ベルリンは晴れているか

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刊行日 2022/03/10 | 掲載終了日 2022/04/21

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内容紹介

第二次大戦直後のドイツを舞台に迫真の臨場感で描かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!

 第二次世界大戦を舞台にした『戦場のコックたち』に続く、深緑野分氏の代表作『ベルリンは晴れているか』が、ついに文庫化! 2018年の単行本刊行時から、数々のメディアで取り上げられ、多くの賞に輝いた歴史ミステリの傑作です。
 1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。恩人の不審死を知ったアウグステは、陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅出つ――。文庫化に際し、新たにドイツ文学者で翻訳者の酒寄進一氏による解説を付しています。


『このミステリーがすごい!』2019年版 国内編(宝島社)第2位!
第9回Twitter文学賞(国内編) 第1位!
2019年本屋大賞 第3位!
第160回直木賞候補!
その他各紙誌でも大絶賛!


【著者プロフィール】
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』、がある。

第二次大戦直後のドイツを舞台に迫真の臨場感で描かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!

 第二次世界大戦を舞台にした『戦場のコックたち』に続く、深緑野分氏の代表作『ベルリンは晴れているか』が、ついに文庫化! 2018年の単行本刊行時から、数々のメディアで取り上げられ、多くの賞に輝いた歴史ミステリの傑作です。
 1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。恩人の不審死...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784480437983
本体価格 ¥900 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

アメリカの兵員食堂で働き始めたばかりの少女アウグステが、知人のクリストフ殺害事件の関係者として、事情聴取を受け、容疑者とされるクリストフの甥、エーリヒの行方を追いながら、真実が少しずつ明かされていきます。終戦の2ヶ月後から始まる本編には、エーリヒを探しながらいろいろな人々と接触し、それぞれが生きる戦後を描き出し、幕間として、アウグステが生まれた直後からの成長と、ドイツの情勢や、戦争へ向かう過程が終盤に向かって、冒頭に繋がるようになっていました。題材となったのは外国で、だからこそ、国や、環境や、言葉や思想が違っても、戦争というものの非道や残酷さは同じだということ、誰であろうと、武器や暴力でその幸せを奪われることがあってはならないことを、強く思わされました。

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ドイツ人少女のアウグステの恩人の死を彼の甥に伝えるために旅をする本編と、そこに至るアウグステの過去が語られる幕間によって、構成されています。
ナチスが台頭していく時代、降伏した後のドイツの悲惨な状況など、さらりと流して読まずにはいられない辛い場面も多かったです。
アウグステの旅、恩人の死の真相、登場人物のこれからなど気になる要素も多く、引き込まれて一気に読みました。
描かれているのは第二次世界大戦後のドイツですが、今も世界では同じ悲惨な現状が続いていることを考えずにはいられない作品でした。

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(今、脂がのっている作家さんなので、どんな作風かチェックさせていただこうと思って拝見しました。ある程度読書に慣れた読者が本気で読むとおもしろいであろう重厚な小説、ということがわかりました。冒頭だけざっと眺めたので、ミステリとしての出来はわかりません。)

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戦後のドイツで連合国を相手に生きる17歳のアウグステ。ソ連の警察にかけられた殺人の嫌疑を晴らすため同居の甥を探すことになる。道中はロードムービー風だが、終盤、事態は大きく展開する。現在と、過去から現在のパートを交互に挟みながらも、上手くミステリに仕上がっている

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とても重い小説でした。毎日報道されているウクライナとロシアの人達のこと、太平洋戦争時の日本と戦場にしてしまった国々の人のことを考えずにはいられませんでした。そして、いつ自分がこの作中人物の誰の立場になるかも、いえ、もうなっているかも知れないことに思い至って、恐ろしくなりました。でもそれは、誰もが、知らなくてはならないことなのです。今こそ、読まれるべき小説だと思います。

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数年前に単行本で出版された作品。さすが深緑野分さんの小説です。他の作品も読んでいますが、本書は500ページを越える大作になっています。それでも途中だれたりせず、主人公が追っていく謎や、主人公自体が抱えていた過去が、徐々に明らかになるにつれ、さらに先を読まずにはいられない作品でした。
登場人物も、嫌な人物もいるけれど、人間は簡単に白黒つけられるものではなく、立場が違えばそれぞれに言い分があり、ましてや戦時下・戦後すぐの混乱期では、シンプルに生きられる人間の方が少ないことがよく分かる、そんな小説です。最後まで読んだ時、途中までの登場人物たちの印象が様々に変化したことを感じました。
また、ラストに、決して明るくはないけれど、少しだけ救いを見ることが出来た気がして、この小説を読んでよかったなと思いました。

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第二次世界大戦後のベルリンの混乱が生々しく伝わってくる。戦前はナチスに、戦後はソビエトに、人の命をなんとも思わないリーダーに、国を牛耳られ、市民が飢え、理不尽な理由で殺され、その日その日をなんとか生き延びている。
主人公は両親の死後、匿ってもらっていた家のお父さんを殺した容疑で、ソ連に拘束され、解放後、同じ家に匿われていたことのある男にお父さんの死を伝えるべく、行方を追う。
誰が敵で誰が味方か。
お父さんの死の真相は?
ベルリンの空が晴れる日は来るのか。
生き延びた人だけが見ることができた。

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まるで海外文学の翻訳本を読んでいるようでした。
いつか読もうと思ったまま文庫化され、今回読む機会があり今だからこそ読んでよかったと思う作品だった。

米ソ英仏の4か国の統治下におかれたベルリンの重苦しい雰囲気が漂ってきた。
徐々に真実に近づく真相と幕間の回想。
読後、17歳の少女が見る空がどうか晴れていますようにと願わずにはいられないほど入り込んでしまった。
「戦場のコックたち」も買ったまま読んでいないので、近いうちに読もうと思った。

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タイトル通りドイツが舞台の作品。
日本の作者のものとは思えない綿密なディティールが描きこまれた戦後ドイツのリアルを感じ取れる作品となっている。
戦争ものとして秀逸な作品であると同時にミステリーも織り交ぜていて二重にも三重も楽しめる内容となっている。
冒険譚としても楽しめるし、冒険譚としても楽しめる深い内容となっているので十分堪能して欲しい。

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敗戦直後のドイツ。
生き延びた17才の少女・アウグステと泥棒詐欺師・カフカの旅を通して、戦争の悲惨さが目の当たりになり、壮絶だった。

やはり、戦争というのは異常で、国民の精神までぼろぼろに破綻させられる。
穏やかな暮らしが少しずつ破壊され、人々が狂っていく様が恐ろしいほどだった。

特に、窃盗団孤児の「魔女」は強烈😭

拷問、強姦、略奪、隣人による密告。溢れる死体。日常に聴こえる銃の音。正気でなんていられない。
ソ連軍にロシア兵とウクライナ兵がいて、複雑な気持ちに。

そして、これは歴史小説でありながら、ミステリーでもあるところが面白い。
後半は一気読みでした。

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改めて深緑さんの作品の
放つ力に脱帽する。

終戦直後の混沌とするベルリン、家族を失ったドイツ人少女アウグステが見たもの。
現在の彼女と、幕間に過去の彼女が交互に描かれる。ミステリーとしても魅力があるのですが、市井に生きる人々の苦しみ、戦時下で当たり前に行われていた残虐な行為、まるでアウグステの傍らで見ているように苦悩してしまう。
アウグステと私たちは、重なりあう。
もしかしたら。
これが私であったならと。

戦争は人を変えてしまう。
タイトルに込められた想いを改めて感じます。
いま、世界は晴れているか。

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戦争文学と読むと素晴らしい。しかし、ミステリーとして読むと?。構成は今、第二次大戦直後のドイツのベルリンと、昔、戦時中。戦争中に匿ってくれた音楽家の男性が毒殺された。アメリカ製の歯磨き粉に毒が・・・。主人公の女性は米軍の施設で働いているので、それが支給されるので犯人と疑われるが、その頃、被害者は「懐かしい人と会った」と言っていた。そこで浮上してきたのは、義理の甥の存在だ。彼女とカフカというユダヤ人顔の元俳優が、その甥を探すたびなのだけど、その合間に戦争の悲惨がミストのように散りばめられていた。いい作品。

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第二次世界大戦下のドイツを舞台に、歴史物かと思いきやしっかりミステリーをしていました。個人的には主人公のアウグステが『エーミールと探偵たち』を何より大切にしているところ、そして読書に癒され成長するところが心に残りました。レビューを書かなければ、という気持ちがなければ読了できなかったかもしれません。重厚な物語でした。
図書館で戦時下とか平和の展示をするときにはぜひラインナップに置きたい一冊になりました。ありがとうございました。

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推理小説家による第二次世界大戦後のドイツを舞台にした歴史ミステリ作品。敗戦国として統治下におかれるベルリンでドイツ人の少女アウグステは、殺人の容疑で連行される。本屋大賞や直木賞候補にもなった500ページ超の大作。戦争の描写が生々しい。ドイツ語読みの単語がカタカナで多々出てきて世界に引き込まれる。

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第二次世界大戦後のベルリンで、ひとりのドイツ人男性が不審な死を遂げたことから始まる物語。
男性はなぜ亡くなったのか、犯人は誰なのか?
主人公のアウグステの過去と現在を行き来しながら話が進んでいくので、戦時中のドイツの状況をよく知らない方でも理解できると思う。
すべての謎が明らかになる場面は必見。
カフカからアウグステに宛てた手紙は何度も繰り返し読みたくなるほど素晴らしかった。

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リアリティーと緻密さに圧倒される。
まるで自分があの頃のドイツを見ていて追体験しているよう。
ドイツの地理にも歴史にも明るくない自分でも違和感がなく入り込めた。

国が変わっても、戦後70年以上過ぎても人間は同じことを繰り返している。戦争を始めた切欠が今のロシアと同じ
歴史は繰り返すとはいうけれど。
ナチスによる迫害がここまで酷いものだとは知らなかった。

そして敗戦後の悲惨さというのはどこの国も変わらないんだな、と。
日本はアメリカだけだったけど、
複数の国に占領されるとこうなるんだ、というのは目から鱗だった。1つの国が分断されるというのはこういうことなのか。

複数の時間軸が交互に入るので時々混乱するけど、少なくともアウグステは死なずに終戦を迎えることがわかっているのは救いになる。
イーダとの出会いからアウグステの母親が亡くなり、終戦迎えるまで10代半ばの少女が1人生き抜いていくところは本当に言葉にならないほどに読み進めるのが苦しい。

人はここまで残酷になれるのか。
どこまでも救いがない。

そしてついつい忘れそうになるけど、犯人探しと人探しが当初の目的なんだよね。
あまりにも幕間が重すぎて感情を引きずられるのでそっちをつい忘れそうになる。

アウグステの衝撃の自白から唐突にまた幕間にとんでそこからのすべての謎がつ詳らかになる流れは鮮やかで秀逸。ただのアウグステのしつこいくらい丹念に書かれた長い過去の挿話が現在とそう繋がるのかと。あの追体験がなければきっとクリストフが殺された理由にも犯人にも納得できなかったと思う。
ただドブリギン大尉があんなにも犯人探しに必死になっていた理由は判明するけど、あの説明で終わらせるのはちょっと唐突だった気がしないでもない。

身1つで命懸けで逃げ出したアウグステがエーミールと探偵達の本をどうして持ち続けたのかずっと気になっていた小さな謎もきちんと書かれていたのですっきりした。

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ナチスドイツ敗戦後、米ソ英仏の統治下におかれたベルリンで毒殺事件に巻き込まれる主人公アウグステを描いた本書は、ミステリーとしてもさることながら、歴史小説としても魅力的で、ノンフィクションかと錯覚するほどだ。

厳しい状況の中、なんとか前に進もうとする彼女の姿を追いかける間、私はずっと戦争について考えていた。
 
戦争は何故なくならず、繰り返されるのか。
多くの人が命を落とし、築き上げた全てを失っても、「戦争とはそういうもの」だから仕方がないのか。
それは違うと思うならば、どうすれば戦争を避けられるのか。

考えても、考えても、答えは見つからず、それでも、本書のおかげで気付いた事が一つ。

答えが出なくても考えるのをやめないこと。
やめた時点で、戦争をなくす方法を見つけ出す可能性もきっと消滅してしまう。

重く苦しいテーマではあるが、残念ながら戦争が身近になってしまった今、多くの人たちに読んで欲しい。

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1945年、第二次世界大戦後のベルリンが舞台。両親を亡くした17歳のアウグステの恩人の不審な死によりソ連の警察に疑われる。その嫌疑を晴らすため、恩人が昔同居していた甥を泥棒していた男と共に探すことになります…
 アウグステの少女時代の話もあり、かなりボリュームのある歴史ミステリーですが一気に読むことが出来ました。特に後半は色々気になって読まずにはいられなくなりました。
 ソ連が出てくる戦争の話にはウクライナは欠かせないのでしょうか。昨年までは気にもとめていなかったのですが。そしてウクライナの話と饑餓の話も出てきます。小説を読みながら、今もアウグステのような若い子たちが辛い思いをしているのでは、と想像してしまいました。

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ドイツを舞台に、第二次世界大戦の敗戦直後を主軸として、ヒトラーが現れて不穏な空気が立ち込めていく頃の場面が差し込まれながら、ドイツ人もまた苦しんだ様子が描かれます。
以前単行本で読んだ時は、歴史物として読み始めたのですが、ミステリーとして読みごたえがあった事を思い出し、真相が分かった状態で、登場人物たちの動向に注目しながら再度読みました。

戦争のドサクサに紛れて犯される犯罪。
平常時ならば、重罪として大騒ぎになる事が、見逃されていく恐怖。
ドイツから解放されソ連に飲み込まれていく当時のウクライナの話も、読み逃してしまうほど僅かですが登場します。

現在ドイツとは接してない土地を地図を見て、どこまでドイツが侵略して、戦後どこが別の国の支配下に置かれ、どこがどのようにして独立を果たしたのか?、また飲み込まれていったのか?、調べながら読みました。
他国から『ここは、我々の土地だ』と主張される悔しさを思うと、涙が溢れました。
一度は侵略した国々が、『今は他国なのだから、その土地で何が起きようとも関係ない』、そんな訳ないのだろう…と思います。

読み返してみると、細かい部分を捉え違いしていた事にも気づいて、また新たな感動がありました。

ドイツ人も苦しんだ…
という事を書きながらも、『自分達もまた被害者なのだ』と言い訳するドイツ人達の滑稽さも描かれ、必ずしも、戦争加害国の国民に同情的な美談にはなってません。
『私』という一人称でありながら、とても客観的に、加害国の国民でありながら被害者意識を持つ人々の様子を、静かに見つめるかのような主人公の心の描写が印象的です。
同情的に描かれていないからこそ、外国人の立場で読んでも、その苦しみを素直に理解する事が出来るのかもしれません。

ドイツ人も苦しんだ…
という作品に触れる度に思うのですが。
日本人も苦しんだ…
という事を、日本人以外の人達がどれくらい理解して、日本人以外で、その苦しみを作品として記してくれる人が、果たしてどれくらいいるのでしょう…

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タイトルも作者も知っていたものの、なかなか手に取れていなかった作品。
戦後日本を舞台とした小説を並行して読んでいたこともあり、ドイツでも同じ、もしくはもっと酷い話があったのだなぁと思いつつ、後半になるに従いミステリーとしても面白くなってきたのが印象的。
なかなか描きづらい内容を、真摯に、そして本当に面白く、意外性も多彩に描いた良作。

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