兎の島
エルビラ・ナバロ/宮﨑真紀訳
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刊行日 2022/09/20 | 掲載終了日 2023/06/30
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内容紹介
共喰いする兎で溢れる川の中州、レストランで供される奇怪な肉と絶滅生物、耳から生えてきた腕に身体を奪われる作家、死んだ母からのフェイスブックの友達申請……
現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短篇集!
エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。
本書の英訳版(2021)は、ニューヨークタイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。
「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」
エンリケ・ビラ=マタス
「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」
マヌエル・ジョレンテ
La isla de los conejos, 2020
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784336073631 |
本体価格 | ¥0 (JPY) |
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NetGalley会員レビュー
怪奇幻想小説を初めて読みました。短編集だったので初心者の私にとっては良かったです。
読んでいて「?」となってしまう作品があり数回再読してみたのてすが変わらずでした。これを理解出来たらもっと楽しめたのだろうなと思いました。
短編集の中で1番好きだったのは『メモリアル』でした。身近な人の死の出来事が、自分の亡くなった家族に照らし合わせてしまい興味深く読んでいました。
今回のような出来事があった時、私だったら不安で恐怖しかないだろうなと思ったり。
全体のページ数も丁度よく飽きることなく最後まで読むことができました。
十一篇の怪奇幻想短篇集。
読んでいてあれ?と思った時には既に物語の中で迷子になっていた。迷子になり軽い疲労感さえおぼえるのに、現実世界から繋がっているような、全く繋がっていないような不思議なところに連れて行かれる感じがとても面白かった。
一気読みするよりも、一篇ごとに迷子になる感じを楽しみのんびり読む方が向いていそうな作品です。
全体としてかなりの異国情緒を感じました。景色のみならず温度やにおいまで感じられるような。。。ジャンル的にはホラーではなく少し不思議な話かな。それぞれの短編が趣が違うので自分がしっくりくるものがあるのではないかと思います。
何なんだ、この奇怪な物語は!と準備運動もなくいきなり読み始めた脳みそが大混乱に陥りました。???が続く中、3編も読むと次はどんな世界や生物が出てくるのか楽しみになってきます。「ストリキニーネ」「兎の島」「ミオトラグス」あたりが好みでした。
スペイン人作家による11種類の短編集。亡くなった人からのSNSでの友達申請のように、現実の世界でも起こりうる奇妙な話、耳たぶから肢が生えるといった非現実的なことが起こる奇妙な世界での話が取り混ぜられている。
恐怖は、嫌な予感のことだと聞いたことがある。
死んでしまうかもしれないという予感、不快なものがくるかもしれないという予感・・・。
日常を脅かす「何か」が迫ってくる予感に人は恐怖するのかもしれない。
この本に漂う雰囲気に、不気味な恐怖を覚えるのはそんな予感を感じるからだろうか。
スペインの作家エルビラ・ナバロによる11編のホラー短編は、どの作品も異世界に迷い込んでしまったかのような何とも言えない不快感と気味の悪さがある。
表題作「兎の島」は、ある男が無人島に兎を放つことから始まるが、
そのなんということはないはずの行為が引き起こすその後の島の様子にぞっとする。
全ての作品が、現実と地続きなせいか、自分も一歩間違えればこの不気味な世界に迷い込んでしまうのではないかという嫌な予感に背筋が寒くなる。
夏に向かって暑くなるこの時期、一足早く背筋が凍る体験をしてみてはいかがだろうか。
ホラーというよりも幻想小説に感じた。それでも時々ゾーッとくる。『うわっ!』という怖さでは無く、怖さが小さな波から徐々に大きな波になるような怖さ。正直なところいまいち意味が分からないストーリーもあったのだが、自分自身の読解力の問題だろう。
現代スペインホラー文芸の旗手!哲学を学んだ彼女の作品は英語、フランス語、スウェーデン語、イタリア語、トルコ語に翻訳されていているそうです(解説より)。
この作品集を「ホラー」と一言で片付けるのには相当無理がある。例えば残酷な殺人シーンや血まみれの場面が続く直接的な痛みを伴うものでは全くないし、心理的にドキドキさせるとしてもわかりやすく心が追い詰められているスリルやサスペンス、とも違う。
そういう「わかりやすい」怖さ、を求めている人にはこの作品集は難解かつハードなものではないだろうか。
乾いた感じの文体と、えっと驚かせるプロットと、でもなんでこうなるのかわからない、ということや唐突に終わる感じも。サクサク読んでわかりやすい怖さを楽しむというものではない。
文学が好きな人、明確なわかりやすさはないけど、その香り、を楽しめる人には大いに時間をかけてゆっくり楽しめると思う。
うさぎの島
La isla de los conejos
エルビラ・ナバロ
Elvira Navarro
日常の幻想譚。スペインの梨木香歩といった感じか。
ただ、それよりはどこかグロテスクで、全体的に暗い。
それでいて、クスリとするようなセリフなどもあり、ブラックユーモアではないのだが、不思議な読後感だった。
全体的に現代の話が多くファンタジーというよりかは、ホラーに近いように感じました。
話のなかでは最後の占い師がお気に入りです。