青春ノ帝国

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刊行日 2020/06/10 | 掲載終了日 2020/07/13

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内容紹介


14歳の関口佐紀は、クラスの中で一番目立たないグループにいた。

彼女は自分のいじけた性格がいやでいやでしょうがなかった。

クラスで、一番人気のある女子に声をかけられるだけで、自分が惨めな気分となった。

そんな中学生活の中、たったひとつの希望が坂の上の塾だった。

その塾には弟が通っており、佐紀はお迎え係りだった。

その塾には同級生の奈良がいて、叔父の塾長を手伝っていた。奈良は、クラスでも一目おかれる存在で、佐紀はひそかに憧れていた。

クラスのみんなから人気のある彼の知られていない一面を知ることが佐紀の喜びだった。

その塾には、手伝いにきている百瀬という大人の女性がいた。

いつも爽やかで、屈託のない笑顔をふりまいている彼女のことを、佐紀はきらいだった。

ある日のこと、その百瀬が塾を無断欠勤した。

塾長と奈良と佐紀で百瀬の家を訪ねることにした。

そこには、今までみたことのない小刻みに震える百瀬がいた……。

思春期の少女が、誰にでも起こりうる悩みや葛藤を越えて成長していく様を、繊細な心理描写で描いた青春小説。



14歳の関口佐紀は、クラスの中で一番目立たないグループにいた。

彼女は自分のいじけた性格がいやでいやでしょうがなかった。

クラスで、一番人気のある女子に声をかけられるだけで、自分が惨めな気分となった。

そんな中学生活の中、たったひとつの希望が坂の上の塾だった。

その塾には弟が通っており、佐紀はお迎え係りだった。

その塾には同級生の奈良がいて、叔父の塾長を手伝っていた。奈良は、クラスで...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784751529485
本体価格 ¥1,400 (JPY)

NetGalley会員レビュー

青春小説というジャンルは買ってはいましたがあまり読めてないジャンルの一つでした。『青春ノ帝国』は私にしては珍しいくらい一気に読んだ作品です。本当に面白かった。佐紀と奈良くん、久和先生、百瀬さんの4人を軸に色々な人間模様が交差していく様は見ていてとてもハラハラしたり、青春の甘酸っぱさを感じたりしました。この本は今辛い思いをしているかもしれないしそうではない学生さんや、時を経て僕は私は昔こうだったな…と思い出してみたい大人になった人、様々な年齢層の方に読んで貰いたい作品です。素晴らしい出会いをありがとうございました。(発売日を過ぎてのレビューになってしまい申し訳ありません。)

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14歳、思い出したら一番自分が嫌で嫌いで気持ち悪くて屈辱だった時代かもしれない。佐紀が抱える思いや苦しみ、絶望や閉塞感、口に出せない想い、世界に己の味方が誰一人いないような恐ろしい瞬間、あのしんどさ。あー怖い!…ゾッとするぐらい、当時を思い出させる描写でした。その辛い描写が秀逸だからこそ、彼女の世界が広がり成長していくこの物語がものすごく愛おしい。これは14歳の少女が“大人”との距離を縮めて前に進んだ物語でした。
大人になった今では、同じく(というか私などより立派な)大人になった佐紀の描写に嬉しくて、どこか誇らしくて泣きたくなってしまう。
勿論中学生の読者さんに読んでほしい小説ですが、中学時代の思い出に少しでも陰りがある大人たちにも是非捲ってもらいたい。そして共感してほしい。
あの頃たしかに私たちは、一人残らず“青春”という帝国の中で過ごし、それぞれのペースで大人になっていたのだから。

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主人公関口佐紀のように学校生活を楽しく送れない人は多くいると思う。それは周りの環境とか自身の性格など様々だが、それでも心和ませる場所はある。佐紀にはそれが塾だった。弟のお迎えに行くその塾には憧れのクラスメイトの奈良くんがいた。でも良いことばかりではない。そこに手伝いに来ている大人の女性、百瀬さんは嫌いだ。いつも笑顔で対応している彼女に対して劣等感を抱いてしまう。大人の感覚では取るに足らないような些細なことでも思春期の少女には心揺れ思い悩む事がある。それをひとつづ乗り越えて大人になって行く。最後大人になった二人の会話から過去の経験が糧になっている事が感じ取れる。

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この物語では、劣等感に沈む中学生二年生の女の子の自分壊しと自分ビルドが、羨ましくなるような清新さで、鮮やかに描き出されます。何人か人が死にます。衝撃的なエピソードもあります。それでも、この物語の最大の事件は、主人公が「気づく」ことなのです。自分を取り巻く世界が覆される。天動説から地動説へ転換する思春期の自意識のコペルニクス的転回。この世界は思ったよりも優しさに満ちている。そう、思ったよりも、なのです。

石川宏千花さんのYA作品を読む時に、つい身構えてしまうのは、辛辣な悪意に遭遇させられてしまうことが多いからです。それは限りない善意が描かれるための対極の表現であるのかも知れないのですが、人の心の闇を見せつけられて戦慄させられます。この物語はその度合いが比較的低く、それなのに善意や愛情が色濃く描かれていくあたり、実はちょっと拍子抜けしました。そして、なんて愛おしい物語なんだろうと感嘆しました。回想の中で語られる、あの「帝国」の同志たちとの思い出が、読後もずっと心に灯ります。

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中学生の頃、何気ないことが辛かったこと、学校生活が全てだったこと、家に不満はないけど楽しい場所ではなかったことなど、いろいろ思い出してしまう物語でした。今の子供達よりは、クラスの中での位置に敏感な世代ではないものの、ハキハキとして存在感のある友達を羨ましく思ったりしたものでした。そんな時を理解してくれる家族でない大人が居てくれる大切さを感じる物語でした。その後も描かれているのも、今、思春期真っ只中の子供達が読むと安心できるのではと思います。

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中学生ならではの世界の狭さや息苦しさ、劣等感、友だちとの気持ちのすれ違い..。
中学校って、当人たちにとっては本当に狭い世界ですよね。
その狭い世界を『帝国』と言い表すところがいいですね。
帝国から外に出る、社会人になった関口佐紀が
さらに広い世界に出て行こうとする。希望が広がる終わり方でぐっと来ました。
表紙も素敵です。

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思春期の頃の嫉妬とか自己嫌悪とか痛いほど分かる。それがなんなのか分からないまま、モヤモヤして、トゲトゲして。
大人になった今もそういう感情はあるけど、上手くのみこめてしまう。というか、見ないフリが上手くなっただけかな?あの頃もっと戦っていたら、本当の同志と出会えていたのかな?今とは違う自分になれていたんだろうか?
あー。今私はとてもこの物語に出て来る人々が羨ましくて仕方がない。

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ストーリーテラーとしての主人公佐紀の目を通した、佐紀の青春期の人々の群像劇的な作品。

自己中心的な視点でしかものごとを見ていなかった佐紀が、周りの人たちの言葉や行動によって変わっていく様。
頭のなかでいろいろと考えるけれども、なかなか受け身から、アクティブに転じ切れない部分がまた青春期でもあるのかも。

人が何かをしていこうという気持ちの底の部分を描いた作品。

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不器用すぎる。何てことのないことなのに、受け止め方1つで傷つく。英語をネイティブみたいに発音して目立ったから笑われたとか、クラスの人気者と同じ髪型にして「まねした」と批判されたとか。大切なのは友達の貸してくれた本のことだよ。それを読むと言っておいて読まなかった。それが彼女の問題だ。馬鹿にしてたんだよ、友達。これを地獄のような青春と呼ぶには少し難あり、関わってくる大人や初恋の相手との関係により彼女が成長していく様は何かいい。読みやすくテンポがよく、中学生の女の子たちに寄り添うような視線。これ気持ち良かった。

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