女ともだち

靜代に捧ぐ

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刊行日 2020/09/17 | 掲載終了日 2020/09/30

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内容紹介

妻に贈る渾身の書下ろし鎮魂 エッセイ


「美化してないのに美しい夫婦の姿。

どっちが先でも、こんな風に別れを迎えたい。

あー、やっぱり泣いちゃいました」

――宮藤官九郎(脚本家、監督、俳優)

「嘘ばかりの世界で、こんなに正直な文章は、心の栄養(エネルギー)です」

――神藏美子(写真家) 


「歌が生まれそうだった。自分の弱さを歌にしたかった。自分の醜さを歌 にしたかった。自分のかっこ悪さを歌にしたかった。それしか歌にするものはない。」(『たましいの場所』より)というような心に刺さる率直な言葉で読者を魅了してきた早川義夫氏。 

 1960 年代後半、18 歳から21 歳までジャックス(グループサウンズ [GS]のバンド)やソロで歌を歌ってきた(「サルビアの花」「からっぽの世界」など)が、突如音楽活動をやめ、1972 年、町の書店を始めた。そして、1994 年からまた歌い始めた。 

 そんな早川義夫が2018 年6 月以降、すべての音楽活動や執筆をやめた。妻ががんにかかってから。 

それまでは他に恋人たちがいた。第一部は恋人たちのこと、第二部はしい子との人生を描いた文字通り渾身の書き下ろし。宮藤官九郎さんの帯文の通り、涙なしに読めない。


「しい子に会いたいと思う。

子供たちからも絶対的に愛されていた。

「ママって本当に優しいよね」と娘がつぶやけば、

「僕が見つけたの」と自慢できた。」(本書より)


【目次】

第一部

1 ものごとの始まりは

2 愛の逃避行

3 あの娘が好きだから

4 本当かどうかは、美しいかどうかである

5 うちのお父さんは普通のお父さんではない

6 スケベな女の子が好き

7 歳をとるともう女の子とは遊べない

8 別れても仲が良いのはいいものだ

9 上品な人、下品な人

10 天使の羽

第二部

11 赤色のワンピース

12 秘事

13 たましいは生きている

14 一人暮らし

15 犬仲間

16 プレゼント

17 「普通の人」

18 まさか、しい子が

19 僕たちは喧嘩をしたことがない

20 お金に関すること

21 マンションゲーム

22 言語障害

23 緩和ケア病棟

24 しい子は幸せだったろうか

25 影響を受けた人

26 最終章

27 ラブレター 早川静代

第三部 日記

日記(二〇一五年~二〇二〇年)

高野慎三さんからの手紙

あとがき


【著者プロフィール】

早川義夫(はやかわ・よしお)

1947 年東京生まれ。元歌手、元書店主、再び歌手。著書に、『たましいの場所』(12 刷 累計3 万7800 部)『生きがいは愛し合うことだけ』『心 が見えてくるまで』『ぼくは本屋のおやじさん』(ちくま文庫)、『ラブ・ゼネレーション』(文遊社)などがある。アルバムに、『この世で一番キ レイなもの』『恥ずかしい僕の人生』『歌は歌のないところから聴こえてくる』『言う者は知らず、知る者は言わず』『I LOVE HONZI』など。

早川義夫公式サイト http://h440.net/

妻に贈る渾身の書下ろし鎮魂 エッセイ


「美化してないのに美しい夫婦の姿。

どっちが先でも、こんな風に別れを迎えたい。

あー、やっぱり泣いちゃいました」

――宮藤官九郎(脚本家、監督、俳優)

「嘘ばかりの世界で、こんなに正直な文章は、心の栄養(エネルギー)です」

――神藏美子(写真家) 


「歌が生まれそうだった。自分の弱さを歌にしたかった。自分の醜さを歌 にした...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784480815552
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

50年間連れ添った妻がいながら、何人もの恋人がいた著者。
正直に生きてきた著者だからこそ、行動や発言に矛盾があるようでなく、感情が揺さぶられる。
奥さんを亡くしてしまった悲しみや後悔、そして愛情がダイレクトに伝わってきて、涙なしには読めなかった。

「夫婦の形に正解なんてない」なんて使い古された言葉だけど、ここまで体現している夫婦はいないのではないか。

夫婦関係だけでなく、あらゆるすべての生き方を肯定したくなる。そんな気分になる一冊。

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義夫さんは大学生の時にしい子(静代)さんと出会い結婚しました。義夫さんは結婚して間もなく、ミュージシャンを止めて本屋さんのおじさんになりましたが、実際にお店を回していたのはしい子さんでした。約50年の結婚生活の間、義夫さんは文字通り好き勝手なことをしてきたのですが、しい子さんはそんな彼のことが大好きで、ほとんどのことを許してくれました。

 義夫さんが女の子と付き合っていても、別に嫉妬するでもなく、「そんなことしてると嫌われるよ」みたいな話をする人だったのです。

 ある日、しい子さんの身体にガンが見つかり、あっという間に彼女は亡くなってしまったのです。生前、しい子さんも義夫さんも、先に亡くなるのは義夫さんの方だと思っていたのに、運命なんて誰にも分らないものなんですね。

しい子を抱きしめてあげたかった。思いっきり抱きしめてあげればよかった。ふざけてではなく、ぎゅっと抱きしめてあげればよかった」(あとがき より)

 義夫さんにとって、しい子さんは妻というより、一番の女友達だったんだなぁって思います。そんな大事な人を亡くして、今は犬と二人暮らしの義夫さんです。寂しい時は歌を歌っているのかしら?

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握られた手の感覚

記憶にあるバーは、寂れたメインストリートからも遠く離れた群馬県前橋市の一角。
早川義夫さんの歌声を生で聴いたことがある。
まだご健在であった佐久間正英さんから溢れるハーモナイズされたギターノイズを背景に、時に神々しく、時に無邪気に歌う姿が印象的だった。

当時、からっ風に荒んでいた僕の心に水脈を引いてくれたのは早川さんの歌だった。
底抜けに力強く、優しい歌声に涙した。

断片的ではあるが、本書を読んでいるとその能動的な歌の理由を少し理解できるような気がした。
静代さんの存在がそうだったのかと。
「女ともだち」というタイトルに、また感慨深いものがある。
後半の日記はさらに胸に届く。

僕が永井荷風や武田百合子さんに持った憧れの恋心。

ライブが終わり帰りがけに握手していただいた。
決して強く握り返さないその手が、今も僕の中に「強く」感触として残っている。

本が好き!倶楽部
せいちゃん

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歌い手で本屋業もしていた早川義夫さんの、亡くなった奥様との思い出を綴った一冊。

誰かと結婚しなくちゃいけないというなら、またこの人とがいい。

と静代さんは言う。
早川義夫さんはなんて気の合う方と出会えたんだ。
だって、早川義夫さんは奥さんのほかに常に彼女がいたような人なのに。
そんな人私は火野正平以外に知らなかったけど、これで2人目か。あっ、マイケル冨岡もそんな感じか。って余談ですけど、
とにかく男の身勝手さが目立ち過ぎて、全く共感出来なくて、なんだこの人、で終わりそうでしたが、
ちゃんと深く深く静代さんのことを思っていることは伝わってはきました。
あー、でもでもでもやっぱり嫌かなー。

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