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メディア/ジャーナリスト 1036613
『少年と悪魔』につぐ「居所不明児童」を描いた第二作。学校でも家でも居場所を失くした14才の少女が毒親から逃れるために7万円程の現金を握りしめて向かった先は「トー横キッズ」が集まる新宿歌舞伎町。なんとかなる、と思っていた少女の希望は徐々に打ち砕かれ、やがて危険な罠にはめられそうになってくる。こうした話があまりにもリアルで、作者はこの「トー横」に潜入取材をしたのではないか、と思ってしまうほどだった。地方から家出をしてきた少女が初めての都会に不安を感じ、不良グループに絡まれているところを助けてくれたキツネ顔の年上の少女「キッツー」に親しみを覚え、「ベース」で会ったリカに恐怖と苦手意識を持ち、少女の境遇に同情してくれるベースのママに優しさを感じる。少女が求めているのは居場所であり、心を許せる友人であり、愛情なのだ。しかしそんな少女が誰も信じられなくなってしまう境遇はあまりにも過酷である。歌舞伎町の昼と夜、そしてそこに重なって生きる人たちの対比が信じがたく、また悲しくもあった。少女の幸せを願いながら読んだ第二作。引き込まれるように読んだ作品だった。