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内容紹介
とにかく切なくて泣ける
濃厚な和風ファンタジー誕生!
●内容紹介
江戸時代、山間の集落葛野には「いつきひめ」と呼ばれる巫女がいた。よそ者ながら巫女の護衛役を務める青年・甚太は、討伐に赴いた森で、遥か未来を語る不思議な鬼に出会う――江戸から平成へ。刀を振るう意味を問い続けながら途方もない時間を旅する鬼人を描いた、和風ファンタジー巨編。デビュー作にして絶賛の嵐だった話題作が、早くも文庫化!
●著者プロフィール
愛知県在住。WEBで発表していた小説シリーズ『鬼人幻燈抄』でデビュー。
おすすめコメント
コミカライズ第1巻も発売中!
そして、アニメ化企画進行中!!
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784575524710 |
本体価格 | ¥630 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー

気になっていたシリーズの文庫化ということで、読むのを楽しみにしていました。長い物語の始まりともいうべき1巻。兄妹はどうして逃げていたのか。兄はなぜ戦うのか。鬼の目的は?全てはここから。切ない話でした。

虐待する父親から逃げた甚太と鈴音は元治という男に出会い、葛野へと連れられ元治の娘・白雪と共に家族のように幸せな日々を送っていた。月日が流れ白雪は火を司る女神である「マヒルさま」となり、甚太は女神を守る「巫女守」となった。互いに惹かれ合う2人だったが、白雪からの他の男と婚約するという告白、葛野に侵入した鬼を斬る任務を受ける。
集落を守るためにマヒルさまとなった白雪と、葛野の人間ではないという負い目を感じながらも白雪を近くで守るために巫女守となった甚太。それぞれが相手や集落のことを思うが故に決して結ばれない運命を迎えるということが、とても胸を締め付けられました。その後の展開も「そうはなってほしくない」というものばかりで、2巻以降でどうなっていくのかとても気になります。鬼とは何なのか、甚太の運命はどう決着するのか、ぜひ続きを読みたいです。

「―これは私の娘などではない。」そう言い放つ父親から無残な虐待を受けていた鈴音。幼いながらも必死に鈴音を、そして家族の形を守ろうとする甚太。物語はこの1組の兄と妹を中心に展開する。繊細かつ丁寧な描写は、穏やかな生活空間と美しい自然が溢れる物語世界を脳内に鮮やかに浮かび上がらせる。そして、そんな和やかな物語世界に突如として鳴り響く警鐘。「人よ、何故刀を振るう」人に仇を成す鬼の問いに、導き出された甚太の答えとは。異なる境遇、大切な想い、譲れぬ信念を抱き、それぞれが考える最善の道を選択していく。果たしてそれが交わることはあるのか。糸が寄り集まって布が出来るように、危険な真実を孕んで物語は本当のはじまりを迎える。

物語は人の数だけあるという言葉のような物語でした。それぞれの立場や想いが交差する中、誰しもが相手を慮ることは難しい事であり、必ずどこかで亀裂が生じてしまう、ままならない現実であることを思い出させてくれるように感じました。また長い時間を生きる者にとって別れは必然的であり、常に見送る側になった彼が一体どんな物語を紡いできたのかとても気になる作品でした。

壮大な物語の始まり、という感じのお話でした。展開に関して、序盤の方は遅く感じましたが、終盤辺りから読むスピードが止まらなくなります。
色んなボタンの掛け違いが産んだ悲劇……その序章ということなのでしょうか……なんだか読んでいて切なくなります。
甚太の気持ち、鈴音の気持ち、白雪の気持ち……それらは本当に正しかったのか、正しく伝えあえられていたのか、それは本当に仕方なかったことなのか……何度も何度も考えてしまいます。
この物語がどこへ収束していくのか……気になる物語です。