ラナと竜の方舟

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのEメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2024/04/18 | 掲載終了日 2024/04/10

ぜひ次のハッシュタグを付けてSNS等へご投稿ください:#ラナと竜の方舟 #NetGalleyJP


内容紹介

気がついたら、沙漠の町の前に立っていたラナ。隣にいた男の子ジャミルは「竜に乗って空を飛んできた」と言いますが、ラナは、いつ、どうやって来たのか覚えがありません。

その町は、沙漠のオアシスだったのが、いまでは人には見えない〈蜃気楼の町〉になっていました。竜は、いのちの危険にさらされている子どもを救いだして連れてきていたのです。

故郷から逃げ出そうとしていた自分も、危ないところを助けられたのだろうか? そうだとしても、これからどうすればいいの? どこへ行けばいいの? どう生きていきたいのか、ラナは自問します。

イランやトルコなどの中近東に造詣の深い著者が、死の危険と隣り合わせの子ども達への思いをこめて綴った、方舟の町を舞台にした物語。

気がついたら、沙漠の町の前に立っていたラナ。隣にいた男の子ジャミルは「竜に乗って空を飛んできた」と言いますが、ラナは、いつ、どうやって来たのか覚えがありません。

その町は、沙漠のオアシスだったのが、いまでは人には見えない〈蜃気楼の町〉になっていました。竜は、いのちの危険にさらされている子どもを救いだして連れてきていたのです。

故郷から逃げ出そうとしていた自分も、危ないところを助けられたのだろう...


おすすめコメント

この世界に重なっている竜の世界。これは遠い世界の出来事ではなく、今の時代に生きる生身の子どもたちを描いたファンタジーです。

この世界に重なっている竜の世界。これは遠い世界の出来事ではなく、今の時代に生きる生身の子どもたちを描いたファンタジーです。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784652206171
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 191

関連リンク

閲覧オプション

NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

おそらくは〈現代〉と地続きなハイファンタジーの世界。
竜使いが一時の休息をとる〈竜の方舟〉は、本来は無人の都市。なら、マジュヌーンの〈竜の方舟〉たる都市は、なぜこんなにもたくさんで様々な人々が暮らしているのか。それもみんな生き生きと。きっとそれは〈画伯〉と彼が描いたこの無人の都市のおかげ。それを見た竜使いマジュヌーンが、竜の〈人を助ける〉性を手助けするだけの〈寂しさ〉に気づき、その先の〈人と交わる〉ことに価値と幸を見出したから。だから、マジュヌーンの〈竜の方舟〉には活気があり、竜によって助けられ、ここに住む〈決心〉を自ら行った人々の口からでる言葉には、これほどの重みがあるのだろう。
新たにこの門をくぐったジャルミとラナ。〈現代〉にはそれぞれが来た場所として思い当たるところがある。どちらも、争いと苦しみと死がある場所。今の世界には、それから逃げられないところが数えられないほどある。だからこそ竜は助け、更にマジュヌーンは住むべき場所をまた開いたのだろう。
この心豊かな〈竜の方舟〉での経験の中、ジャルミはもといた所に戻る決心をする。そんな場所でもジャルミには大切な人が、大切な約束があるから。だから、それを手助けしようとするラナも思い出す。あの場所は苦しみだけではなかったことを。楽しかったことだってちゃんとあったことを。
そして、マジュヌーンの導きとラナの歌の手助けでジャルミは竜に乗って再び飛び立つ。「どこに着くか分からない」竜の旅。でも人の意思、人の願いほど強いものはない。だから、読んでいて不安になることはなかった。
そしてラナの気持ちも変わっていく。大切なのは、〈今〉を生きること。それを手助けしてともに歩んでくれる人々が、マジュヌーンの〈龍の方舟〉にはたくさんいる。だから慌てず、未来に向かって歩んでいって欲しい。見張りの塔のてっぺんで一人暮らす、そしてこれほど親しく話した経験はないだろうマジュヌーンもまた、それをきっと望んでいる。

苦しみに満ちた今の世界から助け出す、竜と竜の使い手。更に、いっときの安らぎと考える場を与える龍の方舟。今の世界に本当にあって欲しいと願ってしまう物語だった。

このレビューは参考になりましたか?

世界の紛争や災害から逃れて、蜃気楼の町「竜の方舟」へと運ばれてきた人たち。
「竜の方舟」からは、竜に乗らないと出ていけない。
出ていくかどうかを決めるのは本人で、出ていきたくなかったら、そのまま「竜の方舟」で暮らしてもいい。
外の世界は、もうこりごりだ、と「竜の方舟」で焼き物をしながら暮らすハリド、おばあちゃんの家に行くと約束したからと、「竜の方舟」を出ていくジャミル。
残るべきなのか、出ていくべきなのか、出ていくなら、どこに行けばいいのかわからないラナ。

この蜃気楼の町「竜の方舟」はファンタジーなのだけれど、その外で起こっていることは現実で、死と隣り合わせの子どもたちのことを思い、胸が痛くなった。
「竜の方舟」は、宗教もなければ、争いごともない、そういった桃源郷のような場所。
多くの人が、それを望んでいると思うのに、どうして、現実にはそういった場所を作ることができないのだろう。
淡々と書かれた文章から、平和を望み、子どもたちの身を案ずる著者の想いが伝わってきた。
装画、挿絵もとてもよかった。

このレビューは参考になりましたか?

新藤悦子さんの作品をはじめて読みましたが、深く心に残る作品でした。
ファンタジーでありながら現代の社会問題と重ねてあり、服装から中近東を舞台にしているのであろうと想像できます。ラナもジャミルも逃げていた途中で命の危険にさらされたのでしょう。竜に助けられ「竜の箱舟」と呼ばれる町に滞在することになります。平和ではあるけれどどこでもない場所にいるのは不安なはず。ジャミルを祖母のところへ送り届けることに全力を尽くしたラナも、いずれ自分の行き場を決めるのだろうなと思いました。

佐竹美保さんのイラストが物語にぴったりで本作の世界に入りやすくなっています。
孤高の竜使い、マジュヌーンが気になり、もっと知りたくなりました。

このレビューは参考になりましたか?