俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか
南綾子
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刊行日 2024/04/08 | 掲載終了日 未設定
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内容紹介
文芸総合サイト「カラフル」連載時より話題!
『死にたいって誰かに話したかった』、ドラマ化した『婚活1000本ノック』などの著者がおくる注目の一冊。
〇内容紹介
独身は40代でおかしくなる――俺もこのままそうなるのか?
売れない小説家兼雇われコンビニ店長の春来は、「男性は孤独に弱くてひとりぼっちでいると生きる気力を失い、おかしくなってしまう」という、ややバズったSNSの投稿を見た途端に“ずっと一人の生活に耐えられるのか”と不安に襲われる。現状を脱するために周辺を見ると、春来だけでなく同年代の知人や友人もそれぞれ抱えているものがあった。
医者と結婚し、「キラキラ生活」を掴んだと思ったタワマン妻。
きょうだい児として家族の世話に半生を捧げた元ヤングケアラー。
自らのセクシュアリティに悩み、「家族」とは何か問い続ける男性。
約十年にわたる四人の奇妙な繋がりを通して、現代に生きる人が抱く生きづらさや、ままならない現状を描く。
〇著者プロフィール
南 綾子(みなみ あやこ)
1981年愛知県生まれ。2005年「夏がおわる」で第4回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞しデビュー。連続ドラマ化し話題となった『婚活1000本ノック』や『タイムスリップしたら、また就職氷河期でした』『死にたいって誰かに話したかった』など著書多数。
出版社からの備考・コメント
※書影は仮のものです。
※ゲラは校了の前のデータにつき、修正が入る可能性がございます。
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出版情報
発行形態 | 文庫・新書 |
ISBN | 9784575527469 |
本体価格 | ¥720 (JPY) |
ページ数 | 280 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
SNSでバズったある投稿を見て不安にかられるコンビニ店長から始まり、
似たような生きづらさや葛藤を抱える4人の10年にわたる群像劇。
この作家さん、こういう人物を描くの上手いなあ。
ドラマを見てるような感覚で、でもリアルではそこまで多くはなさそうに思う。
面白くてあっという間に読み終えた。
主人公をはじめ、登場人物達の気持ちや言葉が体中に突き刺さり、痛い痛い…!
全然他人事じゃないんですよ!!
世間が言う「幸福度」なんて、知ったこっちゃないと思いますが、やっぱりどうしたって幸せは感じたいわけで…
登場人物達の生きづらさに、クラクラしてしまいました。
「一人で、できる限りきちんと生きて、一人きりで、できる限りきちんと死ぬにはどうしたらいいのかって」
こういうことを考え始めると、頭の中がぐるぐると回転して止まりません。
こういう思いを抱えながらもラストの一行を読んで、やっぱりそういうことだよな!と。
もう何がなんでも歯を食いしばって生きていこうな!と、謎のやる気がわいてきました。笑
思わず共感してしまう、生きづらさのポイントを抑えまくった一冊。おもしろかったです!
まず、タイトルがものすごく響いた。同著者の「死にたいって誰かに話したかった」と同様に、登場人物の叫びのように感じる。私は主人公の春来とはバックグラウンドは違うけど、東京の1kで独り暮らしをしていたとき、年に何回かは寂しさと不安で夜どうしようもなくなるときがあった(一方で夏枝や真冬の1人がいい、というのもとてもよく分かる!)。そういうときに限って友人などの人生が自分よりずっとマシに見えて自分がクソに思えてくるのもわかりみが凄過る… 大体こういう話は最後春来と夏枝がくっついたり、小説が上手く行ったりするが、そうはならず、やっぱりずっとうっすら不幸で何も解決してないところがこの作品のいいところ。だって大体世の中そうだし。。それでも春来が1人で生きてくという腹を決めて、嫁がおらずとも腐らずに少しずつでもマシにしていこう地道にやっていくところが、私に寄り添ってくれた気持ちにもなって癒された。生きづら会ののうなセラピー効果があった。4人がつかず離れず結局1人で生きてる中に仲間に入れてもらえた感じがする。
あと夏枝が「フードコートで満足してそう」とディスられたり、真冬がヤスくんみたいなつまらないやつに思わせぶりな態度ど遊ばれたり(どうせヤスもクソみたいな人生で不満だらけだからこんなしょうもない遊びをしている。こいつマジでクソ)地味に嫌な気持ちになるところが割とありそうでリアル。
人生に、ものすごい幸運が舞い込んで一発逆転!なんて、ほとんどない気がする。なのに、今まで通り暮らせなくなってしまうようなトラブルは、わりとある気がする。
なぜ…!??
破滅に向かうのが人の定めなのか…?
読みながら、みんな我が身かわいさが過ぎるなと思いつつ、でもよく考えれば誰にとっても自分が主人公なんだから当たり前かと思い直す。
一発逆転が叶わなくても、自分を大事にして、少しでも幸せを見つけながら生きていけたら。
自分を大切にすることと、人を大切にすることは、ほんとはほとんど同じなのかもしれない。
小さな希望が灯ったような気がしました。
優しい人は、なぜか傷つけられる。
一言で言うとそんな小説だ。時に優しさは残酷さを招いてしまう。
四季をその名に持つ春来、夏枝、秋生、真冬の4人は、かつての恋仲であったり、長い友人であったり、職場の上司・部下の関係であったり、そして今は時々集まる気が置けない仲間だ。誰もが優しい。だから傷つけられる。
4人は冴えない中年になって、それぞれ「ひとり」の人生を歩んでいる。優しさゆえに、「ひとり」で生きざるを得ない。その日常では、いろいろなことが起こってくる。恋愛があり、病気があり、別れがあり、死があり。全くハッピーではないが、それが人生なのだ。
でもラストに救われる。
優しすぎて一歩を踏み出せなかった1人の新たなチャレンジ。ここで心が救われる。悪いことばかりじゅないんだ、人生は。
「わたしたちってさ、年取ったら同居しようとか、ルームシェアしようとか決して言わないところがいいなって思うの」
これからの時代、そんな感じに薄く、しかし強固につながる関係がいいのかもしれない。
歳を取ると一人でいる事に対する漠然とした不安感って出てくるのでこの作品はなんとなく気持ちが分かるような気がします。
なんやかんや仲の良い季節を名前に持つ4人。年取ったらルームシェアとかしようと言わない関係性が良いというラストあたりのセリフはそもそも孤独感はルームシェアで解消されるのかな?という思いにもなってしまう。個人的にはいざというときに誰かいると思えるかという事が大切で日々の生活に誰かがいる事が安心感をもたらすかは??と思った。
なにも怖くなかったのは、若かったからなんだろうか。
可能性は無限に広がっていて、お金はないけれど、やりたいことは躊躇うことなく楽しんでいたようにも思える。
それでも、自分にはないものを手にしている人に羨ましさも感じていたことも確か。
その時はその時なりの悩みや生きづらさはあった。
それでもあの頃とは違う。
40代、50代は人生の折り返し、この先を思うと不安に感じることが増えた。
私の葛藤は、物語の登場人物4人のそれとは全く違うものなのに、胸を締めつけ深く刺さる。
家族がいても、親しい友人がいても、結婚しようがしまいが、独りだと感じることはあるのだ。
私も彼等のひとりになったように、俯き、膝を抱えて溜息をつく。
何もかもすっきり万事解決となればいいのにと願いつつ、人生はそんなに簡単ではないなと、どこか諦めもする。
その繰り返しなのではないか。
それでいい、私なりに生きていこうではないかと思えた。
とてもよかった!感極まって泣かないように歯を食いしばるところもあった。
私は春来たちとと同世代で4人がそれぞれどんな答えに辿り着くのか教えを乞うような気持ちで読んでいました。
夏枝が離婚を決断して自由になったと思ったら、心は過去に縛られたままで徐々に弱っていく姿は辛かったです。でも、自力で立ち直って、自分の面倒は自分で見る、友達と助け合って生きていくと答えを出したときに、本当に理想の生き方だなと羨ましかったです。
春来は1人は淋しいから結婚したいと言いつつ、本音は自分の面倒を見てほしいから結婚したいのだと思っていたのは、男性の本音なんだろうと思いました。現代は男性にとって試練の時代なのかもしれないと思いました。
自由に恋愛して刹那な温もりの中で生きる秋生や、不幸な生い立ちから放り出されても逞しく生きる真冬。4人それぞれの生き方に共感と羨望の余韻に浸れる作品でした。
「男性は孤独に弱くて、一人ぼっちでいると生きる気力を失って…」
底意地の悪いツイートだと思いながら、その言葉に囚われる。
誰かと、恋愛してみたい、とか
誰かに愛されたいけど、誰かの家族にはなりたくない、とか。
春来・夏枝・秋生・真冬、ひとりで生きている40代4人の物語。