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うそ
谷川俊太郎 著 中山信一 絵
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刊行日 2021/04/01 | 掲載終了日 2021/06/01
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内容紹介
「あやまってすむようなうそはつかない」――。
ついていいうそ・いけないうそってあるの? うそについて、真摯な思いを絵本に。
「うそはくるしい」はずなのに、平気でうそをつく人がいる。大きな声で何度もうそをつき、しらを切り通す人もいる。うそをくり返したら、それが真実になるのだろうか。
この世は、ほんとうのことより、うそであふれている。うそをつかない人なんて、この世にはいないだろう。どうして人は、うそをつくのだろうか。
ついついてしまったうそ。ごまかすためのうそ。自分を守るためのうそ。相手の幸せを願ってつくうそ。
そもそも[ついていいうそ]と[ついてはいけないうそ]、[いいうそ]と[悪いうそ]ってあるのだろうか。あるとすれば、その違いはなんだろう。いい・悪いや軽い・重いの基準で測れるものだろうか――。
この絵本は、詩人・谷川俊太郎さんが1988年に発表した詩を、イラストレーター・中山信一さんが絵で構成したもの。ある男の子がうそについていろいろと思い、考える。
心の奥深いところまで届く、時おり読み返したくなる宝物のような一冊。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784074464708 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
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うそはくるしいとしっているから…そうなんですよね。
嘘は苦しい。ついてしまった後、心の中の一部を引っ掻かれたような傷つけられたような気持になってしまう。嘘をついたのは自分なのに。主人公の「ぼく」はとても強い意志をもって「うそをついてもあやまらない」と言葉にしています。謝らなければならないような嘘はつかない―その決意が、ひたむきで、とても美しい。
あっという間に読み終えてしまうだろう絵本ですが、とても深い言葉だらけでした。
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深く考えさせられる絵本
”うそをついてはいけません”
きっと誰しも子供の頃 大人から言われた
ことがあるのではないだろうか
ところが世の中に”うそ″は溢れている
”うそをつく確率が高い年齢ランキング!”
なんてものがあったら
きっと大人が上位を占めているのでは
ないだろうか
では ”うそをついてはいけない” と
断言して本当に良いのだろうか
”うそ″にはいろいろある
人を傷つけるうそ
人を笑顔にするうそ
うそをつかれたことを
私は今でもはっきり覚えている
ただし それは後者のうそ
父が私についたうそ
絵本を読みながら遠い昔を思い出し
何故かあたたかい気持ちになった
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谷川俊太郎さんが好きで読みました。
子ども向けの絵本で
文章も少ないですが、
大人が読んでも、はっとさせられる
部分がたくさんありました。
"いっていることは うそでも
うそをつく きもちは ほんとうなんだ"
など。
うそをつくなら、絶対に最後まで
誰にもばれない嘘を。
それが出来ないのなら、
うそはつくべきではないと思いました。
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うその哲学。「うそ」と「本当」の違いは何?表紙の、少年が鏡に映る自分を見ているイラストからそう思う。
僕が言う「うそ」に込められた、真摯な思いが清々しく心を打つ。
うそをついたことのない人なんて、この世にいないだろう。でも、僕が言う「うそ」は、イコールまちがいを指すのではないはず。ついたうそを身の内で飼う、その心意気が凛と美しい。
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子供向けの絵本だけれど、どこか哲学的な、大人も考えさせられる絵本。
この男の子はどんな嘘をついたんだろうといろいろと考えました。
元々が詩なのでたくさんの文章があるものではないのですが、とても深く考えさせられる絵本でした。
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1988年にすでに発表されていた言葉だと言う。しっかり読んだ記憶はないが、だからどこから懐かしいのかもしれない。彼の言葉はわたしの子守唄だったから。
「うそ」についてかんがえる。こどもの目線で語られる。
ふかくふかくこころにひびいた、どきりとさせられた。子供に読み聞かせたらどんなことがおきるのか、すこしこわいほどだ。
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嘘という概念をかなり深堀した作品でした。子供よりも大人が読むべき本だなと思いました。嘘は悪いことだけど、嘘を言うことで本当の自分を表現したり色々なことがあります。それを知るのが大人になることなのかもしれません。
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“うそをついても うそがばれても ぼくはあやまらない”
主人公の「ぼく」がそう決めている理由とは??
子ども向けというより、大人が読んで考える絵本という印象。
“うそでしか いえない ほんとのことが ある”
子どもに「うそをついてはいけない」と教える前に、こういうことを考えて、説明できるようにならないとなぁと思った。
でも、6歳の子供に理解してもらうにはなかなか難しい考えだな…
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「ぼくはきっとうそをつくだろう。」嘘をついてはいけないと分かっていても嘘をついたことのない人はいないだろう。ついていい嘘悪い嘘はあっても、どちらの嘘もその時の本人にとっては必要で、ついた嘘を後悔する事で成長していくこともあるのだと思う。子ども目線で書かれていても大人にも通じる、短いけれども深い意味のある文章でした。
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随分前から愛読されてきた詩が絵本になったのですね。子どもたちも年代によって感じるものが多くあることでしょう。そして私のように大人になっても老年になってもふと思い出すことがある作品です。
嘘のない正しい世界はきっと生きにくい世界に違いありません。嘘だとわかっていながら話す、嘘だとわかっていながら受け入れる。そんなことが誰にもあるし、それはある意味で生きていく悲しみのようなものです。
「いっていることはうそでも うそをつくきもちはほんとうなんだ」
それがわかっていても,大人は子どもに、嘘をついてはいけませんと言います。不誠実な人間であってはいけないということを嘘を通して伝えたいからです。でも、
「うそでしかいえない ほんとうのことがある」
苦しくても、嘘がばれてとがめられても自分にとっては大切な嘘もあるのです。そして誰にばれることがなくても
「じぶんはしっている」
だから
「ぼくはうそといっしょにいきていく」
どんなに科学が発達しても、どんな政治が行われても、嘘が必要のない時代はやってこないでしょう。でもその嘘を反芻しながら、生きていくことの意味を誰もが探し続けていかなければならないのかもしれません。
さんぽの挿絵もとても心に残るものでした。
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「あやまって すむような うそは つかない」
この本の主人公の少年はこう言い切っているけれど、
それができている人はどのくらいいるでしょうか。
うそについては「いいうそ」と「わるいうそ」があるとか、
「自分のためのうそ」はだめだけど「人のためのうそ」はよいとか、
いやいややっぱりどんなうそでもうそはだめとか、
それぞれの信じているところによって出てくる言葉が違う。
この少年の言葉にしても誰にとっても完全な正解というわけではなく、
自分なりの正解を探しながらうそと生きていくしかないのかもしれない。
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犬の散歩をしながら「うそ」についてあれこれ考えるぼく。
嘘は悪いものというのが共通認識で、なるべく嘘をつかないでいい人生を送りたいと思っているし、そう心がけている。
しかし、この絵本を読んで少し嘘に対する考えが変わったかも。
嘘はつきたくない。
でも嘘をついたにしてもある覚悟上でのものなのかもしれない。
ついたことを知っている自分は騙せないのだから。
簡潔な言葉で綴られているが、じわじわと心にくる禅問答のような1冊だ。
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これまで生きてきて「うそ」をついたことはありませんと言う人はいるのでしょうか?
きっとほとんどいないと思います。最近「わきまえた方」という言葉が話題になってますけど、そういう人たちって「心に思っていても言わない人」ですよね。たとえ直接的な「うそ」をつかなくても、自分が思っていることを伝えないという「うそ」をついているのです。
「忖度」とか「わきまえる」とか「空気を読む」とかって、結局は「うそ」につながるわけで、それは思想の自由を阻害しているんです。
詐欺師のように、自分の都合で「うそ」をつくのは悪いことだとみんな言うのに、「わきまえたうそをつく」ことを美談のようにしているのは、おかしいと思うのです。
「うそ」と共にわたしたちは生きてるんだよなぁ。その「うそ」に潰されることがないように生きていきたいなと思うのです。
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嘘をつくことに対する覚悟とか子ども向けとは思えないような深さと切なさに溢れている。
嘘でしか言えないほんとのことがあるなんて詳しい状況なんてわからないのにたまらなく切ない。
子どもの絵本でありながら大人の哲学の本のようだった。
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男の子が犬の散歩に出かけて帰ってくるまでの間に、頭の中で「うそ」について考える。途中、地面を見たり、空を見たり、出会いに少し戸惑ったり、公園に寄ったりしながら思い巡らすさまは大人っぽくて、哲学的ですらある。
大抵の大人たちは子どもに、嘘をついてはいけないと教えるが、事実や本当ばかりを言葉にすれば、返って叱られるようなこともあるし、大人だって嘘をつく、と子どもは知っている。そして心の真実や本当のことは、なかなか言葉にできないということも…。
嘘の良し悪しの境界線は一律ではないから難しい。だからこそ男の子が決意したことに、深く納得する。
日常的にとても大切なことだけど、全てを網羅する正解がないものに対して、考えるきっかけをくれる絵本、子どもと一緒に、大人も出会って欲しい1冊です。
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こんなふうに嘘について考えたことがありませんでした。なるべく嘘はつきたくありません。それは辛さから逃げていたのかもしれません。「ぼく」の表情からはこんな深いことを考えているなんて想像もつきません。普通に犬の散歩をしている少年です。散歩は考えごとをするにはいいですね。それにしても、嘘をつくには相当の覚悟が必要なのですね。
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谷川俊太郎さんの詩を絵本にしたもの。うそについて深く考えさせられるシリアスな言葉を、犬を散歩させる少年のほのぼのとした絵が柔らかくしてくれます。言葉を大切にしておられる詩人の、「あやまってすむようなうそはつかない」という一行が胸に沁みます。
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誰でも「うそ」はつく。「うそ」が悪いというのは簡単だけど、この絵本の「うそ」は深い。「うそ」をつく時ってどんな時だろう。どんな「うそ」ならついていいのだろう。「うそ」をつく時の気持ちってどんなだろう。「あやまってすむようなうそはつかない。」そんな気持ちを大切に「うそ」をついていきたい。
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自分がこどもだった頃に、大人たちが、「こどもというのは純粋なものだ」という節のことを言っていて苦々しく思っていたことを時々おもいだす。いま振り返るとそれもまたこどもらしい考えでもあるような気もするけれど、当時は真剣に苦々しく思っていたのだった。嘘も、ばれないと思ってついてるわけではないし、良かれと思ってついていることだって沢山あったのだ。建前を教えられることはとても大事だけれど、(それは世界を善いものとして成り立たせようとすることだから、)こういう正直なことを言ってくれる人がいても良かったなあと思う。
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「うそ」とひとことで言っても、いろいろな嘘がある。ちょっと誰かをからかってやろうと思っていう軽い嘘、自分を守る嘘、誰かをかばう嘘、知らないうちにいっている嘘、本当だと思ったけれど、本当はちがっていた嘘……。「うそ」は奥が深い。
谷川俊太郎さんが、「うそ」の中にある複雑で繊細な心理を、やさしい言葉の詩で表してくれている。「いっていることはうそでも、うそをいうきもちはほんとなんだ」、「だれもしらなくてもぼくはしっているから」など、言葉が心にことんと落ちる。
絵では、男の子が犬と散歩へいく物語が展開する。物をいわない犬と過ごす静かな時間、男の子は、自分の心のなかをのぞいているのかな?
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中山信一さんのパキッとした美しいイラストに、哲学的な谷川さんの詩がマッチ。
男の子が、犬をつれてテクテクお散歩をしながら頭の中で考えていることが深い!
「いっていることは うそでも うそをつく きもちは ほんとうなんだ」
「うそでしか いえない ほんとのことがある」
イラストに抜け感があり、詩の余韻をじっくり楽しむことができる。
自分が最近ついたうそって何だったかな…
絵本を開いたり閉じたりしながら、何度もいろんな答えを思い浮かべそう。
年齢を問わずに、長く楽しめる一冊。
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【うそ】
谷川俊太郎さんの本です。
うそをつく、つかない、
なかなか深い内容でした。
良いうそ、悪いうそ
知られていいうそ
知られると困るうそ
色んなうそがあって、
それを考えるような内容になっていました。
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この詩は1988年「はだか 谷川俊太郎俊太郎詩集」の中で掲載
そして2018年「答えのない道徳問題 どう解く?」で紹介されています。
絵本としては文字も少なく数分で読めますが、「うそ」をどう理解するか
非常に難しい内容です
この本をこどもに与えた場合、子どもたちがどのように感じるのか?
又読み聞かせをしたときどのような説明をすべきか?、悩むところです
「ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うんだろう?」
何回でも読み返したくなる絵本です。
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不思議な気持ちになりました。
絵によって、読む人によってさまざまな印象を与えてくれることを実感しました。
「うそ」は『はだか 谷川俊太郎詩集』に載っていて、絵は佐野洋子さんです。
私はこの詩集をオーディオブックで聴きました。
絵本とはだいぶ印象が違っていました。
本当に面白いです。
「うそ」とは何でしょうか?
良いことでしょうか? 悪いことでしょうか? そんなことを決めなければいけないのでしょうか?
どちらにしろ「うそ」について考えることは素敵なことだと思います。
犬の散歩をしながら考えることとして、とても素晴らしいです。
私も散歩をしながら考えてみます。
読み聞かせをして、「散歩をしながら考えてみてください」と伝えたいです。
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ことばを使うこと、ことばを正確に使うことを考えさせられる詩である。
うそをいうことと、うそをつく気持ち。
ほんとうのことをいうための、うそ。
謝れば済むようなうそは、本質ではない。
これは年齢を問わず、日々を暮らす私に突きつけられている課題でもある。
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とても難しい。深いテーマという意味で。
「謝るような嘘はつかない」という言葉は胸にズンと迫る言葉でした。
内省する少年の目線のイラストは、読者と少年をより近づけてくれる効果がある気がしました。
読む年齢や、その時の状況で感じるものが全然異なる絵本だと思います。
子どもにも大人にも読んでほしいと思います。
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「芸術は真実を語るための嘘である」とピカソが言った言葉を思い出します。
夢や理想。うそでしかいえないほんと、それを命ある限りに叫び続けることが仕事である人がいるんですね。
夢や理想?今手に取れないからと、今目に見えないからと、誰かに「うそつき扱い」されたとしても、けっして、あやまらない。「あやまらない」は「あきらめない」ことじゃないかしら。
うそからでたまことならぬ、うそがほんとになるまで、死ぬまであこがれることを諦めないという決意なんですね。
時は流れているのに、今あるものしか認めないって、おかしくない?なぜ、時間を味方にしんどくても戦わないの?
この作品は静かに透明にわたしの心に問いかけてきます。
絵本にして出してくださったこの『うそ』は、この時代に、谷川俊太郎さんの思いを覚悟をもって伝えようとしている気がします。深い言葉の森の霧を晴らすように、まっすぐに「ほんと」を伝えてくれる新作かもしれません。
雨降りの後の水たまりに映った自分はひるんでいないか?
時計をみつめて人生の時間を今日をちゃんとあきらめないで生きたか?
自分の深い部分とちゃんと向き合い続けているか?
自分を奮い立たせるための、詩人の言葉。とても高カロリーな「うそ」という心の栄養かもしれません。