チワワ・シンドローム

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刊行日 2024/01/24 | 掲載終了日 未設定

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内容紹介

「いちばん弱くなったら、なにも考えなくていいのに」

Z世代から厚い信頼を集める著者が、〈弱さ〉アピールのはびこる現代のリアルを優しくあぶり出す会心の一作!


ある日、知らない間に “チワワのピンバッジ” が付けられていたという呟きがネットに溢れた。その数、なんと800人以上!

主人公・琴美の想い人も、被害者のひとりだった。そして、〈チワワテロ〉と呼ばれるこの奇妙な事件の直後、彼は姿を消してしまった。「僕のことはもう信じないでくれ」とメッセージを残して――。

どうして彼は姿を消したのか?

リリの助けを借りて彼を捜索し始めた琴美は、かつて起きた暴露系YouTuberによる悲しい事件のことを知る。

「いちばん弱くなったら、なにも考えなくていいのに」

Z世代から厚い信頼を集める著者が、〈弱さ〉アピールのはびこる現代のリアルを優しくあぶり出す会心の一作!


ある日、知らない間に “チワワのピンバッジ” が付けられていたという呟きがネットに溢れた。その数、なんと800人以上!

主人公・琴美の想い人も、被害者のひとりだった。そして、〈チワワテロ〉と呼ばれるこの奇妙な事件の直後、彼は姿を消してしまった。「...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784163917986
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

私自身、『弱さ』を抱えたままで生きていたいと思うことがあります。
『弱さ』を抱えていれば誰かが庇護してくれて、それに安堵して何も考えなくて済むから。
だから強さより弱さの方が最大の防御だと考える時もあるけれど、本作を読んでからは果たしてそうなのだろうかと一石を投じたくなりました。
「チワワテロ」によって炙り出される、「弱さ」を抱えることの是非。安堵の中にある不安。SNS全盛の時代で、弱さ比べが蔓延るからこそ、たくさん読まれて欲しい。
なかなかタイムリーな内容でもあったので、尚のこと刺さったのかもしれません。

誰だって弱さを覚えていいし、誰かにそれを預けたっていい。でも、そのとき、きちんと自分の人生の手綱は握っていたい。
これを両立させる為に、自分はどう変われるのか。
一見して可愛らしくて不気味なチワワテロの謎を追うスピーディかつ二転三転する展開と、くどくない登場人物たちが物語を動かすので一気読みでした。
若者であればこその共感も多いように思います。

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強さより弱さが生きやすさに繋がる。強いことに憧れていた自分は、弱いからこそ周りのおかげで生きることができていたんだと気付かされた。自分の全てを肯定してもらう、甘い言葉に包まれる。それは心地いいけれど、そのままでいると自分がダメになってしまう。守られ受け入れ肯定してもらえるという居心地の良さに浸かってしまったらもう抜け出せない。わたしは果たして一歩踏み出せるのか、考えてしまった。

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本の紹介文から、若者文化がテーマになっているみたいだから、読んでおかないといけないかな、という気持ちで読み始めました。ですが、読んでいて、琴美が、親友のリリとの関係性のあり方に持ち始めた違和感や疑問が、私も日ごろ感じていることと重なり、強く共感しました。ミステリーや、社会現象を描き、エンターテインメントとしても楽しみつつ、確かなメッセージも伝わってくる作品でした。そのままの自分でいい、生きているだけで素晴らしいというのは間違いではないけれど、その言葉に大切なものを奪われてしまっているのではないかと考えるきっかけになるのではないかと思いました。

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「今の時代、強者は叩かれるべき存在なんですよ。だから誰もがチワワのように弱い存在になりたがっているんです」
現代社会が抱える病理、チワワシンドローム。

弱さ=かわいいに疑問を抱き始めた主人公とネットアイドルの親友リリ。
琴美がマッチングアプリで出会った男性はある日姿を消してしまう。
その真相を追う琴美とリリだが果たして。

これまで手芸サークル、ポリアモリーなど既存の価値観や男らしさ女らしさを相対化してきた大前粟生の真骨頂でもあり飛躍作でもある一冊。

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Z世代ではありませんが、大前さんの新作を楽しみにしています。
今作も胸が詰まりそうになりながら読みました。

ある日<チワワテロ>と呼ばれる、チワワのピンバッジが知らない間につけられるという事件が起きた。
主人公の琴美が思いを寄せる彼も被害者の一人で、その後なぜか姿を消してしまう。
なぜチワワなのか。そしてなぜ彼は姿を消したのか。
ネット上の歪んだ正義感や私刑。チワワに込められた思いや、自分を全肯定してくれる人を求める人々がリアルに描かれている。

「弱さ」のアピールをSNS上でもよく見かける。誰かに寄り添ってもらいたいというそんな思いがあるのだろう。弱さをさらけ出すのは悪いことではない。そのアピールにより繋がった関係性と、その繋がりにより自分はどうしていきたいのか、そんな問いかけを感じました。

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知らぬ間にチワワのピンバッジをつけられる、チワワテロ。
弱さの象徴のようなチワワは、その後ブームとなる。
それは自分を守るために、弱くなって持ち上げられたい願望か?

マッチングアプリで知り合った相手は、チワワテロを境に行方不明。
ネット配信で有名人となった親友と共に、彼の行方を追う。
彼女が弱さを肯定してくれることが救いだったこともあるのに、徐々に違和感に代わっていく…。

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不特定多数の人にチワワのピンバッジがつけられた。一体誰が、どんな目的で?
そしてそのバッジが話題になる頃、琴美と良い感じにお付き合いしていた男性が突如姿を消す。彼とチワワバッジは関係があるのか?
謎を追いかけていく過程で、更に世論の動きがあり、先が気になって一気読みした。

「弱くて誰かに守られる存在でいたい」
「誰かに心配されると安心する」
そんな風に考える人は、きっと多いと思う。
でも主人公の琴美は、そうして守ってくれる親友のリリに依存することに怖さを感じ始める。

人間は、守ってくれる存在や、励ましてくれる人に依存しがちである。もちろんその人たちに悪気はないし、心の支えがあることは大事。
けれども、弱いでも強いでもない、ありのままの自分でいることに揺らぎない自信を持つことも、同じくらい大事。
ありのままの自分が、誰かを支えたり、一緒に歩くこともできるのだから。

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自分の事を弱い人間だと思っている琴美。そんな琴美を『そのままの弱くて可愛い琴美で良いんだよ』と寄り添う親友・リリ。出会った男性が失踪し、世の中はチワワテロなるものに沸き立っている。男性の行方や、テロの謎に迫っていくうちに琴美の中でリリとの関係に違和感が…。人間は機械じゃないから強い部分も弱い部分もあって良いと思った。弱い自分でいたくても強くならざる得ない環境だってあるだろう。大切なのは自分が自分を好きかという事なのでは。ミステリ色もあり、スピード感もあってかなり楽しめた。

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大前さんの評判は聞いていたので読む前からとても楽しみにしていました。初めは恋愛ものなのかなと思っていましたが、段々と違う様相が見えてきて行き着く先はどこなのか不安になりながら夢中になって読みました。
チワワは可愛い生き物だけど吠えるイメージがあります(勿論そうでない子もいます)。見た目とは裏腹に臆病な大型犬に小型犬が寄ってきて飼い主さんが困っているところに遭遇したこともあります。見えることだけが全てではないですよね。
強くなりたい、弱く見られたい。人間にとって色々な欲望が存在します。弱い(弱くみえる)からこそ社会で生きやすいという描写もあって色々と考えさせられました。
ぬるま湯に浸かっていて慣れてしまうのは楽ですが行先が怖いですね。気付くか気付かないか、動くか動かないかはその人次第ですが。Z世代ではありませんが面白かったです。他の作品も読んでみます。

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楽しみにしていた大前粟生さんの新作は、
<チワワテロ>をめぐるミステリ×エンタメ!
スピーディかつ先が気になる展開で一気に読まされる!
現代を象徴するようなポップでノリが良くて乾いた空気感と、
それでいて漂う違和感がリアルに表現された文体にわくわくさせられつつも、
謎解きの先の結末で、本当の弱さ、強さとは何なのかと問われていくかのようなーー
面白いだけでなく、繊細な鋭利さを併せ持つこの感じがたまらなく好きだ。

主人公の琴美の強さとともに、
友情という言葉だけではうまく表現できないような絆が印象に残った。
正しい定義ではないかもしれないけれど、大前粟生的シスターフッド小説と名付けたい。

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世の中を賑やかす「チワワテロ」とインフルエンサーたちを巡るミステリーのような親しみやすいストーリーで、何となく読み始めたものの、思わず一気読みしてしまいました。日常に蔓延る生きづらさや凄まじい世の中の変化に対して、人々は強さではなく「弱さ」に憧れてしまうという作中のテーマが鋭く、読んでいて共感した箇所も多かったです。

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私もまた、「弱さ」を武器にしていた時期がある。不幸である理由をあげていれば、「かわいそう」だと思ってもらえて、そこから動かずにすむということを無意識のうちに理解していたからだ。だが、それでは一歩も前へ進めない。


この物語と出会い、「弱さ」を武器にすることは、誰とも「対等になれないのだ」と殴られた気がした。

弱さを抱えていてもいいし、ときに誰かに辛さを分け合ってもらってもいい。何もかもを「一人で抱えろ」というのではなく、自分の頭で考えて自分の足で立っているのかという自問自答は持っていきたいと願った。

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「弱くなりたいって何で!?」そう思いながら読み始めました。
 リリが居たら、私も彼女を崇拝していたのかなと、宗教にハマような怖さを感じながら読み進めました。
 読み終わった今は、弱さとは何かを考えています。弱さを補う為に少しでも強くなろう、頑張ろうとしてきたけれど、そもそも「弱い」といけないのだろうか…よく分からなくなっています。

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強さからの解放の象徴がチワワ。弱くなりたいんじゃなく、強くなりたいのでもない。自分は自分のままで愛されたい、認めてもらいたいということを軽くミステリ仕立てに表現している。軽く、あくまでサラッと。後半明らかになるリリの孤独が切ない。タイトルに興味を引かれた私も弱さに憧れている一人なのかもしれない。

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なんとなくタイトルに惹かれた『チワワ・シンドローム』。チワワのピンバッジを気づかぬうちに取りつけられているという謎の〈チワワテロ〉が全国各地で発生ーーーだなんて、なんなんですかそれはと完全に心を掴まれストーリーの渦に巻き込まれながら夢中で読む。

自分を守るために、チワワのように弱くなりたい。そんな願望を持つ現代人たち。この生きづらい世の中をなんとか生きていくために、ねじれながらも適応し、よじれながらも順応していく。今の現代社会が色濃く描かれた背景の中で、ミステリ要素を楽しみつつも、「強さ」とは?「弱さ」とは?と考えさせられる良作。

これまたチワワというのが絶妙で、小さくてか弱いものの象徴のようでいて、何やら強気に吠えてかかるようなところも無きにしも非ずなイメージが、「弱さ」を「強み」にしていて、〈チワワ・シンドローム〉とは言い得て妙だ。

弱かったり強かったりしながら、ありのままに自分が自分らしく、この現代を生き抜いていけるように、今、多く読まれてほしいと思う作品。

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先が気になり、グーっと集中して読んだ。「チワワ・シンドローム」というネーミングセンスが絶妙だった。
ミステリ仕立てなところに加え、人間関係の機微な部分が最後までグラグラと不安定なところが一気読みできるポイントだと思った。最後に主人公がリリに勇気を奮って真相を話すシーンがハラハラし、リリの真実の部分が明かされてゾッとした。
今作は大前さんにとって新境地の作品のようだと個人的に感じた。

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「弱くて」「かわいい」であれば存在は周りの人に守ってもらえる。可愛がってもらえる。攻撃されない。受け身に徹することで、何も考えないことで、自分は傷つかないし、傷つけることもない。「楽」なんだろうなぁ。でもそれって本当に幸せなの?という疑問をもつか、持たないか。

なんの疑問も持たず「弱者」でいることを選んでしまいそうになる「怖さ」をじんわり感じる作品。「強く」なろうとして戦っても、戦っても戦果は得られず、絶望して疲れ切った世の中にそっと差し出された、「か弱いモノ」にあえてなる、という甘い囁き。
みんなが弱いものになってしまったら、社会を仕切る人はさぞ楽だろう。以外と近い将来の姿かもしれない。

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弱い自分でいたい…ってなんで!!?と思ったけど、確かに、素敵な人が弱さをそのまま丸ごと肯定してくれたら、むしろそのままでいてほしいって言ってくれたら、すごく楽になれるのかも。
SNSでのふるまいや立ち位置の設定は、まさに今、誰もが意識せざるを得ない感覚で、世間の反応を的確に予想して味方につけることがうまく生きていく必須条件。
現代の生きづらさをうまく表現していて、ミステリー仕立てになったストーリーも面白かったです!

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強者は叩かれる、故に弱くなりたい。こんな思想が蔓延していたのか知らなかった。好きな男の人が消えた、チワワのバッチをつけていた。それはチワワの暴動と関係があるらしい。これは彼を探す物語であり、その背景にある事件との関係を暴く物語でもある。それにしても、何なんだ、このインフルエンサーって存在、人気ユーチューブバーがそんなに人の人生を左右するものなのなのか。面白いし斬新だけどちょっと共感しずらい話しでした。

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