私たちはどこで間違えてしまったんだろう

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刊行日 2023/02/22 | 掲載終了日 2023/05/14

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内容紹介

だから、逃げてほしい。

監獄みたいなこの町から――


皆が仲良く、のどかな田舎町で起こった毒「おしるこ」事件。毎年行われる秋祭りで誰かがおしるこの鍋に農薬を入れ、多数の死者が出てしまう。

事件が起きた当時の状況から犯人は町民に絞られた。きのうまで優しかった仲間たちは一転、互いを疑い合い、誰かを犯人に仕立て上げようとする昏い熱にうかされている。高校生の仁美たちも犯人を捜そうとするのだが……。

予測できないラストに震撼!ノンストップミステリーの誕生。


(あらすじ)

平和な田舎町で仲の良い家族、友達、近所のひとたちに囲まれ、普通の生活を送っていた高校生の仁美。しかし、毎年恒例の秋祭りの日をきっかけにすべてが変わってしまう。何者かが祭りで振る舞われたおしるこに毒を入れ、多数の死者が出たのだ。仁美の幼馴染みの修一郎と涼音も家族を失い、事件の真相を知るべく、調べはじめるが……。


(著者プロフィール)

美輪 和音(みわ かずね)

東京都生まれ。青山学院大学卒。2010年「強欲な羊」で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞し、小説家デビュー。他の著書に『ゴーストフォビア』『ウェンディのあやまち』など。


だから、逃げてほしい。

監獄みたいなこの町から――


皆が仲良く、のどかな田舎町で起こった毒「おしるこ」事件。毎年行われる秋祭りで誰かがおしるこの鍋に農薬を入れ、多数の死者が出てしまう。

事件が起きた当時の状況から犯人は町民に絞られた。きのうまで優しかった仲間たちは一転、互いを疑い合い、誰かを犯人に仕立て上げようとする昏い熱にうかされている。高校生の仁美たちも犯人を捜そうとするのだが……。

予測...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、ネタバレや、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575246056
本体価格 ¥1,700 (JPY)
ページ数 352

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NetGalley会員レビュー

和歌山毒カレー事件を連想せずにはいられない内容。亡くなられた人数も同じ4人。警察の発表がある前から犯人を決めつけるマスコミ報道、悪女をイメージさせる映像が繰り返し流され誰もがそれを疑うことなく叩く。死刑判決が出てからも冤罪を主張というところまで同じです。小説であるから、証拠も何もないのに状況だけで印象だけで犯人を決めつけ罵倒して追い詰めるやりとりを客観視することができ、そのあまりの理不尽さに恐怖を覚えてるが、実際にその中にいたなら‥おそらく同じように周りに同調して犯人を決めつけてしまうのだろうと思います。犯人を早く炙り出し排除したら平和な日常が戻ってくると誰もが思うのだけど、その犯人が冤罪を主張していて、ましてや確たる証拠がないのなら‥犯人は実はまだ普通にすぐ近くで生活しているのならこんなに怖いことはない。
どうしてこうなってしまったのか‥どうしたらよかったのか‥ 考えずにはいられません。

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町内のお祭りに振る舞われる予定のおしるこを食べた人が次々と嘔吐し命を落とす。マスコミから守る自警団を結成する一方で、犯人探し疑わしき人を糾弾する大人達。それから10年後、祭りの再開するに近づき真実が明らかになる。

和歌山カレー事件を思わせる物語。自分や家族を守るため、他人に罪をなすりつけようとするのが人間の本心。

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和歌山毒物カレー事件を彷彿させた。当時も連日、地域住民のインタビューや容疑者家族の映像が報道された。身近な夏祭りで起こったこの事件、住民たちが疑心暗鬼になっただろう事は想像に難くない。
疑心暗鬼から生まれる犯人探し。一定の目的を持った攻撃性のある集団は、とんでもなく恐ろしい。身近に他人の意見に安易に共感し、勝手な正義感で他者を排除する集団があるとしたらどうだろうか?だって、被害者だから自分たちには義がある…なんて!あぁ、怖っ!

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夜鬼町での秋祭りを前にした個性溢れる人々の様子が生き生きと描かれた後だけに、おしるこに混入された毒物による無差別殺人は衝撃的だった。でもそれはプロローグに過ぎなかった。
本編が始まる。犯人はこの町に住む108人の中の誰か。マスコミに煽られる中、犯人を見つけ出そうとする住人達の正義感が、更なる事件で歪んでいく。同調圧力の中で自覚なく方向性と客観性が捻れていく。生贄を求めていく。その様子が丹念に描かれる様にゾッとした。
そして10年後の秋祭り。歪んでしまった正義の犠牲者が集まる。あの時の事の苦しみから抜け出せず、でも新たな生活へと踏み出した者達が。その中で再現される事件。なぜそこまで?? 読む者の憤りは登場人物の憤り。そして、関係者の感情を剥き出しにしたやり取りの中で、真実が明らかに。それはあまりに人間的/社会的なもの、「普通の人」が「状況からの力」によって変貌してしまう「ルシファー・エフェクト」、正にそれだった。
本作は、間違えてなくてもそうなっていく、人の社会性の暗い一面に焦点を当てたもの。それをここまで描き出した作者の意欲に感嘆すると共に、夜鬼町のような閉鎖的な社会だけでなくSNSの発達した「自由に発言できる社会」にも起きうることに思い到り、改めて背筋が寒くなった。

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夏祭り、毒入り味噌汁、楽しかった夏の思い出が一転、悲劇へ。誰もが同じ事件を思い浮かべるだろうシチュエーションで、読者もリアルな恐怖に苛まれながらページを捲らずにはいられない。読んでいて思ったのは、都市部より農薬がどこの家でもある田舎の方がこのような犯罪は起きやすいのだということ。だからこそ、誰が犯人なのか?皆が疑心暗鬼になり、村八分になっていく展開もハラハラしながらも違和感はなかった。「ルシファー・エフェクト」を逆手に取ったゾワゾワしながらも楽しめた一冊。

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タイトルからして不穏な雰囲気がそこはかとなく漂っていて、目が離せない。
人の心模様とは時にそら恐ろしいものになる。集団心理、同調圧力。そんな言葉で表される人の心の隙間に入り込んで侵食していく恐怖。
二転三転する展開に結末が気になって一気に読み終えた。
善良な市民の心に入り込んだ恐ろしさが精密に描かれていたが、光明が射すようなラストで読後感はホッとできた。

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のどかな田舎町で起こった毒「おしるこ」事件。疑心暗鬼になって犯人探しを始める町民、その容疑者は果たして真犯人だったのか…言えない自己保身や仄暗い複雑な感情も絡めながら、だからこそ考えたくない可能性に気づいてしまった時、全てを失ってしまうかもしれない恐怖に葛藤して、追い詰められてゆくその焦燥が生々しかったです。

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いつもと変わらない日々が続いていくと思っていたが、ある日を境にそんな日常は簡単に壊れ、そして更に壊れ続けていく。
人の繋がりの儚さを知るのと同時に、それでも全ての繋がりを拒否することは出来ない、人間の脆さを感じました

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村の秋祭りで起きた事件ーおしるこに毒が入れられ死者がでる。『和歌山カレー事件』を思わせる事件だが、真相までがなかなかに複雑で物語に釘付けになる。毒入りおしるこも当然怖いが、真の恐怖は『ルシファー・エフェクト』だ。村という小さなコミュニティーで起こる『同調圧力』が凄まじい。自分さえという保身も凄まじい。加害者家族に対する反応も然り。時に人の命さえ奪いかねない人間の非常さは毒入りおしるこ並、もしかしたらそれ以上に毒なのかもしれない。これは人間という生き物の怖さを描いた恐怖小説だ。

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きっと楽しい日になるはずだった秋祭りの日に起きた悲劇。それは仲よしの村人たちに不安を持ったらすのみならず、死者まで出るようになった。そして内心あまりぞっとしないと思った人が犯人だと指目されるたびに皆あの人を罵る。
人て、集団て、こんなに恐ろしい存在なのか、今更ながら思った。

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町内会の祭りでお汁粉に毒を入れられて、食べた人が犠牲になるという内容は毒カレー事件を想起しました。
小さな町で起こった事件は住人達を疑心暗鬼に追い込み、疑われた人間はとことん追い込まれる。ルシフェルエフェクトの恐ろしさと、周りに流されずに、きちんと自分で考える事の大切さを改めて教えられた作品です。

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強い繋がりがある長閑な田舎町のお祭りで起こった「毒おしるこ」殺人事件。恐怖心や罪悪感から標的を作り出し攻撃する、ルシファー効果(同調圧力)の恐ろしさと、真実に向き合う強さを描いたイヤミス。
イジメ問題、SNSを使った晒し等、ここまで大きな事件ではなくても、どこにでも潜んでいる非常に恐ろしい社会の闇にスポットを当てた作品。
和歌山の事件を彷彿とさせる設定。法律上は決着のついた事件だけど、謎が多い事件だからつい重ねてしまう部分があり、複雑な気持ちになった。疑わしきは罰せずだけど、犠牲者が出てしまうと「そういう問題じゃないだろ」という感情論が全面に出てしまう事に、個人的には凄く同意してしまった。
人の、特に日本人の右に倣えの性質を巧く捉えた最悪の展開は、客観的に見るとバカらしいけど、リアリティしかなかった。一度ミスをすると、その疚しさから「次こそは」となる、ある意味では真面目な正義感。本当に悪気がない所がまた恐ろしく、シフトチェンジが苦手な日本人の面倒臭い組織体制が面白いほど出てた。
ただ、少し「囚人」側があっさりし過ぎ(最後が駆け足)かなと思った。全体が今より長くなるとちょっとくどくなる気がするけど、ネタバラシの際の犯人含め町人たちの心理をもう少し深掘りしてほしかったです。

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まだ記憶に新しい現実の毒物混入殺人事件をモデルにして書かれたと思われるとても重いミステリーです。住人が全員でも108人という田舎町の集落で行われた毎年恒例の秋祭りで何者かが、おしるこに農薬を混入させた事で知らずに食べた6人の内4人が亡くなってしまう残虐極まりない事件が起きる。ヒロインの仁美は母を亡くし幼馴染みの修一郎と涼音も家族を失ってしまい、この事件をきっかけに真犯人を突き止めようと考える町民達が暴走し容疑者を勝手に決めて責める内にまた新たな犠牲者が出るのだった。本書は約370頁以上の長さを感じました。容疑者が二転三転し町民達は看守役に回って任意の囚人役の容疑者を責め立てますが全く何の確信も得られずに不快な徒労感だけが体に積み重なっていくのです。読みながら早く真相が知りたい教えて欲しいと切実に何度も心の中で叫びましたね。そして十年後に明かされる真実は複雑な動機と人間関係が織りなす殺人の連鎖でしたね。ミステリーとして論理で解き明かせるタイプの作品ではないですが、こんなにも複雑なストーリーを考え出す著者の確かな実力を感じましたね。著者は映画「着信アリ」の脚本家の方で、本書以前に6冊の著作を出されていました。私は本書が著者の初読み作でしたので残りの作品を読んで行こうと思いますね。少し重厚すぎて息苦しく重たい面はありますが、令和の時代の古いタイプの日本的な秀作ミステリーをぜひ多くの方にお読み頂きたいと思いますね。

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