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刊行日 2023/07/12 | 掲載終了日 2023/08/15

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内容紹介

2023年、最も「ヤバい」作品、降臨。
孤高の物語作家が放つ、神をも畏れぬ悪魔的絶品集。

「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ―― 」。

恋人の恭子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐり〉とは何なのか(「耳もぐり」)。とある便所。女は、本を貪り食っていた。女が残した言葉に導かれるように、家の蔵書に手を伸ばした男が視る光景とは――(「食書」)。ほか、読み手の五感を侵蝕する神がかりな全七篇を収録。前作『残月記』で第43 回吉川英治文学新人賞受賞、2022 年本屋大賞ノミネート、第43 回SF 大賞受賞を果たした著者による、キャリア集大成的一冊!

2023年、最も「ヤバい」作品、降臨。
孤高の物語作家が放つ、神をも畏れぬ悪魔的絶品集。

「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ―― 」。

恋人の恭子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐり〉とは何なのか(「耳もぐり」)。とある便所。女は、本を貪り食っていた。女が残した言葉に導...


おすすめコメント

「怖いのはちょっと……」という方も、どうかご安心を。読み始めたが最後、もはや恐怖とか、狂気だとか、そういう次元を超えた、物語の深みへと、嫌でも嵌まっていくはずです。

ひと足先に、深淵にてお待ちしてます。                          ――――担当編集М

「怖いのはちょっと……」という方も、どうかご安心を。読み始めたが最後、もはや恐怖とか、狂気だとか、そういう次元を超えた、物語の深みへと、嫌でも嵌まっていくはずです。

ひと足先に、深淵にてお待ちしてます。                          ――――担当編集М


販促プラン

小田さんのこちらの最新作、新潮社社内でも「最高傑作……!」との呼び声高いです。どんな読書傾向の方でも一旦読み始めたらこの文章の引力のすごさを讃えずにはいられません……。

応援してくださる書店さん、ぜひ一読して販促素材より初回希望を提出いただけませんでしょうか。販促物やプロモーション、頑張ってまいります!ぜひぜひ宜しくお願い致します。

小田さんのこちらの最新作、新潮社社内でも「最高傑作……!」との呼び声高いです。どんな読書傾向の方でも一旦読み始めたらこの文章の引力のすごさを讃えずにはいられません……。

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784103197232
本体価格 ¥1,700 (JPY)
ページ数 320

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

ーー 本年度、最も「ヤバい」作品降臨 ーー
この言葉に偽りなし!
短編全七篇。どれを読み終えても感情がごちゃごちゃに掻き回された。
次はどこに連れていかれるのだろうという楽しみと、一篇ごとに違う世界観に浸って一緒に体験しているようで疲労感を感じた。
このうち三篇で読み終えてふとした瞬間に涙が溢れてしまうほど世界観に没入し情緒不安定になってしまった。

10年前『本にだって雄と雌があります』をタイトル買いしファンになり『残月記』が出るまで新作を待ちわび、そして『禍』新作楽しみにしていて本当に良かったです。
語彙力が削がれてしまって「ヤバい」としか言えないのですが、発売されたらまたこの世界観を楽しみたいと思います。

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とにかく、禍々しい。面白そうなアピール文に惹かれて気軽に読み始めてしまいました。
これは気軽に読めない。
だからといって面白くないというわけでない。むしろ何故か一気読み。読み終わってみれば呆然とする。
つまり面白いのです。たしかにこれは今年1番のやばい!!!

やはり何故かインスタグラムには連携投稿できないので、アカウントを載せておきます。
@mariezombie

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読みはじめの怖さと読み終わりの怖さがいつの間にかかわっていて、でもひとつの話としてまとまっているので、まるでメビウスの輪でも辿っているかのような体験でした。
ここで終わり?と放り出された気分にもなりますが、それが爽快でもあります。
結構な割合で不快だともとれる事柄がありはするんですが、絶妙な表現力で、気持ち悪いと感じるより先に感動することしきりでした。わかりやすいのに嫌、だけど先が気になってしょうがない!という感じでのめりこんでしまいました。

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耳もぐりの達人である鈴木は言う「人生には一度や二度はあるもんですよ。まったく信用ならない誰かを信用するしかない瞬間が」。

こちら七編の短編集である。

『虚構とは、真実を語ろうとする者の恥じらいにほかないない』
7つのアナザーワールド、この夏の必読書。

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『食書』
文字通り「本を貪る」。そこに至るまでの切迫感の様に、鬼気迫るものを感じた。そして、明かされる言葉の本質にも、また。
『耳もぐり』
それは何? その疑問を置き去りにして、語りのみが進んでいく。さらに、その真実に言葉もなくなり、更に語りさえもが曖昧模糊となっていく様子を追っていくしかなかった。
『喪色記』
幻想的な言葉が並ぶ。「夢幻石」「滅びの百年」「眼人」「まなざしの道」。そして、それらが眩暈のように現実に侵入してくる。なら、この終末は? 救いと信じたい。
『柔らかなところに帰る』
次々と交代して現れる豊満な女性達。それが初源。そこへと還っていくことは、男性の持つ根元的な願望なのだろうか?
『農場』
ハナバエを育てる「農場」。その緻密な描写から浮き上がる視覚イメージに思わずたじろいだ。不条理であっても延々と続いていく、その末の叙情的な終末を、戸惑いながらも受け入れた。
『髪禍』
「切られた髪は死の翳りを持つ」正にそう感じた。その髪を教義の中心に据えた教団の、教祖の世代交代の儀式。ここまで在りえさせるのか、と言うイメージの奔流に、読んでいて鳥肌がたった。
『裸婦と裸夫』
この描き込まれたシチュエーション、パニックの様には呆気にとられた。それがここに収まるとは、崇高に幕を閉じるとは。最後まで予想さえできなかった。

各話とも薄暗いモノクロームのイメージ。幕開けとはあまりにも変容した幕引きの短編が連なる。そして、テーマが「異質な存在の侵入」から「異質な存在への変容」へと変質していく。
徐々に悪性(褒め言葉)の中毒症状を呈していく、稀有な読書体験だった。

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文章そのものから不穏さが漂ってくる。短編集だけどどの作品も強烈な印象を感じた。特に「耳もぐり」「ハナバエ」はその発想そのものがぶっ飛んだもので非常に感銘を受けた。普通では全く考えつかないことを表現されているので、作品を通してみたことも聞いたことも感じたこともない世界の一端を体験させていただいた気がしている。これぞ読書の良いところ、なのかも。

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悪魔的
悪魔に支配されないよう、惑わされるな!
と、思って読み進めていましたが
最初から、人間の妄想、欲望、願望、
そして恐怖
すごい世界に取り込まれてしまった。
頭の中を振り回される感じがし
いやーな感じが取れずザワザワしたまま
だ。

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短編集なのに、ひとつの作品だけでも、「怖っ」「ヤッバ…」と交互にやって来て、読んでいてもなかなか忙しい!ホラー小説にも収まらない、読み始めたら止められない、なにか召喚しちゃうのかもしれない、見てはいけないものを見てしまった気持ちにさせられるヤバい作品です。

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気持ち悪い。とにかく気持ち悪くて怖い(褒めてます)。ひとつひとつの短編にSFっぽいのやファンタジー、エロ等の要素があるのにそこに全て人間の欲が絡んでいて、人間が一番恐ろしいと思わせてくれる作品になっている。
読んでいるうちにその気持ち悪さから抜け出せなくなり、途中で止めようと思わない癖のある作品だった。

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また、とんでもないものを読んでしまった。
の一言に尽きるでしょうか。
この世界観はまさにヤバい。
恐怖なのか、狂気なのか、それとも得体の知れない感情が
わきおこってくる感じに一気読みでした。

『耳もぐり』は語り口調が定まらず、それぞれの口調でいかに
多くの人の耳にもぐりこんでいるかがわかるし、語りだけで
不気味さが伝わってくるあたり、さすがだな。

なにが一番ヤバいかって、こんなとんでもない作品を生みだした
小田先生の頭の中が一番ヤバいのでは・・・

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この一冊の七編は、怖い話です。
そして、怖い以上のもっと大きなものに圧倒される一冊です。
"恐怖"とはこんなにたくさんの種類で身を震わせることができる繊細で大胆な感情だったのか。
それを思い知らせてくれる七編でした。

「食書」
書を食べる。
今までにも見たことのある題材であれども、こんなに生なましく書かれたものは初めてだった。
それはまるで"書を食べる"という体験を脳の中に流し込まれたような。
体の芯からゾクゾクする震えがはしる、こんな感覚を覚えさせられてしまったら、こちらの私まで書を破り口に運んでしまいたくなるじゃないか。
それが現実から私を引き剥がすことだとわかっていても。

「耳もぐり」
三ヶ月前、恋人の百合子が行方不明になった。
長年付き合ってきた光太は百合子の行方を探すため、百合子が一人暮らしをしていた部屋の隣人を訪ねたが……

さて何の話を聞かされているのかと怪訝に思う冒頭。
なにやら百合子におかしな思いを持っているのではないかとも疑えた隣人は、もっともっと得体の知れない何かに変わってゆく。
これは世界一そうは見えない愛の話なのかもしれない。
永遠に変わらない、手を伸ばし続ける愛の形。

「喪色記」
色を失い灰色になってしまうことが滅びとなる世界。
夢の中で見ていただけだと思っていた世界は、本当は目覚めの世界であった。
今までの世界の方が、逃げ場所としてのまどろみのせかいだったのだ。

とても静かに書かれた滅びの時。
そこがどんな世界でも、君とともにいられるのなら。
そこにはきっと、すべてがある。

「柔らかなところへ帰る」
壮大な母体回帰のお話。
なぜ彼だったのだろうか。
選んだのはマザーであり、彼には抵抗する術などなかったのだろう。
そしてすべてはわたしになる。

「農場」
この話がなぜかたまらなく好きだ。
どうみてもホラー。そして思い描く光景はグロに近い。
なのにそこはとても静かで穏やかな時間が流れているのだ。
ふとした時に、あぁ美しい、とさえ思ってしまう。
そして保苗槽のなかでたゆたう自分を見ているような気がしている。

「髪禍」
おかしな新興宗教の儀式のサクラのつもりが、とんでもない儀式へと変貌を遂げてしまう。
髪の服の時点でかなり気持ち悪くなってたのに。
髪に絡みとられて飲み込まれてしまったような気になってしまった。

実は、この話だけが自分の中でちょっと浮いている。
というか、自分の中に受け入れて染み込ませたくないと思う自分がいる。
その事実は、私の中にも切り離された髪への恐怖と耐えがたい嫌悪があることを教えてしまった。
もう戻れない思いにゾッと体を震わせた。

「裸婦と裸夫」
読み始めた時にはこんな壮大な話になるとは思わなかったNo.1な一編。
常識の逸脱、文明からの開放、破壊と再生、男と女、そして夫婦。
崩壊の後に訪れる新しい世界。

恐ろしいとはまったく思えない。
だからこそとっても怖いお話だったかもしれない。
あぁ、なんて素適な世界。

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正直読んでいて気持ちの良い世界ではない。にも関わらず、何故かこの物語を欲してしまう。一編読み終わると「次はどんな狂った世界が待っているのか」とワクワクしてしまう。7本では足りなくなるほど、中毒性の強い小説です。

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なんとも不思議な世界を味わいました。
描写が丁寧なので、よりくっきりと世界が浮かび上がってきて、自分がそこに居るような感覚になります。
この先はどうなっていくのかが、怖いような期待のような、本当に今までに感じたことのない気持ちで読み進めました。
どっちが現実なのか?
違う世界を生きたようなそんな体験が出来るすごい話でした。
ありがとうございました!

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狂気と官能の狭間にまよいこんでしまった。暗黒の妖艶。永遠にこの世界からは出られないのかもしれない。むしろここにとどまりたいとさえ思う。それは恐怖とも違う、気持ちが悪いということでもない。この奇妙さはクセになる。

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短編7篇、どれも想像を超えるお話で、最初の1行からぐっとその世界に引き込まれていきます。ありえないと思いつつ、どんどん
のめり込み、読み終えたあとは、1篇ごとに放心状態になる感じがあり、すごい世界に入り込んでしまった感がありました。

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悪魔的という表現がまさにぴったりな短編集でした。
「髪禍」は切った後の髪の薄気味悪さがうまく使われていて思わず「ひいっ」と声を出したくなるような場面が満載でした。髪で編まれた装飾品‥‥想像しただけでゾッとします。
一番好きなのは「耳ぐもり」でした。唐突に始まった男の一人語りに戸惑っていると、いつの間にか真相に近づいて来てドキリとしました。周りにいる誰かも耳ぐもりをされた人なのかも知れない、という気がしてきてしまいます。絶対ないのに、本当にありそうと思わせる緻密な表現に想像力が働かされます。

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ヤバい世界を覗いてしまった!!
周到に用意された禍に飲み込まれ、危うくこの世界に囚われてしまうところだった。ひとつ読み終わる度に、この現実世界に安堵した。とは言え、この禍にのまれたままでいる事も、何となく心地よく感じてくる。不思議な読後感。

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わたしのからだ、ぜんぶ禍

短編7篇。人の体ってよくよく考えたらヤバくない?という
そのヤバさを小田さんが書かれたらこうなるんですね。

収録作品は前作『残月記』の収録作品と書かれた時期が前後していますが、
小田さんテイストをさらに楽しめる1冊だと思います。
前作がお好みの方にはぜひ!と言いたいです。

髪禍
個人的ぞわぁっときたNO.1。髪の毛って抜け落ちると途端にゴミに早変わりするものだと
思っていましたがまさか○○になるなんて。いやぁ気持ち悪い(褒めてます)。

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ミステリ、サスペンス、ホラー、SF、ファンタジー、仄暗いものを全て凝縮した7篇からなる短篇集。
本を食べて異世界を共有したり、耳や目や鼻や夢から一体化したり、誕生前に還ったり。不安と猜疑心を持ちながらも、欲望から何かに縋り、そして溺れる。一種の中毒を描いた作品。
爆発的な脅威に晒される訳ではなく、底知れぬ恐怖がひたひたと付き纏う。もっとも対応に困る巧妙な禍。

「髪禍」の体から離れた途端、排泄物と化すような嫌悪感など、あり得ない世界の中にも共感を見付けてしまった。
人を選ぶ作品なので、おすすめ度は厳しくなりました。

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以前から気になっていた小田雅久仁さんの作品を、netgalleyで読ませて頂けて嬉しいです。ありがとうございました。
レビューに相応しくない言葉で恐縮ですが、読了後まず「ヤバい本を読んでしまった……」と思いました(笑)
奇想に次ぐ奇想で、この本の中で次々に巻き起こる「禍」はこの短編集を貫くタイトルとしてぴったり。
読みながら各話の主人公に「そっちに行ったら絶対にヤバいから、行っちゃダメ!」と言いたくなるのに「でも、そっちの奥には何があるのか、本当は私も知りたい……」と相反する気持ちを密かに抱えながら読み進めました。そして「そっち」にあったのは想像を遥かに上回る世界。
小田さんの豊富な語彙と見事な比喩で描かれた何とも気持ち悪い(褒め言葉です)小説世界がとても面白かったです。「人にオススメするか?」と聞かれたら「オススメする相手をしっかり選別してオススメする」と答えます(笑)

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人間の肉体と世界の成立ちについて考えさせられる怪作。エロティックでありながらどこか滑稽で、だからこそ怖くなるといった感情の坩堝に陥りました。行き着く先がこんな壮大な世界だとは露知らず、軽い気持ちで読み始めて失敗でした。これから読まれる方は、是非全裸になって目と耳と鼻と舌と、感覚全てで読むとよいと思います。

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7編から成る作品集。7作のうち5作はゾーっとする怖さ、気味の悪さを感じ、7作のうち1作は危険な誘惑に駆られる。7作のうち1作はコミカルさと美しさを感じ、7作のうち3作は嫌悪感さえ感じる。そして7作のうち1作は悲しさと希望を感じる。一体どんな思考回路を持ったらこんな奇想天外、奇妙奇天烈な物語を描けるのか…。喜怒哀楽ではおさまらない感情が瞬時に湧いてくる不思議な読書体験をさせて貰った。想定外の世界に出会いたい人は絶対に読むべし。

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文章が狂気じみてる。状況の記述が、行為の記述が、比喩が、かさにかかってくる。くどくて飛ばし読みしたいが、言葉にからまれて先に行けない。さらりと読める文ではない。こちらにも力が要る。精神力なのか持久力なのか分からないが作家と対決する力がいる。記述だけではない。ストーリーさえ、それが一番怖いのだが、狂気じみている。油断すると見知らぬ自分が飛び出てきそうで、内なる自分とも対決していた。

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7つの短編集。

ホラー・・・?
幽霊や殺人鬼が出てくるとかそういう系ではなく、なんだろう、不思議な世界へ無理矢理連れて行かれる感じ。

かなりトリッキーなのになんとなく想像できるし、匂いや感触まで感じられそうだ。

「農場」では鼻がムズムズするし「髪禍」ではずっとチクチクゾワゾワで、何かを吸い取られるんじゃないかと心配になった。

本当に先がどうなるのか全くわからないので、気になって気になって一気読みでした。

五感を刺激する気持ち悪さです(褒めてます)。

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うはっ、小田作品を読むとそう思う。本当に、うはっ。そして、小説とは、いかなるものか考える。まったりしているのだが、ホラーでもなく、するすると飲み込むように読んでいくと、ああ、そうなのかと妙な安堵感と、そうそう小説ってさ、こういうもんだよな、と感じる。幻のような、現実のような、そんな境界線を私達の魂を連れて行ってくれる。このような小説を読むと、自分には逆立ちして、いっぺん月まで行って帰ってきても、これは書けないなと思う。あたりまえのことだけど、小田雅久仁先生には、才能があるのだ。

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こりゃやばい!!ぶっ飛んでます!
のっけから小田ワールドに吸い込まれてしまいました。
小説を食べてパラレルワールドに移動したり
耳の中から人に入ったり、鼻から何かを育てたり。
今回は身体に関する短編集のようです。
途中から自分は何を読まされてるのだろう、、
という疑問も沸々と湧き出てくる。
このあとの物語はどうなるの!?と手が止まらない止まらない。
残月記より読みやすい印象がありました。

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面白かったが、なんともねっとりと気持ち悪い気分になる本だった。狙い通りなのかもしれませんが‥。特に私自身本を読む事が好きで、夢中になれば本の世界に入る感覚はわかります。ただ、それが本当にページを食べることによって入って行くとは‥。他の項も気持ち悪いけど、面白かった。

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残月記、のしいんとしたキリッとした空気が胸に残る作者の新作。
・・・・これは読む時の体調を選ぶ本だ。
ホラーの類は苦手としていてもともと手を出さないのだけれど、きっとこの方はグロいだけのものは書かぬだろう、という望みをかけて恐るおそるチャレンジする。
体の中に起きる感覚、を見つめ、取り出して、ぐちゃぐちゃにする。
五感に訴えてくるきもちわるさ。
一気読みできず。
天気のよい日、気持ちの落ち込まなそうな日を選んで読んだ。
一体どうしたらこんな感覚表現を思いつくんだ。
エログロのホラーではありません。
自分の体感、口や耳や鼻や、部位の感覚がどっかねじくれていくのを、どうぞお楽しみください。。。。

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ざわざわ ざわつく わざわい。

ここではないどこかへと誘われるままに、未だかつて訪れたことのない次元へと引き込まれていく。捲り巡る不穏に堕ちてしまいたい。貪るようにページをめくる手。もはや中毒。気づいた時には引き返すことのできない禍の渦に呑まれてく。べっとりと記憶に残る読後感。
生きてる人間が一番怖いと知らしめられる作品が連なる中で、これを描いてのける小田雅久仁さんの脳内が一層恐ろしいと感嘆の声を漏らすばかり。
いつも独特な世界観に魅了されますが、ここまで心持ってかれたのは初めて!小田雅久仁さんの最高傑作です!

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帯に書かれているように確かに「ヤバい」もの読んじゃいました。
 
口 耳 目 肉 鼻 髪 裸体

 七篇のお話。作者が語るところの「五感によって彩られた意識空間」というか、「意識の背後の無意識空間」を開いてしまった感じ。絶対にない世界だと思うのに、見てしまった、知ってしまった怖さ。

 誰かに伝染したい…

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怖いというより気持ち悪い(いい意味で)。極まった気持ち悪さにハマりました。

個人的に好きなのは『喪色記』。
ファンタジックな美しさに引き込まれました。他作品が禍々しいので(そこれいいんですが!)、この作品の印象度がさらに強くなったようにも思います。

どの作品も発想がぶっとんでいて、すごく面白かったです。
読み始めに想定していたところに着地せず、どれも読み応えがありました。
短編ですが、世界観も、ストーリーも、文章もとにかく濃いです! 文字の隙間からにじみ出てきそうな禍々しいものに圧倒されつつの読書でした。大満足。

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小田雅久仁さんの7つの禍を描いた恐怖と戦慄の最新作品集。私は初読み作家さんでしたが、フランスのマルセル・エイメ氏や我が国の筒井康隆氏の作風の影響を感じましたね。冒頭の「食書」は本を食べるをテーマにして詳しくは書きませんが、とにかくあり得ないSF的にねじ曲がった展開が際限なく延々と続いて行きます。おとなしいのは最初だけで興が乗ってスイッチが入ると止まることなくどんどん突っ走って行きます。著者の文体には、あっさり淡白という表現は絶対にあり得ません。長ーく粘っこい文章の連続に深淵の彼方まで引き摺り込まれますよ。短編というよりも中編に近い読み心地で巻置く能わずの悪夢を楽しむ味わいが癖になる一冊ですので多くの方にぜひ読んで頂きたいですね。

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なんとも表現しがたいぞわぞわ感。お尻の落ち着かなさに体の内部から、気持ち悪さが染みてくる感覚。根拠の不確かな恐ろしさに放り込まれ、どうだ?どうだ?と迫られる。
身体の一部の異感覚、本来の機能を離れて暴走していく曰く言い難い恐怖に何度も息を整えてしまう。これは、読んだものにしかわからない。「禍」は、すぐそこだぞ⁉︎と迫られているようで、どうか遭遇しませんように、こんなものに足を獲られたらもう戻れないと、ちらちら思う。
絶妙な嫌な感じに、章ごとに、唾を飲み込み目を瞑って、小さくリセット。
小田雅久仁さん、ますます化ける予感しかしません。

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何だろうこれは‥。ホラー?幻想小説?
怖いというより、展開が斬新すぎて目が離せなくなる。ゾワゾワとして気味が悪いのに続きが気になって読んでしまう。
食書、耳もぐりも充分衝撃的だったが、読み進めるに従ってどんどん話が壮大になってくる。どの作品も何気ない日常が入り口となり、ふとしたきっかけで引き返せなくなる。もしかしたら自分の近くでも気づかないだけであり得る話なのかも???という気持ちになってくる。締めくくりは裸婦と裸夫。ノアの方舟を思わせる、希望を感じるラスト。ほっと安心、というよりも読み終わってしまったという喪失感が大きい。小田作品に魅入られてしまったようだ。

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驚くような創作世界ですね。
この恐ろしさと驚きを、なんと表現したらいいのかわかりません。

「世界の底を、覗いてみたくないか?」まさにその通り。

うっかりと嫌なものに触れてしまったざらつきがいつまでも、後味悪く残ります。

多彩な地獄を彩る7つの小説集です。

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本を貪ることに魅入られてしまった男。耳に潜り込む奇妙な男を知ってしまった男。向こうの世界を知ってしまい、そこで運命の出会いを果たした男。バスで声をかけてくる女たちに魅入られてゆく男。ハナバエを育てる農場から逃れられない男。髪を教義とした教団の教祖世代交代の儀式。電車内の裸夫から始まる大パニック。遭遇してはいけないものに気づいてしまい、魅入られていったそれぞれの結末には心を強く揺さぶられるものがありました。

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禍々しい7話の短編。

口、目、鼻、髪など体の部位をテーマにしていて、SFかファンタジーか分類できないくらいの圧倒的な世界観。
怖くて気持ち悪い以上にねっとりと五感を刺激される不思議な感覚でした。

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読みながら闇にゆっくりと、底無しに落ちていく感覚がたまりません。
生ぬるい底なし沼に沈んでいくような、でもそれが次第に怖さから心地よさに変わって心からはまっていく感じ。
不可思議な恐怖が最高でした。
夜、男が1人で立っていたら。コンビニでぽつんと立っていたら。
つい指先が鍵になっていないか確認してしまいそうです。
絡みつくような文体もとても好きです。

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7編からなる短編集。度肝抜かれたというのが正直な感想。耳、髪、鼻、皮膚、人の体のパーツを異次元で捉え描く手法は、ホラーともSFとも呼べない新たなジャンルかも。ゾッとしながらも絡め取られたように、読む手を止めることはできなかった。今までに感じたことがない不可思議な世界に、ただただ翻弄されました。

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著者の「残月記 」が大好きだった。余韻をじっくり楽しんだ。「禍」という題名にもかかわらず、なんとなく同じような雰囲気の物語を堪能するつもりで手に取ったが、とんでもなかった。なんて独特で奇妙な恐ろしい世界なのか。7つの短編は、どれもが想像を超えた結末があり、結局なんなの?と思いながらもその世界に溺れる。ファンタジーと思うには怖すぎる。ホラーでくくるには乱暴すぎる。でもなんとなくクセになり次々と話を読み進めてしまう。なにか中毒になる文章が仕込んであるのかと思うほど。…読み終わって、表紙絵に戻ったとき、禍の文字をあらためて見て、驚きでしばらく固まった。なんて禍々しい「禍」か。読後だからこそなのか眺めていたらそこらじゅうが痒くなってきた。あらためてすごい本を読んだ、と思う。

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ホラーではなくて、なんとも不可思議な物語集。なんなんだろう、この世界は。理解不能。でも読み進めずにはいられない。言葉にはうまくできないが、なんだかすごいものを読ませていただいた。ありがとうございました。

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すごいものを読んでしまった。

「食書」でもう完全に作者の世界に入り込んでしまった。
まさに「禍」。

個人的には「耳もぐり」が一番はまってしまい、
近しい知人には特設サイトで「耳もぐり」が読めるからぜひ読んでほしいとすすめて歩いている。

唯一無二の世界観。

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まあ好き嫌いが分かれるかもしれないけど、
私はじわじわどんどん好きになっていく感じでした。
伊藤潤二先生の漫画が好きな人は好きなのではないでしょうか。
悪夢なのか、此の世の地獄なのか、と思っていました。
読み終わるまでは。
でもこの小説は実は天国のお話なのではないか?との疑念が胸を掠めたが最後、
もう沼にズブズブと沈んでいっているような感覚がまとわりついて離れません。
私も『禍』に取り込まれてしまったのかも…。

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読後感を述べるとハーフマラソンを完走したような疲れ。とんでもない世界に触れてしまったという高揚した気分。人間の身体の部位を扱うことで、共感てきな振動を読者に共有させたのだと感じた。これはホラーなのか、それともファンタジーなのか、寓話なのか、混とんとした渦に巻き込まれたような感覚。実に汚である。その汚らしい世界に気がつくと夢中になっていた。食書という短編が、本書を象徴しており、それは本を食べるという行為によって、その中身をリアルに体験できるという語感フル活用な作品なのだが、それに全作品が似ている世界なのです。
おすすめの一冊です。

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小田さんは多作ではないけれど、出す作品の一つひとつにインパクトがある。今作ももはやどこに連れていかれるのだろうかとヒヤヒヤしながら読んだ。セカイの底を覗いてみたくないかとは、言い得て妙。裸にさらされたり、鼻を剃られたり、女性にのまれたり…。
奇書だ、どうこの本の魅力を表せばいいか分からないけれど、どこかに連れて行ってほしい、日常から離れたい、そういった欲求を本という媒体で叶えてくれる。
なんて想像力、そしてこれらの作品を描き切る力、凄いとしか言えない。

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現実のようで、現実ではない異世界、という意味では『残月記』に通じるのだろうか。

どれも強烈な印象を残す短篇集。
下世話で下品で気持ちが悪い。

禍々しいこれは、人間の地獄を描いたのかな、と思った。


𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

『食書』
書店のトイレで本を貪り食う女。
一瞬、自分も本を食いたくなってゾッとする。
ややエログロ。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

『耳もぐり』
恋人の失踪と驚愕の秘技「耳もぐり」。
こんな奇妙な話があるか😱
どういうことなのかと具体的に考えると怖くて眠れなくなる。ホラーより怖い。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

『喪色記(そうしょくき)』
夢の中で見た夢幻石が現実に…?
美しく哀しいこの世の果て。化物がグロい。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

『柔らかなところへ帰る』
バスの隣りに座った肥えた女に魅せられて。
肉欲のエロスか、ホラーか。

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『農場』
宿なし無職の青年がスカウトされ連れていかれた派遣先は。
恐ろしいモノを育てる農場で、坦々と無心で作業をすすめる人びと。

「もうすっかり慣れちまって、地獄ってのはもっと下にあるもんだと思いこんでんだな」

非現実的な地獄のような生活。
人生を感じた。

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『髪禍』
髪の毛を祀る信仰宗教。
この話にもグロい化物が。
七篇の中で一番気持ち悪かった。

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『裸婦と裸夫』
全裸パンデミック!あなたは全裸から逃れられるか?ギャグのようでいて、ゾッとくる。
ラストの世界は『喪色記』にも通じる?

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総じて、どの話もありきたりな日常を描いているようで、この世の終わりや生き地獄が描かれていた。
強烈な印象を残す。

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今年一番の怪作。「令和の奇書」と言ってもいいくらい。夢野久作が現代に甦ったのかと思うほどだ。飴村行のようなヌメっとしたテイストもある。
何より「禍」というタイトルが不気味だ。何か良からぬものを秘めたような「禍」という文字。それを大きく用いた書影が正に禍々しい。
異界を描く短編が7作。
まず冒頭の「食書」で心を掴まれる。本のページを食することで書と一体化するという物語。本好きにとっては身につまされるお話だ。
そしてラストの「裸婦と裸夫」で世界の未来、終末をも見事に描いてみせる。
夏に全くもってふさわしい奇怪なる一冊。
追いかけたい作家がまた増えた。

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