永遠の詩

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刊行日 2018/10/05 | 掲載終了日 2019/01/25

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内容紹介

 直木賞作家 桜木紫乃 絶賛!

「男と女、人の世の仕方なさ、

これは現代版の源氏物語だ」 

 高校時代に、美しい継母・希帆と関係を持ってしまい、そのことに耐え切れず、実家を飛び出した青年・元基。彼は、母親というものが何なのかを知らずに育った。自身のなかで、大切なものが抜け落ちているような、もしくは、ずらりと並んだ背骨の中で、大事なパーツが一つだけ欠けているような、苦悩を抱えていた。

 どこまでも寂しくて、どこにも居場所がない。そんな元基が、「これを取り上げられるくらいなら、死んでしまったほうがましだ」と感じる女性に出会えた。

だが、その相手は継母であるばかりでなく、大変な悪女だった。

元基は高校卒業後、ガラス工芸作家のもとで、住み込みアシスタントとして働きながら、「ガラス作品作り」に打ちこみ、欠けたものを探し続けた。

悪魔的な継母の誘惑を振り切って、元基は、自身の生きる道を見いだすことができるのか。

信頼する年上のカフェ店長や、酸いも甘いも噛み分けたバーの女性店主、孤独な初老のガラス職人の生き方を間近でみながら、青年がたどり着いた「こたえ」とは――。

装画は、気鋭の芸術家・塩月悠 氏

 直木賞作家 桜木紫乃 絶賛!

「男と女、人の世の仕方なさ、

これは現代版の源氏物語だ」 

 高校時代に、美しい継母・希帆と関係を持ってしまい、そのことに耐え切れず、実家を飛び出した青年・元基。彼は、母親というものが何なのかを知らずに育った。自身のなかで、大切なものが抜け落ちているような、もしくは、ずらりと並んだ背骨の中で、大事なパーツが一つだけ欠けているような、苦悩を抱えていた。

 ど...


おすすめコメント

愛した美しい継母は、

とてつもない悪女だった。

世の中にあふれている「不実の愛」

「寂しがり屋たちの愛」「不格好な愛」に、

私たちは、どう向き合えばいいのかを、問い直す傑作長編。

愛した美しい継母は、

とてつもない悪女だった。

世の中にあふれている「不実の愛」

「寂しがり屋たちの愛」「不格好な愛」に、

私たちは、どう向き合えばいいのかを、問い直す傑作長編。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784163909165
本体価格 ¥1,750 (JPY)

NetGalley会員レビュー

不思議な読後感でした。
なんて、残酷な話なんだろうと思いながらも胸の裡はなんだか暖かいもので満ち満ちてしまっています。なんて感情でしょうか。

継母への想いを断ち切りたくて、住み込みで働くことが条件のガラス工芸家のもとに弟子入りする主人公、元基。でもふとした瞬間にあの人のことが頭をよぎり、あの人のことで頭が支配されてしまう。
わかる…わかるぜ…元基。抗えないよな、なんなんだろうな!あれ!なんて思いながら読んでました。ままならないぜ…人間。

ガラスの描写が本当に美しくて、それを通して自分と向き合う登場人物たちも、また美しかったです。素晴らしい小説だと思います。

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前半の主人公元基が家を出て、ガラス工房で一心不乱に海の色のガラスを創り出そうするシーンが良かった。・・・産みの母も知らず、継母の希帆の誘導のままに、関係を持ってしまったことから、母とは何なのか分からず、生きる希望を見失ってしまい、高校で家出し、辿り着いたバーで紹介されたガラス工房に通い始め、雨宮と出会う。雨宮との灼熱の中の工房作業に、生きる気力、希望を感じ始める。この雨宮にも、バーの倫生にも、過去があり、元基の過去と通じるところがあった。楽しめた。・・・悪魔の継母希帆は、単に魔性の女という訳では、無い気がする。彼女の幼少時の誘拐らしき事件も記載されているが、『私には、相手が望んでいることが分かるの』という一文でも感じたが、相手に合わせたいというか、尽くしたいという純粋さが、女の魔性感を発してしまっている気がした。

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息子と継母は手折られたガラスの華になって。
砕け散った花弁をかき集めSとMの伴奏を叩く。

追いかけるようにシンクロする、もうひとつのシナリオ。
それは眠りにつくことを忘れた背徳の囁き。

縦走する糸をつまみ、たわませ、張り直す。
慎重な足取りで指揮を司る作者。
“詩”に刻む永遠の粉砕が美点かな。

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まず挿画を見た瞬間に引き込まれてしまいました。
テーマはきっと万人受はしないでしょうが、文体やひとつひとつの言葉が繊細でまさにガラスのようでした。

その先が知りたくて、でも怖くて・・・
おそるおそる、しかしわくわくしながら一気読みしました。

現代人のほとんどが寂しさを抱えながら生きにくい世界と戦っていると思うので、
色んな方に届けたいと心から思いました。

衝撃的で虜になりました。
この作品とても大好きです。
ぜひ仕掛けたいので上司に相談しようと思います。

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生まれてすぐ母を失った元基は母の愛を知らず、そんな彼の前に現れたのが継母の希帆、しかし彼女は稀代の悪女というか魔性の女で、高校生の時に継母と関係を持ってしまった元基は罪の意識に耐えきれず家を飛び出し、ガラス職人の家に住み込み職人を目指すことになる。元基の希帆への断ち切り難い想い、ジレンマ、葛藤が切ない。いけないと自制しても抗えない強い想いは「魔が差す」という言葉でもまだ軽く感じ、起こってしまった出来事はとても残酷。それなのに美しさを感じる話だった。

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産まれてすぐなは実母が亡くなり母の愛を知らずに育った主人公は、継母と高校生の時に関係を持ってしまう。 ガラス職人を目指しながら継母への断ち切り難い思いを抱え生きている。 ゾッとする設定ではあるが、どことなく美しく感じるのは著者の文章からだろうか。 デビュー作もよかった、今後も楽しみな作家さん。

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愛することを許されない女性を好きになってしまった青年の葛藤と悔恨、孤独が息苦しい。
官能的で背徳感を感じずにはいられない義息と継母の不毛な恋愛は生々しく、醜悪ですらあるはずなのに、青年の想いはあまりにも純粋で美しい。
受け容れることもできず、だからといって捨て去ることも出来ない、どうしようもない感情に苦しむ姿は痛々しい。

裏切りにあった青年は全てを置いて逃げ、老いたガラス職人と出会う。
ガラス職人もまた孤独に生き、過去から逃れることもできずにいた。
正反対の立場にある罪を犯した青年と罪に囚われた職人は互いが互いにとって小さな灯火となってゆく。
それでも二人の過去は傷跡として残り、痛みは決して消えることはない。
だけど、時間とともに少しずつ、いつか薄れていくことを願わずにはいられなかった。

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