定食屋「雑」

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刊行日 2024/03/18 | 掲載終了日 未設定

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内容紹介

『三千円の使いかた』『ランチ酒』で人気沸騰!

原田ひ香が贈る新作長編!


「これがおいしいんですよ」

商店街の古びた定食屋で働く、生き方の異なるふたりの女性。

過去から紡がれる、懐かしさと至福の味に満ちた物語。


(あらすじ)

商店街に佇む昔ながらの定食屋「雑」。そこでは安くて、やけに甘ったるく、どこか懐かしい料理が味わえる。

店主のみさえは老体に鞭を打ちながら店を切り盛りしていたが、ある日、夫から離婚を切り出されて思い悩む沙也加がアルバイトをし始めた。

几帳面で真面目すぎる沙也加と、大雑把でぶっきらぼうなみさえ。

性格、年齢、料理のこだわり、生き方……それぞれまったく異なる二人は、お互いの欠点を補いながら、様々な客を迎えていく。

やがて街の変化や、急な災いによって、いつまでも続くと思っていた生活は少しずつ変わりだして――。


故郷や大切な人、心の拠り所を失くしたあとも毎日は続く。

一生懸命に生きた日々が懐かしい「味」になるまでを描いた、粋でおいしい人生の物語。


(著者プロフィール)

原田ひ香 (はらだひか)

1970年、神奈川県生まれ。2005年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞、07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『三千円の使いかた』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『図書館のお夜食』『喫茶おじさん』、「ランチ酒」「三人屋」シリーズなど著書多数。

『三千円の使いかた』『ランチ酒』で人気沸騰!

原田ひ香が贈る新作長編!


「これがおいしいんですよ」

商店街の古びた定食屋で働く、生き方の異なるふたりの女性。

過去から紡がれる、懐かしさと至福の味に満ちた物語。


(あらすじ)

商店街に佇む昔ながらの定食屋「雑」。そこでは安くて、やけに甘ったるく、どこか懐かしい料理が味わえる。

店主のみさえは老体に鞭を打ちながら店を切り盛りしていたが、あ...


出版社からの備考・コメント

※発売前作品のため、読書メーターやブクログなど外部書評サイトで発売前にレビューを投稿することはお控えください。
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784575247275
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 272

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

ぞうさんと沙也加、年齢も性格も違う2人がお互いを少しずつ受け入れて、助けあっていく。そんな温かい繋がりに心がほっとしました。
そして老若男女それぞれが抱えている、悩みや不安。どうしようもないことでも、自分の心一つでなんとかなる!と、少し元気が出ました。
誰もが抱えているであろう漠然とした不安を、そっと包み込んでくれるような作品でした。
「雑」のような定食屋さんにはあまり行ったことはないのですが、チャレンジしてみたいなとも思いました。
ほぼほぼすき焼きのタレで味付けされている料理も気になりますし、コロッケはなんかめちゃくちゃ美味しそうでした!
白米大好きなので、ぬか床の神様の落とし物の古漬も興味津々です!
ぞうさんの過去や、沙也加の離婚問題、高津さんの同居問題など、胸が締め付けられる場面もありましたが、そんなみんなの人生をまるっとひっくるめて素敵な物語でした!

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とにかく温かい気持ちになるラストがいい!

親子ほども年齢が離れているみさえと沙也加。

初めはこのまま定食屋を続けることができるのかしらというくらい異なるふたりだったのに
お互いを受け入れることにより、それぞれ角が取れて丸くなってゆく過程がまた良い。

やっぱり人の繋がりって愛おしいものだと思わせてくれるお話。

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面白くてあっという間に読んでしまった。
沙也加が友達だったら「そんな男こっちから捨てろ!」と思わず言ってしまう。お互い様でもあるような価値観?のすれ違い。自分の希望が通らなくて好き勝手やって出ていくなんて!とも思うし、沙也加の方にもそこまで否定しなくてもとも思うところもあるが、別居後の話し合いを見るにもうあの男無理!!と思ってしまう。
全話通して、人の縁というのはわからないものだ。エピローグの場所に辿り着くなんて本当に思いもよらない。すべて定食屋「雑」が結んだ縁。みんなが大切にしていた場所。沙也加とみさえさんはこれからも今のままの関係で続いていけたらいいな。健太郎には何か罰があればいいのに!!と心から思う。

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「ほろよい」で読んだ「雑」の続きが読めるなんて驚きと嬉しさでたまりません!
初めてあの方の名前も出てきましたね。謎に包まれた部分も少しずつ分かってきて、益々好きになりました。
全くと言っていいほどタイプの違う二人ですが、意外に相性ピッタリです。
お弁当屋さんの続きも期待します。

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ご飯やおかずをお酒で「流し込む」のが許せず、夫に出ていかれてしまった女性が、夫の残した言葉をきっかけに訪れた定食屋「雑」。そこは「ぞうさん」と呼ばれる女主人がやたら甘いすき焼きのたれを多用した料理を作っていて…。
タイプの異なる二人だが、さやかと夫とは異なり、さやかとぞうさんは互いに影響を受け合い変化していく。そこに「許し合う」とか「個性を尊重し合う」とか大げさな言葉は必要なく、なんだか野生の動物が次第に距離を縮めていくような自然な感じがした。
そんな二人が人生の岐路で行う選択。読んでいて応援したくなった。

出てくる料理も美味しそうで、特にハムカツを食べたくなりました。

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人は、誰でも食べなくては生きていけない。1日3食、365日。1日のうち1食でも、自分の思うように食べれれは、きっと明日も元気で生きていける。そんな風に思えて、最後は、元気になる小説。コロナ禍、私たちは、いろいろ苦しくて息苦しさを感じたけど、やはり、食べて生き抜いてきた。

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私が読んだ原田ひ香さんの作品の中で1番面白かったです…!!
男性と女性の価値観の違いが、今作も見事に発揮されていて「わかるわかる!」と頷きながら読みました(笑)
「雑」が近くにあったら、絶対に常連になっちゃいます!

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昭和感漂う定食屋/何気ない日常の人々の舞台設定。定食屋の『味』と何気ない日常会話の中で人間の
抱えている悩みや寂しさがポロリと出てしまう。その中で雑さんや他の常連客にたしなめられたり。
『雑』の味以上に何かを満たしてくれたり癒してくれたり、そんなお店はかつてはどこにでもあった気がする。
後半へ読み進めていくうちに何となく切ない気持ちになってしまった。誰もが経験したほんの3~4年前の
コロナ渦。今現在振り返ってみたら『大事な何か』を置き忘れて来た。そんなことを思い出させる小説
だったと思います。人間の『本当の幸せ』とは何か?改めて考えさせられました。

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店名の「雑」とにかく気になると思い読み進めると最初は雑に調理されていると思いきや、ぞうさんのそれなりの想いがあって考えられた料理で、その料理に引き寄せられる人たちの物語に癒されました。
沙也加も融通がきかない真面目で神経質な性格も離婚や「雑」でのバイトでいい感じにまるくなってくるのも良かったです。
最近読んだ小説で良かったものは?と聞かれたらこの小説をあげると思います。

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コロナ禍のこととかリアルで、近所のお弁当さん屋さんを思い出した。
最後、定食はやめてお弁当のみにシフトしたところもリアルだと思った。
小説だけど心のこもった美味しいお惣菜を食べた気分。読み終わったら思わずごちそうさまでした!と言いたくなった。

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「ほろよい読書」で短編として読んだ「定食屋『雑』」の続きが読めて嬉しかったです。
食生活の違いで夫婦の間にできた溝が埋まらず一方的に離婚したいと言われてしまった沙也加。夫婦といっても育ってきた環境や長年の習慣があるから食べ方に違いがあるのは当たり前だけど、お互いにそれを認め合えないなら一緒に暮らすのは本当にしんどいことだと思った。それぐらい食べるということは大切なことなのだ。
沙也加の悩みも定食屋雑の店主ぞうさんの過去も人生の甘さや苦さがぎゅぎゅっとつまっている。最初は美味しそうに見えなかったお料理も作り手の想いを知ると美味しそうに見えてくるのが不思議だった。

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何て居心地が良いのだろう、と思った。
出てくる人たちは、それぞれの人生でつまずき悩み、泣いたり笑ったりしながら生きている。
自分のまわりにもいるような人たちだ。
それが、ものすごく愛おしい。
ぞうさんのように、わしゃわしゃと作って、さあ食べな、と目の前に出してみたくなる。
食べることは本当に大切だ。小さな勇気をもらえる。それ以上に、雑では人とつながれる。
いつまでも、このお話の中にいたいと思わされてしまった。

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『コロッケ』
一見、店名のように『雑』なぞうさん。でも、それは定食屋を営むポリシーはしっかりもっている。だから、一見不動。
食べ物にポリシーと潔白感を持つ沙也加。彼女がこんな理由でここの店員となったとは驚きだった。この2人の人生がどのように絡んでいくのか、興味津々の第1話。

『トンカツ』
今回はぞうさん視点。
ぞうさんことみさえには、定食屋の理想像がある。一方沙也加(ぞうさんが心の中で曰く「カワイコちゃん」)は料理にポリシーがある。こんな二人が、年も離れた二人がいいコンビになるとは。
そして飾られることなく語られるみさえの半生。不動などではない、多感でも不器用だった来し方。そこに沙也加を名前で呼べない理由があったとは。自分が抱えてきた重荷を乗り越えた時、彼女を「沙也加」と呼び、自分が「ぞうさん」と呼ばれる理由を話す。互いに名前で呼び合うこと、意識してその名を使うことは、更に距離が近づいたこと。

『からあげ』
離婚についての夫とのやり取りに不信感をましていく沙也加。健太郎があんな態度では、そうなるよなぁ。
みさえが沙也加に調理法を伝授している最中に、絶妙なタイミングで離婚についてのやり取りが挟まる。さり気ないひとつの言葉が、料理にも夫婦問題にも絡んでいくとは、唸りながら読んだ。

『ハムカツ』
今回は高津視点。
初代ぞうさんの頃の思い出話から、高津と娘夫婦の会話へと。世間の温かさだけでなく辛さが身に染みる。
一方、みさえと沙也加はハムカツ改良の試行錯誤。2人はここまでになったのか。その最中に、高津についての話が出る。『雑』にとってはそれだけ大切な、長い長い馴染み客。
その高津の、この歳での一大決心。そのきっかけがこんな所に結びついていたとは。長い長い歴史のある『雑』ゆえなのか。

『カレー』
沙也加の修行を兼ねて定番のカレーの準備をさせていくみさえ。その中に、『雑』の伝統、みさえが守りたいものが感じられる。
そして、横槍が入る中での沙也加の決心と、みさえの新たな試み。沙也加が一歩を踏み出したのに対し、みさえにはこれからの『雑』への不安があったのだろう。どちらも、2人の未来を決めていく重要な転機。

『握り飯』
年末。初めて2人並んで『雑』から出る。そこまでの仲になるまでに何ヶ月かかったことやら。
新年。コロナによる緊急事態宣言。その中でのあえての『雑』の再出発。そして、更にその先にあるのは……

世代も考え方も違う2人の女性が、『雑』という定食屋の「中」で互いに変わっていく。時間的には人生のほんの一時だが、2人にとっては人生でもっとも密度の濃い時を過ごしたはず。そして、これからの人生を決定づけたはず。そんな『雑』と「ぞうさん」は、昔から未来へとこれからも続いていくのだろう。

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素材の味を大切にした料理を好み、きちんと味わってほしい、お酒と一緒になんて許せないという女性と
働いて、疲れているのにうるさいことを言われたくない、という男性と
価値観、生活感の違いを見極めないまま結婚して、それぞれの違和感にちゃんと向き合わずにいたら
男性はもっと居心地の良いところに行ってしまって…
男性の身勝手さや不誠実さもどうかと思うけど、どちらの気持ちもわかるなぁ…と思いつつ。
そうやって夫に出て行かれたちょっと面倒な女性(友達の家に食事に招かれても、お酒は嫌!)が
昭和な定食屋でパートをはじめて、女店主に反発しながらも
だんだん馴染み、お互いを思いやる友達めいた関係になっていく
あわせて、それぞれが少しずつ変化していく様子が描かれる温かな作品です。
周りを固めるわき役たちも
いろいろあって、でも頑張っていて
これからどうなっていくのかな…続編を期待してしまいます。

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原田ひ香さんの「ご飯もの」作品がとても好きです。
食べる事がだい好きな私にとって、
お料理の描写が、目の前に出来立てがあるくらい、
とてもおいしそうだからです。
人生色々ありますが、「食べる事は生きる事」であることを、心底この本から実感できました。

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全くハズレのない作家だ。この作品を読んで、ものすごく共感した。
主人公は夫とすれ違っている女性だし、その夫はなぜか家に帰る途中で定食屋に入り酒を飲んでから帰宅するようになってしまう。このあたりも全く違う。私は長くテレビのグルメ番組を作ってきたので、店とは距離を置いて付き合い、行きつけをなるべく作らないようにしてきた。同じ店に何回か行って顔を覚えられると、途端にその店に行かなくなる。なんか嫌なのだ。
そして夫の行きつけの店は、冴えない定食屋だ。ここに深く共感した。街場の定食屋とか立ち食い蕎麦屋、居酒屋が好きだ。偉そうにしていない、しかしきちんと仕事をしている美味しい店がいい。この本に登場する「雑」という定食屋は、丁寧な仕事できちんと美味しい。きちんと美味しい店って意外に少なく、しかもそんな店に限って店主の体調で閉店してしまったりも多い。
「雑」という店名もいい。なぜ「雑」という名前で呼ばれるようになったのか、その物語もいい。
主人公は、この店で働くこととなる。そこでのさまざまを描くのがこの本だ。
人は事情を抱えながら生きていく。いいこともあり、辛いこともある。そんな日常の小さな出来事を丁寧に綴り、人々の心に寄り添っていく。
登場する人たちがみんな愛らしい。色々あるけど憎めない。
連作の物語の終わりの方、コロナ禍がやってくる。コロナは人々の人生を大きく変えていく。でもエピローグまで読み終わって、心はまた暖かさで満たされる。

そうそう、中にぬか漬けの話が出てくる。ぬかの中に忘れられていた古漬けを「ぬか床の神様の落とし物」と呼ぶ。ここがすごく好き。半年ほど前からぬか漬けを始めたので、個人的にものすごく納得してしまった。

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味付けの醤油はすき焼きのタレ。確かに雑です。
でも、全て手作り、丁寧に、心を込めて国産で安全な食材を提供します…。
それではきれいごと、長くは続きません。
業務用の食材も使うし、外国産の肉も使う。ぶっきらぼうで大雑把なぞうさん(みさえさん)のファンになりました。
お酒を呑みながらの夕食に抵抗がある沙也加の頑なさがほぐれていく過程が心地よかったです。
順調に進んでいたのにコロナ禍が定食屋「雑」を襲います。
みさえさんの決断と潔さが素晴らしい。3代目ぞうさんにも頑張ってほしい。

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舞台が定食屋なのでご飯がめちゃくちゃ美味しそうで食べに行きたくなりました!ぞうさんと沙也加さん2人の少しずつ仲良くなっていく姿にもホッコリしました。こんな風に暖かい食堂が近くにあったら通ってしまうかもしれないです。

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人と人を近づけ、また遠ざけるもの、その違いってなんだろうと考えさせられた。
一度は近づいたはずの夫婦はすれ違い、反対に関わりのなかった女性ふたりは並んで夜の道を帰るようになる。
一言一言に引っかかりを覚えどうしようもなく許せなくなる相手もいれば、価値観のちがいに驚かされるのに気がつけば受け入れている相手もいる。
きっとなかなか答えがでないだろうと思うけど、考えるきっかけを本書はさりげなく与えてくれる。

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ほろよい読書がきっかけで原田ひ香さんのファンになったので、定食屋『雑』を1冊まるまるっと読めるのは本当に嬉しい。
堅苦しくない雑のご飯を想像するだけでお腹が〜
2人が…というかみんなが幸せになるそれぞれのカタチがみえて心もお腹も満たされました。

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原田先生の食べ物のお話が大好物な私は大喜びで読ませていただきました!
ほろよい読書に1話入っていた『定食屋「雑」』のその後。
ぶっきらぼうな定食屋の「ぞうさん」が少しずつ沙也加に心を許していってお互い仕事だけじゃなく精神的にも支え合って頑張っていく姿に感動と「私も頑張ろう」という気持ちをくれました。

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ほぼすき焼きのタレで濃い味つけがメインの居酒屋「雑」。
そこで働く「ぞうさん」ことみさえと親子ほど歳の離れた沙也加を巡る物語。

沙也加は健康に気遣い、ていねいな暮らしを心がけている。
仕事で疲れている夫はそんな生活にも疲れを感じて、通っていたお店が「雑」。
沙也加は家を出て行った夫の気持ちが知りたくて、雑に通いアルバイトとして働きはじめる。

 居酒屋「雑」のお客さんを含め、人の数だけ人生があります。語るほどでもなさそうな人生でも、それだからこそ沁みいるものがありました。
そして人だけではなく、お店も年月と共に変化していきます。
コロナ禍で決断を迫られることもあります。

 きっと吉田類が寄ることもない、(多分)各駅停車しか停まらない小さな居酒屋。血のつながりがなくても温かい交流がそこにはありました。

読後感も良かった1冊です。

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とっても良かったです!食の好みや考え方が合わず夫から離婚を言い出された沙也加と定食屋「雑」を営むみさえ。几帳面な沙也加と大雑把なみさえも正反対だけれど、徐々に距離が縮まっていくのがとてもいい感じ。それぞれの立場で書かれる部分があるおかげで2人それぞれの気持ちや考え方の変化も感じられて、そしてお互いが少しづつ影響されて、ただの店主とアルバイトでなくなっていく関係性の変化にとても心があったかくなりました。エピローグのその先のお話も読みたいなぁ。

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当店でも人気のある原田ひ香さんの最新作。
初・原田ひ香作品でしたが、もう大満足。人気ぶりにも納得致しました。
問題をスッキリ解決してしまうようなチーターは現れませんが、読後感は穏やかで心地よい物語。
主要な登場人物それぞれへの光の当て具合が丁度良く、短時間でするすると読みきってしまいました。
ハラハラドキドキというより、ゆったりとした読書がしたい方にオススメです。

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食の好みやスタイルは人間関係においてかなり大事なことだと改めて感じました。
仕事帰りにふらっと「雑」のような店に立ち寄ってしまう気持ち、わからないでもないです。
そして沙也加とみさえの掛け合いが微笑ましかったです。食を通じて、だんだんと打ち解けていく二人の関係がとても良かったです。

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商店街の古びた定食屋さん「雑」を営む愛想のない「ぞうさん」ことみさえと、
ひょんなことから「雑」でバイトすることになったちょっぴり融通がきかない沙也加

まるで正反対なふたりが間合いを計りながら徐々に距離を縮めていく様子は、
さながら野生動物のようでニマニマしちゃう

融通がきかないことで夫とすれ違う沙也加に
うーん、それは確かに夫は窮屈かも…と思っていたけど!
ある決断をくだしてからの夫には
だからってそんな態度ある⁉︎とイライラ

まさに縁は異なもの味なもの
美味しいものと人の縁について思いを馳せつつ
コロッケ食べたーい!
いやザクゴリな唐揚げも良いな、
ハムカツも食べてみたいな…
と食欲刺激されまくりな至福の読書タイムでした

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さすがの原田さん。ほっこりしながらも完璧な仕立で満足の読後感でした。そうそう、結局は小洒落た店より日本人はこういう定食屋(例え雑でも、小芋の煮たのとか、おふくろの味的なおかずがさっと出てくるような)が一番好きでホッとするんだよな〜。居着いてしまう常連さんの気持ち、よく分かります。お互い心に傷を持った者同士、労りながらそれぞれの持ち味でお店を支え、またそれをお客が受け入れてくれて道ができていく。人を満足させる仕事って、やはりいいなと改めて思わされた1冊でした。

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定食屋「雑」。最初はその店名に、首を傾げました。定食屋が雑でいいのか?と。
しかし、話が進むにつれて元々はざつ、とは呼ばない違う意味のお店だったこと。
先代が、ぞうさんのために少しずつ居心地のいいお店へと長い年月をかけて変えて、譲ったこと。
突然突き付けられた離婚に戸惑っていた沙也加が、ぞうさんや定食屋に来る人との交流により変わっていく姿もあわせて、ああ、定食屋「雑」は、こうやって次へと受け継がれようとしてるんだ。現実のコロナ禍にもしなやかに対応しながら、本当はこんな定食屋が東京のどこかにあるのかもしれない。
そんなことを、思わせてくれるお話でした。

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