ハートレス・ケア

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刊行日 2024/09/03 | 掲載終了日 未設定

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内容紹介

【第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作品!】

〈あらすじ〉
新卒でやむを得ず介護職に就いたものの、転職を考えながら日々を過ごす主人公・大石正人。

人気の職業に就いた友人とは全く話が合わなくなった。ヘルパー歴十年以上の先輩たちのように長くこの仕事を続けられる気がしないし、真面目に仕事と向き合う同期のようになれるとも思えない。正人と同様に仕方なく介護職を選んだ年下の先輩は、「こんな底辺の仕事続ける意味ない」とまで言う始末。介護職の社会的地位の低さを正面から突きつけられ、正人は改めて自分が『負け組』である事実を思い知らされるのだった。

後ろ向きな気持ちのまま新しい業務を覚えていくなかで、「この人はどうして介護の仕事をしているのか」という疑問をきっかけに、職員や入居者との関係が少しずつ深まっていく。

完全に吹っ切れたわけではないものの、自分の気持ちの変化を感じ始めた正人。そんな矢先、友人から放たれた言葉に、前を向き始めた心がまたしても揺さぶられ……。

悩み抜いた先で、正人が選んだ答えとは?

元介護士の著者が描く、新米介護士の葛藤と成長の物語。

〈著者プロフィール〉
1991年生まれ。京都市出身。元介護士。2023年に『ハートレス・ケア』(旧題:Why do you care?)が第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞を受賞。

【第1回ハナショウブ小説賞 長編部門大賞受賞作品!】

〈あらすじ〉
新卒でやむを得ず介護職に就いたものの、転職を考えながら日々を過ごす主人公・大石正人。

人気の職業に就いた友人とは全く話が合わなくなった。ヘルパー歴十年以上の先輩たちのように長くこの仕事を続けられる気がしないし、真面目に仕事と向き合う同期のようになれるとも思えない。正人と同様に仕方なく介護職を選んだ年下の先輩は、「こんな底辺の仕事続ける意...


出版社からの備考・コメント

※ゲラは校了の前のデータであり、完本ではありません。
※発売前の作品につき、ネタバレを含むレビューやご感想はお控えいただきますよう、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
※全国の書店員様・NetGalley様でレビュアーの皆様にいただきましたレビュー・コメントを、帯、pop、web、SNS等で利用させていただいております。

※ハナショウブ小説賞とは?
opsol bookの所在地・三重県の県花でもある「花菖蒲」と「話で勝負(ハナしでショウブ)をする」という意味を込め、2023年に開設。 第1回に続き多数の応募が集まり、第2回でも大賞受賞作品の書籍化が決定(2025年春頃刊行予定)。
8月には、第3回の原稿募集が開始される。
「地方出版社」×「募集テーマが介護・医療・福祉」というめずらしさから、各種メディアが注目する期待の新人賞。

※ゲラは校了の前のデータであり、完本ではありません。
※発売前の作品につき、ネタバレを含むレビューやご感想はお控えいただきますよう、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
※全国の書店員様・NetGalley様でレビュアーの皆様にいただきましたレビュー・コメントを、帯、pop、web、SNS等で利用させていただいております。

※ハナショウブ小説賞とは?
opsol bookの所在...


おすすめコメント

本作品では「なぜ」がキーワードとなり、共に働く職員や入居者との繋がりを通して、正人が自身の職業と向き合う姿がリアルに描かれています。

人気イラストレーター・スカイエマ氏が手掛ける装画にもご注目ください!

本作品では「なぜ」がキーワードとなり、共に働く職員や入居者との繋がりを通して、正人が自身の職業と向き合う姿がリアルに描かれています。

人気イラストレーター・スカイエマ氏が手掛ける装画にもご注目ください!


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784434340031
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 318

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

この小説の主人公は、就活に失敗し、やむなく「介護」の仕事を選んだ青年。しかも現場でヘルパーをしている。毎日がイヤでイヤでならない。1日も早くこの仕事を辞めたいと思っている。だから人に仕事を尋ねられると「福祉」の仕事と飾って言う。
介護の現場はハードだと聞く。作業が物理的にも精神的にもハードであるだけではなく、人も足らなければ、給与も低い。典型的な「やりがい搾取」の職場だ。
介護の世界に金がないかといえば、そんなことはない。政治により金はある程度きちんと注ぎ込まれている。どうみても運営会社が儲けすぎている構造なのだ。工事現場のような多重搾取の下請け構造もある。だから現場で働く人が報われない。かなりの残念職場だ。建設現場のように、現場で働く人がきちんと報われる職場になって欲しい。
最近はDXにより少しは楽になってきているようではある。例えば夜中にはある回数、巡回して就寝を確認しなければならない。これは法律で決められているから必ずしなければならない業務。しかし就寝を遠隔で確認できるシステムが開発され、巡回せずとも就寝が確認できるようになった。巡回の手間が省けると同時に、寝ている人も無駄に起こされない。なかなかいいシステムで、これにより介護士の夜勤が楽になる。
この作品中にも書かれているが、入浴がけっこうな重労働だ。しかしその入浴も、寝たまま入浴の効果が得られる新しいマシーンが開発されつつあるらしい。お湯を噴射し、すぐに吸い取り身体の汚れを取る。水洗掃除機の応用、さすがジャパニーズテクノロジーだ。
しかしすべてをDXで省力化することはできない。どう頑張ってみたところで、最後は人手でなければならないところは残ってしまう。その最後の砦として、ヘルパーは欠くことのできない大切な存在。
ヘルパーにはもちろん技術としての介護能力は大切だ。しかし本当に大切なのは技術ではなく、相手を思いやる心であり、相手とのコミュニケーションを取る能力だ。この小説を読んで、ヘルパーに必要な能力は実は「心」だという気づきがあった。

これから老人はさらに増えていく。介護の需要は増すばかりだ。
そんな時代に介護をさらに充実させるために、少なくとも給与体系は改善して欲しい。働きに対してきちんと報いていかなければ希望がない。そしてキャリアパスもきちんと設計していかなければならない。
例えばフリーの介護士などが登場してもいい。施設や利用者と直接の契約を結び働く。そうなれば中間搾取もなくなり、高い賃金が可能になるかもしれない。隙間時間に働くという新しい勤務体系が登場してもいい。飲食のタイミーのようなシステムが介護にも登場するのかもしれない。
介護の世界はまだまだ発展途上だ。可能性だってある。
この作品を読んで、介護の可能性、未来を信じたい気持ちになった。

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大学四年の秋ごろまで就職が決まらなかった主人公の大石正人。
彼は新卒で仕方なく介護職に就く。しかし考えるのは転職のことで、転職に有利になるようにとりあえず半年は続けようと考えている。
しかし銀行員や公務員などになった友達との会話についていかれずにいた。
大石が務めるのは介護付有料老人ホームで、「認知症介護基礎研修」という研修を一日だけ受ければ無資格でも働ける職場である。
最初は日勤だけで、それから排泄介助やおむつ交換、入浴介助なども経験し夜勤も行うようになる。

私は看護師をしていた頃、病棟や訪問看護などで多くのヘルパーさんとともに働いていた。その手際の良さや細やかな気遣いに感謝をしている。
昔は看護師が行っていた処置をヘルパーも担うことも増え、負担ばかりが増えるのに給料の安さが続いている現状がある。看護師も介護職も3K、5K、などと言われるがその環境は今も変わっていない。
大石と同期の美南ちゃんが介護職を選んだ理由を口にしたとき、この子危ないなと経験的に察した。「人の役に立ちたい」「感謝されたら嬉しい」そんな理想を持ち入職する人は自分の理想通りにいかないとき壁にぶつかりやすい。
だから離職を考えながらも、どう利用者さんと接したらいいかと考えながら成長していく姿には好感がもてた。
私の親も介護付有料老人ホームでお世話になったのだが、遠方のためリネン類やオムツなど全てレンタルでお願いした。
だからなのかこの物語の中でいくつかの疑問を持った。週2回この施設では入浴するのだが衣類は施設内で洗濯するのにタオル類は家族が洗濯し持ち込むことになっていて足りない場合があるという言葉が描かれていたり、オムツ交換のときに毎回オムツをトイレまで取りにいくという描写が気になった。
大石はおむつ交換のとき利用者の羞恥心にまで心を寄せるのに、汚れたオムツを交換するときになぜ手元に新しいオムツをばに置きすぐに交換しないのかと思ってしまう。著者が働いていた職場ではそうだったのだろうか。

私は野島さんと同じような経験をしご家族から同じような言葉をかけてもらった。今は自分自身の身体のケアが必要な状態なので働いていないが天職だと思っていた。
大石は悩み抜きいったいどんな結論をだすのか。介護に必要なこととはいったい何なのか。どれだけきつくても、私は底辺の仕事だとは思わない。誰でも働けると思っている人がいるなら実際に働いてみるといい。やがて私も施設でお世話になるとおもっているからこそ、もっと介護職への理解と待遇改善が行われることを願っている。
大石はまだ若い。可能性は無限にある。だからこそ利用者さんと接するうちに喜んだり悩んだりしていく経験が糧になるといいなと思った。

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そうだ、そうだよ。
誰だって。好き好んで介護されたいわけじゃない。
自分のことは自分でやりたい。
当たり前だ。
ましてや下の世話など、他人にやってもらい人なんていないだろう。
それでも、そうならざるをえない時がくるかもしれない。
介護する側の思いが正直で、胸に迫ってくる。
介護する側、される側、両方の思いがしみじみと伝わってくる作品だった。

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