会員のレビュー
レビュー投稿者
レビュアー 781279
『深夜特急』を初めて読んでから30年近くが経つ。
《ワレ到着セズ》この言葉にたどり着きたくてシリーズを何度も読み返している。
その著者である沢木耕太郎さんがどうしても描きたかったという、西川一三さんの旅を読みたくてこの本をリクエストした。
盛岡に西川さんを訪ねる場面から始まる。
西川さんについて私は全く知らなかったが、沢木さんが「このひとについて書いてみたい」と強く思った場面では、私もこの人について、この人の旅をもっと知りたいと思い読み進めた。
1943年から8年間の中国からインドまでへの旅。その旅は過酷なものであった。
沢木さんが書く旅は、その土地の風景が見え、人々の声が聞こえてくるようで読んでいてとても楽しい。聞いたことのない食べ物までもが美味しそうに思える。
密偵として西を目指し、終戦を知ってからもラマ僧として旅を続ける。放浪に必要なのは金より言葉、と働きながら勉強を続ける西川さんの旅は、時代を越えても人の心に響いてくる。色褪せない旅が沢木さんの旅とも重なってくるようにも思えた。
「どうして自分の語学力を生かそうとしなかったのですか」というインタヴューに答えた西川さんの答えが本当に素敵だった。
沢木さんと西川さんの旅が交差したかのような二人の会話で終わるラストに私も鳥肌がたった。そしてその場面のページをあの本から探し当てた。
ほんの一瞬だけ二人の会話に加われたようで、とても幸せな気持ちで読み終えた。
『深夜特急』で沢木さんの旅に心踊らせたことのある人はぜひ読んでほしい。もちろん読んだことがなくても、西川さんの旅を一緒にたどり、時代を越えても色褪せない旅を味わってほしい。
発売されたら私もまたこの旅を味わいたい。
《ワレ到着セズ》この言葉にたどり着きたくてシリーズを何度も読み返している。
その著者である沢木耕太郎さんがどうしても描きたかったという、西川一三さんの旅を読みたくてこの本をリクエストした。
盛岡に西川さんを訪ねる場面から始まる。
西川さんについて私は全く知らなかったが、沢木さんが「このひとについて書いてみたい」と強く思った場面では、私もこの人について、この人の旅をもっと知りたいと思い読み進めた。
1943年から8年間の中国からインドまでへの旅。その旅は過酷なものであった。
沢木さんが書く旅は、その土地の風景が見え、人々の声が聞こえてくるようで読んでいてとても楽しい。聞いたことのない食べ物までもが美味しそうに思える。
密偵として西を目指し、終戦を知ってからもラマ僧として旅を続ける。放浪に必要なのは金より言葉、と働きながら勉強を続ける西川さんの旅は、時代を越えても人の心に響いてくる。色褪せない旅が沢木さんの旅とも重なってくるようにも思えた。
「どうして自分の語学力を生かそうとしなかったのですか」というインタヴューに答えた西川さんの答えが本当に素敵だった。
沢木さんと西川さんの旅が交差したかのような二人の会話で終わるラストに私も鳥肌がたった。そしてその場面のページをあの本から探し当てた。
ほんの一瞬だけ二人の会話に加われたようで、とても幸せな気持ちで読み終えた。
『深夜特急』で沢木さんの旅に心踊らせたことのある人はぜひ読んでほしい。もちろん読んだことがなくても、西川さんの旅を一緒にたどり、時代を越えても色褪せない旅を味わってほしい。
発売されたら私もまたこの旅を味わいたい。