生きとってもしゃーないと、つぶやく96歳のばあちゃんを大笑いさせたお医者さん
患者と家族の心をよみがえらせる医療
中大輔
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刊行日 2024/01/18 | 掲載終了日 2024/05/01
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内容紹介
「船戸は一人ひとりの診療に時間をかけ、コミュニケーションをとっていた。
まるでご近所の井戸端会議のように、診療室ではしょっちゅう笑い声があがっていた。
船戸が冗談を連発し、患者を爆笑させていたのだ。また、患者の話で船戸が笑い転げていた。
こういう医療もあるんだな、大橋は新鮮な驚きを覚えた」。
本書は岐阜のあるクリニックの取材した医療ドキュメントだ。
医療とは何か? けが・病気を治し、患者を救うことである。
当たり前のことだが、医療には様々な形がある。ブラックジャックのように、鮮やかなメスさばきで患者を救う医療、赤ひげのように心を癒すことによって患者を救う医療。
正しい形は無数にあるのが医療である。
本書に登場する船戸崇史は元々外科医から、在宅・地域医療の世界に身を投じた医師である。ベストセラー「がんが消えていく生き方~外科医ががん発症から13年たって初めて書ける克服法」の著者としても知られている。
その方針は「サポーターとしての医療」。あるときは、末期がん患者のお花見に寄り添い、あるときは、患者以上に疲弊し不安をかかえている介護家族の相談に、診察以上に時間をかける。
現代医療は技術・検査法などが進化した半面、「医者がモニターしかみない」「体中管だらけになって死を迎える」などの進化したゆえの矛盾も指摘されている。もちろん、そこに正解はない。
しかし、さらに高齢化が進んでいく日本において、船戸医師が理想とする「心を救う医療」はますます重要性を増すのではないか。
自分の体が動かなくなったら、がんにかかってしまったらどんな医療を受けてみたいか、そんなことを考えさせてくれる1冊。
販促プラン
1月後半 朝日新聞半五段広告
1月後半 中日新聞半五段広告
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出版情報
発行形態 | ソフトカバー |
ISBN | 9784909249555 |
本体価格 | ¥1,600 (JPY) |
ページ数 | 232 |
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NetGalley会員レビュー
今や二人に一人ががんにかかる時代。
いやぁ、感動しました。
96歳のおばあちゃんの話かと思ったら、お医者様のお話しでした。
特に、148ページからのお花見のくだりと、
204ページの妻への感謝の言葉のくだりは泣けました。
「生きるか死ぬかじゃない、どう生きるか」という言葉も
しみました。
そして、「良眠、良食、加温、運動、微笑」を書いて
部屋に貼りました。
発売されたらこういう本を集めて、コーナーづくりをしたいです。
笑顔になれる本でした。
96歳のおばあちゃんと本に出てくる先生は出会っていないのが不思議でしたが、生きるか死ぬかではなくどう生きるかという先生のお言葉、5か条は心に残りました。
がんサバイバーとなってからの先生のご活躍、どれだけ多くの人の救いになっているか、なくてはならない人だとこの本によって気づかされ、そんな先生に出会える患者さんたちも幸せだなと感じました。
この本のユニークなのは、客観のノンフィクションではなく、作者の体験を通じて一人称で綴られていることだ。そのため、読者も取材現場の雰囲気を疑似的に体験できる。
取材される医師は、作者の実家の隣町で開業している。作者の実家の街から繋がる258号線沿いにクリニックがある。作者はこの258線には思い出があり、そこに不思議な縁を感じて物語は始まる。
医師は、がん患者を多く扱う統合医療の専門家。外来も在作診療も手がける街場の医師だ。そして自身もがんサバイバーでもある。
「主治医が見つかる診療所」というレギュラー番組を立ち上げる前、パイロットとしてスタジオに20人の医師に集まってもらい、同じ医師でも治療な対する考え方や方法が違うということを明らかにする特番を作った。ある症状のある患者に対し、どんな診療をするのか、それぞれの医師には流儀や考え方があり、それゆえ治療に臨む方針も違う。そこが見どころの番組だった。例えばダイエットをするとき、カロリー制限がいいのか、糖質制限がいいのか、風邪を引いたとき風呂に入っていいのか、入らないほうがいいのか。擦り傷は乾かしたほうがいいのか、そのままジクジクしていたほうがいいのか。ほぼ定説はあっても、なかなか20人の意見は一致しない。1人の医師をゲストにじっくりと話を聞く番組はいくつもあったが、多人数の医師を集めて意見を戦わすという番組はなかったので新鮮だった。そして何度かの改良を経てレギュラー番組になった。
そこで分かったのは、医師にもいろいろな人がいるということだった。もちろん治療の技術があることは最低条件だが、それ以上に大切なのは「人間力」。世に中はきちんと患者とコミュニケーションできる医師ばかりとは限らない。なぜならば医師の多くは大学の医学部を卒業して、そのまま研修を経て医師になる。つまり社会に出ることなく医師になっていく。しかも人の命を預かるという責任ある仕事で、常に自分で判断していかなければならない。
そんな特殊な環境で育っていく医師には、一国一城の主すぎてコミュニケーションが苦手な人も少なくない。なので番組に出演していただく医師については、事前に資料映像を見たり、スタッフが直接会ったりしてその人柄を見させていただく。その上でテレビに合っている医師の方に番組に出演していただく。技術も実績も大切だが、テレビでは人柄がけっこう大切なのだ。
番組ではいろいろな医師に出会った。一度他の仕事をしてから医学部に入り直して医師になった人もいた。海外で修行し戻って腕を振るう医師もいた。ずっと地域に残って治療を続ける街場の医師もいる。西洋医なのに東洋医学を研究する人もいる。出演していただく全ての医師に共通するのは、人間力に長けているということ、人柄のいい医師でないと視聴者には支持されない。そこはシビアに見抜かれてしまうのだ。
この本の医師は、人間としての魅力に溢れる人物だった。この医師にぜひ診てもらいたい、そう思わせる人間力がある。
医師のキャリアのスタートは外科からだ。手術でがん患者を治していく。しかしその治療に限界を感じ、心のケア、東洋医学なども含めた統合治療を実践していく。生活を改善することで、自身の治癒力を高め、がんに勝つ。シンプルだがなかなかできない治療に挑む。
薬は強力な助っ人だし、そこに頼りがちだ。しかし可能ならば本来の自信の治癒力で治っていくのがいい。そんなシンプルなことにこだわっているのがいい。
自身のがん経験も、治療に役立っている。経験者同士だから共有できる信頼感を実現できているのだ。
「人はすべからく死ぬ」という真実をきちんと告げるのもいい。私もある医師と話しているときに言われたことがあるが、確かにそうだ。それが早いか遅いか、穏やかか、突然かなどの違いでしかないのだ。
この本はただの医師の紹介ではない。
医師と作者の交流を通じて感じられた「人間力」を見事に活字に残した作品。読めば、ぜひこんな医師に見てもらいたいと思ってしまう、そんな一冊だった。この手の本としては出色の出来。読むとなんか元気になれるのだ。
自分が死に近づいた時、こんな先生に見て欲しいなと思いました。
このお医者さんがいるところは昔住んでいた所の近くで、この本の中に出てきていたうりんこ劇場も大学の時に住んでいたときにそばにありました。なので距離的にもとても身近に感じましたし、ずっと気になっている名前だったうりんこ劇場のとこを今更ながら知りました。
今までいろんなお医者さんにかかってますが、お医者さんも千差万別。もうここは行きたくないなというところもあったし、信頼できるお医者さんもいる。
昔お風呂に入ってる時に隣から90過ぎのおばあちゃんの声が聞こえてきて、体調が悪いとお嫁さんに言っていて、じゃあ◯◯先生のとこいかなと言われていておばあちゃんがあの先生は嫌やと言っていたのを覚えています。できれば最後くらい私も信頼できる、嫌だなと思わない先生に見てもらいたいなあと思いました。