無限の玄/風下の朱

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刊行日 2018/07/12 | 掲載終了日 2018/07/30

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内容紹介

第31回三島賞受賞作と第159回芥川賞候補作、奇跡のカップリング小説集!

死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち――三島賞受賞作「無限の玄」と芥川賞候補作「風下の朱」を収めた超弩級の新星が放つ奇跡の中編集!

第31回三島賞受賞作と第159回芥川賞候補作、奇跡のカップリング小説集!

死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち――三島賞受賞作「無限の玄」と芥川賞候補作「風下の朱」を収めた超弩級の新星が放つ奇跡の中編集!


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784480804808
本体価格 ¥1,400 (JPY)

NetGalley会員レビュー

死んでは甦る父親─。
最初こそ感慨深く受け入れていたものの、確約のないループに段々と気が滅入ってくる家族。情念なのか執念なのか、父は去ろうとしない。
男ばかりの所帯に女を介入させていないにも関わらず、母胎の揺りかごを想起させる神秘的な超越。「無限の玄」/第31回三島由紀夫賞受賞

瘴気にまみれた朱い羊の群れから、炙り出された迷える子羊。
『朱に交まじわれば赤くなる』
─牧羊犬のいない切なさを見送った。「風下の朱」/第159回芥川賞候補作

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男たち/女たちと相対する2篇を収録。

「無限の玄」
翌日になると死んだ父が甦っている。
甦った父はその日の晩になると死んで、また翌日甦る。
死に続け、甦り続ける父と何も変わることのないようにみえる家族の生活。
父の死は、父の甦りは徐々に家族の精神を侵食していく。
彼らを縛るものは執着だろうか。呪いだろうか。わずかばかりの愛であってほしい。


「風下の朱」
野球部の入部条件は健康であること。
病に冒されている女は瘴気の臭いがするから嗅ぎ分けろ。
そんなことを言っているから彼女はどんどん孤高の存在になっていく。
野球選手になることを切望するあまり、女を蔑まずにはいられない葛藤が無垢で痛々しくて、神々しい。

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どちらの作品も、とても面白く読みました。主人公だけでなく、周りの人達の成長があり読後感も良かったです。親の呪縛からの自立、大人になる微妙な年齢の複雑な気持ちの危うさが、リアルに感じられる物語でした。

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男系親族だけで構成されたブルーノートのバンド「百弦」
亡くなった祖父を忌み嫌いながらその功績を引きずる父、玄。
才能に恵まれながら指の欠損をかかえ、その二つの要因で玄のお気に入りである律。
伯父である玄を慕い尊敬する千尋。
百弦の真の後継者だが、玄と千尋のために影としてバンドに尽くす喬。
律の代役として祖父の呪いを押し付けられそうになるのを拒んだ主人公、桂。

旅から旅へと動き続ける百弦。
ある日、玄の急死でバンドは止まった。
しかし、玄は甦る。幾度も死に、そして甦り続ける。復讐のように。

これは、音楽と血に縛られた一族の物語。
これは、憎しみと愛情の脆いバランスで結ばれた男たちの、崩壊の狂想曲。

かたや併録の「風下の朱」は、野球と女の血に呪われた少女たちの物語。
見事に対を成している。

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