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秘密の大作戦!フードバンクどろぼうをつかまえろ!

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レビュアー 697890

タイトルからはどんな冒険話なのかちょっと想像がつきにくいけれど、蓋を開けてみれば、たくさんのものが詰まっていた。
サッカーが好きな人は誰でも知っているはずの、イングランド、プレミアリーグのマーカス・ラッシュフォード選手の活動がなければこの本は世に出ることはなかった、という著者の感謝の言葉と、日本国内では全国フードバンク推進協議会、からの子供の貧困への取り組み、自分たち一人ひとりができること、が述べられている。

とはいえ、この本は、教科書のような固い本ではもちろんなく、何より、子供たちひとりひとりの、それぞれの環境からくる正直な言葉と行動が、児童文学として胸に残る。

お腹すいたな。お母さんがこういう時は、こういう行動を取るときは、ハードな日々が待ってるんだ、学校の友達には言いたくない、同情もされたくない、でも、家族一緒に頑張らなきゃ。

こんな子供たちの姿。

フードバンク、はスーパーに買ったものの一部を寄付するコーナーがあって、そこからの支援が大きい。日本にそんな習慣はまだない。

冒険話のストーリー以上に、社会的な問題提起の力が強い物語だった。


THE GREAT (FOOD) BANK HEIST
by Onjali Q. Raúf

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