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オーストラリアでは有袋類が多様に進化し、他の大陸では有胎盤類の種として進化した動物によく似た動物が闊歩している。それぞれに適応放散し収斂進化した結果である。条件が同じであれば同じような進化を繰り返すのだろうか。ところが有袋類でもカンガルーは有胎盤類に似た種は見当たらない。進化の特異点となる。
本書は進化の偶然と必然をテーマに、必然だとするサイモン・コンウェイ=モリスと偶然であるとするスティーヴン・ジェイ・グールドの主張を論評し、生命進化を観察と実験で明らかにしょうとする試みについて紹介する。ロソスは進化生物学は実験科学になりうると述べる。
自然を観察する中で収斂進化の事例は沢山見つかる。本書によると多細胞生物から多細胞静物への進化は、動物で少なくとも動物で1回、菌類で6回、藻類で3回、細菌で3回起こっているらしい。しかし、だからと言っても進化の過程は必然とは言い切れない。DNAが解析できる現在ではシャーレの中で大腸菌などを使って遺伝子変化の過程を観察できる。大腸菌なので元になる大腸菌をある程度株分けしたものを冷凍保存しておくことで、同じ実験をリプレイすることも可能なのだ。
リプレイしていく中で、同じような形質への進化であっても遺伝子レベルでは異なった変異なこともあり、また偶然の変異やいくつかの変異が順をおって起こらないと生じない適応形質がある事がわかる。進化は短期的には予測可能だが長い期間ではどんな偶然がおこるか判らないのである。
地球外に知的生命体がいるかどうかはとても気になるテーマであるが、ロソスは否定的である。知性、自己認識能力は地球上では収斂進化したといえる。タコでもある程度の知性を持つし、鏡に映った自分をみてそれが自分だと判る動物も沢山いるようである。しかし、ヒトへの進化はアフリカでしか起こっていない。人がいなければ地球は猿の惑星になり得るか?小惑星衝突がなければ恐竜がヒトに進化していたか?
本書では、進化生物学という分野をわかりやすく説明してくれ、こうした思考実験を楽し婿とができるのである。
本書は進化の偶然と必然をテーマに、必然だとするサイモン・コンウェイ=モリスと偶然であるとするスティーヴン・ジェイ・グールドの主張を論評し、生命進化を観察と実験で明らかにしょうとする試みについて紹介する。ロソスは進化生物学は実験科学になりうると述べる。
自然を観察する中で収斂進化の事例は沢山見つかる。本書によると多細胞生物から多細胞静物への進化は、動物で少なくとも動物で1回、菌類で6回、藻類で3回、細菌で3回起こっているらしい。しかし、だからと言っても進化の過程は必然とは言い切れない。DNAが解析できる現在ではシャーレの中で大腸菌などを使って遺伝子変化の過程を観察できる。大腸菌なので元になる大腸菌をある程度株分けしたものを冷凍保存しておくことで、同じ実験をリプレイすることも可能なのだ。
リプレイしていく中で、同じような形質への進化であっても遺伝子レベルでは異なった変異なこともあり、また偶然の変異やいくつかの変異が順をおって起こらないと生じない適応形質がある事がわかる。進化は短期的には予測可能だが長い期間ではどんな偶然がおこるか判らないのである。
地球外に知的生命体がいるかどうかはとても気になるテーマであるが、ロソスは否定的である。知性、自己認識能力は地球上では収斂進化したといえる。タコでもある程度の知性を持つし、鏡に映った自分をみてそれが自分だと判る動物も沢山いるようである。しかし、ヒトへの進化はアフリカでしか起こっていない。人がいなければ地球は猿の惑星になり得るか?小惑星衝突がなければ恐竜がヒトに進化していたか?
本書では、進化生物学という分野をわかりやすく説明してくれ、こうした思考実験を楽し婿とができるのである。