この脳で生きる 脳損傷のスズキさん、今日も全滅

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刊行日 2023/06/16 | 掲載終了日 2023/07/30

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内容紹介

僕は7年前、高次脳機能障害になりました。

医療的には軽度といわれましたが、見えない障害をたくさん経験し、日常生活のあらゆるシーンで「病前通り」にできずに苦しみました。

当事者の中には家族崩壊や職を失う方も少なくありません。

この本は、文字を読むのがつらい人にもすすめやすいように、当事者である僕と、お連れ合いが当事者である、漫画家のいのうえさきこさんが一緒になって作りました。

僕は7年前、高次脳機能障害になりました。

医療的には軽度といわれましたが、見えない障害をたくさん経験し、日常生活のあらゆるシーンで「病前通り」にできずに苦しみました。

当事者の中には家族崩壊や職を失う方も少なくありません。

この本は、文字を読むのがつらい人にもすすめやすいように、当事者である僕と、お連れ合いが当事者である、漫画家のいのうえさきこさんが一緒になって作りました。


出版社からの備考・コメント

本書籍は刊行前のものです。内容・仕様等に変更がございます。ご了承ください。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784772614962
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 180

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NetGalley会員レビュー

41歳で脳梗塞を起こし、高次脳機能障害となった著者。
脳の情報処理速度が低下し、リハビリの日々を送る。

病前に習熟していることならできるという傾向から本を書けた著者による一冊で社会的包摂について考える。

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著者の鈴木さんが高次脳機能障害の当事者として受傷後7年間の症状を分かりやすく紹介しています。高次脳機能障害という病名と、日常生活に様々な影響が出ることは知っていたものの、実際の症例を見聞きするのは初めてだったので、これでも軽度なのかと衝撃を受けました。
今までできていたことができないもどかしさ、感情のコントロールができない苦しさは、当事者はもちろん家族や友人にとっても辛いものだと思います。自分や身近な人が当事者になったらどうするか、この障害で困っている人に出会ったらどんな手助けができるのだろう、といろいろ考えさせられました。鈴木さんとよく似たクマのキャラクターがかわいくて、チャンバーの例えやPONちゃんのイメージがとても分かりやすかったです。緩やかに回復する障害とのことなので、鈴木さんが少しでも元の生活に近づけるよう陰ながら応援します。

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「高次脳機能障害」と難しい名称ですが、マンガなどでわかりやすい例えもあり、自分なりにイメージしながらよみました。
読んでいて「え?こんな状態で軽症なの??」と驚きました。
見た目では周りにはわからない、苦悩があるんだなと知りました。
自己開示をして周りにも理解をしてもらうこと、「それぞれの個性」を認めてもらうことが必要ですね。
そして、ゆるやかに「回復」していくということも書いてあり、それは少し希望だなぁと思いました。
自分もそして身近な人が、いつそうなるかもしれません。
お互いにわかり合うためにも読んでよかったです!

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高次脳機能障害という障害を初めて聞いた。人によって症状は全く違い、人からの理解を得にくい障害。この障害を知らない人には非常におっちょこちょいな人という印象がついてしまうだろう。周りの理解が必要なのでこの本をきっかけに世間の理解が進むといい。

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脳梗塞や脳溢血などで脳に損傷を負い、障害が残った状態で生きていく。

考えただけでもしんどい。
幸いにも麻痺など身体的な障害が残らず、しかし脳の機能に問題が生じている場合、それもまたしんどい。
まわりの人たちに見た目で障害が分かってもらえないために誤解が生まれてしまう辛さ。自分の感じている苦しさ、悩んでいる問題点を言葉でうまく表現できず共感してもらえない辛さ。ああ、しんどい。

本書ではそこのところを本当にうまく嚙み砕いて説明している。理解してもらえないことで苦労をしてきた高次機能障害の当事者ならではの、痒いところに手が届く本。
コミックも、当事者の脳内のプロセスをわかりやすいかたちにイラスト化していて、おまけにカワイイ。

「とにかくこんな感じで大変なのをわかってほしい!」
「理解の一助に!」
という著者の思いがビシバシ伝わってくる一冊。

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高次脳機能障害
をもつ人の、「実際に感じていること」。
まだ若くして(41歳)脳梗塞を起こした著者と、パートナーがこの病気をもつ漫画家のお二人が作った、まさに当事者側からの発信。軽快な言葉遣いと、読みやすい漫画で構成されていなかったら、とても重いものになっていたことだろう。どれだけ本人や周りが苦労や努力を重ねてきたことだろう。同じ問題を抱える人たち、また周囲で見守り支える人たちのためになりたい、という思いも伝わる。他人事ではない、いつ自分や家族の身にふりかかるかわからない。

「自立とは、依存する先を増やすこと」熊谷晋一郎先生の言、として心に残り、また最近よく目にする、この言葉を思い出した。

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高次脳機能障害って、こういう感じなの!?というのが、とても解りやすく書かれていた。しかもそれが当事者による執筆だということにビックリ。他人からは身体的な不自由さが少ないと、どれほど困難な状況に陥っているのか判らない。頭の中の状態は、なんとなく不明瞭で感覚が鈍化しているのかと誤解してました。当事者の身近な人すべて読んだほうがいいと思う。特に家族は、自分のためにも知っていたほうがいいと思う。

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この本を読んでいてオオ~と思ったのは、外の世界での情報量やスピードについて行けないということです。エスカレーターのスピードについて行けないので乗れないとか、人が多いところへ行くとそれだけでイッパイイッパイになってしまって、立っていることすらできなくなってしまう。1対1の会話ならできても、大勢での会議だといろんな人の言葉が嵐のように襲ってきて考えることができなくなってしまうとか。そんなことを想像したこともありませんでした。

 雑踏での人々の会話、駅のホームでの放送など、以前だったら無視できていた雑音がすべて脳を直撃し、情報量の多さに押しつぶされるという鈴木さんの証言にはビックリしました。

 そうか、情報を取捨選択するのも脳の機能だし、エスカレーターの動きに合わせて足を出すというのも脳の機能です。そういうところが破壊されてしまって、困惑し、考えることができなくなり、立ち往生してしまうのです。

 そういう症状が起きるということを、ほとんどの人は知りません。だから脳が思ったように動かずに困っている当事者の状況を想像することすらできないのです。

 鈴木さんのような当事者の体験談は、実に有益です。この本を読むと「高次脳機能障害」について多くを知ることができます。なぜそういう行動をとるのか、なぜそういう発言になるのか、なぜ怒るのか、なぜ泣くのか、そういうことがおぼろげに分かってきます。

 そして、少しずつ回復していく過程の中で、信頼できる家族や友人の力が大きいという言葉はとても重いと思うのです。身近な人がそばにいてくれるだけで安心し、集中ができる。それを知ることができただけでも、この本を読んだ甲斐があったと思います。

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高次脳機能障害を発症した著者の、イラストや漫画を交えてわかりやすく書いてあるお話。
高次脳機能障害を持つ身内の方や友人、同僚などに読んでもらいたい本書。
わたしと年齢が近い著者の話なので身近でドキドキします。
高次脳機能障害を持ってなくても海外在住で言葉も日本語のようにすらすら高度な会話ができるわけでなく、医者に行く時とかは今でも普段低血圧なのに血圧がめっちゃ上がるくらい緊張して、医療用語もたくさん出てきて自分の症状をきちんと伝えるのにも一苦労なので、この、うまく話せなくてという気持ちがすごくよくわかりました。母語でこんなふうになってしまったらストレスがものすごいと思います。怒りの感情が勝手に湧いてきて、でも頭では当たり散らしてはいけないという感情もあるから溜める一方。そして本を読むことがものすごく好きなので、読めなくなる恐怖は考えたくもないくらいです。
脳損傷はとても怖いなと思いました。

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ルポライターの著者・鈴木大介さんは、2015年(41歳)脳梗塞により高次脳機能障害を負います。
診断は軽度。しかし実際には、本人の中でどんな困難が生じていたか、を、わかりやすい言葉と豊富な具体例で解説。

高次機能障害?と最初は思いましたが、
「脳卒中や事故をはじめ、脳に何らかのダメージを追った時に発症し、誰もが人生のどこかで経験する可能性のある障害です。」との説明を読んで、急激に興味が湧いてきました。

というのも、最近私は悪玉コレステロールの値が引っかかり、そうするとどうなるのだ?と、調べたら、脳梗塞などを引き起こすと知ったからです。

義父が脳梗塞から前頭葉をやられて、意思の疎通がうまくいかなくなり、色々な事件を起こした事が思い出され、こりや大変だ!と、現在私は大変焦っております。

更に、病院で、人は、癌か血管系で亡くなるのだ、と言われました。つまり、ほんとに他人事ではないのです。

ともかく、当事者がどんな状況に陥っているのか、すごく分かりやすかったです。

全部の情報が頭に入って来て、選べない。混乱する。突然思考がストップする。
頭の中の情報が高速で消えてしまう。

◯電車やスーパーなど、視覚と聴覚の情報が溢れた場所で、何か一つの情報を探し出すのは至難の業。
◯マルチタスクが出来ないため、電話や、複数人で行う会議などは情報の処理が追いつかず、難しい。
◯発症前に習熟していた事は出来る傾向にあるが、そのため誤解が生じ、失敗も起きやすい。
◯支援者がいなければ、行政手続きなどを自己完遂するのは難しいため、生活に支障をきたすであろう。

義父はもう亡くなってしまいましたが、私達家族はお医者さんが認知症ではないとどんなに言っても、絶対認知症だと感じていました。でも、この本を読んで、もっと違うアプローチが出来たかも、本当に認知症ではなかったのかも…と、悔やまれました。

今苦しんでいる当事者が、自分の状況を分析するために。
当事者の周囲の人達が当事者を理解する一助とするために。
ものすごく有益な本だと思います。

高次機能障害の方の職業復帰者は10%強に過ぎないそうです。生き甲斐を持った人生のためにも、また少子高齢化の日本にあって、これは大変な損失なので、見えない障害である高次機能障害への支援を国レベルでも対策していただき、誰もが生きやすい世の中にして欲しいと思いました。

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