を蔑ろにしていた罰…と思っていた安本だが、ビストロ淳の一品として提供されたラグーのパスタ。
妻が作ってくれたミートソーススパゲティを思い出させる一品。
実は、妻からの淳へのリクエストだったことが解る。
会社生活を終え、別の形で社会貢献をしようという妻、かっこよかったです。
第2話~3話は、淳の人となりについてのお話。
病院再生のための「ユリイカ」での淳の仕事。
中規模都市での病院の乱立からの経営不振を打破する「ユリイカ」
淳の辣腕ぶりが伝わってきました。
一番好きだったのは最後の話「ワインのお相手」
小さい頃、隣に住んでいたしっかりもので頭も良く優等生だった夏生姉ちゃんのお話。
女学校の校長まで上り詰めた彼女へのお祝い。
夏生は、夫と離婚した際、一緒にいると息苦しいと言われたことが辛く、誰よりも上り詰めてやる、娘だって東大へ…と思っていた。
自身は望む地位になったが、娘はたぬきのような見た目で頭も悪く、高卒で消防士になった。
そんな娘が結婚相手として会ってほしいと連れてきたのは、東大・院生・イケメンな柊、家柄もトビキリで、これでやっと胸を張れると思ってしまう。
相手の母親とも仲の良い姿に嫉妬を感じながらも、しかし、なんでこんな星の王子様がたぬき娘を選んだのか?と思っていた。
相手の母親から、柊の今迄についてが語られる、複雑な家庭環境で、中学時代からリストカット・・・
生きる意欲がない息子、笑顔など見たこともない・・・
柊と春海が出会ったのは、札幌のホテル。
ホテルが火災になり、柊と同伴していた母親は逃げ遅れる。
それを助けたのが、春海、それだけでもカッコいいのに、逃げ遅れた3人の子どもを助けに、再び火の中に飛び込んでいく春海。
なかなか戻ってこない春海、皆がやきもきしていたら、一人は前にくくりつけ、両脇に子供二人を抱えて戻ってきた春海。
髪がチリチリに焦げ、まるで不動明王のような姿。
すこし笑ってしまいましたが、とにかくカッコいい。
その姿をみた柊は、号泣。
感情をあらわにする息子を観たことが無かった母親の驚き。
もう春海しか、柊を生かしてくれる人はいないと理解する。
夏海は、自分がいかに娘を見ていなかったか、娘の真の価値を理解できなかったことを恥じて、教職を辞することか考えていた。
しかし、淳に春海の勇気と決断力は、夏生の遺伝。幸せな結婚をしたのは、夏生の娘に生まれてからと言ってもらえた。
雲丹とワイン、日本酒とのペアリングの話も結びとして良かったです。
最後に、淳が今度は和食の・・・というオチも楽しかったです。
是非、シェフ・淳のシリーズ、続きが読みたいです。