一線の湖
砥上裕將
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刊行日 2023/12/11 | 掲載終了日 2023/12/10

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内容紹介
2020年本屋大賞第3位に輝き、コミカライズ・映画化もした『線は、僕を描く』待望の続編! 主人公・青山霜介の新たな成長譚。
墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画を通して、霜介の葛藤と成長を描く、感動必死の青春小説!
小説の向こうに絵が見える! 美しき水墨画の世界を描いた物語
水墨画とは、筆先から生み出される「線」の芸術。
描くのは「命」。
20万部を超えたメフィスト賞受賞作『線は、僕を描く』に続く、水墨画エンターテイメント第2弾!
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主人公・青山霜介が、ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年が経った。
大学3年生になった霜介は水墨画家として成長を遂げる一方、進路に悩んでいた。卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか。
優柔不断な霜介とは対照的に、千瑛は「水墨画界の若き至宝」として活躍を続けていた。千瑛を横目に、次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。
そんな折、体調不良の兄弟子・西濱湖峰に代わり、霜介が小学一年生を相手に水墨画を教えることになる。
子供たちとの出会いを通じて、向き合う自分の過去と未来。そして、師匠・篠田湖山が霜介に託した「あるもの」とは――。
カバーイラスト・・・丹地陽子
水墨画・・・・・・・・・・・砥上裕將
カバーデザイン・・・大岡喜直
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著者/砥上裕將(とがみ・ひろまさ)
1984年生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著書に『7.5グラムの奇跡』がある。
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★★★
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★★
出版情報
ISBN | 9784065336816 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
閲覧オプション
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シリーズ前作の「線は、僕を描く」の続編というので、とても楽しみにして読み進めました。水墨画と向き合う中で、霜介が再び苦悩する姿に、読んでいて心配になる場面も多くありますが、めぐり合わせや、周囲のサポートで、少しずつ自分のすすむ道を見つけてゆく様子が丁寧に書き込まれていました。霜介が、前に進むことをあきらめなくて良かった。水墨画の緻密な描写が印象的でしたが、私の貧弱な想像力では脳内再現が難しく、実際の作品を見てみたいなと思いました。

主人公は重すぎる喪失を経てもなお、
険しい絵師の道を歩み始めた青年。
運命に翻弄される彼が大きな壁にぶつかり、
心まで折れそうになりながら、
あたたかな人々に支えられて
尊い一歩を刻んでいきます。
一門の家族同然のつながりに、
何度も胸を打たれました。
子どもたちとの関わりが、たくさんの
気づきをくれるところも素晴らしかった!
師のおちゃめな遊び心には頬が緩む一方で、
終盤の長いセリフにはこちらまで
気が引き締まる思いでした。
そして、ラストの躍動感も凄い!
舞踏のような華麗さを兼ね備えたあの場面。
こんなシーン描ける人いるんだな~と
陶然と感じ入るしかなかったです。
小説として十分すぎるほどに魅力のある本作。
早くも映像化が楽しみになってきましたよ。
(対象年齢は13歳以上かな?)

青山君、おかえりなさい。私はあなたを待っていました。痛々しいほどに繊細でひたむきなあなたを誰もが応援したくなる。最初の失敗から、私は茫然として読み進めることができませんでした。それでも青山君も頑張っているんだと、青山君を応援したい気持ちから再び読み始めました。彼の成長と周りの温かさに目頭が熱くなります。淡白そうでいて秘めた熱さをもち、何事にも真摯に向き合う青山君が大好きです。私はこの物語を通じて余白の美しさを学びました。書きすぎてはいけない。そう、話しすぎてもいけないし、書かない話さないことで、伝わる真実があるのだと感じました。私はいつまでも青山君のファンであるし、彼の未来を応援し続けます。

まさか続編が出ると思っておらずびっくり。また水墨画の世界に浸れるのは嬉しかったです!
霜介が自分を見つめ直す過程がかなり繊細に描かれていて、グングン読み進めるというよりも、じっくりゆっくり丁寧な読書時間でした。
やっぱり良いのはラストの絵の描写。水墨画に精通していない乏しい想像力でも、十分に美しい景色が目の前に現れました。
砥上さんの水墨画が添えられているであろうと思われるので、ぜひ刊行されたら買いたいです。

素晴らしかったです。
始めは広がった物語の世界に戸惑い読み進めるのが苦しいと感じるところがありました。けれど徐々に優しい光が差して柔らかく穏やかになり、ずっと読んでいたいと思いました。
文章から思い描く水墨画は美しく、自然は雄大で鮮やかでした。
続きが読めてよかった。大切なものをこの物語から手渡されたような気持ちです。
ずっと本棚に置いておきたい物語です。
本当にありがとうございました。

『線は、僕を描く』を読んだとき、あまりにも繊細な心情描写と、墨の匂いまで伝わるような水墨画の世界に引き込まれました。映画も文字からイメージしていた水墨画の世界よりもっと奥深く描かれていてとても好きな作品です。
今作『一線の湖』はその続編です。
大学三年生になった霜介が悩み、ぶつかる壁。許容量を越えた霜介は筆を置けと言われてしまいます。対照的に千瑛は活躍を続けています。
霜介が子供たちとの出会い、自分の過去とようやく向き合います。そしてやっと口にできた「ありがとう」の言葉。さようならという気持ち。霜介の心の動きや、霜介にかけられる言葉が心のひだに触れ何度泣いたか数えきれません。
夢中になってきたことを一度止めるということはとても難しいことです。しかしその休みは無駄ではなく、悩み苦しんだ先には必ず答えがあると信じることが出来ました。大切なのはあえてやらないこと。それが心の余白となり前に進む力を与えてくれるのだと思います。
前作を上回るほどの丁寧で繊細な心情描写と、水墨画の世界が描かれ前作に心動かされた人にぜひ読んでほしいです。
霜介の成長する姿に心動かされ、前に進む勇気をもらえた続編を読むことができたことに感謝しかありません。
ありがとうございました。

「線は、僕を描く」のその後の物語。
あれから2年。高校生~大学1年だった霜介も大学3年に。すでに有名人になっている千瑛の傍らで、心配しかない霜介。
水墨画に向き合い、将来に向き合い、そして過去に向き合う。
今回は、「休息」について考えさせられた。
水墨画も、間や空白の部分があるからこそ美しい。
忙しくて必死で、体も心も悲鳴を上げているのに、休む、ってなかなかできない。霜介の葛藤が共感できた。
師匠の湖山が素敵すぎて惚れ惚れ。
学ぶことも多かった。
霜介や千瑛だけでなく、西濱湖峰や斉藤湖栖のその後、霜介の母のエピソードが読めたのも面白かった。
白と黒だけのはずなのに、画の中には真紅も鮮やかな緑も青もある。読みながら美しい水墨画が頭に浮かんだ。
「線は、僕を描く」の世界にまた出会えて嬉しい✨
ラストは、読みながら、口角は上がってるのに、涙が止まらなかった。最高の読み心地。

水墨画の世界に身を置く、大学3年生になった主人公。
焦り、もがきながら過去に向き合い、進むべき道を見出す物語。
前作である「線は僕を描く」を読み返さなくても楽しめました。
ですが、前作で描いていた絵も話題に上るので、やはり再読してこようと思います!

前作、心に響く作品で、いろいろな人にお勧めした。
続編が出たということで、楽しみに読んだ。
前作で、小説家がこれほどまでに水墨画について詳しいなんてすごい、と思っていたら、著者は水墨画家であることがプロフィールよりわかり、水墨画を描く人が、小説までこんなに面白く書けるなんてすごいな、とやはり思ってしまった。小説と水墨画、似ている部分があるのかもしれない。
主人公・霜介の境遇が重く、水墨画に才能があるようで、それで少しだけ、これから歩む道が明るくなった気がした。
今作では、霜介も大学3年生となり、進路に悩む場面も出てくる。また亡くなった母親の生き方に触れる機会もあり、なんとなくそのままにしてきたことに向き合うことにもなる。
失敗し、それを少しだけ乗り越え、さらに落ち込むような出来事もあり、そこからの再生も試みて、もうダメなのか、このままでも良いのではないかと考えつつ、少しずつ前へ進んでいく主人公の姿に、はらはらしながらも応援せずにはいられなかった。
読みながら、作品の中の文章にハッとさせられるところがいくつもあり、久しぶりに心に沁みるような作品に出合えたと思った。

「線は、僕を描く」の続編とのことで、水墨画と向き合う霜介の苦悩と成長の物語です。
前作を読んでいませんでしたが、充分世界に浸りました!
心の動きが丁寧で繊細に描かれており、霜介に心寄せながら読みました。
挫折した思いを抱きつつも前に進みたい霜介。
会の一門の仲間や、小学校で出会った子供たちや先生方などに見守られ導かれ、素敵な出会いにほっこり。
水墨画は知らないのですが、読みながらイメージがふくらみ、ぜひ映像で見てみたい!と思いました。
前作も読んでみます!
ありがとうございました。

まさか続編が出るとは思わなかったので嬉しいです。生きる道を見つけた青年が、自分を投げだすことなく自分の選んだ道を歩み続けていた。壁にぶつかっても今度は逃げ出したりしない。その強さと脆さと若さをたたえながら、今度はさらに若いパワーと出会う。そのやりとりに思わず目が熱くなる。いい師を、そして道を見つけた。

「線は僕を描く」を初めて読んだ時も水墨画の世界なんて何も知らなかったのに圧倒的な熱量を叩きつけられたかのように読み急ぐように読み進めた。そして青山は特別賞を得てハッピーエンド。という事でまさか続編が出ようとは思いもしていなかった。また彼らの織りなす世界が見れるとは。
今作では青山が挫折するところから物語は始まり前作同様にどちらかというと暗いイメージの彼の様はこちら側にあるんだろうと。幼い子どもたちとの触れ合いや湖山先生の筆から自身の道を見つけた青山。今回もすごい熱量に押し切られた。

続編。
大学生となった僕はかって母が教鞭をとっていた小学校の生徒に水墨画を教えることに。
「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから」
僕は小学生とのふれあいで母の思いを知る。
シリーズ化されること必至。
主人公の成長に胸が熱くなる傑作。

続編は前作が秀逸であるほど読む方のハードルは高くなるものですが、これは間違いなく前作を凌ぐ素晴らしい作品でした。主人公の歩みに寄り添いながら、その成長を見守りながら途中で投げ出さずに最後までじっくりと向き合って読んで欲しい。そしてこのタイトルの意味はラストに辿り着いたもののみぞ知る、です。

『線は、僕を描く』の続編。
親が事故で亡くなった。パーフェクトに立ち直ることができたわけじゃない。簡単に未来に向き合えるわけじゃない。大切な人を失って打ち込めるものを見つけてそれから、の物語。
ビギナーズラック(だったのかもしれない)って怖いな、と思わされつつ頑張っている霜介を見守る気持ちで読みました。
読み終わってみて、水墨画を観に行きたくなりましたし、霜介のさらにこれからも読みたくなりました。

心待ちにしていた「線は、僕を描く」の続編。主人公の成長と葛藤が静謐な筆致の中から醸し出される珠玉の一冊でした。映画化された主人公の横浜流星さんのイメージが強くなってしまったけど、映画化の続編かテレビドラマ化を期待したいです。

『線は、僕を描く』の素晴らしい世界にまた浸れるのかと、楽しみに読み進めました。
今作に出てくる、"器に何を注ぐかが大切である"という言葉を見たとき、思い出したことがあります。
世界的に有名なフルーティストが、あるインタビューで言っていました。
"言うべきことは、フルートの中にはありません。
楽器の中はただの空洞です。
だから私は、自分の人生を思いきり生きて、よく観察して、人生のささやかな瞬間や、細やかなアイディアをたくさん心に蓄えていくことを大切にしています"と。
芸術というものは、生きていく上で絶対に必要というものではないかもしれないけれど、その豊かな世界があることで救われるものがあると感じます。
青山君が、少しずつ、悩みながらも生きていくことに最大の賛辞をおくると共に、今作も素晴らしい水墨画の世界を堪能できたことに感謝します。
発売が楽しみです!

砥上さんの3作目で、デビュー作の『線は、僕を描く』の続篇である。『線は──』は漫画化・映画化もされ、読書メーターでの登録数も1万を超えるほどの人気作だ。その続篇を書くのは、まだキャリアの浅い作家には相当なプレッシャーがかかったのではないかと危惧したが、そんな心配を一蹴する会心の作品だった。
前作の2年後からスタートする物語は、最初から波乱含みだ。霜介は水墨画家として湖山門下に入ったものの鳴かず飛ばず、大学卒業後の進路も決められずにいる。兄弟子たちは足並みが揃わず、社中展での揮毫会で霜介は大きな失敗をしてしまう……。
どうしてこんなにと思うほど霜介は疲れ切っている。彼の生真面目さがその主な理由だが、この後に起きる様々な出来事が彼を少しずつ成長させていく。未だ墓参りにも行けていなかった両親への思慕にも折り合いをつける。この喪失からの再生が前作以上に強く胸を打つ。
そして水墨画の描写が素晴らしい。ただ技法や表現を描写するのではなく、その奥になにが込められているのかにまで踏み込んで書かれている。作家の精神性をここまで赤裸々に描いた作品には出会ったことがない(多分)。ご自身が水墨画家でもあることの利点を最大限活かしきったゆえだろう。
なおかつ、3作目とは思えないほど文章がうまい。1作目でもその力量に唸ったが、長足の進歩を遂げていると思った。←失礼な書き方かもしれません。お許しください。
前作を読んだ方はもちろん、未読の方にもぜひ読んでいただきたい傑作である。