ドードー鳥と孤独鳥

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刊行日 2023/09/14 | 掲載終了日 2023/09/30

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内容紹介

謎多き絶滅動物ドードーを追いかける、新聞社の科学部記者とゲノム研究者のふたりがたどり着いた、驚くべき「景色」とは――? 忖度なしの「堂々たるドードー小説」ここに誕生!

謎多き絶滅動物ドードーを追いかける、新聞社の科学部記者とゲノム研究者のふたりがたどり着いた、驚くべき「景色」とは――? 忖度なしの「堂々たるドードー小説」ここに誕生!


出版社からの備考・コメント

※本試し読みの内容は初校を元にしておりますので、刊行版とは細部で異同があり、また多少の誤りなども含まれております。御了承ください。

※本試し読みの内容は初校を元にしておりますので、刊行版とは細部で異同があり、また多少の誤りなども含まれております。御了承ください。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784336075192
本体価格 ¥2,700 (JPY)
ページ数 372

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NetGalley会員レビュー

オオウミガラスもステラーカイギュウも、子どもの頃は、いつも図鑑を持ち歩いて眺めていたのに、いつの間にか、思い出すことがなくなっていました。文章はもちろん、写真で一気に子どもの頃のわくわくが再来し、読むのを止められませんでした。ゲノム解析によって絶滅した動物を甦らせる技術はあるけれど、それは表現型だけで、その種を育んできた環境や種に伝わる文化のようなものは取り戻しようがないことに改めて気付かされ、今ある多様性は保持できるように努力しなければならないと感じました。でも、最後のシーンはちょっと嬉しかった。やっぱり見たいですよね、孤独鳥。

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最初の印象は、YAだった。房総の先にある小さな町に住む、生き物の好きな二人の少女の物語だと。でも、早々に片方の少女は姿を消し、残った少女は、わりとするっと大人になる。成長した二人の進路の先には、かつて見た絶滅した鳥がいた、というのがこの物語。

YAか?とみえた物語は、後半に進むにつれて、絶滅種のゲノム情報をめぐるミステリーの様相を帯びてくる。でも、最後まで読んでみて、これは、やっぱりYA、というか生き物の好きな少女たちの成長の物語として読むのがいいんじゃないかと思った。地味だけど、生物とか好きな高校生(と、そうだった人達)にささりそう。

物語の進行にしたがって、記された事件や情報の、どこまでが本当かどこまでのフィクションなのかわからなくなるのが、この物語の魅力。気になった情報を調べてみると、たぶん思っていた以上に現実とリンクしていると思う。なので、ノンフィクション作品である「ドードーをめぐる堂々めぐり」と併読するといいんじゃないかな。

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人の手によって絶滅させられた2種の鳥に魅せられた2人の少女。2人は互いをドードー鳥と孤独鳥に見立てる。長じて、1人は新聞記者となり、もう1人は研究者となる。音信不通だった2人はある出来事がきっかけとなり再会するが……。
小説のはずだがノンフィクションなのかと勘違いするほど丹念に書かれた作品だった。著者の川端さんの経歴を見れば当然かもしれない。ノンフィクション作品である『ドードーをめぐる堂々めぐり』も読んでみたい。
これまでに人類が絶滅させた数々の動物の記述や、絶滅種を復活させるディ・エクスティンクションの試みも紹介される。実際には彼らが生きた環境を含めて再生することはできないので無理だが、絶滅危惧種を救う技術になればいいなと思った。

※内容はいいのに校正ミスが多すぎる。特に「てにをは」の間違いが目立った。致命的なミスも数箇所見つけたので、出版までに直されることを願う。

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驚くべき作品。著者、川端裕人の2年前のノンフィクション「ドードーをめぐる堂々めぐり」の姉妹篇だが、小説だけに(そもそも不思議な小説でノンフィクションを巡るフィクション)、エコロジー、SF、恋愛、ファンタジー満載。タイトルの「ドードー」は有名だが、一方の「孤独鳥」はロドリゲスドードーのことで本書の主人公タマキとケイナのコンビを意味する。二人は小学生の時に出会い、別離、再会を繰り返す。二人と絶滅した2種のドードー科(本書ではドードー属)が対比され、それと前作で日本に来たというドードーが実は孤独鳥だったというフィクションをゲノム、遺伝子操作等の科学的話題を絡めて描いている。実は最近、絶滅種、絶滅危惧種の話題が豊富でトキ、コウノトリ、ライチョウ、ニホンオオカミ、クニマス等があり、またマンモスを復活(本書での用語では脱絶滅)させよう等の動きもある。

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昔、愛知万博でマンモスの復活プロジェクトがあった。永久凍土に眠る細胞の核から再生し万博の目玉にする。まあそれは生まれくるマンモスにとっても幸いなことに失敗した。
 そんなゲノム編集の危険性にも触れているが、それは法の観点からのみで生命倫理にまで及んでいない。残念だがそこに作者のメッセージは読み取れなかった。メッセージが無いのならいっそ第1章の子供たちのきらきらした生きざまのままファンタジーに進めば楽しい読書になったと思うのだが。

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幼少期、自然豊かな町で生物の声に耳を傾け愛してきた少女たち。絶滅鳥ドードーに魅せられて科学記者とゲノム研究者になった二人が、自然の在り方と向き合いながら「絶滅種」の復活を考える作品。

タイトルと可愛らしい書影から、鳥の生態などを主にした児童書かと思ったら、「絶滅種」の復活プロジェクトとリアルな話に徐々にシフトしていく展開に驚いた。フィクションとノンフィクションの境が曖昧に描かれている分、飽く事なく最後まで関心が薄れず読めた。
科学は不得手ジャンルだけど、イラスト(図)も多く、親しみ易さがあってとても良かった。
似た所の多い二人の価値観の違い、護る事と復元させる事、相反する想いを楽しめた。

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自然豊かな場所を小学生の少女二人がささやかに開拓していく中でドードー鳥と孤独鳥に
自分たちをなぞらえるようになる。少女たちはそれぞれの道を進み大人になって
一人はライターにもう一人は研究者となって絶滅した鳥の姿を追い求め、二人は再会し
人生はまた寄り添うように進んでいく。

小説だけど途中の挿絵が写真だったり資料だったりするので鳥の勉強にもなります。
絶滅した動物や植物を私たちはどうするべきなのか、というのはこれほど身近な問題に
なってきているということを知らなかったので勉強になりました。遺伝子操作のお話
説明で分かったような気にはなり読み進めましたがかなり難しかったです。

しかし私みたいなタイプの人間にはこういった問いが「そこにいまある」ということを
知るだけでもプラスになると思いますし、こういった話題が好きな中学生、高校生には
ぜひ手に取ってほしい作品です。

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読み始めは、小学生が主人公なので、小学生向けの内容かと思いましたが、主人公が学生時代を経て社会人になった頃からの話が長く、子どもの頃に出会った絶滅種の鳥たちについて調べることがライフワークになり、生物学的なことや、遺伝子関連の事までが、出てくるというお話しでしたので、
絶滅危惧種に興味があり、特に鳥類が好きな人にお勧めします。

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小学生の頃、『ドードーを知っていますか』という素晴らしい絵本を読んで、絶滅動物を知るきっかけとなった。その絵本を持っていた友達と、近所の自然公園を駆けまわり自分たちの地図を描いていたことを思い出す。そんなノスタルジーがよみがえる作品だった。
序盤は主人公と親友ケイナちゃんが緑深い百々谷を探検する日々が描かれる。自分たちをドードー、孤独鳥になぞらえ親近感を寄せるくだりは、いじましく愛しい。中盤からは成人した「私」がドードー鳥を探求する自然博物誌のような流れになり、終盤は二度目の再会を果たしたケイナちゃんとの緊迫感溢れるエピソードが書かれる。
専門用語や実験手技が語られる場面は慣れない単語に戸惑うが、絶滅動物を巡る生命倫理の議論には考えさせられる。最後の「私たち」の選択には賛否両論が出そうだ。ロマンか倫理か。抵抗を感じながらも、百々谷を歩く生き物たちを思い浮かべればロマンに票を投じたくもなり、同時に目の前にある命を惜しんでしまう気持ちにも共感してしまう。肯定、否定、両論と併売すれば面白そうだ。
同著者の『ドードーを巡る堂々巡り』は是非並べたい。その他絶滅動物関連書籍と一緒に置くなど、展開が様々思い浮かぶ書籍。自然科学の分野への足掛かりにもなりそう。

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ボーちゃんは自分自身を不恰好な”ドードー鳥”に。ケイナちゃんを優美な”孤独鳥”になぞらえる。そんな彼女たちが絶滅動物をこよなく愛し、生き物の声に耳を傾け、成長していく姿が感慨深い。

 図鑑同様の詳細な説明とイラストが添えられているため、彼女たちと共に研究しているような擬似体験が味わえる作品。”もしも、図鑑に出てくるような絶滅動物が、自分の住む地域に生息していたら...?”と仮定して、彼女たちと共に想像を膨らませる。このように、絶滅動物を身近な自然の中に置く想像をして、ワクワクしました。

 [過去にどのような動物が存在していて、なぜ絶滅してしまったのか]、[生態系の中でどのような役割を果たし、いなくなったことによってなにが失われたのか]、[尊厳死を迎えさせるべきなのか・絶滅を防ぐために繁殖を試みるべきなのか]、[ゲノム解析という技術を用いて、絶滅動物の復活を試みることのメリットやデメリットは何か]などについて考えさせられる物語。
絶滅した動物が人々の記憶の中から忘れ去られた瞬間、いなかったことと同じになってしまう。人の活動の影響で絶滅した動物もいるという事実を知ることが、今存在する野生動物を護ることに繋がるかもしれない。知識が深まったことで、絶滅動物が身近に感じられるようになり、この作品に出会えて良かったと感じました。

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「ページターナー」とはこの本のためにある言葉だとも思わせてくれるほど知的にエキサイティングな作品だった。
読後に書店でも紙の本を手に取ったが、箱入りの立派な装丁で、しかもちょっとお高い。なかなか購入を躊躇わせるハードル高い本なのがもったいない。
久々に感じる知の探究心。どれだけ緻密にリサーチして描かれたのか、まさに頭が下がる努力と想像力の結晶だ。
発行は国書刊行会。さすが。この本の価値をきちんとわかってらっしゃる。
絶滅してしまったドードー鳥と孤独鳥に取り憑かれた2人の幼馴染の成長譚だが、読み始めて最初の方はまだ全然面白さが出てこない。しばらく読んでいくと、突然ページを捲る手が止まらなくなってくる、そんな味わい深い作品なのだ。

図書館に行くと、新しい本はほとんど貸し出し中で、なんなら貸し出しの予約が何人も入っていることもある。なのでなかなか手に取ることはできない。
ところが広尾の都立中央図書館は貸出していないので、新刊も常にある。
この「貸出しない」図書館、もっと増えるといいのにと思う。最近は本の値段が上がっていて、できれば本の購入で失敗したくない。もちろんAmazonなどで試し読みもあるし、書店で手に取れば少し読むことはできる。しかしもう少しじっくりと吟味する時間があればいいのにとよく思う。
だから「貸出しない」図書館で座って読んでみて、よければ購入すればいい。そんな図書館が増えてほしい。そうすればきっとこのような本がもっと知られれて読まれるのに。
いまはYouTuberが勧める本が売れたり、タレントの勧める本が売れることが多いと聞く。それもいいのだが、「貸し出さない図書館」のようなシステムとしての書籍の紹介の機会がもっと増えればと感じる。

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