クグが拾った物語

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刊行日 2023/06/20 | 掲載終了日 2023/06/27

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内容紹介

おもちゃの水鉄砲、一本のひも、食パン、砂つぶ。クグは、一見めずらしくもなんともない物が、実はすごい「宝物」だと言います。そして、それにまつわる不思議な話を語ってくれるのです。宝物を探しながら世界中を旅してまわっているクグが、砂漠の町へ行ったまま帰ってこなくなってしまいました。「このままではクグがクグでなくなってしまうかもしれない」と聞いて、クグを訪ねることにした私は、かつて大きな湖があったという砂漠の町でクグを見つけます……。クグが世界中で拾い集めた「宝物」に秘められた物語の物語。

おもちゃの水鉄砲、一本のひも、食パン、砂つぶ。クグは、一見めずらしくもなんともない物が、実はすごい「宝物」だと言います。そして、それにまつわる不思議な話を語ってくれるのです。宝物を探しながら世界中を旅してまわっているクグが、砂漠の町へ行ったまま帰ってこなくなってしまいました。「このままではクグがクグでなくなってしまうかもしれない」と聞いて、クグを訪ねることにした私は、かつて大きな湖があったという砂...


おすすめコメント

絵本作家いとうひろしが書いた200ページもの物語。イラストも毎見開きにたっぷり。

みなさん「あたりまえ」の常識にしばられていませんか? ちょっと意識を変えてみるだけで、目の前に無限の可能性がひらけています。

絵本作家いとうひろしが書いた200ページもの物語。イラストも毎見開きにたっぷり。

みなさん「あたりまえ」の常識にしばられていませんか? ちょっと意識を変えてみるだけで、目の前に無限の可能性がひらけています。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784652205648
本体価格 ¥1,350 (JPY)
ページ数 206

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NetGalley会員レビュー

初めはちょっと面白い、独特の物語。
クグはいろんな土地を旅していますが、どの土地でも、「え〜(笑)」と笑えるようなエピソードがあり、楽しく読めます。モジクイムシなどという、本好きな人間にとってはあまり有り難くないムシも出てきます。
でも、クグが帰ってこなくなり、心配した私はクグを探しに行き、というところから物語は転調していきます。
ラストは、、、。最後の数ページに全てが詰まっている気がしました。
巻き込まれた形の“私“、ちょっと大変そうです

“ユーレイ”の存在がいい味になっています。
作品の中ではあっさり受け入れられていますが、実際に自分の前に現れたら、動揺してしまいそうです。

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ちょうど、博物館、が出てくる小説を並行して読んでいたところでした(小川洋子さんの)。何かの知識を得るために、システマティックにものが並んでいる場所・・・という枠にとどまらない、広い広い意味での博物館。
空間時間をも越えて、たくさんの人たちの思いや体験を乗せて。
クグノタカラバコ
は迷わないと辿り着けない、という不思議な場所。
子ども向けのおとぎばなしと思ったら。
思い出、というものと自分の関わりについてしばし考えさせられた。
時に切ない思いを抱きしめながら、じっくりゆっくり読む本かなあと思います。

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不可思議なタイトルの連作短編が11並ぶ。
「クグノタカラバコ」
宝箱とは海賊が奪った宝物を後生大事にしまっておくもの。でも、クグの宝箱は違う。子供の頃からクグが集め続けた「自分には宝に思えるもの」。そこまで読んだ時、ハッとした。そう、これはみんなが必ずやってきて、いつしか忘れ去ってしまったもの
自分にとって大切なもの、自分を呼ぶもの、それを老人まで決して忘れることなく、集め続けたクグ。だからこそ、興味と少しの哀愁を込めて、次の短編へとページをめくった。
「カガリビワニの伝説」
カガリビワニはいたのか、水鉄砲は本当にそのためなのか、それを考えかけてやめた。体験したなら、その人にとって本当のこと。だからこそ、思い出は薄れることはない。クグの言葉通りに。
「サンドイッチ・キングの大実験」
サンドイッチのパンを焼く奥義、「あるがままの心であるがままに焼く」。地球をサンドするパンは、命を優しく包み込むパン。それを焼けるのは、確かにクグただ一人。
「クグノユーレイ」
ユーレイとは人と共に生まれる、命を分つ存在。亡くなる時に再び一つになる。あぁ、と納得してしまった。寄り添い、支え、ともに歩むものが在る。だから心安らぐ時があるのだと。
「クグノビックリバコ」
クグは忘れない。〈ミュージアム・オブ・クグ〉を訪れた人のことを。その中から、どうやって「ビックリバコ」を送る人を選ぶのだろう。送るものを、どうやって決めるのだろう。考えるだけで、ワクワクしてきた。
「カゲアヤツリの謎」
自分にとって本物なら、それは本物。だから、本当の宝物。クグだけでなく、みんな小さな頃はそうだった。それをなぜ忘れてしまうのだろう?
「モジクイムシの話」
文字がなくても人と人は繋がる。いや、その方が、話すことのほうがより親密に繋がることができる。それを教えたあと、またモジとして戻るモジクイムシの秘めた優しさ。
「メモリー・フィッシングの不思議」
ここから「クグの物語」の後半が始まる。
クグは理想の存在、そう思っていたのに、そこでの彼の安寧の表情が理想ではないと気づくとは。理想の存在は理想によって歪んでしまい、理想にたどり着かない者が救いの手を差し伸べる。
「星降り峠のララダンス」
クグが結びつける2つの思い。子供の頃のクグは何故これを見つけたのだろう。これこそが、「宝物を見つける力」なんだろう。それも、「自分の」だけではなく「宝物にとっての宝物」さえも見出す力。
「伝言イヌの秘密」
タグ自身も不思議に出会う。体に伝言を書き込む伝言イヌ。理由は必要ない。不思議はただそこにあるだけで、いいのだから。ただ、自分から自分への伝言とは?
「人喰いの木」
クグの新たな宝物を見出す力にも限界があるとは。だからこそ、「タグノタカラバコ」=〈ミュージアム・オブ・クグ〉に意味がある。タグと共にそこに在ると言う意味がある。
心をはっとさせ、穏やかな気持ちにさせ、優しい眼差しにさせる物語たち。その物語の語り手が交代する。タグから「私」へと。
これから、「私の物語」が始まる。

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ついにシリーズ3が出た!と喜びましたが、『クグノタカラバコ』と『クグノビックリバコ』の前2巻に加筆訂正した増補版だったのですね!
『クグノタカラバコ』と『クグノビックリバコ』とも読み比べてみましたが、テキスト、タイトル、わずかに違いが見られ、最終3編ほどの新たな章はゾクゾクするほど人生の妙を表現し得ていると感じました。在ること、無いこと、時間の流れ、記憶ともの、自分の居場所、いろいろなことをクグは考えさせてくれます。
人が生きる限り、きっとこの物語は手から手へと受け継がれていくのでしょう。

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迷子になった人だけがたどり着ける「クグノタカラバコ」という博物館。
めったなことではいけない博物館なのですが、ある日、「私」は通いなれた道で迷子になり、夢にまで見た博物館にたどり着きました。
そこには、クグが世界中を旅して集めてきたものが展示されていて、クグが展示品にまつわる話を聞かせてくれました。

初めのうちは、そういったクグの興味深い体験談を聞くだけだったのですが、それから話が展開していき、「私」もクグの旅に同行することになります。
どことなく哀愁を感じる物語になっていきます。
そして、最終的には「クグが拾った物語」から「私の帰郷の物語」になるのだろうなと想像できます。

挿絵も文章と同じように、シンプルでこの物語をよく表してありました。
面白く、切なく、考えさせられる物語でした。

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いとうひろしさんらしい、ちょっと不思議で、でも本当にあるような話がいくつも入っていて、物語の中に出てくるみたいに宝箱のような本のように感じました。装丁も可愛らしくオシャレでもあり、高学年の子ども達に薦めたい一冊です。

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ページを開いてからすぐにその世界にのめりこみ、一気にどんどん読み進めるお話でした。こんな冒険は、誰もが一度は夢見ているのではないでしょうか。あったらいいな、がたくさん詰まっています。クグと一緒に自分も出かけたくなる、不思議で愉快な物語でした。

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クグはモノを大切にしているけど、執着はしていない。
クグにとってモノは、だれかと思い出を分かち合うための目次みたいなものなのかもしれない。
仮にモノがなくなっても、そこで出会った人やできごとの記憶が消えることはない。
だからそれがひっくり返ってしまう瞬間は、胸がぎゅっとなるくらい切なかった。
ちょっと不思議で、かわいげがあって、寂しさも喜びもある短編集。

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クグの冒険物語。10話からなる話は、みんな面白かった。つい地図を広げて、あの魚が釣れる砂漠はどこにあるのだろうか、カガリビワニを見てみたい、家の中にモジクイムシが入って来たらどうしようなど、低学年の子どもたちは、ワクワクしながは読むだろうと思います。

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