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ヨシモトオノ 表紙

ヨシモトオノ

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刊行日 2025/05/21 | 掲載終了日 未設定

ハッシュタグ:#ヨシモトオノ #NetGalleyJP


内容紹介

吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す

 日常の中でふと見える世界の裂け目。怖く、美しく、心の中に小さな不思議と希望の光を灯す怪談を集めた「吉本ばなな版遠野物語」

吉本ばなな×「遠野物語」が人生に光を灯す

 日常の中でふと見える世界の裂け目。怖く、美しく、心の中に小さな不思議と希望の光を灯す怪談を集めた「吉本ばなな版遠野物語」


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784163919843
本体価格 ¥1,800 (JPY)
ページ数 216

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NetGalley会員レビュー

不思議でどこかなつかしい、日常の隙間を覗いてしまった気分です。
誰も騒がなければこの世にはそういうことがありうるのかも、とあったように、私もきっとあるんだろうなと思いました。
少しのぞわっと、じんわり残るあたたかさ。いい塩梅の物語に浸っています。
幽霊、花、楽園はとくに大好きです!
そして心のノートに書き留めておきたくなるような、綺麗な文章がたくさんありました。
その綺麗な文章から情景が浮かび上がり、心が潤いました!
すごく素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました!

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大好きな吉本ばななさんの作品。
吉本さんの作品ではよく不思議なことが起こるので、彼女が遠野物語っぽいものを書くとどうなるんだろうと、わくわくしながら読み進めた。どこかで聞いたことがあるような怪談話なのに、そこに吉本ばななさんらしさが滲んでいて、「これは遠野物語を意識しています」と言われなければ、彼女の独自の作品として読めてしまえそうだった。若者の恋や美しくて悲しい話、後で思い出してみたら滑稽な話などさまざまだった。どのお話もきらきらしていて、日常生活を忙しく過ごしていると忘れてしまう人間や世界の優しさ、美しさが書き留められていて、こんな素敵な文章を読ませていただけたことに感謝したい。
たとえば、「唐揚げは体に悪い」と書かれた雑誌を破ってしまうシーン。こういうことってあるけれど、自分の感情をなかったことにしてしまいがちだから、そんなささやかな気持ちを私も持っているんだということを思い出させてくれた。

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吉本ばななさんの著書を読むのは初めてでした。そして、「遠野物語」にも興味がありましたので、『吉本ばなな版遠野物語』とはどういうものだろうという思いで、こちらを拝読させていただきました。

収録されている短編のうち、最初のいくつかは割と軽いタッチで話が進むのですが、次第に死、というよりも、遺された者がどう捉えるか、生きていく者としての思いが語られるものが多く、気がつくと、しんみりと考えさせられていました。

スピリチュアルな要素が強く、私が予想していたものとは少々違いましたが、不思議で興味深い1冊でした。

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怪異として畏怖されるほどではないながらも不思議なこと、ものを記した短編集だが、生きて営む上でのよすがにもなり得ることを指し示しているようで興味深い。そしてその特質は神や仏を厳密には信じない(信じる者がかなり少ない)現代の日本人のごった煮の宗教観とも相性が良さそうで、人智を超えたものでありながらも怪異からは程遠い距離感が受け入れられるのであろう。
縋りつくまではないにしても寄り添い願う心を巧みに示した短編集。

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不可思議とは私達の傍らに元々在る、不思議ではないこと達。それは心に優しさをもたらすきっかけであり、相手にぬくもりを与える糸口ともなる。そんな、怖くて温かくて光さすのが、吉本ばなな版「遠野物語」。

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『だまされすくわれ』
人と人あらざるモノたちが交わり暮らす地。最初は跡取り息子の言う事に首を傾げていたが、「スカウトされた」理由がわかって、思わず破顔した。そして、そこまで気遣ってくれるモノ達がいる。守られているのが羨ましかった。
2人の再会の様が目に浮かんでくる気がした。

『引き出し』
引き出しとは入れるのが楽しみなもの。なら、その逆はもっと楽しかったろう。いつの間にか入っていたと言う喜びは。
そして、時がその幸せに厚みを与えていく。普通の引き出しでさえそうならば、たつみちゃんの引き出しは、きっと。

『唐揚げ』
亡くなった者が残したモノ。懐かしい思い出として見たい。悲しみを招くものとして見たくない。その狭間に陥っているおばさんを、唐揚げ達よ、どうか解き放ってあげて。

『渦』
「思い出」とは昔の想いが素敵に着飾って出てくるものなのだろう。だから気持ちが満たされていくのか。でも、そこに巻き込まているだけでは今を生きていけない。
さて、私も朝日を浴びようか。

『幽霊』
クラスのみんなは、儚い雰囲気からあだ名が幽霊の〝彼女〟に優しい。見た目に反して意外にもお喋りでしっかり者の彼女を、読んでいて見直した。
なら、そんな彼女にゾッコンの〝僕〟がその理由を告げた時、それを信じられなかった。本当のことじゃないよね。信じさせてくれよ。

『光』
最初の2行を読みたくなかった。
フィクションの中だけでなく、ノンフィクションの中でも、私たちは不可思議と共に生きている。
それは、辛すぎる現実の中だった。でも、それとは逆のものを残したAさんに感謝を。きちんと受け止めて、こうして光を伝えてくれた著者に、深謝を。

『みだしなみ』
死産だった娘への愛情が、その悲しみを押し流すほど清らかで優しく包み込むものあるとは。ただ、それほどであっても、立ち直るのに膨大な時が必要なもの。
そんな母への、弟を介したメッセージ。あちらに行った愛し子もまた、親を想っている。現実は不可思議を覆い隠しているけど、ちゃんと在る。

『炎』
どんなに苦しんでもそれで死んだとしたら、それは1回限りで終わる。存在として残り無限にそれを体験し続けるのなら、それは自らが地獄そのものだろう。でも、その無限回数分手を差し伸べる無私の存在がちゃんといる。
それに気づかない妹にも、その手が差し伸べられるはず。無私なる救いは誰にでも訪れると信じてるから。

『花』
花を見に人はこの世を訪れたのに、それを忘れて生きる。花であることを知らずに生きる。だから、どうかもっと花を。自分達が花であることに気づくほどの花を。両方の世の全てが花で埋まる、そう願った。

『わらしどうし』
いつも一緒にいて、2人で未来を描いていた。だから「わらし同士」だったのだろう。その共に作り出した未来に生きることで、また一緒に生きる。片方は大人になったけど、でもまた「わらし同士」。改めて、これからずっと。更に3人一緒で。

『楽園』
母にとり、びわの木があるその庭は楽園だったのだろう。自分の持てた最愛のものがある場所、そこでは彼女は白魔術師。全てにおいて、愛において完璧な魔法使い。そこで育った弟は全身にそれを感じてる。だから、びわの木を受け継いだのだろう。そこが楽園のままでいるように、彼の魔法を使う事で。安寧が続いていくために。

『最良の事故物件』
こんな大家さんがいるから、生きている者も今は亡き者も、このアパートに引き寄せられたのだろうな。でも、こんな大家になったのは木戸くんのおかげ。〝僕〟に癒しを与えてくれていたのも木戸くん。だから、互いの心残りの橋渡しをした午前2時の〝僕〟。それが別れの始まりでも、縁は切れることはない。〝いない〟ことは〝繋がりがない〟ことではないのだから。

『思い出の妙』
人は思い出を書き換えていく。よりよく生きていくために。でもそれには、理由が必要。きっかけが必要。
怖かったことを、遥か時を経て懐かしく嬉しく思い出す〝私〟。〝おじさん〟は今もいる。〝私〟が覚えている限り。そして、歌を歌い続けているのだろう。自慢げに。

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何気ない文章が「うまいなあ、さすが吉本ばななさんだなあ」と惚れ惚れしてしまう表現ばかりで、たくさんブックマークをしながら読みました。「小さい宿の床板がみごとなひのきで、スリッパはな
く、裸足の足の裏が深く癒された」こういった飾り気のない一文も、難しい言葉を使わなくてもひのきの香りが伝わってくるようで、心が豊かになりました。「説明が職業である父」という表現もよかったです。Aちゃんを泊めてあげられないと電話で説明するところ、お父様の影響を感じられる説明でしたし、私も、自分の人生に起こる対人間の困難な現象へ、説明をあきらめないようにしたいと思いました。

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気付いたら泣いていた。物語の儚さ、優しさや強さが心のひだに触れ、今の自分にとって必要としている言葉を与えてくれた。
遠野物語を読んでからこの作品を読み始めたのだが、現代版にしたという物語ではなく「吉本ばなな版遠野物語」という表現がぴったりだった。
少し怖くて不思議で、そのなかで自分も同じ感情を持ったことや行動をとったことを思い出した。忘れられない辛い思いを追体験するような話もあったが、周囲の人たちの言動や、ちょっと不思議な体験を通して私も立ち直るきっかけがあったことを思い出した。
ちょっと不思議で怖くて、でも私はこの物語に春の日差しのような優しい希望を感じた。特に「幽霊」「光」「みだしなみ」が心に残った。
「光」に登場する小説が改題され出版されたので、その作品を読みもう一度「光」を読み直したいと思う。

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久しぶりの吉本ばななさん作品。普段怖いお話は極力避けているのですが、ばななさんが描いたらどうなるのかと興味が湧き手に取りました。日常に潜んでいると思わせる薄暗いような怖さと不思議。でも、読後は嫌な気持ちにはならなかったです。しばらくは一人ぼっちのときに部屋のあちこちのすき間が気になりそうですが…

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きっと、どこにでも日常の中には裂け目があって
そこを覗くか覗かないかなんだろうと思う。
吉本ばななさんの物語を読んで、そうかあれはきっと大人になった私に会いに来てくれたんだ、と不思議な体験をした明け方のこと。そして怖いものに対して想像力が無限にあった子供時代の記憶も、そこにはあやしてくれる温かい手があったことを思い出した。
誰にも打ち明けていない心の片隅にあるものが軽くなったようにも感じました。

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とことん美しいな…と、ただただ見ほれるように読みました。冷たくて温かいバスタブの中で静かに心地よさに浸っているような満足感。ばななさんならではの静謐な文章に導かれるように、心のざわつきが静まっていくようでした。どの物語も読んでいる最中も読み終わった後も、少し淋しさが漂いますが、そこが気持ち良い。別れも痛みも悲しみもただ、そこに在る―それでいいのだと言われているようでした。

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吉本氏による「遠野物語」その通りの物語だった。すぐ側にあるような、ずっと向こうのような不思議な?あるようでないようなおはなし。おはなしのいくつかは、読んでいるうちに自然に涙が出てきた。それは、どこかで体験したような気がした。やはり、現代の「遠野物語」だ。

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吉本ばななは久しぶりだ。吉本ばななが「遠野物語」と聞いて興味が湧き読んでみた。不思議な短編が続く。「遠野物語」を描くのではなく、現代の霊的な事柄が呼び起こす人と人との繋がり。それは、怪談とも言えるのかもしれないが、怖いというより、感じるのは救いである。人の縁は、かけがえのないもので、いつの世でも大切なものなのだと。

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遠野物語を知らないからか深く楽しむことはできなかったけど、吉本ばななさんの文章が心地よくて面白かったです。
遠野物語を読んでから、また読み直します。
特に「唐揚げ」が好きで、エッセイのような実話な雰囲気がある不思議な雰囲気が印象に残りました。

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吉本ばなな版「遠野物語」ということで、現代の怪談のようなSFのような不思議な話の短編集。なかでも異色なのは小説ではなく作者自身の辛い体験を書かれた「光」。どうにもできなかった苦悩と導かれた回答に何処か救われる。

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日常の裂け目、普段の生活の流れから少しはみ出してしまった部分が描かれている短編集。

怖い話は得意ではないが、この作品はすうっと心に入っていく不思議な感覚がある。小さな鍵穴を見つけた人がちらりと覗き込める世界。そして和紙に薄い墨を引くように、じんわりと染みていく。
特に心惹かれたのは「渦」。自分の中にもにた感覚があって過去に持っていかれそうになる優しい痛みがぐっときた。表現が美しい。

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やっぱり吉本ばななさん好きだなあ、と思い始めていた昨今。
このお話も細部まで好きでした。

 この本は13編の短編集からなる「吉本ばなな版遠野物語」です。「遠野物語」とは柳田國男が岩手県遠野市の民間伝承を聞き書きしたものです。

 妖怪といえば水木しげるのようなものを思い浮かべますが、ここでの話はあの世とこの世の境が所々にあって時々見えちゃう。時々出てきちゃう。といった位のものです。故にすんなり「あるかもね」と思える怖さ。
舞台は都会で現代なのですが、神様やご先祖さまへの畏怖と感謝の大切さを感じました。

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私は遠野物語を読んだことはないのですが、
遠野物語を知らなくてもこの『ヨシモトオノ』は楽しく読めました。

ホラーというよりは不思議な物語集という印象です。

ひとつひとつは短めのお話でどれも体験したことなんてないのに
なんだかうっすら懐かしい気持ちになるというとても不思議な感覚になりました。

そしてそんな不思議な感覚を体験できたことに、
すごく嬉しい気持ちになりました。
小さな小さな自分だけの宝物をやっと受け取れたような気がします。

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日常に、じんわり潜む不思議なような怖いような、でも読み終わった後に、心に一筋の光が宿るお話たち。
幽霊や怪異が人をどんどん襲ってくる派手さがあるわけじゃない。ちょっとした一言だけでゾクッとくるのが美しい。いつもの日常が、ぴりっと裂けて違うものが視えて、それでも人の営みは続いている。そこに明確な光があるわけじゃなくて、道標みたいな光を感じるのが、とっても素敵でした。
だって、生きるのも死ぬのもみんなが通る道で、生きている人も死んだ人も、確かに「存在」していたんだよなあと感じました。

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不思議なものを見たとか、体験したという話は多くの物語になっているし、知人から聞くこともあります。

 なんだか分からない力を感じて、某神社に入れないという友人がいたし、引出しの奥に入っていたお父さんの写真を見て、しばらく連絡してないなぁと思っていたら、電話がかかってきたという話をしてくれた友人もいました。

 そういう不思議なことを怖いと思うのか、自然に受け入れてしまうのかは人それぞれです。ばななさんが紡ぐ物語に登場する人のほとんどは自然に受け入れてしまう人たちです。他の人には見えないけれど、自分にだけ見えてしまうものに対して、友達のように接するというのはとても日本人的な気がします。

 わたし自身、霊のようなものではないけれど、こんなところでこの人に会う?という経験を何度かしたことがあります。理屈ではわからないようなことってあると思っているわたしにとって、こういうことがきっとあるよねと感じる物語ばかりで、とても楽しめました。

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この世とあの世をつなぐ通路はそこかしこにあって、多くの人はそれに気づくことはない。
けれど、たとえば死の気配に触れた時、心と身体に十分なエネルギーがない時なんかに、目が合ってしまうのだろう。
幼少期に見ていた世界の破片なのか、魂の記憶なのか、私にはわからない。
畏怖と同時に、安寧の心地が心を満たしていく。
物語は、この世の真理とつながる扉をひらく。
踏み入らないという選択も、思い出すという決意も、私たちには平等に与えられている。

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現代版の『遠野物語』を思い出すような怪談話集。
どれも短いお話、13篇。

怪談話によく出てくるような、狐の使いとか
座敷わらしとか。
怖い話のはずだけど、吉本ばななさんのあの
独特の文体で描かれているからか、全く怖くはなく
面白い。むしろ、温かく感じる。

一番好きだったのは
『最良の事故物件』
大家さんのおばあさんと、僕と、幽霊の木戸君の話。
感動すら覚える物語でした。
小説の中に、矢部太郎さんの「大家さんと僕」が出てきて笑った。

ばななさんの私小説のような『光』は重かった。
占い師の友人と、精神病で後に自殺する知人の話で
ばななさんの私生活が心配に。
そんなにご自身を責めないで。

人間には生と死があり、死を受け入れるのは難しい。
幽霊とは人間の心の中にあって、時には人の悲しみ
を救うのだな、と感じられた。

ばななさんの文章は読みやすく、とても面白かった
のだけれど、何故か読み終わるまでに
何度も寝落ちしてしまった。
不思議な夢の続きのような物語だったからだろうか。

真夏の夜なんかに、また読み直したい。

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ちょっと怖いけど美しくて神秘的な世界観が広がります。
吉本ばなな先生の、やわらかくてあたたかい文章が日常の中の非日常を、より、あるかもしれない!と思わせる。
全部実体験なのでは!?と感じる敏感な登場人物たちの感情の揺れに、忘れかけていた言葉にならない想いが、ふと優しく息を吹き返しました。

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久しぶりに読んだ吉本ばなな作品。とてもおもしろかった。もしかしたらいるかもしれない、と思うあの世とこの世の境目にいそうなおばけやら何やらを優しい視線で書いていると思った。人には話せないと思うことでも、一人では抱えきれず、それを共有できる人が一人いればそれだけで前を向いて進めそうな思いになることはある。そんな共有してくれるひとをちゃんと存在させている作品のように感じたから、こわいという思いより、その作品の終わりはどうなるんだろうという思いで、先に先にページをめくって読み進めた。
だから、読み終えたときも「怖い」より「温かみ」のほうが多かったように思う。

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不思議な出来事の短編集。霊など出てきても、怖い存在ではないので、夜でも問題なく読めます。日常の出来事の中から
心がほわッとするものを抜き出している感じのストーリーばかりで、吉本さんらしく感じられます。特に最後の大家さんの信念?が腑に落ちて、今後の私の生活に大きな影響を与えてくれました。

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大好きな吉本ばななさん。
久しぶりに読んだけど、吉本ばななさんワールドに引き込まれて、どっぷりはまれました☺️
短編なのに、余韻があるものが多くて…不思議な世界に踏み入れたみたい。
ちょっと怖くて不思議なお話ばかり✨
読ませていただき、ありがとうございました❗

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「大切なことをキャッチできる自分たちでいるためには、愛するしかない、この世界を」

タイトルはよしもとばなな版遠野物語とのこと。
世界の裂け目に遭遇し、それは結果として長い目でみたら人生に少しだけ光を与えることになったことを描いた短編集。

生きていることを祝福するような一冊。

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吉本さんの文体はとてもよみやすく、頭にスッと入ってくるので存分にその怖さというのがビビッとくるよりもソワソワーっと染み渡るようでした。普段あまり書かないし書くのに時間をかけてしまったとあとがきにありましたが、個人的にはいつもの作品に散りばめられていたホラー的な要素があったように思い、読み手としては驚きはなかったものの、一冊にまとまるとそれはそれで異質な感じがします。

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やっぱり吉本ばななさんは天才だと思う。あとがきでこの作品の産みの苦しみを語ってくれているが、現代版遠野物語というよりも、今の若い読者にはこちらの作品の方が100倍ステキに感じるはずだと思う。テーマは「家族若しくは近しい人」なんだと思うけど、誰もが共感するところがあるあるで、つい作品世界にのめり込んでしまう。やっぱり彼女は天才だわ。

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不思議な夢を見たことは誰にでもあるだろう。それはこれから起こることを伝えるためか、それとも未練なのか、心を整理するための行いでもある。現実では起こるはずのないこと、見えないはずのものが見えたとして、それは恐怖なのだろうか。会えない人に会えるという希望でもあるだろう。私たちは当たり前の日常の中で大切なことを忘れてしまうときがある。肉体があるからここに存在しているのに。人生の歯車が少しでも狂うと悲哀が襲う、吉本ばななさんの救われる怪談話は一つだけ実話であるという。誰もが戻れない道に微かな望みを探し続けている。

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もともと遠野物語が好きで、吉本ばななさん流の遠野物語はどんな感じなのだろうと思って読み始めた。この作者の本は、若い頃に読んだきりだったのだが、この短編集、どれもとても読みやすく、日常生活の片隅に潜む遠野物語的なものが、どの作品にも現代風に良く描かれていたように思う。夜、一人で読んでいたのだが、ものすごく怖いということはなかったものの、読み終えた後、ふと思い出して吟味してしまうような、不思議な魅力ある作品集だった。また続編も書いてほしいなぁなんて思ってしまった。

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思わず実話なのかなと思ってしまうような、実際にありそうなちょっと怖くてちょっと不思議な話を集めた短編集。
飾り気のないぞ僕な文章の中に、ほんのり温かみとユーモアを感じました。
どの話もゾッとして終わるとか後味の悪さが残ることもなく、むしろ前向きに一歩を踏み出せるような終わり方になっているところが、お見事だと思います。

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実は初めての吉本ばなな作品で、デビューがこれで果たして良かったのか。「吉本ばなな✖️遠野物語」はどんなものかと読んでみたら、不思議な話だけどこれ遠野物語なのかなと思いつつ、とても面白く読めた。あとがきに「藤子・F・不二雄の『SF(少し不思議』くらいに思って」とあり、とても納得。途中挟まれたご自身の経験された実話を基にした話は少し悲しさが強かったけど、ほんのり不思議、ほんのり暖まる話が多かった。

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