家守神④声なくせまるあやつり人形
おおぎやなぎちか
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刊行日 2023/12/08 | 掲載終了日 2023/12/07
フレーベル館 | JAPAN
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内容紹介
次々と不可解な出来事が起こる「おもちゃのホシノ」の秘密と、みんなの悩みは無事に解決するのか? ” 見えない妖” を相手に、拓と家守神(いえもりがみ)たちが挑む、ドキドキのシリーズ第4巻!
拓が佐伯家にやってきてもう半年。最近、家守神のひとり・亀吉さんはためいきばかり。そんな亀吉さんを追った先にあったのは、古びた店「おもちゃのホシノ」。
そこでは若い二代目店主が、とある怪奇現象に悩まされていて……?
次々と不可解な出来事が起こる「おもちゃのホシノ」の秘密と、みんなの悩みは無事に解決するのか? ” 見えない妖” を相手に、拓と家守神(いえもりがみ)たちが挑む、ドキドキのシリーズ第4巻!
拓が佐伯家にやってきてもう半年。最近、家守神のひとり・亀吉さんはためいきばかり。そんな亀吉さんを追った先にあったのは、古びた店「おもちゃのホシノ」。
そこでは若い二代目店主が、とある怪奇現象に悩まされていて……?
おすすめコメント
★児童文芸新人賞、日本児童文芸家協会賞受賞作家
おおぎやなぎちか氏が贈る、児童エンタメシリーズ!
★最新刊も人気イラストレーター・トミイマサコ氏による、情報盛りだくさんのおまけページや4コママンガが充実!
★個性的で魅力たっぷりの〈家守神〉たちが巻きおこす、笑いあり・涙ありのストーリー。
★児童文芸新人賞、日本児童文芸家協会賞受賞作家
おおぎやなぎちか氏が贈る、児童エンタメシリーズ!
★最新刊も人気イラストレーター・トミイマサコ氏による、情報盛りだくさんのおまけページや4コママンガが充実!
★個性的で魅力たっぷりの〈家守神〉たちが巻きおこす、笑いあり・涙ありのストーリー。
出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784577051856 |
本体価格 | ¥1,100 (JPY) |
ページ数 | 208 |
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閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
5年生の拓のまわりには、相変わらず個性豊かな付喪神が。ただ、優しい亀吉が何故かそわそわ?
今回の怪奇現象は、その亀吉が気にかけていたおもちゃ屋ホシノでの怪奇現象、おもちゃ達の反乱。そして、平井やおばあちゃんらの協力や示唆でやっと見つけることができた、この現象の中心である人形マリー。
そのマリーがずっとずっと願ってきたもの。それは、ホシノの2代目店主の大ちゃんや他の者達、更に読み手にとっても全く予想外のものだった。
でもそれは、この第4巻で最初から必要だと示されてきたものだった。ここまで読んできて、やっとそれに気がついた。拓が学校で言い淀んだ事。拓の父が小学生の時に経験した、教育実習生とのやり取りの苦い思い出話。平井の小学5年生とは思えない料理の腕。そしてマリーの願いもまた、全ては同じ方向を目指していたのだ。それは、『未来』。そしてそれを目指す為に『必要なもの』、それをマリーが教えてくれた。
自分の『未来』や『将来』を考え始めるのは、たしかに小学5年生の拓の頃からだろう。そしてそれは、大ちゃんのような大人になっても続いていく。それに必要なものが、マリーが教えてくれたものなのだったんだ。
様々な体験を重ねる中で、拓もまたそんな年頃になったのだなぁと、感慨深く思った。そして、今回学んだことを胸にちゃんとしまって、自分のこれからを考えていって欲しい、そう願わずにはいられなかった。
今回も、シリーズ第一巻で家守神の鶴吉さんにもらった「こころのおもし」。目をそらすことなく、ちゃんとみて、自分の心で判断するということが大切なモチーフになっていますね。
今回、目をそらしてはいけないこと、それは、どうやら自分の将来のようです。
いつか考えなきゃいけないのはわかってる、でも、こわい。無理にでも決めなきゃなんないのかな、まだわかんないのに・・・拓くんは不安です。悩みます。焦ります。こんな自分の悩みは他人と比べればちっぽけで話せない・・・そんな拓くんに亀吉さんの言葉がしみます。「悩みに大小なんて、ありません。先に進もうとしているから悩むんですよ」これを聞くだけで一つ悩みが消えますよね。
さあ、向き合う準備はできたといって、自分ひとりで終わるはずのない自分の将来。思いが相手に思うように届かないことのほうが多いのです。思いを人に伝えること、弾かれることが、少し、面倒で、こわいからといって、また元の一人っきりの世界へ逃げ込んだのでは結局進まないのです。大丈夫、向き不向きの問題もあるのです。人との関係は、相手のニーズの読み取りが大切。相手が自分を求めないのであれば、ほかを当たれば良いだけなのですね。夢を叶える友を探すスタンスできっとOK。必ず、出会うその友。人によって時間はまちまちです。
さて、では、次に問題に取り組むときに起こった出来事をどう受け止めていくか。そこに「たまたま」なんかはないのだと鶴吉さんに教えられます。少し、「面倒そうだし、なんか、こわいよね」って、「たまたま」や、「偶然」にしたい出来事。本当はその中にヒントが隠れているのですね。
拓くんが、今回、ホシノの大ちゃんとであったこと。大ちゃんが、人の望むように、世間が許すように生きようとする心に、声なく迫るメッセージを受け取ったこと。大ちゃんを脅かした操り人形。そう、これはたまたまじゃないのです。パズルがそろっていきます。シリーズ前作に流れるテーマに今作の答え。少女戦隊エーエックスのフローラルのXソードをかざしての決め台詞。これかもしれませんね。
逃げないで、ちゃんと自分の目で見る。勇気を持って真っ直ぐ生きる!がんばります。ありがとうございます。
待ってましたの第4弾。しかも、家守神の中でも、今回は私の推しの亀吉さんがキーパーソン!
会を重ねるごとに、拓が、母の再婚家庭に馴染んでいくのに、心癒されます。
親戚のおばちゃん状態で、はらはらしながら読んでいると、あっというまに読みあげてしまいます。読み終えるのが、もったいない!
拓もどんどん大きくなって、将来の仕事について考えるようになっています。
拓の成長によって、物語がどう進んでいくのか、今後も目が離せません‼︎
このシリーズはこちらの作品から初めて読ませて頂きました。
子どもたちも佐伯家の家族も家守神も登場人物がみんな魅力的で応援したくなるし、ホシノでおもちゃが暴れる?謎解きストーリーはハラハラドキドキしながらも最後はホロっときちゃいました。大ちゃんはお母さんに愛されてていて、ずっと見守られてて、幸せ者だなーって。ほっこり温かい気持ちになれました。
私が子供の頃はとにかく夢を持て、目標を持てって言われて、それが普通で、夢の無い自分がなんだか情けなくなって劣等感を感じた記憶がありますが、この作品で、そんなこと気にしなくていいよ、みんなそれぞれの方法で自分の好きなことややりたいことに出会ったらいいよって言ってもらえてるように感じたので、拓ちゃんと同じような悩みを持っている子どもたちにも私のような思いをした大人の人にも読んで欲しいと感じました。
ステキな作品をありがとうございました。
小学生の拓と賑やかな家守神たちが活躍するシリーズ第4巻。
佐伯家にもすっかり馴染み、友達との関係も順調な拓ですが、今度は将来の夢について思い悩みます。
悩む気持ちを抱えたまま亀吉さんを追い、辿り着いたおもちゃ屋さんで出会ったのは、自分と店の将来を決めかねている29歳の大ちゃん。そうそう、大人になっても人生って悩むことばかりだよね、と気付けば拓と大ちゃんの親のような気持ちになっていました。
お店でたびたび起こるポルターガイストが、大ちゃんと子どもたち(亀吉さんも!?)の悩みと混乱を象徴するかのようで、どうなるのかハラハラしながら読みました。ラストは拓のおばあちゃんの思い出が解決の糸口になり、大ちゃんが前に進むことができて本当に良かったです。
拓のお父さんが子どもに真剣に向き合う姿勢が素晴らしく、こんな風に寄り添えたらいいなあと思いました。子どもたちを温かく見守ることぶき商店街の人たちも素敵でした。
家守神シリーズ第4弾。
亀吉さんの様子がどうもおかしいので後をつけていくと、商店街のおもちゃ屋「ホシノ」にたどり着いた。
今回のテーマは、「将来の夢」。
親に反対されるだろうな、と思いながら、将来は料理人になると、既に決めている平井。
平井とは逆に、将来何をしたいのか、全くわからない拓。
こんな僕はダメだなあ、なんて思いながら、焦っていると、亀吉さんが優しく声をかけてくれる。
エーエックスの人形の決め台詞が、作者から読者へ伝えたいことなのだろう。
商店街が、人情味あふれていて、いいなあと思った。
「家守神」シリーズ4巻目のメインとなる舞台は商店街の「おもちゃのホシノ」。店主の大ちゃん、いい味出してます。そして家守神たちの中でもストレートに優しさが伝わるキャラクター・亀吉さんが活躍するのもうれしいことです。「将来の職業」「やりたいこと」について考え悩む主人公たちの姿に、きっと共感する子どもたちがいるだろうなと思いました。もちろん大人が読んで楽しく、元気をもらえるストーリーです。
シリーズ4。亀吉さんが何やらそわそわ。この出だしから掴まれます。商店街の「おもちゃのホシノ」で異変が勃発。どうにも収まらないようすに拓や平井、風花が根本の原因を突きつめようとがんばる。店主の大ちゃんの悩みが浮き彫りにされ、それとともに拓も自分の将来について思い悩んだりする。平井の夢を知り、風花の夢を知るにつけ、何になりたいかなんてわからないと思う。拓の父の子ども時代の話と心持ち。ホシノの大ちゃんの宙ぶらりんな及び腰。店のおもちゃたちの大ちゃんへの気持ちが明らかになった時には、胸奥を押された。大ちゃんの一歩を踏み出す勇気が美しく映りました。
おおぎやなぎちかさんの人気シリーズ『家守神』(フレーベル館)の第4巻。第1巻から読んでいるが、どの巻も変わらず面白い。第4巻では家守神のひとりで唯一実体がある亀吉さんが中心の話だが、亀吉さんの対の「つくも神」で兄弟のような鶴吉さんや他の「つくも神」達とのやりとりも楽しく話に盛り込まれ、こんな「つくも神」達だったら側にいたら楽しいだろうな、と思わせる。また、第4巻では、これまで何となくぎくしゃくしていた主人公拓と母の再婚相手で義父の「おとうさん」との関係が、一歩踏み込み、本当の親子のようになっていくところも読みどころだ。「おもちゃのホシノ」を舞台に繰り広げられるおもちゃ達の反乱。その理由と最後の結末はまさに読者の共感をよぶに違いない。