
戦争をやめた人たち
鈴木まもる
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刊行日 2022/05/20 | 掲載終了日 2023/06/27
ハッシュタグ:#戦争をやめた人たち #NetGalleyJP
内容紹介
戦争中の最前線で、戦争をやめた兵士たちがいた!
1914年、第一次世界大戦が始まった。ドイツ、オーストリアなどの同盟国軍とイギリス、ロシア、日本などの連合国軍との戦いだ。
最前線ではそれぞれの「ざんごう」に入って相手と打ちあっていた。
食べ物も少なく、寒く厳しい毎日の中、12月24日がきた。
その日もイギリス軍の兵士は、一日中、ドイツ軍との打ちあいで疲れ果て、ざんごうで休んでいた。
すると、向こうの方から、歌声が聞こえてきた。それは、ドイツ軍が歌っている「きよしこの夜」だった。
イギリス軍も、歌い始めた。すると、ドイツ軍の方から拍手の音が聞こえてきた。
次は、ドイツ軍の方から「もろびとこぞりて」が聞こえてきた。イギリス軍も自国の言葉でいっしょに歌い始めた。
その後、両方のざんごうから、クリスマスのいろんな歌が歌われて夜空に響いた。
翌日、ドイツ軍の兵士一人が、両手を上げて近づいてきた。イギリス軍の兵士一人も、両手を上げて近寄っていった。二人は恐る恐る手を差し向けると「メリー・クリスマス」といって握手をした。それに続いて、ざんごうにいた他の兵士たちも、みな出てきて「メリー・クリスマス」といって握手をして気持ちを伝えあった。
言葉は通じなくても、身振り手振りで心が通じた。また歌をいっしょに歌ったり、お互いの家族の写真を見せ合ったり、ざんごうから、食べものやお酒をもってきて分け合って食べたり、ヘルメットを交換する者までいた。
ある兵士が、上着をまるめてヒモでしばった。それをボールにしてサッカーが始まった。
夕方になるまで、みな子どものように笑いながらサッカーをして楽しんだ。そして、みなもう一度握手をしあって自分たちのざんごうに戻っていった。
これは、本当にあった話で戦場のあちこちで起こったこと。
この後、残念なことに戦争は続いた。だが、ここでクリスマスを祝った兵士たちは、銃を相手に向けずに命令されても、銃を少し上に向けて空に向けて撃った。
いっしょにサッカーをして遊んで、おたがい相手にも家族がいることがわかり、戦争より大切なことがあるとわかったので、この人たちは戦争をやめたのだった。
<以下、作者の創作ノートより>
この絵本の「あとがき」の絵を描いている時に、プーチン大統領のウクライナ侵攻が始まりました。まだ「戦争」を始める人間がいる現実に愕然としつつ、戦争よりも強い、人のやさしさと想像力を描きたくて、絵を完成させました。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784751531136 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |