死にたいって誰かに話したかった

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刊行日 2023/01/10 | 掲載終了日 2023/03/23

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内容紹介

寺地はるなさん絶賛!!

「うまく生きられない、かっこ悪いのに美しい、ひたむきな四人。

生き辛さって、他人には話しにくい。

それでもやっぱり、言葉をつかうしかない」


この絶望と孤独を誰かに話したい。

孤独なアラフォー女性がつくったのは「生きづらさを克服しようの会」。

あつまったのは、それぞれなにかが欠落している男女だった。

私たちが必要としているのは、家族か恋人か、友人か――現代社会を溺れかけながらサバイブする男女を描いた心震える傑作長篇!


******

――この人生でまともなものは、何も手に入らない。友達も恋人も夫も子供も何もかも。手元にあるのはこのボロ家と引きこもりの兄と、全く向いていない仕事だけ。悲しくてたまらなかったが、涙は出なかった。漫画や映画やドラマだったら、こんなときに突然、自分を救い出してくれる誰かが現れるのだろう。その誰かは、白馬の王子様であったり、一緒に戦おうと手をとりあうシスターフッドの同志であったり、生き別れの家族(大富豪)であったり、未知の才能を引き出してくれるビジネスパートナーであったり、推せるアイドルだったり、愛くるしい犬や猫であったり。とにかく誰かが現れて、ふがいなかった人生が、思わぬ方向へ進んでいく。

 でも自分の人生には、誰もきてくれない。三十六年間待って、ただの一人も現れなかった。だから、今後も絶対に現れない。断言できる。絶対に、絶対に誰もきてくれない。他の人のところにはあるかもしれない。でもわたしには、ない。奈月は何よりも自信をもって思う。ない、と。世界の果てまで、ない。王子様はわたしの前を素通りする。シスターフッドの仲間に入るには見えない足切りライン(基準は容姿、ファッションセンス、知性、そして何より、空気を読む能力)があり、わたしは早々に脱落する。

 (中略)

 漫画も映画もドラマも全部、誰かが誰かと助け合ったり、誰かが誰かを救い出したりする話ばかり。出会いはみんな〝ひょん〟なこと。その〝ひょん〟はどこにある。どこにもないじゃないか。悲しくなるから、奈月はもう何も見なくなってしまった。

(本文より)

******


(あらすじ)

あたたかい家庭がほしいと願いながら恋人どころか友人もできず職場で空回りばかりしている奈月は、生きづらさを抱えて日々暮らしていた。悩みを共有できる人がいないか「生きづらさを克服しようの会」を一人で発足し、参加者を募るために勧誘チラシを撒く。すると、モテなさすぎて辛いと話す男性から連絡がきて――。

どうして私たちは他の人のように「普通」に生きられないのか。生き方に悩む男女が不器用に前進していく。ままならない日常をもがく、ありのままの現代人を描いた傑作!


(著者プロフィール)

南 綾子(みなみ あやこ)

1981年愛知県生まれ。2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞しデビュー。『ダイエットの神様』『結婚のためなら死んでもいい』『タイムスリップしたら、また就職氷河期でした』など著書多数。


寺地はるなさん絶賛!!

「うまく生きられない、かっこ悪いのに美しい、ひたむきな四人。

生き辛さって、他人には話しにくい。

それでもやっぱり、言葉をつかうしかない」


この絶望と孤独を誰かに話したい。

孤独なアラフォー女性がつくったのは「生きづらさを克服しようの会」。

あつまったのは、それぞれなにかが欠落している男女だった。

私たちが必要としているのは、家族か恋人か、友人か――現代社会を溺れかけながらサバイ...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

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出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784575526332
本体価格 ¥700 (JPY)
ページ数 288

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NetGalley会員レビュー

奈月は、恋人も友人もおらず、仕事でも失敗ばかり。
周りから浮きまくっている奈月は、「生きづらさを克服しようの会」略して「生きづら会」を作ることにした。
「生きづら会」は、月に二回、金曜日の夜に開かれる。
人が話している間は遮らない、人の考えを否定しない、というルールのもと、生きづらさを抱える男女が、自分の過去の経験や外見のコンプレックスについて話していく。

生きづら会の参加者は、だれもが不器用。
語られる過去のエピソードは強烈で、柔らかい布に包まれているような心地のいい物語ではないのに、なぜだか癒された。
きれいごとでも、おとぎ話でもない、現実的な話がよかったのかもしれない。
「死にたいって誰かに話したかった」というタイトルとは裏腹に、読後は、「もう少し生きてみて、新しいことに一歩踏み出してみようか」という気持ちになる。
そう簡単に生きづらさは克服できないと思うが、生きづらさを感じているのは自分だけではない、ということがわかるだけで、少し生きやすくなるのだろう。
不寛容な時代を、もがき苦しみながら必死で生きている全ての人に読んでもらいたいと思った。

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生きづらさを抱える人たちが集まり語る「生きづらさを克服しようの会」
彼らの語る話を聞いているのに、私は自分自身と向き合っていた。

私にとっての生きづらさは、誰かにとっては生きづらいとは感じないことなのだろう。でもそれを自分の言葉で語ることは難しい。
だからこそ私は彼らの生きづらさを聞いた。そして自分と向き合った。そして誰にも話せない感情と向きあった。
これで私も「生きづらさを克服しようの会」のメンバーになれたのかもしれない。

今生きづらさを抱えている人、生きづらいなんて考えたことないよという人にもぜひ読んでほしい。自分と向き合って、自分の言葉で生きづらさを語りたくなるはずだ。

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コロナ禍になって、1人で過ごす時間が増えた。これまで気付かなった自身の生きづらさに気づいてしまった。
こんな時代だからこそ、誰かと積極的に交流する機会を持つ事は大事だと思う。
不器用な面々が「生きづら会」で話すテーマは的を射てるものもあれば、ちょっとズレてるものもあり、そこが面白かった。
タイトル『死にたいって誰かに話したい』弱音を話せる人がいる、それは幸せなことだと思った。

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家庭や学校、仕事先で周りのひととうまくやれず誰からも愛されず孤独を抱えて生きる主人公がひとりで「生きづらさを克服しようの会」を発足する。
登場人物の誰にも共感はできないのに彼らの感じる孤独な気持ちは知っている。毎日楽しそうに見えても誰にも内側は見えないから。
「生きづら会」がとても良かった。否定されず話を聞いてもらえる、それだけで気持ちが落ち着くような気がする。誰にも言えなかったことが誰かに聞いてほしい話になるのは大きな一歩で、たとえ何も改善されなくてもそれでもいいんだと思った。絶望の中を歩いていてもそれが自分の人生だったといつか笑える日がかならずくると信じられるだろう。

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わかるぅ〜!と、うんうん頷きながら読みました。自分の古傷が抉られるようで、読んでいて心が痛くなる部分もたくさんありました。全部が全部わかるわけではないけれど、登場人物達と同じ様な気持ちを味わったことが誰しもあるはず。
なんかうまくいかないんですよね、うまく生きていけない。生きづらい。
共感を得たいわけではなく、肯定されたいわけでもなく、否定も批判もいらない。ただ話して聞いてもらいたいだけ。そこに居て欲しいだけ。めんどくせー奴!と思われるかもしれませんが、そんな人は意外とたくさんいるはずです。私もそんな時があります。
自分の方がより不幸だ、ついてない。なんて比べがちですが、そうじゃないんですよね。
他人からしたらどんなささいな悩みでも、本人にとっては耐え難いつらさである、ということはいくらでもある。と、本文にもあったように勝手に比べて決め付けてはいけない。
改めて自分にも言い聞かせました。
生きづらさを克服するのはすごく勇気と体力がいることだと思います。
ですが、結局は自分次第なのかなとも思いました。私はこの作品を読んで、よし!明日からもなんとなくがんばるか〜!という気持ちになりました。
たくさんの人に読んでもらって、たくさんのことを感じでもらいたいです。
素晴らしい作品をありがとうございました!

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タイトル深刻さからの予想に反して、はじめから、とても読みやすい作品だった。でも各人の抱えている過去は皆壮絶であり、そうした負の歴史を背負いながらも生きていく人間の強さみたいなものを感じた。相手の言うことを批判しないで聞いてくれる人の前で、自分を語っていく場というのは、夫婦や親子でもそうそうない。皆、この会を大事に思って続けていることがわかる。
時にはコミカルで笑ってしまう箇所もあれば、読むのもつらい箇所もあった。でも最後にはみんなそれぞれに自分の居場所を見つけていく。私がこの会に参加したら一体どんな話をするんだろうか。そんな事も考えながら読んだ作品んだった。

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「生きづらい」という感覚、何となく分かる。どうして自分はこんな風に考えてしまうんだろう、もっとうまくやれたらいいのに…と悶々と考えてしまう。一人で悶々と考えるから、底なし沼のように、はまってしまって、息ができなくなる。
でも、「生きづら会」のように、他人に話せる機会があれば、一呼吸できる気がする。ただ話をして、ただ話を聞くだけ。解決することを目的としなくても、息継ぎをするために必要なことかも。
ただ話を聞くだけ、という点では、読者もこの「生きづら会」に参加している。読み終わる頃には、救われる人がきっといる。

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私もいきずら会に入りたい!心底そう思う。
北千住に行ったら参加できますか?

この本がこの世に存在しているだけで私は救われたような気持ちになる。
この本が私にとっての聖書のようなものなのかな。

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「生きづらさ」を抱える人たちが、各々の体験や考えを「話す」「聞いてもらう」ことで、だんだん自分の現実、過去と向き合えるようになり、本当に自分を苦しめていることがらの正体に気付いたり、自分の本当の願望や適性に気がついたりと、自分と折り合いをつけていく様子から目が離せませんでした。

「生きづらい」とか「生きづらさ」とか、昨今よく耳にする言葉ですが、その実態や原因は実に人それぞれなのだということを教えられたような気がしました。

登場人物と似た事情を抱えている人は共感を覚えたり、希望が見えたりするかもしれないし、そうでない人も、身近にいる「幸せそうなあの人」ももしかして?と少し周囲の見方がかわるかも知れないと思った。

魅力的な書き手さんに出会えたという気がしています。リクエスト承認ありがとうございました。

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めちゃくちゃおもしろかった!
落ち込みそうでちょっと手に取りづらいタイトルだけど、語り口は軽く、一気に読んでしまいました。
空回りばかり、未来になんの希望も見出せない奈月が始めた「生きづらさを克服しようの会」。
集った人たちが感じてきた「生きづらさ」のエピソードは、誰でもどれか1つは共感するものがあるはず。
そして、共感する一方で、厄介者扱いする周りの気持ちもめちゃくちゃわかる‥。
たしかにこれは…。
この痛すぎる面々は生きづらさを克服できるのか。
ラストにはぐっときました。

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恋人も友達もいず、仕事も失敗ばかりの女性が「生きづらさを克服する会」を立ち上げる。
ひとり、またひとりとメンバーが増え、それぞれの思いを語り、また思いを聴く。
そのエピソードはまるで自分もそこにいるかのようだ。
"生きづらさ"とは、何なのだろう。
社会的な地位や、人からは羨まれる立場であっても関係ないのだろう。
この愛おしくも痛々しい面々に幸あれ。

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世間から少しずつズレていってしまった(とそれぞれ本人達が思っている)妙齢の男女が一つ屋根の下に同居しながら「生き辛会」を周期的に開催して、他人には聞かせられない恥かしい自己をさらけ出していく。読みながら、果たして同じような思いを少しでも抱えてる人間はどれくらいいるのだろうと思った。決して彼らだけではない、彼らが憎み憧れている一見上手くやっている人間にも少なからずそういう感情は根底にあるのだと思う。うまくやれるか、空気を読んで、ほんの少し器用なだけで、、。一瞬のつまづきが茜のよう北千住の住人になることもあるのだから。一番印象的だった雄大が、おばちゃまたちのアイドルになり、まさかの出世頭に?!料理上手は世の中を救うとしみじみ。

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経験してきたことは違うのに、なんだなんだ?!このシンパシーとエンパシーの嵐は。
彼らそれぞれの生きづらさを一緒に膝を抱えて聞いている感覚になっていき、そして徐々に焦りも感じる。
次はあなたよ!と言われたら私は話せるだろうかと。結局、そういうところが私は駄目なんじゃないのかと自分自身と向き合う時間になりました。
話せてよかった、聞けてよかった。
そして、読めてよかった。
何も変わらないようで、きっと読後は前を向いているはずだ。

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主人公は職場でいつも空回りして居場所がない気がしている奈月。皆んなに存在自体を否定されていると思っている。
奈月と同じ病院で働く清掃会社勤務の恋愛勘違い男、雄太。
看護師にセクハラで訴えられ家族からも戦力外通告を受けた医師の薫。
友人から高価なものを出来心で盗難してしまい、夫からも義実家からも見捨てられた茜。
4人が開催する「生きづら会」を中心として物語は進んでいく、そんな話。

すっっっごく面白かった!!!
「生きづらさ」というものは誰にでもあるはず。
そうでない人は見て見ぬふりをしているか単に気付いていないだけだと思う。
この4人の語り合いの中で
自分の中にも燻っていた何かが明らかになったことで、
引込み思案でちっとも前進していない過去や
空回りして人に迷惑をかけていた自分を思い出して古傷がえずいたりしていた。
まるでブーメランや鏡のような作品で、
明日もいっちょ頑張りますか。
とガッツを貰った気がする

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ずっとこういうのが読みたかったという本だった。
奈月が発足した「生きづらさを克服しようの会」(略して生きづら会)に私も参加したい!いや、読みながら自分も参加している気持ちになった。生きづら会のメンバー4人のバックグラウンドは私とひとつも共通点がないのにも関わらず、共感しながら自分の過去と向き合っていた。
生きづら会に参加したとて、何か劇的に改善することもないのが妙にリアル(作内でいうところの、白馬の王子様やシスターフッドがでてくるわけではない!笑)。
少し人生がよくなったと思ったら、やっぱり落ち込むこともあったりして、でもそうやってやってくしかないのだなと。
終盤のタイトル回収もとても響いた。

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自分の話をする。それを遮ることも肯定も否定もせずにただずっと聞く。
生きづら会を通して自分の性格や人生を見つめ直しそれを正すのではなくありのままの自分を受け入れ、そして自分自身を理解していく。そうなんだ、アドバイスして欲しいわけじゃない、だって生きづらいの同じでもそうなった理由は同じではないのだから。
読み始めてすぐ奈月に共感して胸が苦しくなった。自分も空気が読めず人に好かれず、何度も職場を変えてはいろんな自分を演じた。それは自分探しではなくなりたい自分を作るためだったけれど、作る必要なんてなかったんだと今更心が軽くなった。
本当にいい本に巡り会えたこと、心から感謝いたします。

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生きづらさを抱えた男女の話という事で読み始めはネガティブな話が多くどうなるかと思いましたが、後半の会が始まってからは前向きになるような事も多くホッとしました。

皆が前向きに生きようとしている中、でも雄太だけはなんか心配です…。本質的になんも変わってないように感じてしまいます。

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生きやすくするために、良かれと思ってやることが裏目にでたり、空回りする。私もそんな経験があるから共感してしまう。何故だろう。原因を考えるとわかるような気もするけど、納得できなかったことも多い。生きづらい。ものすごく生きづらい。そんな人たちのこの物語を読んでいると、忘れたと思っていたのに心の奧にずっとひっかかっていたことがたくさんあるのだと次々と思い出してきた。抱えていてはいけないのに、忘れてなんかいなかった。誰かに話したかった。でも、話す機会なんてなかったのだと。互いに深入りしていないようで、彼らも気づかぬうちにしっかりと支え合っている「生きづらさを克服しようの会」に参加してみたい!生きづらさとは、さまざまな要因が重なってそうなるのだと思う。生きづらい人々の心がとけだし前に進むきっかけとなる場がこの世の中にたくさんできますように。簡単ではないけれど、生きづらさから解放される方法がどこかにあるのかもしれないと思える作品でした。

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欠落感のある4人が集まることで、生きづらかった人生が幸せな人生になる!という魔法のような映画のようなことは起こらない。少しいい方向に向かい始めたかな?と思うと、また落とされるし、なかなか自分は変われないし、周りも優しくしてくれるわけではない。
けれども、ただ自分の話を聞いてくれる人がいる、聞いてくれる場があるということが、どれだけ人にとって救いになるのか。
ダメ出しもせず、むやみに肯定したり、励ましたりもせずに、ただ話を聞くこと、自分をよく見せようとしたり、優位に立ったり、人をコントロールしようとすることなく、ただ話すことは難しい。だけど、私を含めて、必要としている人は多いと思った。

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女性目線からの男女観、人生観。
僕は男性には少女漫画を読むことを勧めたいのだが、
この本は男性に読んで欲しい女流作家さくひんだと思った。
それに、この作品だったら登場人物たちのその後を
是非続編を書いてもらって読みたい作品だと思った。

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辛くて苦しい。下手したらみんな世間から弾かれる。いや、弾かれてるのか。
弾かれて行く当てがなくて、この場所があるから、どうにかこの世界にとどまっているのだ。だけどそれは微妙なバランス。ひとつ、ひと息、何かが違えば、ここから手を離してしまう。
そんな風に生きている人たちを、笑えますか?自分がそうならないと断言できますか?
大きな解決も光輝く大逆転もないけれど、ただ今日も1日終えられた。
そんなことが、とても大きくて大切なことなんだと、読み終えてそう思った。
決して後ろ向きではないお話。

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初読みの作家さんの為ある意味軽い気持ちで、先入観無しで読み始めた。読めば読むほど、期待値を遥かに超える本だったと実感。4人の生きづらさを語る話は、どれも確かに同情を感じる話だった。と同時に誰もが、人には語らないけれど形を変えて体験した苦い経験とも言える。器用に生きられない、要領が悪い、自分だけが‥と悲観する、そんな4人はとても愛おしい。そして生きづらいと言いながらも、ここまで自分をさらけ出せる仲間を得た事がなにより羨ましいと感じる。

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すべての、生きづらさを抱えている人に届けたいと願ってしまった。私は何度でもこの本を手に取り、その度に誰かの痛みに共感したり、自分自身の傷に思いをはせるだろう。この物語が世に出てくれたことに、ただ感謝しかない。

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タイトルからもう少し重くてダークな物語なのかと想像していたけれど、まったくそんなことはなかったです。
登場人物たちとまったく同じ状況ではなくても、誰もが感じたことのある孤独や生きづらさが丁寧に描かれているので、共感したりしなかったりしながら楽しく読み進めることができました。
批判も否定もせずにただ話を聞いてもらえるだけで、気持ちが楽になることもある。さらに自分を見つめ直すことができたり、これからの課題を見つけることができたりすることも。
家族でも友人でもないけれど、本当に困ったときはほどよい距離感で寄り添ってくれる、そんな4人の関係性がとても良かったです。

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上手に生きられない、
生きづらさを抱える男女が集まって
開催されるようになった、
「生きづらさを克服しようの会」。
略して「生きづら会」。
今までの人生で私自身も生きづらさを
感じることはあったけれど、
このお話に登場する人たちは
たぶんもっともっと生きづらくて。

「なんで上手くやれないんだろう」
「どうしてあの人みたいに出来ないんだろう」
そんな気持ちに苛まれる。
そして、また生きづらくなる負のループ。
抜け出せない。

しかし、誰かに話すことによって、
失敗を笑ってもらうことによって、
少しずつ上手く生きられるようになっていく。

そんな登場人物たちを客観視しながら
自分の人生についても見つめ直す
ことの出来る良い機会になりました。

私も死にたくなったら、
北千住の「いきづら会」に
参加してみようかな。

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平凡な人生を送っている自分でさえ「死にたい」と思う時がある。何もかもから逃げて楽になれたら。

「生きづらさを克服しようの会」に集まった
他人と同じ様に振る舞えない奈月
彼女がほしい雄太
不倫で医者をやめた薫
夫から見捨てられた茜。

自分の過去を話すだけで心が軽くなる時もあれば、向き合いすぎて上手くいかない事もある。
それでも前に進もうとする姿に会の絆を感じた作品でした

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生きづら会。自らの生きづらさの告白をすることによって、互助の機能を発揮する会を、思い切って立ち上げたのは39歳、奈月。それぞれに人生の躓きを抱え、そこから抜け出せないままの自分を見せ合う4人が集まる。他人の発言に口を出さない、否定もしない。ただ聞き合う。
テーマを出し合い、月2回。マイナスオーラ満載の誰もに、出口があるのかとはらはら。ところが、自分を語ることで各人が内面を見つめ出すという効果がじわじわ出てくる。
吐き出すことばに自分で違う側面を見たりする。劇的な変化でなくとも、聞き合う仲間がいてもう少しだけ……という余白ができてくる。発語できる場がある安心感。それぞれの生きづらさは違うけれど、彼らの連帯感ができていく工程に気持ちを掴まれました。

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仕事もまともに出来ずKYゆえに友達も彼氏もいない。でも結婚、出産願望高め。家事は何も出来ない奈月。モテないのを女性のせいにしながらソープ通いで借金。ストーカー気質な雄太。不倫のあげく逮捕された医師・薫。高所得の夫、出来の良い子供、充実した仕事を持つマウント女・茜。この4人での『生きづら会』。他にもヤバイ登場人物達のオンパレード。正直、読み始めは彼等にイラつき、途中から呆れ、唖然とする。でも何故か最後にはそれぞれの道を歩き出した事に感動と寂しさを感じた。読了後には良い本だったーとの思い。読んでみたら分かる。

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コロナ、少子高齢化、格差社会、悪い円安、異常気象、世界インフレ、年金引き下げ、65歳定年・・・
いま日本が置かれている状況を考えると、若い人たちが絶望的な気持ちになることに同情しかない。前に仕事でご一緒させていただいていた愛川欽也さんが「いまの時代、不安なく子供をもうけるなんてできないよな」と言っていた時には「なんと悲観的な人だ」と思っていたが、今になってみるとまさに先見の明のある言葉だった。さすが戦後を生き抜いてきた人には、未来の日本がきちんと見えていた。
この作品に登場する人は、誰もが欠点だらけで、ポンコツで、でも愛すべきところしかない人物たちだ。
特に明るい未来はない。「生きづらさを克服しようの会」もしあったら、ぜひ参加したい、諸手を挙げて。

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自分には"ひょん"な出会いは訪れないし、シスターフッドの仲間にも入れない。恋愛対象として見てもらえないし、やることなすこと上手くいかない。周りの人が苦もなくやれていることが自分には難しかったり、空回りばかりしていたり…。ひとつの出来事がきっかけで全てを失ったり、周りの人から見放されたり…。そんな思いを抱えた人物たちが登場する物語。
みんながみんなSNSで見かけるようにキラキラした生活を送っているわけじゃないってわかっていても、まわりがみんな幸せに見えたり、逆に自分だけが一人で寂しい気持ちを抱えて明日や未来が見えない…どうやって変えていけばよいのかもわからない。うんうん、わかるわー。
いろんな生きづらさを抱えた人びとが織りなす物語に、たくさん共感しました。そして、タイトルから想像していた終わり方よりも、明るい読後感だったので、良かったです。

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そうだなー。言葉にするだけで楽になることってあるな。解決するとかしないとかはおいといて、とにかく楽になりたい時ってあるもんな。立場や考え方は違うけど、それぞれに生きづらさを感じている人たちが集まってきて同じ時を過ごす、というのは最近よくあるパターンな気もしてしまいました。南綾子さん『21世紀の処女』のグルーヴ感には度肝を抜かれて友人に勧めたりしました(勧める相手は選ぶ必要がありますが笑)けれど、こういう作品も書かれるのですね。個人的にはグルーヴ感派です。

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生きづらさを感じながら生活する人々の物語。何て不器用な人たちなんだ!と思いながらも、共感する部分もある。読んでいる内に、私の話も聞いて!と言いたくなっちゃう。不思議とこの人達の関係性っていいなぁと思えてしまう。生きづら会の対話はオープンダイアログの手法だ。しかし、この本のすごいところは、生々しくもきれいごとのご都合主義で話が展開しないところ。生きづらい人は生きづらい日常を後退を繰り返しながらも地道に前進する。家族関係・恋人関係・友人関係その他の既存の関係性に縛られた生き方はもうやめてもいいのかもしれない。

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空気の読めない女、恥ずかしいほど痛い男、元医者の強制わいせつ犯罪者、マウンティングセレブママ、引きこもり。キャラの背景がウェルメイドすぎて、初めは正直、読み進めるのがきつかった。でもウェルメイドが集まって「生きづら会」を重ねるたびに謎の集団としての個性が生まれる。特に救いもないのに決して暗くならないのは独特のテンポのせいで、押しつけがなく、読んでいて気持ちよかった。

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驚きの事実が次々に出てきて
息つく暇もなく読み終えました。
読みはじめたときは、奈月の空回りっぷりや
雄太のあまりの偏った見方に
読み続けるのが耐えられないかも
と思いましたが最後まで読んで良かった。

自分では一生懸命受け入れられようと
努力しているけど、それがどうにも違った
方向に飛び出しちゃってたり
最大の影響力を持つ家族との関係に
問題があったり
自分ではどうしようもないこともあるし
そうでないとしても
どうしたらいいか分からなくて
途方に暮れてしまっている。
そうして抱えた『生きづらさ』を
大袈裟に同調したり慰めたりではなく
否定せずにただ聞くだけでいい
ありのままの心を受け止めてくれる
そんな生きづら会のような存在は
救いだと思いました。

何もかもがうまくいってハッピーエンドではなく
現実の切なさや難しさを折り込みつつ
それぞれが少し前向きに一歩を踏み出せそう…
そんな終わり方もよかったです。

ほんとうに最後まで『そうだったのか!』と
思わされたので一気に読んでほしい。

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「生きづらさを克服しようの会」(仮)
自助グループ(参加ことはないけれど)という言葉を思い出した。出版まえの仮のタイトルはこうだったらしい。本タイトルもどちらもかなりインパクトの強い言葉。都会の真ん中で、友達でもない四人が出会い、時間を共にして、話す。四人の体験や言葉はけっこうそれぞれにエグい。みな、生きづらい、と感じている。
みんな幸せそうなのに、なぜ自分はこうなんだろう。なんで自分はこんなに生きづらいんだろう・・・これは読者それぞれに、多かれ少なかれ刺さるものがあるのではないかなあ。
「生きづらい」て、しばらく前からいろんなところで見聞きする言葉だ。どういう意味だろうと時々思っていた。(子供が小学生の学芸会で松山千春の歌を歌い、すごい選曲だなと思ったことを思い出す。サビにこういう言葉が出てくる曲があります)。

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読んでる間中ずっと苦しかった。
本文中に、不都合なことから目を逸らしたり逃避したりする事が得意な人と苦手な人がいるんじゃないかなと出てきた時に、ハッとしました。私もそういうのが苦手な方なのではと。
なんとなくぼーっとしてる時間に過去の嫌なこととかが浮かんできたり、その日あった気になったこと事がしばらく忘れられなかったり。
生きづら会で話をすることで救われる部分もあるけれど、私はあんまり話したくない、他人にこの気持ちなど聞いてほしくない派なのかもしれない。どうしても辛い時に、紙に書いて捨てるということをしたことがある。紙に書くことで頭で覚えていなくてもいいという風に脳が理解して忘れさせてくれるみたいな。
生きづらさはどうやってもなくならないけれど、どうにか折り合いをつけて生きていかないといけない。救われる!という本ではないけれど、実際はこうだよなと思った。

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生きづらいと言うことを
こんな風にグループになって
アウトプットするということは
とてもいいことだと思うし
人の生きづらさを理解しようとする
過程で自分のことも理解でこるのではないかと
思った

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