風と双眼鏡、膝掛け毛布

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刊行日 2020/03/18 | 掲載終了日 2020/04/15

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内容紹介

梨木香歩による日本の地名をめぐる珠玉のエッセイ集

双眼鏡を片手にふらりと旅へ。

地名を手掛かりにその土地の記憶をたどり、

人とそこに生きる植物や動物の営みに思いを馳せ、

創造の翼を広げる。


PR誌 「ちくま」での連載から待望の単行本化。

_______________________________

【本書に登場する地名】

塩の道・三州街道の地名/足助 伊那

塩の道・千国街道の地名/安曇野(保高宿)

塩の道・秋葉街道の地名/御門・政所 相良

塩の道・塩津海道の地名/塩津

北陸道の地名/岩瀬

熊野街道の地名/紀伊長島 尾鷲 八軒屋 布施屋

東海道の地名/大津 石場(大津宿) 八橋(草津宿) 頓宮(土山宿) 生野(土山宿) 知立(池鯉鮒宿)

日光街道の地名/箱根ヶ崎 雀宮 五十里

大の字のつく地名/大洗 大湊 大曲 大月 大沼 大熊

ざわっとする地名/姥捨 毒沢 銭函 花市場 無音 犬挟 シタクカエ

植物系の地名/宿根木 三本木 青梅 麻績 楢葉

湖川の傍にある地名/大洞 海ノ口・海尻 湊・川岸 行方 潮来 子ノ口 犬落瀬 開発・浮気 小河内 丹波山 生保内・広久内

アイヌ文化由来の地名/蕪島 種差 是川 母袋子 鮫 星置 鷹栖 熊牛 (かりかん) 安瀬 濃昼 利尻

国境の地名/人里 数馬 猿ヶ京 法師 道志 沖縄の地名/普天間 読谷山 喜名 今帰仁 平良 東風平 富盛

______________________

【著者プロフィール】

梨木香歩(なしき・かほ)

一九五九年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』 『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水 辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

梨木香歩による日本の地名をめぐる珠玉のエッセイ集

双眼鏡を片手にふらりと旅へ。

地名を手掛かりにその土地の記憶をたどり、

人とそこに生きる植物や動物の営みに思いを馳せ、

創造の翼を広げる。


PR誌 「ちくま」での連載から待望の単行本化。

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【本書に登場する地名】

塩の道・三州街道の地名/足助 伊那

塩の道・千国街道の地名/安曇野(保高宿)

塩の道・秋葉街道...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784480804938
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

旅の楽しみ。一番はやはりその土地を知ることだと思う。土地の歴史、文化、食、特産…様々にある。地名もそうだ。名前にはその土地の由来が滲み出る。なるほどと膝を打つことはしばしばで、なかなかに学びも多い。簡単に読めないもの、珍しいものほど心惹かれ印象に残る。人の名と同じ、土地の名。その興味深さに気づかせてくれる。

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地元の地名や馴染みのある場所はやっぱり読みやすいのだが、
北海道と沖縄の地名の章には本土とは異なる趣があり、感慨深かった。
消え去った集落の八風街道「花市場」は一度訪れたみたい。
足助のカタクリは今が見頃。行きたくなった。
「おもて」「こうや」など、幼い頃、周囲の大人たちが使っていた言葉が懐かしい。

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知らない街を歩いていると、思わず二度見してしまう地名に出会うことがある。例えば【無音】“むおん”と素直に読んで“よばらず”と訂正されるような。そう呼ばれる謂れを尋ねてみたくなる、味わい深い地名の随筆。
文献、風土記、果ては短歌、、梨木さんに蓄積された地名のインデックスから導かれる記憶に三嘆。
青森の蕪島、種差、是川、鮫──私もこの道程を旅したことがあります。梨木さん同様、浪漫に吹かれながら。

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不思議な地名が全国各地にあります。でもそれは、今の基準で考えてしまうから不思議なのであって、それぞれに何らかの所以があって付いているのがほとんどなのです。

 例えば北海道の地名にはアイヌの言葉がたくさん登場します。大きな川が「ベツ」、小さな川が「ナイ」。「登別」「稚内」というような地名が確かに多いですね。

 ちょっと気になって、わたしの父の故郷「江部乙」を調べてみたら「鮭がたくさんいるところ」という意味でした。父が子供の頃に正月用の新巻鮭を買いに行ったという話を思い出しました。

 地域によっては外国からの言葉だったり、ゆかりの人物の名前だったり、梨木さんは地名に惹かれて、様々な土地を訪れています。町村合併などによって地図から無くなってしまった地名でも、地元の人は昔のまま使っているところもあります。

 家から身動きできなくなってしまった今、この本のようにいろんなところへ行ってみたいなぁと夢見てしまいます。そんな自由な日が来ることを信じて。

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日本の地名を訪ねる旅だ。旅に出られない今だからこそ、うれしい本。各地のいわれを読んでいると、時間の旅をしているような気もする。梨木さんが、風に吹かれながら双眼鏡を構えている姿が浮かぶ。そこには人がいて、その土地への想いがある。また旅に出たいなぁ。

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地名に隠された意味や土地と土地との繋がり、人々の生活に根付いた風景の美しさと深さに著者の繊細な感性と知性が、見慣れた風景を別のものに変えてくれるようです。幾度となく訪れたことのあるあの場所も、歴史と風土そして人々の営みに深く触れることによって新たな風景に気づかれてもらえる、そして著者と共に緩やかな旅の中に浸れる一冊です。膝掛けを用意してゆっくりと読み進めたいと思いました。

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旅というと、ついつい定番の観光地にばかり足が向いてしまいがちです。
だけど、こんな風に見てみたいもの、見つけたいものをのんびりと訪れ、
土地の歴史や地名の由来のことを考えながら目の前の景色を眺め、
土地の空気を肌で感じる旅も味わい深くていいなあと思いました。

地元北海道の地名なども出てくるのですが、
そういえば由来なんて気にしたこともなかったなあ…と恥ずかしながら
本書でその由来を知り、外部の人はこの地名を見てそんな風に感じるのだなあと
なんだか新鮮な気持ちで読みました。

著者の博識ぶりにも驚き、その土地について、植物や鳥類など、
知識があることで旅とはこれほどに魅力的なものになるのだなあと感じました。
知識として脳内で描いてきたものを実際に目にする喜び、
旅先で見つけるたくさんの〝知らなかったこと〟。
そんな旅の醍醐味が詰まっていました。

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短いあいさつの後に掲載されていた地図をみて「こんな全国津々浦々についてなの?」と驚きながら読み始めると、本当に津々浦々の事が書かれていて、通読するのに時間がかかりました。思い起こされる個人の経験や、調べられる範囲で知りえた情報、知人の経験談、それこそ風が運んできたような話、双眼鏡で鳥を監察しに行ったときの経験、カヤックを漕ぎに行った川や湖のこと。とにかく梨木さんの持つ情報量の多さは圧巻です。誰かの大切な故郷である土地の記憶や思いが優しく語るような綴られた、不思議な温かみを感じる旅の記録でした。

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地名を巡る旅のエッセイ。読んでいて出てくる地名が北は北海道から南は沖縄までと梨木さんの行動力にはびっくりさせられました。またその地名に関する探究心と知識の深さに感服しました。自分もスマホで地図や地名を検索しながら楽しく読むことが出来ました。あらゆる地名に歴史がありそこに生きた人間の証が見えることに心うたれました。中でも青森の三本木の高校生たちが行ったペットの殺処分ゼロを目指したプロジェクトを紹介したエピソードが一番心に残りました。

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全国津々浦々の地名がちりばめられている。
そのなかに地元の地名がありうれしかった。
こんな田舎のまちでも梨木さんが知ってくれていると思うと素晴らしいまちな気がしてくる。
それぞれの地名に添えられた文章は短いけれど、心に沁みるものが多い。

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