一線の湖

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刊行日 2023/12/11 | 掲載終了日 2023/12/10

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内容紹介

2020年本屋大賞第3位に輝き、コミカライズ・映画化もした『線は、僕を描く』待望の続編! 主人公・青山霜介の新たな成長譚。
墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画を通して、霜介の葛藤と成長を描く、感動必至の青春小説!

小説の向こうに絵が見える! 美しき水墨画の世界を描いた物語

水墨画とは、筆先から生み出される「線」の芸術。

描くのは「命」。

20万部を超えたメフィスト賞受賞作『線は、僕を描く』に続く、水墨画エンターテイメント第2弾!

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主人公・青山霜介が、ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年が経った。
大学3年生になった霜介は水墨画家として成長を遂げる一方、進路に悩んでいた。卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか。

優柔不断な霜介とは対照的に、千瑛は「水墨画界の若き至宝」として活躍を続けていた。千瑛を横目に、次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。
そんな折、体調不良の兄弟子・西濱湖峰に代わり、霜介が小学一年生を相手に水墨画を教えることになる。

子供たちとの出会いを通じて、向き合う自分の過去と未来。そして、師匠・篠田湖山が霜介に託した「あるもの」とは――。

カバーイラスト・・・丹地陽子

水墨画・・・・・・・・・・・砥上裕將

カバーデザイン・・・大岡喜直

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著者/砥上裕將(とがみ・ひろまさ)
1984年生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著書に『7.5グラムの奇跡』がある。

2020年本屋大賞第3位に輝き、コミカライズ・映画化もした『線は、僕を描く』待望の続編! 主人公・青山霜介の新たな成長譚。
墨一色に無限の色彩を映し出す水墨画を通して、霜介の葛藤と成長を描く、感動必至の青春小説!

小説の向こうに絵が見える! 美しき水墨画の世界を描いた物語

水墨画とは、筆先から生み出される「線」の芸術。

描くのは「命」。

20万部を超えたメフィスト賞受賞作『線は、僕を描く』に続く...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
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販促プラン


読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューをご投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★
作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 出版営業局>まで直接お問合せをお願いいたします。       

★★


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出版情報

ISBN 9784065336816
本体価格 ¥1,800 (JPY)

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シリーズ前作の「線は、僕を描く」の続編というので、とても楽しみにして読み進めました。水墨画と向き合う中で、霜介が再び苦悩する姿に、読んでいて心配になる場面も多くありますが、めぐり合わせや、周囲のサポートで、少しずつ自分のすすむ道を見つけてゆく様子が丁寧に書き込まれていました。霜介が、前に進むことをあきらめなくて良かった。水墨画の緻密な描写が印象的でしたが、私の貧弱な想像力では脳内再現が難しく、実際の作品を見てみたいなと思いました。

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主人公は重すぎる喪失を経てもなお、
険しい絵師の道を歩み始めた青年。

運命に翻弄される彼が大きな壁にぶつかり、
心まで折れそうになりながら、
あたたかな人々に支えられて
尊い一歩を刻んでいきます。

一門の家族同然のつながりに、
何度も胸を打たれました。

子どもたちとの関わりが、たくさんの
気づきをくれるところも素晴らしかった!

師のおちゃめな遊び心には頬が緩む一方で、
終盤の長いセリフにはこちらまで
気が引き締まる思いでした。

そして、ラストの躍動感も凄い!

舞踏のような華麗さを兼ね備えたあの場面。
こんなシーン描ける人いるんだな~と
陶然と感じ入るしかなかったです。

小説として十分すぎるほどに魅力のある本作。
早くも映像化が楽しみになってきましたよ。

(対象年齢は13歳以上かな?)

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青山君、おかえりなさい。私はあなたを待っていました。痛々しいほどに繊細でひたむきなあなたを誰もが応援したくなる。最初の失敗から、私は茫然として読み進めることができませんでした。それでも青山君も頑張っているんだと、青山君を応援したい気持ちから再び読み始めました。彼の成長と周りの温かさに目頭が熱くなります。淡白そうでいて秘めた熱さをもち、何事にも真摯に向き合う青山君が大好きです。私はこの物語を通じて余白の美しさを学びました。書きすぎてはいけない。そう、話しすぎてもいけないし、書かない話さないことで、伝わる真実があるのだと感じました。私はいつまでも青山君のファンであるし、彼の未来を応援し続けます。

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まさか続編が出ると思っておらずびっくり。また水墨画の世界に浸れるのは嬉しかったです!
霜介が自分を見つめ直す過程がかなり繊細に描かれていて、グングン読み進めるというよりも、じっくりゆっくり丁寧な読書時間でした。
やっぱり良いのはラストの絵の描写。水墨画に精通していない乏しい想像力でも、十分に美しい景色が目の前に現れました。
砥上さんの水墨画が添えられているであろうと思われるので、ぜひ刊行されたら買いたいです。

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素晴らしかったです。
始めは広がった物語の世界に戸惑い読み進めるのが苦しいと感じるところがありました。けれど徐々に優しい光が差して柔らかく穏やかになり、ずっと読んでいたいと思いました。
文章から思い描く水墨画は美しく、自然は雄大で鮮やかでした。

続きが読めてよかった。大切なものをこの物語から手渡されたような気持ちです。
ずっと本棚に置いておきたい物語です。

本当にありがとうございました。

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『線は、僕を描く』を読んだとき、あまりにも繊細な心情描写と、墨の匂いまで伝わるような水墨画の世界に引き込まれました。映画も文字からイメージしていた水墨画の世界よりもっと奥深く描かれていてとても好きな作品です。

今作『一線の湖』はその続編です。
大学三年生になった霜介が悩み、ぶつかる壁。許容量を越えた霜介は筆を置けと言われてしまいます。対照的に千瑛は活躍を続けています。
霜介が子供たちとの出会い、自分の過去とようやく向き合います。そしてやっと口にできた「ありがとう」の言葉。さようならという気持ち。霜介の心の動きや、霜介にかけられる言葉が心のひだに触れ何度泣いたか数えきれません。
夢中になってきたことを一度止めるということはとても難しいことです。しかしその休みは無駄ではなく、悩み苦しんだ先には必ず答えがあると信じることが出来ました。大切なのはあえてやらないこと。それが心の余白となり前に進む力を与えてくれるのだと思います。

前作を上回るほどの丁寧で繊細な心情描写と、水墨画の世界が描かれ前作に心動かされた人にぜひ読んでほしいです。
霜介の成長する姿に心動かされ、前に進む勇気をもらえた続編を読むことができたことに感謝しかありません。

ありがとうございました。

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「線は、僕を描く」のその後の物語。
⁡あれから2年。高校生~大学1年だった霜介も大学3年に。すでに有名人になっている千瑛の傍らで、心配しかない霜介。

水墨画に向き合い、将来に向き合い、そして過去に向き合う。

今回は、「休息」について考えさせられた。
水墨画も、間や空白の部分があるからこそ美しい。
忙しくて必死で、体も心も悲鳴を上げているのに、休む、ってなかなかできない。霜介の葛藤が共感できた。

師匠の湖山が素敵すぎて惚れ惚れ。
学ぶことも多かった。

霜介や千瑛だけでなく、西濱湖峰や斉藤湖栖のその後、霜介の母のエピソードが読めたのも面白かった。

白と黒だけのはずなのに、画の中には真紅も鮮やかな緑も青もある。読みながら美しい水墨画が頭に浮かんだ。


「線は、僕を描く」の世界にまた出会えて嬉しい✨
ラストは、読みながら、口角は上がってるのに、涙が止まらなかった。最高の読み心地。

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水墨画の世界に身を置く、大学3年生になった主人公。
焦り、もがきながら過去に向き合い、進むべき道を見出す物語。
前作である「線は僕を描く」を読み返さなくても楽しめました。
ですが、前作で描いていた絵も話題に上るので、やはり再読してこようと思います!

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前作、心に響く作品で、いろいろな人にお勧めした。
続編が出たということで、楽しみに読んだ。

前作で、小説家がこれほどまでに水墨画について詳しいなんてすごい、と思っていたら、著者は水墨画家であることがプロフィールよりわかり、水墨画を描く人が、小説までこんなに面白く書けるなんてすごいな、とやはり思ってしまった。小説と水墨画、似ている部分があるのかもしれない。
主人公・霜介の境遇が重く、水墨画に才能があるようで、それで少しだけ、これから歩む道が明るくなった気がした。
今作では、霜介も大学3年生となり、進路に悩む場面も出てくる。また亡くなった母親の生き方に触れる機会もあり、なんとなくそのままにしてきたことに向き合うことにもなる。

失敗し、それを少しだけ乗り越え、さらに落ち込むような出来事もあり、そこからの再生も試みて、もうダメなのか、このままでも良いのではないかと考えつつ、少しずつ前へ進んでいく主人公の姿に、はらはらしながらも応援せずにはいられなかった。

読みながら、作品の中の文章にハッとさせられるところがいくつもあり、久しぶりに心に沁みるような作品に出合えたと思った。

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「線は、僕を描く」の続編とのことで、水墨画と向き合う霜介の苦悩と成長の物語です。
前作を読んでいませんでしたが、充分世界に浸りました!
心の動きが丁寧で繊細に描かれており、霜介に心寄せながら読みました。
挫折した思いを抱きつつも前に進みたい霜介。
会の一門の仲間や、小学校で出会った子供たちや先生方などに見守られ導かれ、素敵な出会いにほっこり。
水墨画は知らないのですが、読みながらイメージがふくらみ、ぜひ映像で見てみたい!と思いました。
前作も読んでみます!
ありがとうございました。

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まさか続編が出るとは思わなかったので嬉しいです。生きる道を見つけた青年が、自分を投げだすことなく自分の選んだ道を歩み続けていた。壁にぶつかっても今度は逃げ出したりしない。その強さと脆さと若さをたたえながら、今度はさらに若いパワーと出会う。そのやりとりに思わず目が熱くなる。いい師を、そして道を見つけた。

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「線は僕を描く」を初めて読んだ時も水墨画の世界なんて何も知らなかったのに圧倒的な熱量を叩きつけられたかのように読み急ぐように読み進めた。そして青山は特別賞を得てハッピーエンド。という事でまさか続編が出ようとは思いもしていなかった。また彼らの織りなす世界が見れるとは。

今作では青山が挫折するところから物語は始まり前作同様にどちらかというと暗いイメージの彼の様はこちら側にあるんだろうと。幼い子どもたちとの触れ合いや湖山先生の筆から自身の道を見つけた青山。今回もすごい熱量に押し切られた。

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続編。

大学生となった僕はかって母が教鞭をとっていた小学校の生徒に水墨画を教えることに。
「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから」
僕は小学生とのふれあいで母の思いを知る。

シリーズ化されること必至。
主人公の成長に胸が熱くなる傑作。

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続編は前作が秀逸であるほど読む方のハードルは高くなるものですが、これは間違いなく前作を凌ぐ素晴らしい作品でした。主人公の歩みに寄り添いながら、その成長を見守りながら途中で投げ出さずに最後までじっくりと向き合って読んで欲しい。そしてこのタイトルの意味はラストに辿り着いたもののみぞ知る、です。

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『線は、僕を描く』の続編。

親が事故で亡くなった。パーフェクトに立ち直ることができたわけじゃない。簡単に未来に向き合えるわけじゃない。大切な人を失って打ち込めるものを見つけてそれから、の物語。

ビギナーズラック(だったのかもしれない)って怖いな、と思わされつつ頑張っている霜介を見守る気持ちで読みました。

読み終わってみて、水墨画を観に行きたくなりましたし、霜介のさらにこれからも読みたくなりました。

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心待ちにしていた「線は、僕を描く」の続編。主人公の成長と葛藤が静謐な筆致の中から醸し出される珠玉の一冊でした。映画化された主人公の横浜流星さんのイメージが強くなってしまったけど、映画化の続編かテレビドラマ化を期待したいです。

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『線は、僕を描く』の素晴らしい世界にまた浸れるのかと、楽しみに読み進めました。

今作に出てくる、"器に何を注ぐかが大切である"という言葉を見たとき、思い出したことがあります。

世界的に有名なフルーティストが、あるインタビューで言っていました。
"言うべきことは、フルートの中にはありません。
楽器の中はただの空洞です。
だから私は、自分の人生を思いきり生きて、よく観察して、人生のささやかな瞬間や、細やかなアイディアをたくさん心に蓄えていくことを大切にしています"と。

芸術というものは、生きていく上で絶対に必要というものではないかもしれないけれど、その豊かな世界があることで救われるものがあると感じます。

青山君が、少しずつ、悩みながらも生きていくことに最大の賛辞をおくると共に、今作も素晴らしい水墨画の世界を堪能できたことに感謝します。

発売が楽しみです!

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砥上さんの3作目で、デビュー作の『線は、僕を描く』の続篇である。『線は──』は漫画化・映画化もされ、読書メーターでの登録数も1万を超えるほどの人気作だ。その続篇を書くのは、まだキャリアの浅い作家には相当なプレッシャーがかかったのではないかと危惧したが、そんな心配を一蹴する会心の作品だった。
前作の2年後からスタートする物語は、最初から波乱含みだ。霜介は水墨画家として湖山門下に入ったものの鳴かず飛ばず、大学卒業後の進路も決められずにいる。兄弟子たちは足並みが揃わず、社中展での揮毫会で霜介は大きな失敗をしてしまう……。
どうしてこんなにと思うほど霜介は疲れ切っている。彼の生真面目さがその主な理由だが、この後に起きる様々な出来事が彼を少しずつ成長させていく。未だ墓参りにも行けていなかった両親への思慕にも折り合いをつける。この喪失からの再生が前作以上に強く胸を打つ。
そして水墨画の描写が素晴らしい。ただ技法や表現を描写するのではなく、その奥になにが込められているのかにまで踏み込んで書かれている。作家の精神性をここまで赤裸々に描いた作品には出会ったことがない(多分)。ご自身が水墨画家でもあることの利点を最大限活かしきったゆえだろう。
なおかつ、3作目とは思えないほど文章がうまい。1作目でもその力量に唸ったが、長足の進歩を遂げていると思った。←失礼な書き方かもしれません。お許しください。
前作を読んだ方はもちろん、未読の方にもぜひ読んでいただきたい傑作である。

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実は前作を読んでおらず
最初は人間関係をちゃんと理解するのに、少し時間がかかりましたが
それでも充分楽しめました。

厳しい境遇に置かれながらも、前に向かって歩きだした主人公の
挫折と、成長、そして再生の物語。
墨絵の美しい描写とともに描かれています。

主人公の心の重さに引きずられ、すいすいとは読み進められないかわり
じっくり、味わって読みました。
友人関係、そして師や仲間たちとの関係がとてもあたたかく感じられ
もっと彼らのことが知りたくなって、前作を今、読み始めています。

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前作も読んでいたので楽しみにしていました!青山くんの成長がみれてとても良かったです。
筆使いや絵の描き方など詳しく書いてありましたが水墨画を全く知らないのでどんな感じか想像できませんでした。青山くんの影響でみんなが変わっていく様子がわかって、最後もとても感動的でした。

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筆が運ばれる音と墨の香りだけが漂う、研ぎ澄まされたような静寂の中にいて、途端に、黒白の世界に色が浮かび上がる、命が宿る、質感、気温、風…全てが呼吸を始める。
なんという見事な描写なんだ。
思いっ切り水墨画の世界を堪能した。

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一作目がとても新鮮な感覚だったので続編は嬉しい!
本を読んで涙することはあるけれど、久々に途中から大変なことに。
前作よりも登場人物一人一人が、より深く魅力的に描かれていますが、中でもやはり霜介の成長は素晴らしい。
なんとなく過去を乗り越えたかに見えていたけれど、そんな簡単なことではないですよね。
前に進んだからこそ見えてくる景色で人は変わっていくのかなぁ。
水墨画の素晴らしさや、継承する事の難しさも考えさせられました。

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続編ということでとても楽しみにしていました。水墨画はまったくわからないのですが、自分が想像している水墨画の柔らかさと力強さと、空間美が文章からも感じられてとても終始穏やかな読み心地。描いているシーンでは、勝手にこんな絵なのかな?というものを想像し、墨の香りが漂う気がしました。物静かな青山君による水墨画や自分と向き合う様子、応援してくれる自称友人、小学1年生のエネルギー、前より仙人風になっているような湖山先生や西濱さんたちの優しい空気感に包まれて、青山君になった気持ちで、前作以上に一緒に心動かされ、うるっとしてしまいました。そうなるだろうな、と思っていた進路にすすむ青山君を応援しつつ優しく読み終えました。

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青山くんは、ケガをして筆を持てなくなり、そこで考える時間ができたことがよかったのでしょうね。

 そして、小学生たちの素直な描き方にも衝撃を受けました。

 青山くんは、「線は、僕を描く」の時の気持ちを忘れていたのかもしれません。それを思い出させてくれたのは、やっぱり湖山先生でしたね。

 彼がこれからどんな未来を生きていくのか、それがとても楽しみです。

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前作ですごいことを成し遂げ、大きな一歩を踏み出した青山君。そのまま進んでいくのだろうと思っていたのに、進路に迷い、先生からは思いがけないことを言われてしまう。
一度の成功や失敗でその後の人生が変わってしまうことがある。それでもそのたった「一度のこと」で全てが決まるわけではない。
「がんばれがんばれ青山君!(だけどこれ以上無理をしないで)」とエールを送りながら読んだ。
人との出会い、巡り合わせに涙があふれた。

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青年期の自身への葛藤、進むべき道への迷い、友人への尊敬と羨望。
そんな、戸惑い悩む心の機微が、丁寧に繊細に描かれていて、
私の心にもじんわりと伝わってくるようでした。
ある事件をきっかけに、自身と向き合い、傷つきながらも、
一歩一歩進んでいく青山君の姿に、胸がじんと熱くなります。
限りなく透明で美しい水のような、心の機微に、
全身が潤いました。
これからもずっと、この気持ちを胸に大切に留めておきたいです。
読み終えた後、
体と心が重なり合い描かれた、白と黒の唯一無二の世界に包まれました。

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『線は、僕を描く』の続編と聞いて、楽しみに読んだ。
水墨画を描く過程や、山の中で青山くんが感じる自然の美しさは、文章だけでも感動させられるが、実際の水墨画を見てみたいと思った。

先代から自分の代に受け渡されるもの、次の世代である子どもたちから伝わってくるもの。世代を超えて、線は続いていくという本書の大きなテーマと、ラストの湖山先生の言葉に胸が熱くなる。
挫折と鬱屈と気づきと希望、人生の妙をぎゅっと凝縮したような、分厚くて濃い、読み応えのある一冊だった。

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こみあげる涙をすくい取りながら、そっと最後のページを閉じた。この物語と出会えた歓びに、ただ胸がいっぱいになる。

何かに失敗したとしても、人生は決してそこで終わってはくれない。さまざまな人と出会い、自分自身と向き合うことで、伸びていく道もあるのだと信じさせられた。

欠落を抱えた若き青年が、水墨画と出会いやがて人生が花開く『線は、僕を描く』の続編にして最高傑作。滑らかな筆の動きと、浮かび上がる躍動感には思わずハッと息を呑む。

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物凄く良かった!これは間違いなく前作を超えている。終始静謐な表現で、研ぎ澄まされた水墨画の世界と主人公・霜介の繊細な内面が丁寧に描かれ、彼の心の機微がまるで自分事のように伝わってきた。また描かれる水墨画のひと筆ひと筆の表現が詳細で、息を呑むような緊張感や伸びやかに爆発する力強さ、その情景・作品の全てがありありとイメージできることも特筆すべき点だと思う。揮毫会での失敗から、再び思い悩む霜介が、周りの支えにより新しい経験をしたり、心を休ませたりしながら、ゆっくりと気づき再生していく様子に心震え泣けた。

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水墨画を描くことに生き甲斐を感じた主人公の青山霜介は、立ちはだかる数々の壁に阻まれ、悩みを抱えながら挑戦を続ける。主人公を取り巻く人々の厳しいながらも温かい心の表現が素晴らしいですね。
紙の上で動く筆の描写と心の動きの描写が見事で、水墨画の奥深さも改めて認識しました。感動をともなう素晴らしい作品です。

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続編ありがとうございます。
「煙の形を決めるのは風」
「自分で何かをやってみないと失敗かも分からない。」
素敵な言葉が散りばめられ、主人公と一緒に暗いトンネルからようやく抜けられた気がします。
「良いところは欠点の中に隠れている」この言葉だけで、青山さんのお母さんがどんな先生だったかが分かる。
ちょうど自分自身も伝統か変革か悩んでいたので「どんなに素晴らしいものでも、なんの役にも立たないものを押し付けるのは伝統ではない」みたいな言葉が一番心に残りました。

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小説を読むときは、頭の中に文字が入ってくるのだからいっぱいになってガヤガヤとうるさくなる。詰め込まれることが気持ちよく楽しいときもあれば、疲れていてしんどく感じるときもある。そんなときにこの『一線の湖』を読むと、驚くはずだ。頭ではなく心に文字が入ってきて、心が凪いで洗われていくことに。『線は、僕を描く』のシリーズの2作目としても、1冊の小説としても、文句のつけようがなく素晴らしかった。毎章涙をこらえて、最後にようやく涙を流せた。それは霜介が受け取った言葉のように温かな涙だった。いつか彼が夢を叶えた姿を見られることを願っている。

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前作『線は、僕を描く』を上回る力作。主人公霜介の挫折。それを乗り越えていく成長物語に感動。私たちは、自然の中に自然と共に生きていること、自分の心を聞くことを改めて感じる。描かれている絵が目に浮かぶ。改めて知る水墨画の奥深さ。しばらくの間、心は、自然の中にあった。

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『線は僕を描く』の続編。描く喜びを知った前作だったけど、今回は描く苦しみを知る回かな。
順調に活動している千瑛と比べて冴えない日々の青山くん。
行き詰まり感のある中、出会った小学生たちが素敵だったな。青山くんの辛い過去の話もよくわかったし、
その上でお母さんとのつながりもみえてきて。前作のシンとした感じもよかったけど、今回の動に向かっている感じもよかった。奥深い水墨画の世界にちょっと触れられた気がします。

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前作を読まずに、今回この作品を読みましたが、とても好きなお話でした。

静謐で、寂しく、でも温かい。
淡々と抑えられた語り口ですが、とても心を動かされました。
子どもたちが生き生きと絵を描く場面では、子どもたちのエネルギーが伝わってきました。

前作も読んで、水墨画も見に行きたいです。

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青山君の心の瑞々しさが文章の節々から滲み出て伝わってくる。
『線は、僕を描く』からの青山君の心の動き。
まさに、水墨画のように濃淡を描き映し出されていく。
ラストまで読んだ後に来る、タイトルの意味……深い!!
斉藤さん!!
登場にめちゃくちゃテンション上がりました!
やっぱりそうだよね、湖山会には斉藤さんもいないと!

ラストの揮毫会、躍動感、最高でした!!
それぞれ各々、自分のすべき事を全うする。
その姿から目が離せない!

「できることが目的じゃない、やってみることが目的なんだ」
青山君の成長に思わず涙です……。
将来が見えて来た青山君の、落ち着きと成長が素晴らしい!

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水墨画界の若き至宝として活躍する千瑛に対し、抜擢された機会でも失敗して、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。そんな行き詰まる状況から、兄弟子に代わり教えることになった小学生相手の水墨画で繋がる思わぬ縁があって、師匠・篠田湖山が霜介に託されたものもあって、様々な人に出会って新鮮な喜びに触れたり、時には戸惑いを覚えながらも、その関わりの中で研ぎ澄まされてゆく感覚に向き合いながら、本当に大切なことを見出してゆく彼の真摯な思いには心揺さぶられるものがありました。

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前作に泣かされ、続編が出ると知って楽しみにしていました。今作で霜介は何度も壁にぶつかり、そのたびに自分の殻をも少しずつ破っていきます。
「絵にもかけない美しさ」を描いた絵を感じさせる描写も素晴らしい。水墨画という芸術を通じて、人が人に伝えること、教えること、学ぶことについて深く考えさせられる作品でした。

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あの青山君のその後が読める・・と読む前から胸が高鳴った。
水墨画に導かれるように進み、暗い淵からゆっくりはい上がってくるような日々は、
ここでも続いていた。
それでも、人と触れ合い水墨画に打ち込んでいる青山君の世界がほんのりと明るくなっていて、
ホッと安堵した。
それなのに、足をかけた階段はまだくずれてしまう。
息が苦しくなるような時間が本の中に流れていて、もういいよ、と肩をたたきたいような
気持ちになった。
だからこそ、最後に描かれる絵に救われるのだ。

文字でしか描かれていない絵が、見えるような気がするのが、本当に不思議だった。

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線は僕を描くの続編。水墨画のおもしろさを教えてくれた前作もとても好きだったけれど、続編も想像を上回る素晴らしさでとても好きでした。
湖山会の人々や水墨画を教えた小学生、霜介の母親の同僚たちとの出会い、水墨画をはじめてからの数々の出会いが霜介をこんなにも成長させてくれて、立ち直るきっかけを与えてくれたのだとあらためて実感しました。ラストの場面がとても素晴らしく、続編もぜひ映画で観たいなと思いました。

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賞をとり、水墨画の道を歩き始めた霜介。
だが描くことの壁にぶち当たってしまう。
筆を置けと言われながらものは進もうとするが、ついに限界が来てしまう。
迷う霜介が最後に選んだのは、水墨画ではなかった。
迷いながらも前に進む霜介の姿を見てみたい。
続編を期待する。

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ただただ美しい。その一言に尽きます。あまり馴染みのない水墨画の世界ですが、水墨画の美しさを感じました。
砥上さんの書く優しく儚い雰囲気の物語が大好きなのですが、その中に水墨画を描いているときの躍動感や、墨の匂いが香ってくるような臨場感も感じ、どんどん惹きつけられ一気読みしました。
私の拙い知識では想像し難い表現も多かったですが、とても楽しめました。水墨画をもっと知りたくなる、そんなお話です。

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タイトルと内容紹介に興味を抱いてこの作品にリクエストをしました。
水墨画というのは私にとっては全く未知の世界で、それが大学生の青年にどう関わるのかというい点に惹かれたのです。
青山霜介という、一見どこにでもいそうな平凡な大学生が、その彼の視点で私を水墨画の世界に誘ってくれました。ある意味、期待通りなのですが、この物語はそれだけでは終わりません。ページを捲るごとに、私はこの主人公のいる世界にどんどん引っ張られていったのですが、同時に、他の登場人物、霜介の師である湖山先生の興味深い言動や、先生の弟子たちもみな個性的であることに惹かれました。(失礼ながら、湖山先生は頭の中で勝手に仙人姿で登場させています。)
前作を読んでいない私でも、読み進めるうちに霜介にどういうことがあったのかが分かってきますし、彼を取り巻く登場人物達のこともわかって来るので、全く疎外感はありません。
水墨画を描くということを中心に、霜介の悩み、焦燥感、不安や戸惑いなどが五月雨のように続き、この先どうなっていくのか、途中からはページを捲る手が止まらなくなりました。
最初の揮毫会での場面や小学生に水墨画を教える場面、千瑛と対峙する場面など、霜介の思いが自然に、そしてとても丁寧に描かれていて、いつの間にか彼と思いを共有し、彼を慰めてあげたくなったほどです。ただ、最終的には霜介を取り巻く人物たちはいずれも良い人ばかりなので、彼は幸運すぎるよなぁ、とも思いますが。
「静謐」という言葉が相応しいと思うほど静かに物語は流れていき、そして最後の山場を迎えます。
私は湖山先生の「森羅万象は宇宙である。心に宇宙はないのか」という言葉に心打たれました。
霜介は新たな一歩を踏み出す。彼の未来を予測させる清々しい終わり方に私はとても安堵しました。

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水墨画の世界を描いた
『線は、僕を描く』の続編!
続編のこちらもすごく良かった。
大学3年生になった青山霜介。
将来どうしたいのか、まだ迷っており、
そんな中でも、湖山会の一員として
忙しい日々に振り回されている。

失敗、挫折、出会い、事故、そして真理ー
霜介の心の成長を読者として、
一緒に味わう事が出来ます。
特に、ずっとこだわり続け、逃げ続けてきた
両親との突然の別れを受け入れていくシーン。
そのきっかけとなる出会いと目覚めには、
涙が止まりませんでした。
また、挫折から立ち直るきっかけとなる
ある場所が登場するのですが、
その場所の描写がまた素晴らしい。
前作でも感じましたが、
文字から絵が浮かび上がってくる。
清々しいラストに、
拍手喝采を送りたい気持ちになりました。

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「線は、僕を描く」の続編。順調に腕を上げていた青山くんが壁にぶつかる。苦しみもがき、そしてその先の答え。とても読み応えがありました。前作同様、一筆一筆の描写がとても美しく、文字を読んでいるのに絵が見えるかのようでした。青山くんの仕上げた作品と最後の揮毫会の作品を見てみたいです!

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主人公の「僕」が前へすすみながら、時にはあとずさりしながら、かかわってきた周りのことを苦しさの中でも「自分」の目で見て「自分」で感じて、「自分」にしていく姿。そして見守る周りの人たちのやさしさやあたたかさに、心を打たれる作品です。前作を読んでいませんでしたがこの機会に是非読みたいと思いました。

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映画化もされた「線は、僕を描く」の続編が遂に誕生!

著者である砥上裕將さん自身が水墨画家なので、水墨画への愛情や苦悩がリアルに描かれています。

前作である「線は、僕を描く」がすごく良作だったので、私はこちらも期待して読み始めました。
しかし、本作はそんな私の期待を遥かに上回ってくれました。

私が一番印象に残っているのは、主人公である青山霜介が小学生に水墨画を教えるシーンです。

教えることで教えられる。
与えることで与えられる。

私は改めてそう感じました。

また本作でも湖山先生の名言がグサグサと心に突き刺さります。
静かで落ち着いた言葉がどうしてこんなにも読者に影響を与え心を動かすことができるのか。
私は水墨画の描写と同じく、人物描写までも巧みに描ききる著者の器用さを感じました。

とてもオススメの作品なので是非一度読んでみてください!

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前作から2年、新たな壁にぶつかった霜介の成長の物語。読みながら胸が痛くなりました。暖かく見守り続けてくれる周りの人達がすごく愛おしいですね。小学生との交流の場面が1番好きでした。歩きたい道を見つけた蒼介のこれからも、是非読みたいと思いました。

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砥上さんの作品、大好きで、この作品も、水墨画の繊細で細やかな技法が伝わってきました❗

線は僕を描くは、絶望から前向きになって賞をとるまでの姿。
この、一線の湖は、賞をとってから、壁があり、事故があり、子どもたちと両親の想いにふれて、進む姿。

目の前で、水墨画が描かれているような躍動感。
本当に素晴らしい作品の一言✨
水墨画、本物を見てみたいです。

ありがとうございました‼️

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前作から2年。水墨画家として成長を続けていた彼だが、揮毫会ではうまくいかず、進路にも悩み、と進み始めた先はまた別の苦悩の連続だった。苦悩する彼の様は読んでいるだけでも辛いが、小学生に教える機会を得たことで子供達とふれ合い、湖山一門のメンバーにも助けられ、彼はまた一歩踏み出していく。今回も薄墨から濃墨にグラデーションに広がる墨の様子が現れ、モノクロのはずなのに色や動きさえ見えるような素晴らしい絵が画仙紙の中に踊るのが見える。霜介が子供達と最終日に描いた作品、そして最後に揮毫会で作り上げた一門の作品の美しさには涙がこぼれそうだった。今回の心理描写も抜群。何もかも放り出してラストまで一気読みの一冊だった。

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シリーズ前作の「線は、僕を描く」で、続編が楽しみと書いたのが2019年。待ちわびました。読み始めは、前作との繋がりを探るようにゆっくりと、段々とスピードアップで、今回も一気読みでした。

悩める青年、霜介は大事なイベントの揮毫会で大失敗。
新しい表現、将来の進路と悩みが尽きない霜介に師匠の湖山は暫く筆を置けと命じる。

千瑛からの電話で駆けつけたTV番組の揮毫会
霜介の筆は壊れてしまい、湖山から使い込まれてボロボロになった筆を預けられる
兄弟子湖峰から頼まれた轟清水小学校での水墨画授業。その最後の授業の揮毫会
霜介の進路が見えてくる
ネットにアップされた小学校の揮毫会を受けて企画された大学学園祭での揮毫会
直前のアクシデントで霜介は右手に感覚を失う
師匠湖山引退式での揮毫会
「私たちは過去を守ってきたけれど、君は未来を描いていくんだな」

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『線は、僕を描く』続編。大学3年生になった霜介、水墨画家となるのか、自身の未来に悩む。
揮毫会での失敗からの挫折、苦しい日々の様子にこちらまで心が締め付けられそうになる。
水墨画の世界、裏の運営の部分など知らないことも多く、興味深かったです。
ふとしたきっかけで子供たちに水墨画を教えることになり、心を和らげていく様子がとても良かったです。
彼が最後に選んだもの、少し残念な気もしますが、とても彼らしい選択だったと感じました。

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線は僕を描くの続編。
再び悩める青山くん、子供たちとの出会いや自然とふれあいを通して成長していく姿に好感が持てる。
前作同様、水墨画の静謐な描写が味わい深い。
砥上さんの別の作品も読んでみたい。

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続編が出るとは思ってなかったので、楽しみに読み始めたのですが、出だして霜介のまさかの失敗から始まり、ハラハラせずにはいられませんでした。霜介の選んだ未来は私が想像したものとは異なり、ちょっと残念な気持ちもなくはないのですが、爽やかな読後感が残りました。
また、前作同様、水墨画の静かな美しさが丁寧に描かれていて、水墨画を見たくなります。

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『線は、僕を描く』続編。前作から2年が経ち、主人公・霜介は大学3年生に。進路に悩み、絵師としても岐路に立たされていた。体も心も疲れ果て、師匠からはしばらく筆を置くように言われる。とにかく読んでいて霜介が辛そうでこちらも苦しくなってくる。あまりに辛くて読むのを止めようかと思う程だ。それでも一歩一歩前へ進もうとする霜介を応援せずにはいられないし、最後を見届けずにはいられない。ボロボロの中で出会う素直で正直な感性がとても眩しい。最後の揮毫会の場面は力強く、美しく、涙無しでは読めない。続編も素晴らしい作品。

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『線は、僕を描く』続編。大学3年生になりこのまま水墨の世界に進むか悩む青山君。色々あるとは思いますがかなり拗らせていてイライラしてしまった。子供の純粋さには敵わないなぁ。水墨画の描写は相変わらずとても良かったです。

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「線は、僕を描く」の2年後、霜介の葛藤と成長を描いた続編。今作では兄弟子の代わりに小学一年生を相手に水墨画を教えることになった将来について悩める霜介が、子供たちとの出会いを通じて向き合う自分の過去と未来が描かれていた。なんとも不思議な縁でその学校に導かれたのだろう。水墨画という自分のやりたいことを見つけてもなお、終始どこか不安げだった霜介が、子供たちとの交流や水墨画に向き合う人たちの生き様や考え方に触れるうちに、だんだん変わっていく姿が瑞々しく描かれていて、親心的な安堵感感じながら読了。あまり小説が実写化すれば良いのにと思わないタイプだが、水墨画家によって水墨画が繊細かつダイナミックに描かれているこのシリーズを読むと、水墨画が想像がつかな過ぎて映像で見たいなという気持ちになる。

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僕は線を描く、の続編。
手元にはありますが実はまだ読めていません。
続編からでも全然大丈夫だと思います。
発表会の場で失敗してしまった青山くん。賞を取って注目を浴びていただけに周りの反応は散々たるものでした。
そこから再度自分を見つめ直し水墨画と関わっていく成長物語。
水墨画に使われる色はモノクロのはずなのにどうして色彩を感じてしまうのでしょうか。
湖に水が波紋していって波打つような静かな描写から渦を巻く海波のような、風により花びらが舞うようなダイナミックな描写もあり、絵の中に迷い込んだ感覚を覚えました。
なんでもそうですけれど、余白って本当に大事だと思います。
主人公の青山くんだけでなく湖山先生のお孫さんの成長も見ものでした。
どういうわけか気が付くと涙が出ていました。
年末に大切にしたいと思える作品に出会えて良かったです。

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『線は、僕を描く』の続編を、主人公の青山君の成長を楽しみに待ちわびていたところ、ついに書いていただきまずは御礼申し上げます。しかも結末は意外なところに。青山君がどこかで壁にぶち当たることは予想はしていたのですが、こんなところに告白の種があったなんて、まるで書く前からここまで仕込んでたのかと唸らされるような作品です。流石としか言いようがありません。

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水墨画で活路を見出した大学生、青山霜介、彼をとりまく人たちの2年後の物語。ライバルの千瑛は水墨画の世界で邁進する中、自分の進路に悩む霜介。高校の図書館で働き、男の子と女の子の母である私は普段接している高校生や自分の子どもたちを見るようで、男の子ってもう...がんばれ!しゃんとしなさい!とやきもきしてしまった。自分が進むべき道を探してさまよう霜介をハラハラしながら見守る気持ちで読んだ。霜介がみつけた進む道に驚きながらも応援したい気持ちでいっぱい。読み終わって、すぐに続編を読みたくなる作品だ。

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前作に続く第2作目、読了。
進路に悩む主人公、そして子ども達を含む周りの人々…
そして主人公がたどり着いたところは…
今作品も水墨画という世界に引き込まれた一冊でした。
ただ、前作の読んだ衝撃度が凄かったので、衝撃度は少しだけ下がりました。
今作は違う意味での満足感がありました。
次作もあるのか、はたまた違う作品になるのか、楽しみにしています。

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前作で絵師としての道を踏み出した霜介が、悩み、傷つき、迷いながらも成長して自らの進む道を見出していく姿に心打たれた。
“独り”だった彼が周りの人々や自然の姿から多くのものを学び、受け入れるとともに「森羅万象」をかたちづくるもの、その中に在る自分と対峙して生きていくことを選択していく姿に自分も襟を正さずにはいられなかった。
彼の今後をさらにみてみたいと思うのは我儘だろうか。

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線は、僕を描くの後にこんな物語があるとは思ってもいませんでした。
読み始めてすぐ青山君が辛そうで、お願いだからもう苦しめないでやってほしいと思ってしまいました。
でも小学校へ行ったことで、水墨画のことやお母さんのことが良い方へ向かったので、西濱さんには感謝です。
最後の揮毫会の場面はもう圧巻というしかありません。
心に残る言葉がいくつもありとても良い読書になりました。

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『線は、僕を描く』の続編。

 前作で水墨画と出会った青山霜介。彼と湖山賞を競った千瑛、先輩水墨画家の西濱湖峰もギリギリのところで踏ん張って生きています。

才能溢れる人材がいても、人手不足で皆が疲弊している湖山会。そこで霜介は両親が交通事故で亡くなったという現実と向き合っていきます。それは自分の内側とも向き合うことであり…

 若者は悩みます。でも国内最高の水墨画の巨匠、湖山先生だって悩んでいるのです。
湖山先生が若い霜介と出会って気づいたことがあったように、霜介もまた水墨画を教えに行った先の水帆ちゃんと出会って変わっていきます。

思いを伝えられるとき、伝えなければ、その機会は永遠に失われてしまう。失われてしまった後、どんなに呼びかけてもそれは二度と帰ってこない。

 このように霜介は一瞬一瞬を懸命に生きて線を描き続けています。読みながら、なぜこんなに苦しむまで自分を追い込むのかと思っていましたが読後感は爽やかなものでした。
自分の線について考えた一冊になりました。

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水墨画の世界を通して、主人公の青山霜介が成長していく物語『線は、僕を描く』の続編。
読み進めるほどに溢れる涙と込み上げてくる感情をなだめすかすのが大変で、自分からこぼれ落ちるなんとも表現しにくい気持ちが心地よかったです。
根元的な人との関わりあいというか、心と心が触れあう瞬間がとても丁寧に描かれていて、凛としているなかで感じるあたたかさがたまりませんでした。

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『線は、僕を描く』のその二年後、大学三年生になった霜介。壁にぶち当たり悩み落ち込んでいく。くよくよし過ぎて少しイラっとした場面もあったけれど、素敵な出会いや周囲の人たちの温かな支えがあり、そしてまた自分の脚で立ち上がっていく。ラストの揮毫会ではまるで目の前で描かれているような躍動感に感動しました。霜介の選んだ未来は想像していたものとは違っていたので驚いたけれど、きっとこれからも悩んで立ち上がってを繰り返して成長していくんだと思うとこれからも楽しみですね。続編あるかなぁ。

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大学3年になり、自分の進路に悩む霜介。水墨画家として水墨の世界に身を置くか、それとも別の生き方を模索するのか。そんなとき体調不良の西濱に代わって、小学1年生に水墨画を教えることになる。この生徒たちとの出会いが、彼にとっての大きな転機となる。湖山門下の面々に支えながらの出した霜介の決断は納得でした。1本の筆の穂先から沸き上がるように生まれるた線が、やがて様々な景色を生み出して行く、黒と白の世界。水墨画の静謐な世界感感を伝える描写は圧巻でした。

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その後どうなったか気になっていた続編。
水墨画の描写がさらにパワーアップして、想像力をフル回転させながらの読書でした。
1作目よりも苦しい場面が多かったけれど、救いもしっかり用意されており、感動しました。

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一作目で既に水墨画の世界に魅了されている。未知の世界なのに、絵が眼前に広がるような感覚。華々しい前作のラストに心震えた。そして、今回の新作。序盤のまさかの展開に、胸が苦しく、言葉を失う。新たな試練の始まりだ。青山君がどのように成長して行くのか。受けとめ、伝えていく、継いでいく、水墨画の世界。何度も涙がこぼれた。序盤の試練とクライマックスの対比、見事すぎてため息がこぼれた。
最後に声を大にして一言。私はやはり湖山先生が大好きだ!禅問答のような先生の教えには愛がある。

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水墨画の世界を通して前に進み成長するナイーブな青年・青山霜介の人生の物語。本書を読んで一度も挫折する事なく失敗もせずに順風満帆な成功だけの人生を送る事が出来たらそれはそれで素晴らしいだろうけれど、苦い失敗を経験して苦労を重ねて貴重な何かを掴んで行くことは非常に有意義だなと思いましたね。周囲から期待される場でしくじって大恥をかいても深くは傷つかずに立ち直れる事も強い性格で特技だと思いましたね。精神の修練の小説で彼はもう大丈夫だし進路は必然でしょうけれど惜しい気もまだしますので再び三度戻ってきて欲しいですね。問題は著者次第でもう書き尽くして十分に満足されているのか、まだ書き残したことがあるのか二つに一つだと思いますが、青山くんが気を変えて水墨画の世界に帰ってきてくれることを期待して待ちたいですね。

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こちらのサイトでこの作品を見つけて、
読んでみたかったのでまずは
前作の『線は、僕を描く』を
購入して読んでみました。

とてもすてきな作品で、
すぐに続編が読めることが
とても嬉しかったです。

前作ももちろん良かったのですが、
私は今作の方がさらに好きでした。

青山くんのお母さんのエピソードが特に好きで、「誰かにダメって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから」という言葉が、読後も胸の中で響いています。

青山くんがこの先も、どんな形でもいいから、水墨画に携わっていてくれますように。

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筆が動くと、僕の周りの世界も動いた。

線は僕を描く を読まずに続編から読んだ。
なんなんだ、この世界観は?圧巻だ。

目の前に大きな白い半紙が出現した。
そして、筆で描かれる水墨画の世界が
本を読んでいる僕を四方八方取り囲んだ。

筆が動くと、僕の周りの世界も動いた。
なんだろう、この感覚は。

そういえば、本から音楽が溢れてくる本があった。
この本は、本から水墨画が溢れてくるのだ。

前編を読もう、そう確信した。

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大学3年になった主人公が今後自分が進む道についてじっくりと見つめ直す話。序盤で不穏な雰囲気になったのでハラハラしました。師匠の孫娘さんの行動が一生懸命なのは分かるが傲慢な暴走にも見えて。更に危なっかしいと。そんな中で主人公が小学生に絵を指導するエピソードが私は好きでした。本人は随分自己肯定感が低いけれど、ここでの主人公は素敵な指導者で。天職なのかなと感じながら読み進めるとやはり…という展開なのも良かったです。
その過程を丁寧に表現されていて、気持ちよく読めました。

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