悪口ってなんだろう

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刊行日 2023/08/03 | 掲載終了日 2023/09/12

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内容紹介

「○○さんは悩みがなくていいね」「冗談で言っただけだよ」「アホと言う方がアホだ」
「ほんま私頭悪いから」「どうして一生懸命やらないの」「人として下だよね」
「いじってあげてるだけじゃん」「事実を述べて何が悪いんですか」

これらは悪口だろうか? どこが悪いか説明できるだろうか?

悪口はなぜ悪いのかを問われたとき、シンプルに「人を傷つけるから」といった理由が思い浮かぶかもしれない。たしかに子どものころに「そんなこと言われたら傷つくでしょ」といって、悪口をたしなめられたことがあるだろう。ただしそれでは悪口の悪さをうまく説明できていない。たとえば、恋人からの別れのことばで傷ついてしまうかもしれないが、それはもちろん悪口ではない。

■悪口とは何か? 
■悪口と軽口や冗談は何が違うのだろうか? 
■まっとうな批判とは何が違うのだろうか? 
■どうして「タコ」とか「ザコ」とか他の生き物を指すことばで悪口を言うのだろうか? 
■どうして悪口を言うのは楽しいのだろうか?
■悪口はなくならないのだろうか?

こうした問いに答え、悪口を通じて人間の本質に迫る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【目次】

はじめに

パート1 悪口はどうして悪いのかパート1 悪口はどうして悪いのか
1 人を傷つけるから悪いのか
2 悪意があるから悪いのか
3 人のランクを下げるから悪い
4 記述のランキングと優劣のランキング
5 存在のランキング
6 尊厳としてのランク

パート2 どこからどこまでが悪口なのか
7 口が悪い
8 お互い様
9 あだ名と悪口ライセンス
10 自虐
11 褒めながら悪口
12 まっとうな非難
13 悪口の文法
14 ラベルを貼ること
15 差別語と侮蔑語

パート3 悪口はどうして面白いのか
16 笑いと悪口
17 悪口の脳研究
18 狩猟採集民の悪口
19 イコライザーとしての悪口
20 ヴァーチャルな悪口

おわりに 悪口とのつき合い方
あとがき

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【著者プロフィール】

和泉 悠(いずみ・ゆう)
1983年生まれ。University of Maryland, College Park, Ph.D(博士号)。現在、南山大学人文学部人類文化学科准教授。南山大学言語学研究センター長。専門分野は、言語哲学、意味論。特に日本語と英語を比較しながら名詞表現を研究。また、言語のダークサイドに興味があり、罵詈雑言をはじめ、差別語、ヘイトスピーチの仕組みとその倫理的帰結についての研究も行う。著書に『悪い言語哲学入門』(ちくま新書)『名前と対象——固有名と裸名詞の意味論』(勁草書房)などがある。

「○○さんは悩みがなくていいね」「冗談で言っただけだよ」「アホと言う方がアホだ」
「ほんま私頭悪いから」「どうして一生懸命やらないの」「人として下だよね」
「いじってあげてるだけじゃん」「事実を述べて何が悪いんですか」

これらは悪口だろうか? どこが悪いか説明できるだろうか?

悪口はなぜ悪いのかを問われたとき、シンプルに「人を傷つけるから」といった理由が思い浮かぶかもしれない。たしかに子どものころに「そん...


出版社からの備考・コメント

今回アップしたデータは、校了前のものです。刊行時には内容が異なる場合があります。ご了承ください。

今回アップしたデータは、校了前のものです。刊行時には内容が異なる場合があります。ご了承ください。


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784480684592
本体価格 ¥800 (JPY)
ページ数 160

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

まず悪口とは「誰かと比較して人を劣った存在だと言うこと」である。

悪口は権力者に立ち向かうひとつの武器である。
私たちは弱者を踏みつけるために悪口を使うのではなく、強者に抵抗するために悪口を言うべき。

SNS時代のいまだからこそ悪口についてそれぞれが考えたい一冊。

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悪意があるから悪口なのか
酷い言葉を使うから悪口なのか
軽口と何が違うのか…
色々な角度から悪口とは何か?を論理的に思考しています。
自分自身がどのように言葉を使っているか、読み終わった後に振り返りたくなると思います。

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10行読んですぐに絶対に学校図書館に入れようと決めた。
悪口の定義なんて考えたことがあっただろうか。
なぜ悪口はダメなのか,そのロジックを感情論ではない側面から説明できる大人がどれほどいるだろうか。
子どもに説かなければならい大人こそ読んでおいて損はない。

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悪口について様々な角度から検証し考察している。
ランキングをつけるための悪口は悪いものだけど、一方で悪口を言うと、痛みにより強くなるという事実。
狩猟採集民たちの悪口には、実は意味があったりと、悪口の奥は深すぎる。
関係性でも変わってしまう言葉は、受け取り方次第でジョークにもなれば悪口にもなる。
言葉ってなんて難しいんだろう。
自分のためにも相手のためにも言葉を大切にしよう、と気づかせてもらえる一冊。

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悪口を学問的に考える本なんて面白そうだと思い、リクエストさせていただきました。

何が悪口でそうでないのか、悪口はなぜ良くないのかなどについて、さまざまな例を示して解説されていて、興味深いと感じました。

悪口で嫌な思いをしたことがないという人は少ないと思います。でも悪口を言われてもさほど気にならない人と、とても気になる人がいて、それはは何故だろうと思っていましたが、

悪口が

「相手のランクを下げ」「相手を劣った存在だと位置付ける」ものだと知り、腑に落ちました。

悪口を気にする人と気にしない人の違いは確固たる自分があるかどうかなのではないかなのでしょう。

また、狩猟民族のあいだでは、誰かが増長したり、力を持とうとしないようにするために悪口が利用されるという点も妙に納得しました。

日本の学校、特にクラスの中や、会社の部署などの中では必ず誰かが誰かの悪口を言っているように感じますが、全体主義で横並び、突出した才能や特質、抜け駆けを許さない風土ならではの「風習」であり、「文化」、もしくは「作法」なのかもしれないと思います。

そのような社会において、

「悪口をなくしましょう」

というのは現実的ではないかもしれませんが、ひとりひとりが

「悪口を間に受けない」
「悪口を気にしすぎない」

ことは可能だと思います。

そうすれば、「悪口」の効果、効能は徐々に薄れて少しずつ皆が生きやすくなるのではないかと思います。

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自分が意図していなくても、相手には悪口ととられてしまうことってよくありますよね。逆に傷つくことも。
本書は悪口がなぜ悪いのか、どんな人間関係や状況で発せられた言葉が悪口と捉えられてしまうのか、社会での悪口の役割など、様々な視点から悪口を捉え、分析しています。悪口を言われても、冷静に対処したり、知らないうちに他人をラベリングしてしまうことを避けられるかもしれません。教員など、指導する立場の人が読むべき本だと思います。

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