棕櫚を燃やす

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刊行日 2023/03/16 | 掲載終了日 未設定

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内容紹介

第38回太宰治賞受賞作!

荒川洋治氏「聖なる家族と呼ぶべき一家の物語」

父のからだに、なにかが棲んでいる――。姉妹と父に残された時間は一年。その日々は静かで温かく、そして危うい。

喪失へ向かう家族を描く受賞作と、書き下ろし「らくだの掌」を収録。


 なにかが父に巣くって、父の体をゆっくりと壊してゆく――。34歳の春野と、5歳年下の妹・澄香と父は、三人で暮らしている。「水越しにぼやけた地上をみる」ように他人と距離をとって生きる春野と、何事にも納得したい澄香、すべてをさもありなんと受け入れる父は、唯一の心地よい関係を育ててきた。その父の体内に何かが棲み、余命一年であるという。春野と澄香は毎日をあまさず暮らそうと約束する。

 父と浴びる春の陽射し、玄関に脱ぎ捨てられた父の靴下、明け方の高速道路のドライブ、三人で囲むすき焼き鍋……。穏やかな日々の一方で、膨張し姿形を変え、「ごめんね」が増えていく父を春野は疎ましくも感じ、むるむるとしたものが体をめぐる。あまさず暮らすとはどういうことだろうか。

 過ぎていく日の愛おしさ、どうしようもなく変わってしまう関係とその戸惑い。喪失へと向かう日々を、繊細に美しく描き出す。

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【著者プロフィール】

野々井透(ののい・とう)

1979年、東京都生まれ。神奈川県在住。

第38回太宰治賞受賞作!

荒川洋治氏「聖なる家族と呼ぶべき一家の物語」

父のからだに、なにかが棲んでいる――。姉妹と父に残された時間は一年。その日々は静かで温かく、そして危うい。

喪失へ向かう家族を描く受賞作と、書き下ろし「らくだの掌」を収録。


 なにかが父に巣くって、父の体をゆっくりと壊してゆく――。34歳の春野と、5歳年下の妹・澄香と父は、三人で暮らしている。「水越しにぼやけた地上をみる」...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784480805119
本体価格 ¥1,400 (JPY)
ページ数 160

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NetGalley会員レビュー

父と子、娘ふたりの三位一体ともいえる関係は父の余命がいちねんであることから少しずつ変容してゆく。

しろい手としての記憶しかない不在の母。
周りはわたしたちをかわいそうな家と思っているがわたしたち自身は全然そんなことはなかった。

物語が終わるとき、父の口癖『上出来じゃない』といいたくなるような素晴らしい作品である。

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